アニメ【闇ヒーラー】第1話「相応の対価」解説
原作は「小説家になろう」発の大人気ライトノベル
ここからの部分は前回の徹底解説編👇と同じです。
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圧倒的な支持を得た原作の魅力
『一瞬で治療していたのに役立たずと追放された天才治癒師、闇ヒーラーとして楽しく生きる』(通称『闇ヒーラー』)は、菱川さかく先生によるライトノベルが原作です。この物語は、まず小説投稿サイト「小説家になろう」で発表され、読者から絶大な支持を集めました。特に、2021年4月には「小説家になろう」の四半期総合ランキングで1位を獲得するほどの人気を博しました。
物語の主人公は、治癒師の青年ゼノス。彼は冒険者パーティのために貢献し続けていたにも関わらず、「最近何もしていない」「役立たず」という理不尽な理由で追放されてしまいます。貧民の生まれで自己流の治癒魔法を使うゼノスは、正規の治癒師ライセンスを持っていません。しかし、その治癒能力は誰も真似できないほど天才的なものであり、本人はその凄さに気づいていない「無自覚最強」キャラクターです。

書籍化とメディアミックス展開
「小説家になろう」での人気を受け、本作はSBクリエイティブのGAノベルから書籍化されました。2024年3月時点でシリーズ累計発行部数は20万部を突破しており、多くのファンに支持されています。原作小説では、キャラクター原案をだぶ竜先生が担当しています。さらに、物語の人気は広がり続け、コミカライズも進行中です。原作小説を読むことで、アニメでは描ききれないゼノスの詳細な心理描写や、彼を取り巻くキャラクターたちとの関係性、そしてより深く緻密な物語の世界観を味わうことができます。

待望のTVアニメ化!『闇ヒーラー』の概要
アニメ化決定から放送開始まで
原作の人気はとどまることを知らず、ついにメディアミックス展開としてTVアニメ化が決定しました。アニメ化の発表は2024年3月9日に開催された「GA FES 2024」のステージイベントで行われ、ファンを大いに沸かせました。そして、約1年の準備期間を経て、2025年4月3日よりTOKYO MX、BS11ほかにて待望のTVアニメ放送がスタートしました。また、ABEMAおよびdアニメストアでは地上波放送と同時に配信が開始され、より多くの視聴者が楽しめる環境が整っています。
アニメ制作陣と作品の魅力
TVアニメ『闇ヒーラー』のアニメーション制作は、新進気鋭のスタジオ、マカリアが担当しています。監督には吉崎譲氏、シリーズ構成・脚本には宮城大翔氏、キャラクターデザインには電風扇氏と澤田慶宏氏、音楽には富貴晴美氏といった実力派のスタッフが集結し、原作の魅力を最大限に引き出す映像化に挑んでいます。

アニメでは、パーティを追放され行くあてもなかったゼノスが、路地裏で腹を刺され瀕死状態だったエルフの少女リリと出会う場面から物語が動き出します。ゼノスはその規格外の治癒魔法でリリを瞬時に治療。この出会いをきっかけに、ゼノスは貧民街の外れにある廃墟街で、リリと共にひっそりと治療院を開業します。
ライセンスを持たない「闇ヒーラー」として、しかしその天才的な治癒能力で、怪我や病に苦しむ人々を助けていくゼノス。時には弱き者を助け、強き者や悪徳な権力者からは法外な治療費を請求するなど、闇医者ならぬ「闇ヒーラー」として、人を癒し、世の不正をも正していく…かもしれない、新感覚のダークヒーローファンタジーが描かれます。ゼノス役の坂田将吾さん、リリ役の花井美春さん、そして治療院の2階に住む謎多きレイス・カーミラ役の日笠陽子さんをはじめとする豪華声優陣の演技にも注目です。
『闇ヒーラー』キャラクター紹介
ゼノス (CV: 坂田将吾)

- 背景: 貧民の生まれで、自己流の治癒魔法を使う治癒師の青年です。かつて所属していた冒険者パーティからは「役立たず」と言われ、わずかな手切れ金と共に追放されてしまいました。治癒師の正規ライセンスは持っていません。
- 性格・特徴: 追放後、貧民街の外れにある廃墟街でひっそりと治療院を開業します。正規の教育を受けていないため、自身の治癒魔法が非常に強力であることに気づいていません。困っている人を見ると放っておけない優しさを持っていることが、リリを助ける行動からうかがえます。
- ヒーラーとしての能力: 正規の教育を受けていないにも関わらず、腹を刺された瀕死のエルフを一瞬で、痛みもなく完全に治療してしまうほどの極めて高い治癒能力を持っています。しかし、本人はその能力の異常な高さや価値を全く自覚していません。
リリ (CV: 花井美春)

- 背景: 腹を刺され瀕死の状態だったところを、偶然通りかかったゼノスに助けられたエルフの少女です。
- 性格・特徴: 命を救われた恩から、ゼノスの手伝いをすることを決め、彼の治療院で一緒に生活を始めます。健気で、ゼノスを支えようと努力する様子がうかがえます。
- ゼノスへの対応・感情: 命の恩人であるゼノスに対して深い感謝と信頼を寄せていると考えられます。彼のそばで手伝いをすることに喜びを感じているようです。詳細な感情については、公式サイトの情報だけでは判断が難しいですが、好意的に接していることは間違いありません。
カーミラ (CV: 日笠陽子)

- 背景: アンデッドの頂点に君臨するとされる「レイス」ですが、その詳しい素性は明らかになっていません。ゼノスの治療院の2階に住み着いています。
- 性格・特徴: ミステリアスな存在で、ゼノスの周りで起こる厄介事を面白がって観察している節があります。達観したような態度を見せることが多いかもしれません。
- ゼノスへの対応・感情: ゼノスに対して直接的な干渉をするよりも、彼の行動や周囲で起こる出来事を傍観者として楽しんでいるようです。彼女がゼノスに味方するのか、あるいは別の目的を持っているのかは、公式サイトの情報だけでは不明です。
ゾフィア (CV: 永瀬アンナ)

- 背景: 貧民街を実質的に支配している亜人の三大勢力の一つ、「リザードマン」のトップを務める人物です。弟にゾンデがいます。
- 性格・特徴: 一つの勢力を率いるリーダーとしての威厳や統率力を持っていると考えられます。冷静沈着、あるいは力強い性格かもしれません。
- ゼノスへの対応・感情: 貧民街で治療院を開いたゼノスとどのように関わっていくのか、現時点では公式サイトの情報だけでは不明です。彼女の立場上、ゼノスの存在を無視できない可能性はあります。
リンガ (CV: 陽高真白)

- 背景: 貧民街を支配する亜人の三大勢力の一つ、「ワーウルフ」のトップです。
- 性格・特徴: ワーウルフを束ねるリーダーであり、その種族的な特性(例えば、野生的な勘や力強さなど)を持っている可能性があります。
- ゼノスへの対応・感情: ゾフィアやレーヴェと同様に、貧民街の新たな因子であるゼノスに対してどのような態度をとるのか、公式サイトの情報だけでは不明です。
レーヴェ (CV: 菊池紗矢香)

- 背景: 貧民街を支配する亜人の三大勢力の一つ、「オーク」のトップを務めています。
- 性格・特徴: オークという種族のイメージ通り、力強さや実直さを重んじる性格かもしれませんが、勢力のトップとしての知略も持ち合わせている可能性があります。
- ゼノスへの対応・感情: 貧民街の勢力バランスに関わる可能性のあるゼノスに対し、どのような関心を持つのか、公式サイトの情報だけでは不明です。
クリシュナ (CV: 中島由貴)

- 背景: 王都の治安維持などを担う近衛師団の副師団長です。「鋼鉄の淑女(アイアン・ローズ)」という異名を持っています。
- 性格・特徴: 異名の通り、鉄のように固い意志を持ち、任務を忠実に遂行する真面目で厳しい性格であると推測されます。街の安全を守ることに強い責任感を持っています。
- ゼノスへの対応・感情: 無免許で治療院を営むゼノスの存在を知った場合、その職務上、何らかのアクションを起こす可能性があります。彼女の正義感や職務への忠実さが、ゼノスとの関係にどう影響するかは現時点(4月12日現在)では不明です。
ゾンデ (CV: 八代拓)

- 背景: 貧民街を支配するリザードマンのトップ、ゾフィアの弟です。
- 性格・特徴: 姉であるゾフィアを支える立場にあると考えられます。姉とは異なる性格(例えば、血気盛ん、あるいは思慮深いなど)を持っているかもしれません。
- ゼノスへの対応・感情: 姉のゾフィアと共に、あるいは独自にゼノスと関わることになる可能性がありますが、公式サイトの情報だけでは不明です。
アストン (CV: 水中雅章)

- 背景: ゼノスが以前所属していた冒険者パーティのリーダーです。貧民街にいたゼノスを拾い、パーティに入れましたが、後に「役立たず」として追放しました。
- 性格・特徴: ゼノスを利用価値のある道具のように扱い、こき使っていたことが示唆されています。目的のためなら他者を利用し、不要になれば切り捨てるような冷徹さや功利的な性格を持っていると考えられます。
- ゼノスへの対応・感情: ゼノスに対しては、利用価値がないと判断して切り捨てた対象であり、見下している感情を持っている可能性が高いです。ゼノスの真の能力を知らないため、追放したことを後悔するような描写があるかは不明ですが、再会した際には再び彼を利用しようとするか、あるいは敵対する可能性が考えられます。
第1話「相応の対価」あらすじ:追放された天才治癒師ゼノスの信念とは?
2025年春アニメの中でも注目作の一つ、『一瞬で治療していたのに役立たずと追放された天才治癒師、闇ヒーラーとして楽しく生きる』(通称『闇ヒーラー』)。その記念すべき第1話「相応の対価」が放送されました。
今回は、この第1話のあらすじを振り返りつつ、物語の核心に迫るテーマやキャラクターの魅力、そして「追放&ハーレムもの」という当初の僕の誤解を解きながら、本作の真の面白さを徹底解説していきます!
序章:貧民街に佇む秘密の治療院
廃墟に響く日常の音
物語の舞台は、優秀な治癒師を多く抱えるハーゼス王国の片隅、貧民街のさらに奥にある廃墟地区。かつては人が住んでいたであろうその場所に、今はひっそりと一つの治療院が佇んでいます。
天才治癒師ゼノスと助手リリ
朝、エルフの少女リリ (CV: 花井美春) が、この治療院の主である青年ゼノス (CV: 坂田将吾) を起こし、紅茶を淹れるところから物語は始まります。ゼノスは、正規のライセンスを持たない「闇営業」のヒーラー。しかし、その腕は確かで、今日も朝から怪我人が彼の治療を求めてやってきます。
リリは、瀕死の状態だったところをゼノスに救われた恩から、彼の助手として甲斐甲斐しく働いています。廃墟でのささやかな、しかし確かな日常がそこにはありました。
往診先での新たな出会い
治療院での仕事を終えたゼノスは、往診へと向かいます。貧民街を歩く彼の目に留まったのは、道端で苦しそうにうずくまる一人の亜人の姿でした。放っておけない性分のゼノスは、彼に声をかけます。
この出会いが、ゼノスの「闇ヒーラー」としての運命をどのように動かしていくのでしょうか? 第1話は、これから始まる波乱に満ちた物語の、静かな幕開けを感じさせます。
第1話から紐解く『闇ヒーラー』の世界観
第1話では、まだ物語の全貌は明らかになりませんが、今後の展開を読み解く上で重要な要素が散りばめられています。特に主人公ゼノスの背景と、彼を取り巻く環境に注目してみましょう。
理不尽な追放と無自覚な才能
ゼノスは、もともと冒険者パーティに所属する治癒師でした。貧民街出身の彼を拾い、パーティに入れたのはリーダーのアストン (CV: 水中雅章) 。しかし、ゼノスの治癒魔法はあまりにも一瞬で完了してしまうため、その凄さが理解されず、「最近何もしていない」「役立たず」という理不尽な理由で追放されてしまった過去を持ちます。
彼は正規の教育を受けておらず、治癒魔法は完全に自己流。そのため、自身の能力がどれほど規格外で強力なものなのか、全く自覚していません。まさに「無自覚最強」のキャラクターと言えるでしょう。

なぜ彼は「闇」ヒーラーなのか?
ゼノスが「闇ヒーラー」と名乗る(あるいは、そう呼ばれる)理由は、単に無免許だからというだけではありません。彼は、治療の対価として患者の状態や素行に応じて「相応の対価」を要求します。貧しい者からはほとんど何も取らない一方で、悪人や裕福な者からは法外な金額を請求することもあるようです。
この、相手によって対価を変える姿勢、そして権力や常識に縛られずに自身の信念で患者を救おうとする姿が、「闇」のヒーラーたる所以なのかもしれません。しかし、その根底にあるのは、困っている人を助けたいという純粋な優しさです。

ヒロインたちはハーレム要員ではない!
正直に告白すると、僕はこの作品の第1話を観た当初、「またよくある追放からのハーレムものか…」と少し穿った見方をしていました。ゼノスの周りには、早くも魅力的な女性キャラクターが集まり始めていたからです。
リリとの出会い:命の恩人への献身
第1話の冒頭から登場するエルフの少女リリ。彼女は腹を刺され瀕死だったところをゼノスに救われました。その恩返しとして、彼の治療院で助手として働くことを決意します。彼女のゼノスへの態度は、単なる恋愛感情というよりも、命の恩人に対する深い感謝と信頼に基づいているように見えます。健気にゼノスを支えようとする姿は、応援したくなりますね。

カーミラの存在:謎多き傍観者?
治療院の2階には、アンデッドの頂点とされるレイスのカーミラ (CV: 日笠陽子) が住み着いています。彼女はゼノスの周りで起こる出来事を面白がりながら見守っているような、ミステリアスな存在。達観したような態度で、ゼノスに直接干渉するわけでもなく、かといって敵対するわけでもない。彼女が物語にどう関わってくるのか、非常に気になるところです。

彼女たちがゼノスに惹かれる本当の理由
第1話だけを見ると、確かにゼノスの周りに女性が集まってくるように見えます。しかし、第2話以降の展開(原作やコミックを読んでいる方はご存知かもしれませんが)を知ると、彼女たちがゼノスに惹かれる理由は、単に助けられたから、あるいは主人公だから、という安直なものではないことが分かります。
ゼノスの持つ規格外の治癒能力、ライセンスがなくても患者を救おうとする強い信念、そして貧しい者や虐げられている者にも分け隔てなく接する優しさ。そういった彼の本質的な魅力に、彼女たちは惹かれているのではないでしょうか。特に、一瞬で終わるために誤解されやすいゼノスの治療の真価を、彼女たちは理解しているのかもしれません。これは、安易なハーレム展開とは一線を画す、キャラクター同士の深い関係性の物語なのです。 貧民街の勢力図とゼノスの立場
ゼノスが治療院を構える貧民街は、無法地帯というわけではありません。そこには亜人の三大勢力が存在し、街を実質的に支配しています。
三大亜人勢力(リザードマン、ワーウルフ、オーク)
- リザードマン: トップはゾフィア (CV: 永瀬アンナ)。弟にゾンデ (CV: 八代拓) がいる。
- ワーウルフ: トップはリンガ (CV: 陽高真白)。
- オーク: トップはレーヴェ (CV: 菊池紗矢香)。
これらの勢力が、貧民街の秩序(あるいは混沌)を維持しています。
リリ特製シチュー消失事件の真相とは?
リリお手製シチューを巡るドタバタ劇
アニメ「闇ヒーラー」第1話では、主人公ゼノスと彼を慕うキャラクターたちの日常が描かれます。その中でも特に印象的なのが、リリが作るシチューを巡る一連の騒動です。
ゼノス不在中の出来事:リリのシチュー作り
物語は、ゼノスが往診で不在にしているところから始まります。彼の帰りを待つ間、助手を務めるエルフの少女リリは、心を込めて特製のシチューを作り始めます。廃墟同然の治療院に、美味しそうな匂いが漂い始めます。

予期せぬ来訪者:ゾフィア、リンガ、レーヴェ登場
そこへ、ゼノスを訪ねてリザードマンのゾフィア、ワーウルフのリンガ、オークのレーヴェが現れます。彼女たちは貧民街の有力者であり、ゼノスに治療してもらった恩があります。リビングでゼノスの帰りを待つことになった3人。ちょうどその時、リリは洗濯物を取り込むために少し席を外します。
まさかの展開!シチューが消えた?
リリは外に出る際、3人に「シチューを見ておいてくださいね」と頼みます。しかし、食いしん坊の3人組は、味見と称してシチューをつまみ食い。美味しさのあまり夢中になり、気づけば鍋は空っぽに…!戻ってきたリリは、空になった鍋を見て唖然とします。楽しみにしていたシチューが跡形もなく消えてしまったのです。

食いしん坊3人組の謝罪と買い出し
自分たちのしでかしたことに気づいたゾフィア、リンガ、レーヴェ。リリに問い詰められ、正直に白状し、心から謝罪します。そして、お詫びの印として、3人は再びシチューを作るための材料を買い出しに出かけるのでした。この一件は、キャラクターたちの個性や関係性が垣間見える、コミカルながらも心温まるシーンとなっています。

第1話の驚愕の事実!シチュー消失も奴隷救出もアニオリだった!!
さて、ここまではアニメ「闇ヒーラー」第1話のあらすじと、リリが心を込めて作ったシチューが忽然と消えた事件の真相についてお話ししました。しかし、この第1話には、視聴者をさらに驚かせるであろう事実が隠されています。それは、ゼノスが往診からの帰り道に遭遇した、あの印象的な出来事についてです。
まさかの衝撃!シチューも救出劇も原作にはない!?
第1話の後半、ゼノスは街で虐げられている猫獣人の奴隷少女ティルと出会います。彼は不憫に思い彼女を買い取り、卓越した治癒能力で彼女の病(胆石)を治療し、最終的には奴隷の身分から解放するという、感動的なエピソードが描かれました。
そして、ここからが最も驚くべき事実です。実は、この感動的(?)なティル救出のエピソードは、完全にアニメオリジナルストーリーなのです。アニメ第1話「相応の対価」は、原作にはない全く新しい物語として制作されました。原作者の菱川さかく先生も、アニメ第1話がオリジナル回であることを認めています。
さらに言えば、前半で描かれたリリのシチューを巡るコミカルな騒動(ゾフィア、リンガ、レーヴェが味見と称して全部食べてしまうシーン)も、原作には描かれていないアニメオリジナルの展開なのです。
思わせぶり演出?ティル治療シーンの真相
しかし、この一連のシーン、特にティルを治療する場面では、ゼノスがまるで彼女の身体に下心を持っているかのように誤解させる「思わせぶり」な演出が目立ちました。ティルの腹部に手を当て、胆石を取り除くシーン。アニメでは、ゼノスの意味深な言葉や手つき、そして特にティルの反応が、視聴者に「もしかして治療と称して別の目的が…?」と勘ぐらせるように描かれていたのです。
例えば治療の場面のゼノスのセリフがこれです。
「ティル、服を脱げ。高い買い物だったんだ。まずは体の見ないとな」
ティルは一瞬驚きの表情を浮かべ、恥じらいながら服を脱ぎ始めます。


もちろん、これはゼノスのキャラクター性を考えると完全なミスリードです。彼は純粋にティルを救いたい一心であり、そこにやましい感情はありません。しかし、物語の導入である第1話に、このような意図的な「思わせぶり」な演出を持ってきたことは、特に原作を知らない視聴者に対して、ゼノスというキャラクターの本質を誤解させかねない危険性をはらんでいます。

さらに言えば治療が済んだ後、アニオリでゼノスにこう語らせます。ティルが「なんてお礼を言えば・・・」と言いかけたのを遮り
「礼だけで済ます気か?俺が欲しいのは相応の対価だ、早速仕事をしてもらう。」でした。
ティルには「何でもします。ご主人様の奴隷として、お返ししていきます」「何でも・・・言ってください」と返答させ、この表情をさせます。

結局ゼノスの要求は「薬草を探すこと」だったのですが、その話にここまでフックをかける必要があったのでしょうか?
まさかの暴露!シチューも救出劇も原作にはない!?
そして、ここからが最も驚くべき事実です。実は、この感動的(?)なティル救出のエピソードは、完全にアニメオリジナルストーリーなのです。先行上映会で明かされた情報によると、アニメ第1話「相応の対価」は、原作にはない全く新しい物語として制作されました。原作者の菱川さかく先生も、アニメ第1話がオリジナル回であることを認めています。
さらに言えば、前半で描かれたリリのシチューを巡るコミカルな騒動(ゾフィア、リンガ、レーヴェが味見と称して全部食べてしまうシーン)も、原作には描かれていないアニメオリジナルの展開なのです。

なぜアニオリ?制作陣の意図を考察
では、なぜアニメ制作陣は、物語の顔とも言える第1話に、これほど大胆なオリジナル要素、しかも誤解を招きかねない演出を盛り込んだのでしょうか?
考えられる理由としては、視聴者の興味を引きつけるための、いわゆる「フック」を意図したのかもしれません。特に、ティル救出劇における「思わせぶり」な演出は、昨今のアニメ視聴者の嗜好を意識した結果なのかもしれません。
しかし、個人的には、このような安易で「つまらない」フックは、かえって作品の評価を下げ、「1話切り」を誘発する要因になったのではないかと感じています。実際、第1話だけを見ると、この作品がよくある「追放&ハーレム系」アニメだと誤認してしまう視聴者が出てもおかしくありません。SNSなどでの反応を見ても、そうした誤解や、アニオリ展開に対する戸惑いの声が見受けられました。
タイトルもアニオリ?「相応の対価」に隠された意図とは
さらに、第1話のサブタイトル「相応の対価」についても触れておきましょう。これもまた、アニメオリジナルのタイトルである可能性が高いです。原作小説の第1話にあたるエピソードのタイトルは「天才治癒師、パーティーを追放される」であり、アニメ第1話の内容とは異なります。
なぜ制作陣は、アニオリ回のタイトルとして「相応の対価」を選んだのでしょうか? この言葉自体は、ゼノスの治療に対する哲学を示す重要なキーワードです。しかし、アニオリ展開であるティル救出劇(奴隷を買い取る行為)と組み合わせることで、妙な連想をさせる「フック」になっていると感じるのは私だけでしょうか? まるで、「相応の対価」を支払って奴隷少女や、これから登場するであろう亜人女性たちを手に入れる…といった、下世話な意味合いを匂わせているかのようです。
このような「思わせぶり」が過ぎる演出やタイトル選定は、作品の本質的な魅力を歪めて伝えかねません。原作が持つ、理不尽な追放から始まるダークヒーロー譚、そして「癒すとは何か」を問うヒューマンドラマといった側面を期待していたファン(ブログを書くために原作を読んだ私も含みます)にとっては、正直、不快感を覚える演出だったのではないでしょうか。制作陣には、もう少し原作の本質とファンへの配慮を大切にしてほしかった、というのが率直な感想です。
第1話「相応の対価」いかがだったでしょうか。驚きのアニオリには正直不快感でした。また、それ以上に心配なのが1話切りをする視聴者が出ないかと言うこと。それと2話以降原作に準じたストーリーに戻った時に1話の延長を期待した追放&ハーレム勢がまた離脱していくことです。アニオリを否定はしませんが、原作の世界観を損なうような「取り合えず目立たせる」的な視聴率狙いは止めて欲しいものです。
それでは関連商品の紹介に入ります。
『闇ヒーラー』関連商品の紹介
ライトノベル情報
出版社: SBクリエイティブ
レーベル: GAノベル
最新巻数: 既刊8巻(2025年3月15日現在)
概要:
菱川さかく先生による原作小説です。イラストはだぶ竜先生が担当しています。2020年11月から「小説家になろう」で連載が開始され、書籍版は2021年10月から刊行されています。物語の根幹や詳細な心理描写を楽しみたい方におすすめです。最新刊の8巻は2025年3月15日に発売されました。
コミック情報
出版社: SBクリエイティブ
レーベル: GAコミック
最新巻数: 既刊4巻(2024年11月15日現在)
概要:
原作・菱川さかく先生、キャラクター原案・だぶ竜先生、作画・十乃壱天先生によるコミカライズ版です。電子コミックサービス「ピッコマ」にて2022年1月から連載が開始されました。小説の世界観を美麗な作画で楽しむことができ、キャラクターたちの表情やアクションシーンが視覚的に描かれています。最新刊の4巻は2024年11月15日に発売されました。なお、一部情報サイトでは次巻5巻の発売予定日が2025年6月15日とされていますが、公式発表をご確認ください。
Blu-ray情報
TVアニメ『一瞬で治療していたのに役立たずと追放された天才治癒師、闇ヒーラーとして楽しく生きる』(通称『闇ヒーラー』)のBlu-rayが発売されます。数量限定生産で、上巻と下巻の2巻構成となっています。
上巻
- 発売日: 2025年8月27日(水)
- 価格: 19,800円(税込)
- 収録話数: 第1話~第6話
- 仕様・特典:
- キャラクターデザイン描き下ろしイラスト使用特製アウターケース
- 音声特典: キャラクターコメンタリー(第1話~第6話、第6話は原作者・菱川さかく書き下ろし)、ストーリービジュアル#1・#2、スペシャル音声「クリスマス」「バレンタイン」
- 映像特典: ノンクレジットOP&ED ①、WEB用次回予告(第1話~第6話)
下巻
- 発売日: 2025年9月24日(水)
- 価格: 19,800円(税込)
- 収録話数: 第7話~第12話
- 仕様・特典:
- 音声特典: キャラクターコメンタリー(第7話~第12話)、ストーリービジュアル#3・#4
- 映像特典: ノンクレジットOP&ED、WEB用次回予告(第7話~第12話)などが予想されますが、検索結果には詳細な記載がありませんでした。
購入特典
各販売店では、上巻・下巻の全巻購入特典や店舗限定特典が用意されています。
- 楽天ブックス: A5キャラファイングラフ(シークレットビジュアル) + 缶バッジ(SDキャラ ゼノス) ※連動購入特典
- 松竹ストア: F3キャラファイングラフ(シークレットビジュアル) ※全巻購入特典
- Amazon.co.jp: F3キャラファインボード (キービジュアル/ティザービジュアル) ※Amazon限定特典付き商品
- ゲーマーズ: 下巻に特典あり
上記以外にも、アニメイトやHMVなど、取り扱い店舗ごとに異なる特典が付く可能性があります。特典内容は変更される場合や、なくなり次第終了となる場合があるため、詳細は各販売サイトでご確認ください。
次回は1話の感想・解説です。
VODの紹介
2025年春アニメは深夜枠が多い(別に今回に限るわけではないけどね)のでVODで見るのがおすすめ。
僕が紹介するアニメは以下のVODで見れるので加入してない人はどれかに加入するといいですよ。
配信サービス | 月額料金(税込) | 無料期間 | 特徴 |
---|---|---|---|
U-NEXT | 2,189円 | 31日間 | 豊富なコンテンツ数。ラノベやマンガも楽しめ、利用料金の40%がポイント還元。 |
Amazonプライム | 600円 | 30日間 | 独占配信や話題作が充実。Amazon利用者におすすめ。 |
ABEMAプレミアム | 960円 | 2週間 | 地上波放送中の作品や恋愛番組のオリジナルコンテンツが豊富。 |
おすすめポイント
- U-NEXT: アニメ以外にもラノベやマンガが楽しめる。ポイント還元で実質的なコストを抑えられる。
- Amazonプライム: コストパフォーマンスが高く、独占配信が魅力。Amazon利用者には特に便利。
- ABEMAプレミアム: 地上波作品の視聴やオリジナルコンテンツが充実。テレビ番組やニュースも楽しめる。
特にABEMAをおススメ!月額料金は960円。ABEMAでは地上波放送と同時に配信です。
無料放送も多く、コンテンツも充実しています。VODだけじゃなくテレビ番組やニュースも豊富なんでおススメです。
☟アニメ見るならここがおすすめ

👇【闇ヒーラー】徹底解説、見て下さい
☆☆☆☆☆今回はここまで。
👉使用した画像および一部の記述はアニメ公式サイトから転用しました。
「九龍ジェネリックロマンス」
👇この作品は謎が多くて謎解き好きにはたまらないよ!
【アニメ関連はこっちから】


それではまたね👋