『ざつ旅-That’s Journey-』の最大の魅力は「雑に旅をする」という斬新なコンセプトにあります。主人公・鈴ヶ森ちかがSNSのアンケート機能で旅先を決め、計画性なく旅をするという自由な旅のスタイルが、従来の旅行作品とは一線を画しています。
作中では福島県会津若松をはじめとする実在の観光地や名物料理がリアルに描かれており、読者は物語を楽しみながら「聖地巡礼」という形で実際に足を運ぶことができる魅力があります。アニメ化によって、これらの場所の美しい風景も多くの人の目に留まるようになり、今後の聖地巡礼に拍車がかかりそうです。
さらに、本作は「女子×趣味×日常」系作品の新たな決定版として位置づけられています。計画されていないからこそ生まれる偶然の出会いや発見、そして主人公の心の変化を丁寧に描き出し、視聴者も一緒に予測不能な旅を楽しめる作品となっています。
アニオタWorld!ではこの「ざつ旅」を毎話解説する感想ブログをお届けします。今回は第1話「はじめの1225段」です。この回ではちかが1225段の石段を上がるリアルな体験と実在する旅館「くつろぎ宿千代滝」の宿泊風景が僕らの「旅に出たい!」という気持ちをそそります。是非お楽しみください。
「ざつ旅-That’s Journey-」第1話「はじめの1225段」あらすじ
テレビアニメ「ざつ旅-That’s Journey-」の第1話「はじめの1225段」は、新人漫画家の鈴ヶ森ちかの物語から始まります。
物語は、漫画賞の新人賞を受賞した漫画家志望の女子大生・鈴ヶ森ちかが主人公です。ちかは担当編集の吉本さんに「とっかかりがほしい」と言われますが、特にはまっていることはなく、漫画のことしか考えていない状態でした。ある日、編集部に新作のネームを3本持ち込んだものの、全てボツになってしまいます。何度もネームを持ち込むたびに全ボツを食らい続け、心が折れかけていました。

ショックを受けたちかは、新人賞の賞金で何か買ったらどうかと提案されますが、自分が漫画賞を受賞できたのは奇跡だったのではないかと思い始めます。思い切り水をかぶって現実を直視しようとしますが、「もうやだ」という気持ちが強くなってきます。

そんな中、ふと「旅に出たい」という思いが湧き上がります。その思いをSNSに投稿すると、さらにSNSで旅先のアンケートを取ってみるとフォロワー2万人の師匠から反応があり、予想以上の反響がありました。後に引けなくなったちかは、一大決意で旅に出ることを決めます。

東京駅で行き先を決めるため、チラシを見ないで直感的に選んだ結果、福島県の会津若松に向かうことになりました。新幹線に乗り込み、980円の駅弁を食べながら福島県郡山駅に到着します。そこから在来線に乗り換え、会津若松を目指します。途中、福島にも熱海があることを知ります。


会津若松に到着すると、赤べこ(会津の郷土玩具)が出迎えてくれます。観光案内のチラシを見ながら、飯盛山を訪れ、白虎隊の自刃の場所と墓地を見学します。その後、東山温泉に向かう途中で熊出現の注意書きに驚きながらも、無事に宿に到着します。


「ざつ旅-That’s Journey-」1話に登場する印象的な舞台、福島県会津若松市にある飯盛山について、「じつは歩く必要はない」ということをお話しします。スロープコンベア、つまり動く歩道がが設置されており、250円で立ったまま上ることができるそうです。


予約をしていなかったちかですが、幸運にも約13,000円の部屋が空いており、宿泊することができました。まずは温泉に入り、ネームが没になったことを思い出しながら「遠くに来たもんだ」と感慨にふけります。温泉では黒髪の女性がお酒を飲んで絡んでくる様子を見て、「ああいう大人には関わらないようにしよう」と心に誓います。

夕食のないプランだったため、お腹が空いてきますが、そのまま疲れて寝落ちしてしまいます。翌朝、起きるなり食事をし、前日見かけたお酒を飲んでいた女性がカレーを食べているのを目にします。チェックアウト後、温泉街を散策することにします。

町の雰囲気に「この町好きだな」と感じていると、大きな鳥居が見えてきます。そこには1225段もの階段があり、ちかは意を決して登り始めます。数えながら上っていくうちに、すぐに後悔しますが、「何かあるかも」という思いで続けます。

階段を上る過程で、ちかはさまざまな感情を経験します。風が気持ちよく感じたり、イライラしてキレそうになったり、悲しくなったり、一周回って楽しくなったり、さらには悟りを開いたような気分になったりします。頂上に到着しても特に何も見えず、膝は痛くなりましたが、不思議と気持ちが前向きになったような感覚を覚えます。


帰り道、ちかは「帰ったらまたネームを書こう」と前向きな気持ちになります。この旅を通じて、「また旅に出たい」という思いが芽生え、「お金のかかる趣味」に目覚めるのでした。
羽黒山湯上神社の1225段は日本で何位?
「ざつ旅」第1話のサブタイトルは「はじめの1225段」。これは主人公の鈴ヶ森ちかが初めての”ざつ旅”で訪れた会津若松で挑戦した階段の段数でs。この1225段の階段は、実際に福島県会津若松市の東山温泉にある「羽黒山湯上神社」への参道なんですよ。
福島県会津若松市の東山温泉郷に鎮座する羽黒山湯上神社。その本殿へと続く1225段の石段は、参拝者を迎える試練であり、この神社の大きな特徴の一つです。この石段は、日本の数ある長い階段の中でどの程度の位置にあるのでしょうか?
この記事では、羽黒山湯上神社の石段について解説するとともに、日本国内の長い石段を持つ代表的なスポットをランキング形式でご紹介します。
羽黒山湯上神社とその石段
神社の概要
羽黒山湯上神社は、天平年間(729年~749年)に行基によって創建されたと伝えられる歴史ある神社です。山形県鶴岡市にある出羽三山(羽黒山、月山、湯殿山)の羽黒神社(現在の出羽三山神社)と深い関わりを持ち、同じ倉稲魂命(うかのみたまのみこと)を主祭神としています。かつては神仏習合の修験道の拠点として栄えましたが、明治時代の神仏分離令により現在の神社となりました。
1225段の石段
本殿は羽黒山の山頂にあり、そこへ至る参道が1225段の石段です。石段の脇には三十三観音の石像が点在し、神仏習合時代の名残を今に伝えています。麓には遙拝所も設けられており、登拝が難しい場合でも参拝が可能です。大晦日から元旦にかけて行われる「元朝詣り」では、雪の中を多くの参拝者がこの石段を登ります。
日本の長い石段ランキング TOP7
日本全国には、参拝や観光のために長い石段が設けられている場所が数多く存在します。ここでは、特に段数の多い代表的なスポットを段数順にご紹介します。
- 釈迦院御坂遊歩道(熊本県美里町):3333段
熊本県にある金海山大恩教寺釈迦院へと続く表参道で、「日本一の石段」として知られています。全国各地の名石や海外の御影石も使われています。 - 出羽三山神社・羽黒山(山形県鶴岡市):2446段
山岳信仰の聖地である出羽三山のひとつ、羽黒山。随神門から山頂の三神合祭殿まで続く約1.7kmの石段参道は、国宝の五重塔や樹齢350年以上の杉並木(ミシュラン・グリーンガイド・ジャポンで三つ星獲得)でも有名です。多くのランキングで上位に挙げられています。 - 金刀比羅宮(香川県琴平町):1365段(奥社まで)
「こんぴらさん」の愛称で親しまれる神社。御本宮まででも785段あり、さらに奥社まで登ると合計1365段の石段となります。石段が映える寺社としても人気があります。 - 伏見稲荷大社(京都府京都市):約1300段
全国に約3万社あるといわれる稲荷神社の総本宮。本殿から奥社を経て、稲荷山の頂上(一ノ峰、標高233m)まで続く千本鳥居のトンネルと石段が有名です。正確な段数は諸説ありますが、約1300段とされています。 - 羽黒山湯上神社(福島県会津若松市):1225段
今回注目している会津東山温泉の神社です。1225段という段数は、全国的に見ても非常に長い石段の一つと言えます。 - 久能山東照宮(静岡県静岡市):1159段
徳川家康公を祀る最初の神社として創建されました。海沿いから社殿まで続く「表参道石段」が1159段あります。 - 立石寺(山形県山形市):1015段
「山寺」の名で親しまれ、松尾芭蕉の句でも有名な名刹。根本中堂から奥之院まで続く石段は1015段あり、登ることで煩悩が消滅すると言われています。
日本一の階段は熊本県の釈迦院御坂遊歩道
日本で最も長い階段は熊本県益城郡美里町坂本にある「釈迦院御坂遊歩道」で、その段数はなんと3,333段です。この石段は「日本一の石段」と呼ばれており、全長約2.9kmにも及びます。
この石段は比較的新しく、1980年に当時の町おこしブームの一環として「くまもと日本一づくり運動」の中で建設が始まりました。それまで日本一だった山形県の羽黒山の2,446段を超えることを目指し、1985年に日本一となり、1988年に完成しました。
この石段の特徴は、使用されている石材にあります。全国10ヶ所の名石のほか、中国、韓国、インド、ロシア、ブラジル、アメリカ、南アフリカなど世界7カ国の御影石が使用されており、国際親善も体現した町のシンボルとなっています。
この石段の頂上には、標高957mに位置する「釈迦院」という1200年の歴史を持つ寺院があります。「西の高野山」とも呼ばれるこの寺院は、石段を登りきった後の達成感とともに参拝する価値があります。
羽黒山湯上神社の1225段の石段は日本で5番目の長さ
羽黒山湯上神社の1225段の石段は、日本一ではありませんが、全国的に見ても有数の長さを誇る石段であることがわかります。僕の調査では羽黒山湯上神社の1225段の石段は日本で5番目の長さでした。
長い石段を登ることは体力的に大変ですが、登り切った先には素晴らしい景色や達成感が待っています。羽黒山湯上神社をはじめ、これらの長い石段を持つ寺社仏閣を訪れる際は、ぜひその歴史や周囲の自然も感じながら、一歩一歩踏みしめてみてはいかがでしょうか。
※石段の段数やランキングは、計測方法や情報源によって異なる場合があります。

鹿児島県姶良郡湧水町木場にある「日本一の枕木階段」
階段ついでに鹿児島県姶良郡湧水町木場にある「日本一の枕木階段」をご紹介します。自然と歴史が融合した、知る人ぞ知る絶景スポットです。実は僕は2022年6月にここに行きました。
日本一の枕木階段とは?
鹿児島県湧水町木場にある「日本一の枕木階段」は、昭和63年(1988年)1月31日に廃止された旧国鉄山野線の枕木約7,000本を利用して作られた階段です燃。平成2年度(1990年)の鹿児島県単独による観光施設整備事業によって設置されました。
当時のブログ記事を貼っておきます。
👇記事の抜粋。とにかく景色が物凄くいいのでおすすめです。
「着せ恋」の海夢ちゃんにも会えた!
美術館から車で数分のところに「日本一の枕木階段」というのがありました。
昭和63年に廃線となった旧国鉄山野線の枕木7000本を利用した、山頂へと延びる階段です。左561段、右555段と枕木の数が異なりますが、枕木階段としては日本一。また、ここから眺める桜島も、緑の大地、錦江湾と絶妙の色合いで魅了してくれます。枕木も山にしっくり溶け込んでいます。栗野岳レクリエーション村内には児童文学、動物文学の椋鳩十さんの文学碑があります。
鹿児島県観光サイト
階段自体は緩やかな傾斜なのでそれほどキツイ登りではありませんが、やっぱ長い。
登りきるとちょっとした展望台があり、風が気持ちいいです。



- 住所:鹿児島県姶良郡湧水町木場6343-5(栗野岳レクリエーション村内)
- 交通アクセス:
- 九州自動車道「栗野IC」から車で約20分
- 湧水町ふるさとバス観光周り(土日祝・春夏冬休み期間のみ運行)で「いきいきくりの郷センター」から46分
- 駐車場:あり
ちかが泊まった「くつろぎ宿千代滝」とは
「くつろぎ宿千代滝」は実在した
アニメ「ざつ旅-That’s Journey-」の第1話で鈴ヶ森ちかが訪れたとされる「くつろぎ宿千代滝」は実在します。福島県会津若松市東山町湯本寺屋敷43に位置する東山温泉の旅館です。この旅館は会津の魅力を存分に味わえる宿として知られています。


くつろぎ宿千代滝は東山温泉街の高台に位置しており、その立地を活かした最大の魅力が「展望露天風呂」です。最上階にある展望露天風呂からは会津盆地を一望でき、東山温泉郷と会津若松の城下町の景色を楽しむことができます。夜には会津城下の街明かりが美しく、四季折々の景色も堪能できる絶景スポットとなっています。

温泉施設
千代滝の温泉は東山温泉の源泉を使用しており、男女それぞれに露天風呂1つと内湯2つを備えています。特に展望露天風呂は、会津若松市街と四季折々の景色を眺めながら入浴できる人気の施設です。冬には雪化粧をした城下町を見渡しながら温泉に浸かることもできます。

食事と地酒
千代滝の自慢は何といっても料理とお酒です。夕食は「創作会津郷土料理ビュッフェ」が提供され、会津の郷土料理の代表格「こづゆ」をはじめ、茄子の田楽、いか人参など地元会津の旬の食材をふんだんに使った料理を楽しむことができます。

じゃらんアワード2023☆売れた宿福島県第2位(~100室)

👇じゃらん予約サイト(クリックして確認)
何とアニメの風景画像と同じアングル!
また、会津の地酒は常時30種類以上が用意されており、館内には日本酒バー「地酒の館」もあるため、夜遅くまで地酒を楽しむことができます。じゃらんアワード2023では「売れた宿福島県第2位」に選ばれるほどの人気宿です。
客室と施設
客室は全室禁煙で、洋室31室、和洋室38室の計69室を備えています。2022年7月にはライブラリーラウンジがリニューアルされ、会津にまつわる書籍やフリードリンクを楽しめるスペースも用意されています。
アクセス
アクセスは、磐越自動車道会津若松ICから車で約20分。JR磐越西線会津若松駅からは周遊バスで「武家屋敷前」下車後、送迎も可能です(悪天候時など、バス停到着時に連絡すれば5分程度でお迎えに来てくれます)。
「ざつ旅」の主人公・鈴ヶ森ちかが訪れたとされるこの宿は、会津の魅力を「とことん」味わえる場所として、アニメファンだけでなく多くの旅行者に愛されています。
今回のざつ旅1話「はじめの1225段」、見ていて旅に出たいな、と思いますよね。僕は来週から盛岡と北上展勝地にぶらり旅に行きます。満開(多分)の桜の紹介記事を「レンタカーを使わない旅」で後日アップしますのでぜひそちらもご覧ください。
『ざつ旅-That’s Journey-』の原作・コミックス紹介
「電撃マオウ」(KADOKAWA)で連載されている旅行漫画
『ざつ旅-That’s Journey-』は、石坂ケンタ氏によって2019年3月から「電撃マオウ」(KADOKAWA)で連載されている旅行漫画です。タイトルの通り、「雑に旅をする」というコンセプトが特徴的な作品で、主人公の鈴ヶ森ちかがSNSでのアンケートをもとに行き当たりばったりの旅を楽しむ様子が描かれています。
物語は、漫画家志望の女子大生・鈴ヶ森ちかが編集部に持ち込んだネームが全てボツになり、心が折れそうになったときに「どこか、旅に出たい…」と思い立つところから始まります。SNSで旅先のアンケートを取ったところ予想外の反響があり、そこから「ざつ旅」が始まるのです。
「雑に旅をする」というコンセプトが新鮮
『ざつ旅』は、旅行好きな読者を中心に高い評価を得ています。特に「雑に旅をする」というコンセプトが新鮮で、「自分も旅に出たくなる」という感想が多く見られます。

売上に関しては、第9巻が好調で重版されるなど、着実に読者を増やしています。シリーズ累計発行部数は公式には明らかにされていませんが、第1巻の初動売上は3日間で17,161部以下と報告されています。現在は第12巻まで刊行されており、アニメ化に伴いさらなる売上増加が期待されています。
読者からは「緻密な計画をたてず、宿も予約せず、行き先はSNSのアンケートで決める旅のスタイルが新鮮」「旅好きの共感の琴線はそこここに張り巡らされている」といった好意的な感想が多く寄せられています。
VODの紹介
2025年春アニメは深夜枠が多い(別に今回に限るわけではないけどね)のでVODで見るのがおすすめ。
僕が紹介するアニメは以下のVODで見れるので加入してない人はどれかに加入するといいですよ。
配信サービス | 月額料金(税込) | 無料期間 | 特徴 |
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ABEMAプレミアム | 960円 | 2週間 | 地上波放送中の作品や恋愛番組のオリジナルコンテンツが豊富。 |
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👇ざつ旅2話はこちら!
ざつ旅2話感想~「伊達じゃない」松島と「きときと」の富山宇奈月
👇ざつ旅の概要・見どころにまとめた総合編です
☆☆☆☆☆今回はここまで。
👉使用した画像および一部の記述はアニメ公式サイトから転用しました。
2025年春アニメの覇権候補だと思います。
『鬼人幻燈抄』は面白いよ。読んで見て下さい。
【アニメ関連はこっちから】



それではまたね👋