アイキャッチ画像はNHK WEB特集からお借りしました。
ホンダヴェゼル購入記№77
日本からロシアへ中古車の輸出が急増
8月の最大の輸出港からの輸出額が過去最高に
アイキャッチ画像の通り、富山からのロシアへの中古車輸出はロシアのウクライナ侵攻以降右肩上がりに急増し、8月には過去最高の193億円に達しました。
富山県の伏木富山港はロシアへの一大輸出港で、ソビエト時代に木材の輸入港として栄えました。ソビエトへの帰り荷として中古車の輸出が始まり、今では中古車輸出が主体の輸出港となっています。
日本全体のロシアへの中古車輸出も303億円で、過去4番目の高水準になっているとか。
ロシアへの制裁下、中古車輸出は可なのか
ロシアへ輸出禁止の経済制裁を課しているいる現在、中古車輸出が過去最高水準という現状は何故なのか、輸出することに問題はないのか。
この点についてNHKニュースでは次のように解説しています。
ことし3月、600万円以上の自動車を「ぜいたく品」とみなして輸出禁止に。600万円という金額は、欧米各国と足並みをそろえて設定されました。6月にはトラックやダンプカーといった貨物自動車やブルドーザーをはじめとする建設機械の輸出も「産業基盤に圧力をかけるため」として、禁止にしました。
一方、600万円を下回る乗用車は、新車、中古車を問わず、禁止対象にはなっていません。
また、ロシアの主要な銀行は貿易などの送金で使われる、SWIFTと呼ばれる国際的な決済ネットワークから締め出されていますが、中古車販売で使われている一部の地方銀行などは、SWIFT規制の対象になっていないということです。
ニュースを補足します。
この輸出禁止措置は3月に経済産業省が3月29日に発表したもので、ロシアのプーチン大統領を支えるオリガルヒ(新興財閥)に対する圧力を強めるための政策でした。
主要7カ国(G7)首脳が11日に出した共同声明で、プーチン大統領を支えるエリート層や富豪などにぜいたく品が渡らないようにする方針を明記したことに日本も同調したからです。
EUは300ユーロ(約4万円)を上回るぜいたく品を対象としています。それが日本は600万円というのはちょっと解せぬところです。
ランクル、ハリヤー、ヴェゼルが人気
ニュースでは業界の状況について、富山県射水市で20年以上前からロシア向けを中心に中古車や重機の輸出を手がけているパキスタン人のアリさんが登場し、業者からの連絡がひっきりなしに寄せられていて休む暇もないと言います。
アリさんのコメントがこれです。
「中古車販売業者も運送業者も港湾業者もとにかく忙しい。傾向としては、走行距離が少なく、新車に近い状態の車が特に人気になっている。ランクル、ハリヤー、ヴェゼルといった車種だ」
本題とはややズレますが、なんと「ヴェゼル」と言っています。ヴェゼルオーナーとしては嬉しいね😊
(走行距離はもうじき6万キロになるけど・・・)
ロシアで日本車の中古車バブルが発生
ロシアでは日本車の中古車バブルが発生しています。
ニュースに登場したウラジオストクのロシア人ブローカーは、今年5月に通常の1年分に当たる300台を販売したと言っています。
もちろん輸出する日本でもロシアからの需要の高まりを受けて、平均70万円前後で推移していた中古乗用車1台当たりの価格が、ことし8月にはおよそ144万円と2倍以上に膨らんだとのことです。
日本からの中古車輸出急増の理由
ニュースでは日本からロシアへの中古車輸出急増について次の3点を理由に挙げています。
- 自動車の供給不足
- ロシアの通貨防衛策による、ルーブル高と円安
- 資産としての車
丈夫で基本性能が高い日本車
①は容易に想像がつきます。日本車メーカー各社はロシアから続々と撤退し、日本車を調達する手段は輸入しかなくなりつつあります。
もちろん日本よりも所得水準が低い多くのロシア国民に日本製の新車は手が届かないでしょう。
ならば必然的に中古車へ需要は向かいます。
日本車は丈夫で基本性能が高いため、中古車であっても欲しいという人が多いのは頷けます。
ちなみにですが、ロシア最大の自動車メーカーのアフトワズのコンパクトSUVニーヴァ(全長3,640mm×全幅1,680mm×全高1,640mm)は1977年にデビューして以来、基本的なデザインは変えられずに作り続けられているとのことです。
サスペンションは1970年代の四輪駆動車としては画期的な前輪独立懸架であったのみならず、後輪も固定軸ながら5リンク式コイルスプリングを採用している。最低地上高は23.5cm取られており、水深51cmまでなら水上走行も可能である。
デビュー当初からマイナーチェンジは繰り返されているものの、フルモデルチェンジはされることなく生産され続けている、「生きた化石」ともいえる存在である。
Wikipedia
確かに「生きた化石」感がしますね・・・
ロシアで6割も安く手に入るようになった日本車
これほどまでにロシアで日本の中古車が売れるの何故なんでしょうか。
下の図はロシアルーブルの2年週足チャートです。
ロシアがウクライナに侵攻開始するまで、レートは1.5円前後で推移していました。
侵攻開始した2022年春に一旦0.8円を割るルーブル安に陥りましたが、その後急回復し、現在では2.4円前後で推移しています。
ロシアが日本から中古車を輸入する場合、ウクライナへの侵攻前より6割(2.4円÷1.5円=1.6)も購買力が向上しています。
今まで100万ルーブルで150万円の日本車しか買えなかったのに、240万円の日本車が手に入るんです。
ロシアのルーブル高と同時進行の円安が拍車
この背景にはロシアの政策的なルーブル高が挙げられます。
ニュースでは
ロシアは通貨防衛策として、政策金利を一時20%に引き上げたほか、ロシア産天然ガスの購入代金を、ルーブルで支払うよう義務づけた。
また、天然ガスなどエネルギーの輸出で稼ぎを確保する一方、制裁の影響でロシアは輸入できるモノも量も減っているので、貿易上では黒字が膨らむことになり、ルーブル高となっている。
と伝えています。(政策金利20%って (*_*; )
もちろんルーブルと円とのレートの乖離は、ロシアのルーブル高だけでなく、同時に進行した日本の円安も拍車をかけています。
物価高防衛策としての現物資産としての日本車
社会情勢が不安定になると、資産として現金より車を持つほうが安心だと考える人が多いと言います。
ロシアはソビエト崩壊直後の1992年には、インフレ率が2600%になるなど経済危機を幾度となく経験してきました。
国民のルーブルへの信頼度は低く、、先行きの見通せない現在のような状況では、車や不動産などの資産に換える傾向が強いと言います。
物価が安定しない、または通貨の信頼度が低い場合は現物資産を持つことが自分を守ることにつながります。
ウクライナへの侵攻以降、ロシア経済は大きく混乱しています。
また、ロシアでは日本の中古車の「資産価値が高い」ことも背景にあるんだそうです。
「金」が代表的な現物資産ですが、ロシアは今、丈夫で基本性能が高い日本車を現物資産として保有するというのが常識になっているようです。
ロシア今の貴重な情報を提供してくれているユーチューバー森翔吾さんのYouTube動画でも、ロシアの急激な物価情報で購入したばかりのフォレスターの価格が急騰したと報告されています。
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中古車価格の高騰はロシアだけが原因ではありません。
元々は半導体不足やコロナ禍での工場の稼働率の低下や物流の停滞による部材不足に端を発しています。
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