『薬屋のひとりごと』ファンの皆さま、こんにちは!毎週の放送が心の潤いとなっている方も多いのではないでしょうか。特に第38話「踊る幽霊」は、これまでの伏線が見事に繋がり、切なくも美しい結末を迎えた、まさに“神回”でしたね。
今回は、後宮の片隅で健気に、しかし常に不遇な運命に翻弄されてきた少女、里樹妃(リーシュヒ) が主役の物語 。金剛宮の湯殿に出るという「幽霊」の謎を、猫猫(マオマオ)が解き明かしていきます。侍女たちのいじめが原因かと思いきや、その真相は予想を遥かに超えた、母と娘の時を超えた繋がりを描く、涙なしには語れないものでした。
当ブログでは、30代以上の大人の女性ファンの皆さまに向けて、第38話「踊る幽霊」のあらすじと見どころ、物語の核心である「魔鏡」のトリック、そして里樹妃という人物の背景を深く掘り下げて解説します。さらに、読者の心を鷲掴みにしたであろう壬氏(ジンシ)様の活躍や、姿を消した子翠(シスイ)の謎にも迫ります。
※ご注意: 本記事はアニメ第38話までの内容に深く触れています。ネタバレを避けたい方はご注意ください。『薬屋のひとりごと』ファンの皆さま、こんにちは!毎週の放送が心の潤いとなっている方も多いのではないでしょうか。特に第38話「踊る幽霊」は、これまでの伏線が見事に繋がり、切なくも美しい結末を迎えた、まさに“神回”でしたね。
目次
- アニメ『薬屋のひとりごと』2期第2クールの概要
- オープニングテーマとエンディングテーマ
- 登場人物紹介:第2クールの注目キャラクター
- 第38話「踊る幽霊」あらすじ:金剛宮に潜む母の想い
- 第38話「踊る幽霊」を深掘り解説:不遇の妃・里樹妃を理解する
- 徹底解説:「踊る幽霊」のトリックと“魔鏡”の神秘
- 胸を打つ壬氏の活躍:簪(かんざし)に込められた正義
- 考察:消えた子翠(シスイ)と楼蘭妃(ロウランヒ)の影
- 結論:母の愛は時を超えて…里樹妃の涙に寄せて
- 『薬屋のひとりごと』をもっと楽しむ!魅惑の関連グッズ
- 見逃せない!関連イベント&コラボ情報
- 2種類のコミックスシリーズ
- 『薬屋のひとりごと』原作小説について
- Blu-ray(ネット通販割引中)
- 「薬屋のひとりごと」を見れるVODは
アニメ『薬屋のひとりごと』2期第2クールの概要
2025年1月より放送中のアニメ『薬屋のひとりごと』第2期。多くのファンが待ち望んだ第2クールは、2025年4月4日からスタートしました。第1クール終盤でついに壬氏(ジンシ)の本当の身分が明かされ、物語は新たな局面へと動き出しています。
第2クールでは、前クールで壬氏を襲った事件の真相究明が進むと共に、西方の国々との関係や、新たな登場人物たちの思惑が複雑に絡み合い、後宮に渦巻く陰謀がより一層深まっていきます。国をも揺るがしかねない大きなうねりが、猫猫(マオマオ)たちを待ち受けているようです。
![薬屋のひとりごと 第2期 第2クールKV<span class="footnote-wrapper">[34]</span>” style=”width:362px;height:auto”><figcaption class=](https://i0.wp.com/kusuriyanohitorigoto.jp/season2/assets/img/top/kv_2.jpg?w=880&ssl=1)
公開された第2クールのキービジュアルは、衝撃的なものでした。吹雪の中、何者かに手を縛られ、連れ去られようとする猫猫。その表情は毅然としていますが、彼女に一体どんな過酷な運命が待ち受けているのでしょうか。PV映像と合わせて見ると、ますます目が離せない展開への期待が高まりますね。
オープニングテーマとエンディングテーマ
第2クールを彩る新しい主題歌も、作品の世界観をさらに深く、豊かに表現しています。
オープニングテーマ:Mrs. GREEN APPLE『クスシキ』
オープニングを飾るのは、圧倒的な人気と実力を兼ね備えたバンド、Mrs. GREEN APPLEによる書き下ろし楽曲『クスシキ』です。
「薬」の語源である古語「奇(くす)し」(神秘的、不思議な)から名付けられたこの曲。ボーカル・ギターの大森さんは、「薬は人の助けにも毒にもなる。そんな両義性からヒントを得て、“今世を超え来世でも変わらない愛”をテーマにした」と語っています。オリエンタルな旋律と疾走感のあるバンドサウンドが、波乱含みの第2クールの幕開けにぴったりです。ノンクレジット映像では、狐の面や蝶といった象徴的なモチーフが散りばめられており、考察するのも楽しいですね。
エンディングテーマ:Omoinotake『ひとりごと』
エンディングテーマは、繊細なメロディと歌声で聴く者の心を掴むピアノ・トリオバンド、Omoinotakeの『ひとりごと』です。
Omoinotakeは、「最愛の人の本音に気づけなかった悲哀、日常にあった会話が『ひとりごと』になってしまった喪失感をテーマにした」とコメントしています。切なくも温かいミドルバラードで、繰り返される転調とオリエンタルな響きが、各話の物語の余韻を深く心に刻みつけ、登場人物たちの複雑な心情にそっと寄り添ってくれます。こちらもノンクレジット映像が公開中。CDは5月21日にリリース予定です。
どちらの楽曲も4月5日からデジタル配信がスタートしています。ぜひフルバージョンで、物語の世界観に浸ってみてください。
登場人物紹介:第2クールの注目キャラクター
第2クールで物語の鍵を握るであろうキャラクターたちを、スマートフォンでも読みやすいようにご紹介します。特に37話以降で活躍したキャラクターや、今後の動向が気になる人物に注目です!

猫猫(マオマオ) (CV: 悠木碧)
- 概要: 薬と毒への異常な探求心を持つ元薬屋の娘。現在は玉葉妃付きの毒見役として再び翡翠宮へ。類まれな知識と洞察力で、後宮内外の難事件に挑む。
- 注目ポイント: 壬氏が宦官ではないことを知るも、厄介事には関わりたくない姿勢は変わらず。しかし、彼女の知識と行動力が、否応なく宮廷の闇の中心へと引き寄せられていく予感。彼女の選択が、多くの人の運命を左右するかもしれません。第37話では、湯殿でその観察眼と意外な特技(?)を発揮します。

壬氏(ジンシ) (CV: 大塚剛央)
- 概要: 後宮を管理する、天女のような美貌を持つ宦官…というのは表向きの顔。その正体は皇帝の弟、「華瑞月(カズイゲツ)」。猫猫に複雑な執着にも似た感情を抱いている。
- 注目ポイント: 自身の重い立場と、猫猫への抑えきれない想いの間で激しく揺れ動いています。彼の出自や立場が、後宮内の権力争いや国家を揺るがす陰謀と深く関わっており、第2クールでは彼の「決断」が大きな焦点となりそうです。

小蘭(シャオラン) (CV: 久野美咲)
- 概要: 猫猫の同僚であり、数少ない気のおけない友人。明るく噂好きで、後宮の情報にも通じている。
- 注目ポイント: 年季明けを半年後に控え、将来への不安を抱えています。第37話では、彼女の就職活動(?)が物語の中心に。猫猫や子翠との友情が微笑ましい一方、彼女の抱える悩みは、後宮で働く女性たちのリアルな一面を映し出しています。

子翠(シスイ) (CV: 瀬戸麻沙美)
- どんな人?
玉葉妃の侍女頭・紅娘の推薦で翡翠宮に加わった新人侍女。人懐っこく、虫が好きで猫猫と意気投合するが、どこかミステリアスな雰囲気を漂わせる。 - 37話&今後の注目ポイント
小蘭のために積極的に湯殿での「伝手探し」を提案し、実行する。妃へのマッサージなども手際よくこなす。しかし、その真意や時折見せる意味深な表情から、彼女の正体や目的を探る声も多い。今後のキーパーソンになる可能性大。

玉葉妃(ギョクヨウヒ) (CV: 種﨑敦美)
- どんな人?
皇帝の寵愛を受ける上級妃(貴妃)。猫猫を毒見役として雇っている。現在、第二子を懐妊中。聡明で穏やかだが、妃としての立場を守る強かさも持つ。 - 37話&今後の注目ポイント
湯殿での猫猫たちの行動を黙認し、情報収集を促すなど、懐の深さを見せる。彼女の懐妊は後宮の勢力図にどう影響するのか。

梨花妃(リファヒ) (CV: 石川由依)
- どんな人?
水晶宮に住む上級妃(賢妃)。かつて我が子を亡くし病に伏したが、猫猫の助けで回復した過去を持つ。凛とした佇まいが印象的。 - 37話&今後の注目ポイント
37話では湯殿で懐妊の噂が立つ妃の一人として名前が挙がる。玉葉妃との関係性や、帝の寵愛の変化に注目。

里樹妃(リーシュヒ) (CV: 木野日菜)
- どんな人?
上級妃の一人(徳妃)。元は先帝の妃だったが、現帝の後宮に入った。少し気弱で頼りないところがあるが、心優しい少女。 - 37話&今後の注目ポイント
湯殿の妃専用風呂ではなく、下女たちも使う大浴場を利用。その理由として「幽霊が出る」と怯える様子が描かれる。この「幽霊騒動」が新たな事件の火種となるのか?

楼蘭妃(ロウランヒ) (CV: ?)
- どんな人?
阿多妃に代わって後宮に入った新たな上級妃(淑妃)。北方の有力者の娘とされるが、謎が多い存在。 - 37話&今後の注目ポイント
37話では、帝の寵愛が薄いにも関わらず懐妊の噂が立つ。彼女の存在自体が、後宮に波紋を広げる可能性を秘めている。そして、子翠との関係は…?
この他にも、高順(ガオシュン)や、猫猫の養父・羅門(ルォメン)、軍師・羅漢(ラカン)、武官の李白(リハク)など、お馴染みのキャラクターたちの動向からも目が離せません。
第38話「踊る幽霊」あらすじ:金剛宮に潜む母の想い
小蘭(シャオラン)の伝手作りに付き合い一緒に通っていた湯殿で、猫猫は里樹妃から「金剛宮の湯殿に幽霊が出る」という話を聞く。怯え切った里樹妃の様子に、壬氏に相談するように伝えると、後日、猫猫は壬氏から謎を解き明かすよう命を受ける。幽霊調査のために金剛宮に訪れ話を聞くと、里樹妃は脱衣所の隣にある締め切られた部屋の帳(とばり)が揺れ、笑う白い顔を見たと言う 。猫猫が原因を調査し始めると、そこには幽霊の正体だけでなく、里樹妃が抱える金剛宮の問題も露わになっていき…。
(アニメ「薬屋のひとりごと」公式サイトより引用)
いつものように侍女たちから虐げられているのだろう…視聴者の多くがそう思ったはずです。しかし、物語は私たちを温かく裏切り、感動的な結末へと導いてくれました。幽霊の正体は、亡き母が遺した銅鏡(魔鏡) が映し出した、母自身の笑顔だったのです 。

第38話「踊る幽霊」を深掘り解説:不遇の妃・里樹妃を理解する
今回の物語を深く味わうためには、主人公である里樹妃という人物への理解が不可欠です 。なぜ彼女はこれほどまでに不幸な境遇に置かれているのでしょうか?
里樹妃の生い立ちと数奇な運命

- 名門「卯の一族」の姫君: 里樹妃は、十二支の名を持つ「名持ちの一族」の中でも古参とされる卯(う)の一族の正妻の娘 。本来であれば、非常に高貴な血筋です。しかし、彼女の母は里樹妃が幼い頃に亡くなり 、実力主義が台頭する時代の中で卯の一族は没落しつつありました 。
- 9歳で先帝の後宮へ: 一族の権力回復を焦った父により、わずか9歳でロリコン趣味のあった先帝(せ んてい:現帝の父)に嫁がされます 。しかし、先帝との間に深い関係を持つ前に先帝が崩御 。
- 幼くして未亡人、そして尼寺へ: 幼くして未亡人となった里樹妃は、尼寺に出家させられます 。
- 再び政略結婚の危機、そして現帝の後宮へ: その後、父は里樹妃を「祖父ほどの年齢の男の妾」にしようと画策 。この非道な縁談を知った阿多妃(アードゥオヒ)と現帝・僥陽(ギョウヨウ)が彼女を哀れみ、「現帝の上級妃(徳妃)」として再び後宮に迎え入れました 。これが、彼女が14歳という若さで上級妃の地位にいる理由です 。
里樹妃の母:阿多妃たちの幼馴染
里樹妃の亡き母は、卯の一族の本家の娘であり、実は阿多妃、現帝、そして壬氏の従者・高順(ガオシュン)とは幼馴染でした 。そのため、阿多妃と現帝は里樹妃を幼い頃から知っており、娘や姪のような存在として気にかけています 。特に阿多妃は、里樹妃に対して母親のような情愛を抱いているようです 。
なぜ侍女たちは里樹妃に辛く当たるのか?
里樹妃が侍女たちからいじめを受ける理由は、複数あります。
- 幼さ故の侮り: 14歳という年齢は、後宮においてはあまりにも若く、経験不足と見なされがちです 。
- 「お飾りの妃」という立場: 現帝は里樹妃を娘同然に思っており、「お手付き」にする気は全くありません 。そのため、後宮での本来の役目(世継ぎを産むこと)を果たせない「お飾りの妃」として、侍女たちから軽んじられています 。
- 複雑な出自: 「亡き夫(先帝)の息子(現帝)に嫁ぐ」という、普通では考えられない経緯での入内も、陰口の種になっています 。
- 実家の権力の低下: 没落しつつある卯の一族という後ろ盾の弱さも、侍女たちがつけあがる一因でしょう 。
- 父からの不遇: 里樹妃の父は、正妻の子である彼女よりも、妾や後妻の子である異母兄姉を可愛がり、里樹妃を疎んじています 。こうした家庭環境も、彼女の立場を弱くしています。
- 侍女頭の悪意: 特に侍女頭は、里樹妃に個人的な恨み(過去の出来事が原因)を抱いている節があり、意図的にいじめています 。
猫猫が「不幸体質」「薄幸の姫君」と評するのも無理はない、あまりにも過酷な状況です 。

なぜ里樹妃は「お手付き」にならないのか(処女なのか)
上記の通り、現帝は里樹妃を保護する目的で後宮に迎え入れたため、彼女に手を出す意思はありません 。先帝との間にも関係はなかったため、里樹妃は処女であると考えられます 。後宮における上級妃の役割を果たせないことが、彼女の立場の不安定さに繋がっています 。
徹底解説:「踊る幽霊」のトリックと“魔鏡”の神秘
今回の事件の鍵となったのは、「魔鏡(まきょう)」 と呼ばれる特殊な鏡です 。猫猫の推理によって、その驚くべき仕組みが明らかになりました。
魔鏡とは何か? その原理と歴史
魔鏡とは、一見すると普通の銅鏡ですが、強い光を当てて壁などに反射させると、鏡の裏面に描かれた模様や文字が映し出される不思議な鏡のことです 。
- 原理: 鏡の表面は平らに見えますが、実は肉眼では見えないレベルの微細な凹凸があります 。これは、鏡を鋳造した後に表面を研磨する際、裏面の模様(凹凸)がある部分とない部分で厚みが異なるため、研磨の圧力による「しなり」具合に差が生じることで発生します 。裏面の模様で厚い部分(凸部)は研磨で削られて鏡面がわずかに凹み、薄い部分(凹部)はたわんで削られにくく鏡面がわずかに凸になります 。この微細な凹凸がレンズのような役割を果たし、光を反射させると、凹んだ部分(元は裏面の凸部)に光が集まって明るく、凸の部分(元は裏面の凹部)は光が拡散して暗くなり、結果として裏面の模様が投影されるのです 。
- 歴史: 魔鏡は古くは中国大陸の漢の時代(紀元前1世紀頃)から「透光鑑」として存在していました 。日本でも古墳時代の三角縁神獣鏡などで同様の現象が確認されています 。江戸時代には隠れキリシタンが信仰対象(十字架など)を映し出すために用いたとも言われています 。
なぜトリックが成立したのか? 偶然と必然
里樹妃が見た「笑う幽霊」は、以下の条件が奇跡的に重なったことで現れました。


- 母の形見の魔鏡: 里樹妃の亡き母が遺した銅鏡が、裏面に母自身の笑顔の肖像が精密に彫られた魔鏡だった 。この鏡は、里樹妃自身が大切に保管しており、脱衣所に置いていました。
- 月の光: 里樹妃が入浴していたのは月夜の晩でした。強い月光が、魔鏡に反射するための光源となりました。
- 湯気の力: 脱衣所の隣にある、普段は締め切られている物置(本来は湯上がりの休憩室であるべき場所)の窓にかけられていた帳(カーテン)。この帳が、隣の浴室から配管を通ってきたお湯の湯気によって持ち上がり、隙間ができました。
- 光の道筋: 帳の隙間から差し込んだ月光が、脱衣所に置かれていた魔鏡に当たり、その反射光が物置の壁に母の笑顔を映し出したのです。
帳が揺れ、壁に白い顔が笑っているように見えた… まさに「幽霊見たり枯れ尾花」のような現象でしたが、そこには母の深い愛情が隠されていました。
参考:「魔鏡」をローマ法王に献上した、京都の鏡師
侍女たちの悪意:間接的な関与
今回の幽霊騒動に、侍女たちが直接関与したわけではありません。魔鏡を置いたのは里樹妃本人です。しかし、間接的にはこのトリックの成立に関わっています。
- 金剛宮の劣悪な環境: 本来、上級妃の宮である金剛宮の浴室は、独立しているか、隣には休憩室があるのが普通です。しかし、里樹妃の宮では、脱衣所の隣が締め切られた物置になっており、しかも床が腐り、カビだらけという有様 [user query addition]。これは明らかに、侍女たちが里樹妃をないがしろにし、宮の管理を怠っている証拠です。
- 夜遅くの入浴: 里樹妃がわざわざ月が出ているような夜更けに入浴していたのも、おそらく昼間は侍女たちの嫌がらせを避けるためでしょう。また、侍女たちは里樹妃が入浴できない程熱い湯を入れていたと本人が語っています。
- 湯気の問題: 浴室の湯気が配管を通って隣の物置に漏れ、帳を持ち上げるほどの状態になっていたのも、設備の不備・老朽化を放置していた結果と考えられます。
つまり、侍女たちの悪意ある怠慢が、結果的に魔鏡のトリックが成立する物理的な条件(物置の存在、老朽化した設備、夜間の入浴)を作り出してしまったと言えるのです。
胸を打つ壬氏の活躍:簪(かんざし)に込められた正義
今回のエピソードで、多くの視聴者の心を掴んだのは、壬氏が見せた毅然とした姿ではないでしょうか。
幽霊騒動の調査後、猫猫は壬氏に結果を報告します。その際、騒動の原因を作った(とされる)侍女頭が解雇されたことを知ります。そして、その元侍女頭が退出する際、彼女が里樹妃のものであるはずの上級妃の紋が入った簪(かんざし) を身に着けていることに猫猫は気づきます 。明らかに、解雇される腹いせか、あるいは日頃から行っていた窃盗の一つなのでしょう。

猫猫がその不審な点(と、元侍女頭の不遜な態度)を壬氏に耳打ちすると、壬氏は表情一つ変えずに彼女を呼び止めます。そして、「上級妃の紋がついたものを一侍女風情が身に着けるとは分不相応と思わなかったのか?」 と冷徹な声で言い放ち、力ずくでその簪を取り上げるのです 。

この場面には痺れましたね! 普段の猫猫に対する粘着質な(?)態度とは打って変わって、彼の持つ高貴さ、圧倒的な権力、そして正義感が前面に表れていました。虐げられている里樹妃の尊厳を守り、不正を許さないその姿は、まさに「皇弟」としての威厳に満ち溢れていました。解雇された侍女への容赦ない仕打ち(簪を取り上げた後、おそらくさらなる罰が下されたでしょう)も含め、彼の冷徹な一面も垣間見えましたが、それ以上に、彼の行動にスカッとした視聴者も多かったのではないでしょうか。この一件で、壬氏様への好感度がさらに上がった方も多いはずです。
考察:消えた子翠(シスイ)と楼蘭妃(ロウランヒ)の影
さて、物語のミステリー要素としてもう一つ気になるのが、子翠(シスイ)の存在です。
前回の37話「湯殿」では、小蘭の伝手作りのために猫猫たちを湯殿へ誘い、積極的に立ち回るなど、物語の中心人物の一人でした。しかし、37話の後半、里樹妃が共同の湯殿に現れて以降(理由は自室の湯殿に幽霊が出るため )、子翠の姿がぱったりと見えなくなりました。
これは偶然でしょうか? 私はそうは思いません。ここで浮上するのが、「子翠=楼蘭妃(ロウランヒ)説」 です。
楼蘭妃は、阿多妃と入れ替わりで後宮に入った謎多き淑妃 。北の有力者・子昌(シショウ)の娘とされています 。もし子翠が楼蘭妃本人、あるいは彼女に深く関わる人物だとしたら? 里樹妃は上級妃であり、楼蘭妃(=子翠)の顔を知っている可能性が高いです。つまり、里樹妃に顔を見られるのを避けるために、子翠は姿を消したのではないか、と推測できます。

湯殿編で積極的に猫猫や小蘭と関わっていたのは、何かを探るため、あるいは別の目的があったのかもしれません。子翠(楼蘭妃)の真の目的は何なのか? 彼女の存在が、今後の物語に大きな波乱を巻き起こすことは間違いなさそうです。
結論:母の愛は時を超えて…里樹妃の涙に寄せて
第38話「踊る幽霊」は、後宮の闇や人間関係の複雑さを描きつつも、最後は温かい涙で締めくくられました。
魔鏡に映し出された母の笑顔 。それは、娘を想う母の深い愛情の証でした。里樹妃の母は、この魔鏡に自らの肖像を彫らせた時、いつか娘がこれを見てくれるかもしれない、と想定していたのではないでしょうか。政略の道具とされ、常に孤独と不安の中にいた娘を、せめて鏡の中からでも見守り、励ましたい…そんな切なる願いが込められていたのかもしれません。

猫猫が解き明かした真相を知り、魔鏡に映る母の姿を見て、堰を切ったように泣きじゃくる里樹妃 。これまで、どれほどの悲しみと孤独を一人で抱えてきたことでしょう。彼女の涙は、長年押し殺してきた母への思慕の情であり、同時に、母の愛に触れることができた喜びの涙でもあったはずです。この感動的なシーンは、本作屈指の名場面として、多くの視聴者の心に深く刻まれたことでしょう 。
不幸続きだった里樹妃ですが、猫猫との出会い、そして壬氏や阿多妃といった理解者の存在によって、少しずつ前を向いて歩き始めています。彼女がこれから本当の意味で幸せを掴める日が来ることを、心から願わずにはいられません。
そして、忘れてはならないのが壬氏様の存在。彼の正義感あふれる行動は、里樹妃だけでなく、私たち視聴者の心にも確かな希望の光を灯してくれました。猫猫との関係も気になりますが、彼の持つ高貴さと優しさが、今後どのように物語を動かしていくのか、ますます楽しみですね。
いかがでしたでしょうか? 今回は、アニメ『薬屋のひとりごと』第38話「踊る幽霊」について、里樹妃を中心に深く掘り下げてみました。ミステリー、感動、そして胸キュン(?)要素まで詰まった、本当に素晴らしいエピソードでした。
次回以降、里樹妃の運命、子翠の謎、そして猫猫と壬氏の関係がどのように展開していくのか、目が離せません! 引き続き、この奥深い物語を一緒に楽しんでいきましょう。
『薬屋のひとりごと』をもっと楽しむ!魅惑の関連グッズ
アニメを見て、もっと深く『薬屋のひとりごと』の世界に浸りたい! そう思ったあなたへ。魅力的なキャラクターたちの素敵なグッズがたくさん登場していますよ。お部屋に飾ったり、日常で使ったり、楽しみ方は無限大です!
- いつでも側に!定番アイテム:
- アクリルスタンド・キーホルダー: 美麗なイラストの猫猫や壬氏、お気に入りのキャラクターをデスクやお出かけのお供に。様々な衣装や表情のバリエーションがあります。
- クリアファイル・缶バッジ: コレクション性が高く、手軽に集められるのが魅力。書類整理やバッグのアクセントにも。
- ぬいぐるみ・マスコット: デフォルメされた可愛い猫猫や壬氏に癒やされること間違いなし。もちころりんなども人気です。
- 日常を彩るこだわりグッズ:
- 美濃焼シリーズ: 猫猫や壬氏をイメージしたデザインのマグカップやお皿など。落ち着いたデザインで普段使いしやすいのが嬉しいですね。
- かんざし: 作中で猫猫が壬氏から贈られた、あの印象的なかんざしを再現したものも! コスプレだけでなく、和装時のアクセサリーとしても素敵です。
- 香水・フレグランス: キャラクターをイメージした香りが登場することも。推しの香りに包まれる幸せを体験してみては?
- 描き下ろしイラストグッズ: イベントやコラボレーション限定で描き下ろされた特別なイラストを使用したグッズは、ファンならずとも手に入れたい逸品。
これらのグッズは、アニメイト、TOHO animation STOREなどの公式ストアや、各種オンラインショップ(Amazon、楽天市場など)、キャラクターグッズ専門店などで購入可能です。人気商品はすぐに売り切れてしまうこともあるので、こまめに情報をチェックするのがおすすめです!
見逃せない!関連イベント&コラボ情報
『薬屋のひとりごと』の勢いは止まりません! アニメの世界観をリアルで体験できるイベントや、楽しいコラボレーション企画も目白押しです。
- TVアニメ『薬屋のひとりごと』展:
- ファン待望の初大型展示イベント! 東京会場(松屋銀座)は大盛況のうちに終了し、現在は福岡会場(博多阪急)が開催中(2025年5月12日まで)。今後も全国巡回が予定されています。
- アニメの名場面を再現した展示や、貴重な設定資料、原画などが満載。まるで後宮に迷い込んだかのような没入感を味わえます。
- 会場限定のオリジナルグッズも見逃せません!
- 画像を読み込めません
- 注目のコラボレーション:
- 極楽湯・RAKU SPA: 作品をイメージしたコラボ風呂や限定メニュー、描き下ろしイラストを使用したグッズ販売など、お風呂繋がり(?)の楽しい企画。
- カラオケまねきねこ: コラボドリンクを注文するとオリジナルコースターがもらえるほか、限定グッズも販売。
- 神田祭: なんと、令和七年(2025年)斎行予定の神田祭との公式コラボが決定! 描き下ろしイラストを用いた授与品(縁起物)や記念グッズが展開されています。歴史あるお祭りとの異色の組み合わせに注目です。
- リアル脱出ゲーム: 横浜で開催された「謎解き街歩き」など、実際に街を歩きながら謎を解く体験型イベントも人気を集めました。今後、新たな謎解きイベントの開催も期待したいですね。
- その他: スイーツパラダイスでのコラボカフェや、各地でのPOP UP SHOPなども随時開催されています。
- 過去のイベントもチェック:
- AnimeJapanなどの大型アニメイベントでのステージイベントでは、豪華声優陣が登壇し、作品の魅力を語りました。今後もキャストが出演するイベントが開催される可能性があるので、続報を待ちましょう。
最新のイベントやコラボ情報は、アニメ『薬屋のひとりごと』公式サイトのニュースページや、公式X(旧Twitter)アカウントで告知されています。気になる方はぜひフォローして、最新情報をゲットしてくださいね!
いかがでしたでしょうか? 第2期第2クールも、ミステリー、ラブコメ、そして重厚な宮廷ドラマとしての魅力がぎゅっと詰まっていて、1秒たりとも目が離せませんね。第37話「湯殿」で新たに蒔かれた伏線の種が、これからどのように芽吹き、花開いていくのか。猫猫と壬氏のじれったい関係は? そして、謎多き子翠の正体と目的は一体…?
考えるほどに深みにハマる『薬屋のひとりごと』の世界。毎週金曜日の放送を楽しみにしつつ、関連グッズやイベントで、さらに作品愛を深めてみてはいかがでしょうか。次回の放送も、固唾を飲んで見守りましょう!
2種類のコミックスシリーズ
「薬屋のひとりごと」には2種類のコミックスシリーズがあります。それぞれの最新刊情報は以下の通りです。
ビッグガンガン版(スクウェア・エニックス)
- タイトル: 薬屋のひとりごと
- 出版社: スクウェア・エニックス
- レーベル: ビッグガンガンコミックス
- 作者: 原作:日向夏(ヒーロー文庫/イマジカインフォス)、作画:ねこクラゲ、構成:七緒一綺、キャラクター原案:しのとうこ
- 最新刊: 15巻(2025年3月25日発売予定)
- 特徴: より「恋愛コメディ」的な要素が強く、かわいらしい作画で明るい印象の作品です。
2. サンデーGX版(小学館)
- タイトル: 薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~
- 出版社: 小学館
- レーベル: サンデーGXコミックス
- 作者: 原作:日向夏、作画:倉田三ノ路、キャラクター原案:しのとうこ
- 最新刊: 19巻(2024年12月19日発売)
- 特徴: よりクールな作画スタイルで、ミステリー要素を重視した作品です。
どちらも同じ原作小説をコミカライズしたものですが、作画や構成が異なり、それぞれ独自の魅力を持っています。原作小説は現在15巻まで刊行されており、シリーズ累計3,800万部を突破する大人気作品となっています。
アニメはどちらをベースにしているの?
アニメ『薬屋のひとりごと』は、2種類のコミカライズ版のどちらかをベースにしているわけではなく、原作小説を直接アニメ化しています。
アニメ版の原作は、漫画版のどちらでもなく、現在第15巻まで刊行されている小説版の「薬屋のひとりごと」です。アニメと漫画の内容はほぼ同じですが、これはどちらの漫画も原作小説を忠実に漫画化しているからであり、どちらかの漫画のストーリーを採用しているわけではありません。
アニメのキャラクターデザインについても、漫画版のビジュアルが使われているのではなく、小説版のイラストをベースとしたデザインとなっています。アニメのクレジットには、「キャラクター原案」として小説版のイラストを手掛けたしのとうこ氏、「キャラクターデザイン」として中谷友紀子氏の名前が記載されています。
プロデューサーの菱山光輝氏は、本作の制作にあたり「原作小説に誠実にあること」を重要なテーマとして掲げました。原作はコミカライズやドラマCD化など、さまざまに展開して多くのファンを獲得してきた作品であり、ファンの一人一人にそれぞれの解釈が生まれているため、チーム全体としてあくまでベースは原作小説であるという意識を持つことを重要視したとのことです。
ただし、アニメのコメディ描写や衣装、髪型などの要素は、スクウェア・エニックス版(ねこクラゲ氏作画)のコミカライズの影響を受けている部分もあるという意見もあります。しかし、これは公式に明言されたものではなく、視聴者の印象によるものです。
結論として、アニメ『薬屋のひとりごと』は2種類のコミカライズ版のどちらかをベースにしているのではなく、原作小説を直接アニメ化した作品です。
『薬屋のひとりごと』原作小説について
作品概要
『薬屋のひとりごと』は、日向夏氏によるライトノベル作品で、架空の中華風帝国「茘(リー)」を舞台に、後宮に勤める官女「猫猫(マオマオ)」が王宮内に巻き起こる事件の謎を薬学の専門知識で解くミステリー、ファンタジー、ラブコメディ小説です。
この作品は2011年10月に小説投稿サイト「小説家になろう」で連載が開始され、人気を博したことから2012年9月に主婦の友社のRay Booksから単行本として発売されました。その後、2014年8月にヒーロー文庫(主婦の友社→イマジカインフォス)から新装刊され、現在も継続して刊行されています。
現在、原作小説は文庫版で15巻まで刊行されています(2024年3月現在)。最新刊の15巻は2024年3月29日に発売されました。
作者・日向夏について
日向夏氏は福岡県在住の作家で、本名や年齢などの詳細なプロフィールは非公開となっています。大学卒業後は会社員として勤めていましたが、東日本大震災後に自宅にいる時間が増えたことをきっかけに、「小説家になろう」で『薬屋のひとりごと』の連載を開始しました。
日向夏氏の得意ジャンルはファンタジーや謎解きで、『薬屋のひとりごと』以外にも『トネリコの王』『緋凰仙華』『路地裏の精霊姫』『繰り巫女あやかし夜噺』など多数の作品を執筆しています。
Blu-ray(ネット通販割引中)
2025年4月16日(水)発売初回生産限定版
価格:14,850円(税抜価格 13,500円)
《ネット通販割引中👇》
収録分数:約136分(第25話~第30話収録)+映像特典/DISC枚数:1枚
<特典内容>
【初回生産限定特典】
《封入特典》
◆特製三方背
◆キャラクターデザイン・中谷友紀子描きおろしデジパック
◆スペシャルブックレット(42P)
◆原作小説着せ替えブックカバー
【初回・通常共通特典】
《音声特典》
◆第29話オーディオコメンタリー(猫猫役:悠木碧/壬氏役:大塚剛央/子翠役:瀬戸麻沙美)
《映像特典》
◆第2期ティザーPV 第2弾
◆第2期本PV
◆第2期ファイナルPV
◆ノンクレジットOP
◆ノンクレジットED
「薬屋のひとりごと」を見れるVODは
今回紹介した「薬屋のひとりごと」を見ることができるVODを紹介します。
「薬屋のひとりごと」を視聴できるVODサービス一覧
配信サービス | 月額料金(税込) | 無料期間 | 特徴 |
---|---|---|---|
U-NEXT | 2,189円 | 31日間 | 豊富なコンテンツ数。ラノベやマンガも楽しめ、利用料金の40%がポイント還元。 |
Amazonプライム | 600円 | 30日間 | 独占配信や話題作が充実。Amazon利用者におすすめ。 |
ABEMAプレミアム | 960円 | 2週間 | 地上波放送中の作品や恋愛番組のオリジナルコンテンツが豊富。 |
おすすめポイント
- U-NEXT: アニメ以外にもラノベやマンガが楽しめる。ポイント還元で実質的なコストを抑えられる。
- Amazonプライム: コストパフォーマンスが高く、独占配信が魅力。Amazon利用者には特に便利。
- ABEMAプレミアム: 地上波作品の視聴やオリジナルコンテンツが充実。テレビ番組やニュースも楽しめる。
特にABEMAをおススメ!月額料金は960円。
無料放送も多く、コンテンツも充実しています。VODだけじゃなくテレビ番組やニュースも豊富なんでおススメです。
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前半のまとめです👇
☆☆☆☆☆今回はここまで。
※使用した写真および文章の一部はアニメ公式サイトより転載しました。

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