薬屋(最終回)48話『はじまり』感想 楼蘭は生きていた!玉藻と名乗り新たな物語へ

こんにちは!びわおちゃんブログ&アニオタWorld!へようこそ。

あまりにも壮絶だった子の一族の滅びから一夜。アニメ『薬屋のひとりごと』第48話『はじまり』は、静かな夜明けと共に、新たな物語の幕開けを告げました。それは終焉の後の後日譚などではなく、まさに未来へと続く「はじまり」の物語。

傷つきながらも互いを想い合う壬氏と猫猫の焦れったい距離感。そして、誰もがその死を悼んだはずの少女、楼蘭の生存を示唆する衝撃のラストシーン。最終話にして、これほどまでに多くの謎と希望、そして次なる物語への渇望を私たちに残していくとは…。

この記事では、アニメ第2期全体の軌跡を振り返りながら、この濃密すぎる最終話『はじまり』を徹底的に深掘りしていきます。壬氏と猫猫の心理、散りばめられた伏線の意味、そして「玉藻」と名乗り再び現れた楼蘭の謎。その一つ一つを丁寧に読み解き、物語の奥深くに流れる感動の源流へと迫ります。この記事が、あなたの心に残った余韻に、深く、静かに寄り添うことができれば幸いです。

(ネタバレ注意)本記事はテレビアニメ「薬屋のひとりごと」の理解を促進するために感想・解説に留まらず、原作の記述等、ネタバレになる部分を多く含みます。アニメ放送時点で明らかになっていない点についても言及することがありますので、ネタバレを嫌う方にはおすすめできません。

目次

  1. アニメ第2期 怒涛の展開を振り返る
  2. 第48話『はじまり』あらすじ:戦いの後、そして新たな日常へ
  3. 壬氏と猫猫、焦れったくも愛おしい二人の心理分析
  4. 生きていた楼蘭、その生存に隠された謎を徹底解剖
  5. 【コラム】物語を深く知るための豆知識:伝説の妖狐「玉藻前」とは
  6. 「はじまり」が示す未来へ:終わらない物語への期待
  7. まとめ:『薬屋のひとりごと』48話感想
  8. オープニングテーマとエンディングテーマ
  9. 2種類のコミックスシリーズ
  10. ついに発売!原作小説 最新刊16巻
  11. 「薬屋のひとりごと」Blu-ray 第2期 リリース情報まとめ
  12. 「薬屋のひとりごと」を見れるVODは

アニメ第2期 怒涛の展開を振り返る

最終話の感動を深く味わうために、まずは第2期が描いてきた激動の物語を振り返っておきましょう。一つ一つの事件が、やがて「子の一族」という巨大な渦へと繋がっていきました。

前半:後宮の新たな謎と猫猫の帰還

一度は後宮を去った猫猫でしたが、壬氏の画策(という名の懇願)により、再び宮廷へと戻ってきます。新たな舞台は外廷。そこで彼女は、謎多き官女・翠苓との出会いや、神事を巡る事件、蝗害の危機など、後宮とはまた違ったスケールの謎に挑みました。玉葉妃の懐妊と出産、そしてライバルであった梨花妃との間に芽生えた奇妙な友情など、華やかな宮廷の裏で人々のドラマが交錯する日々。この時期に描かれた一つ一つの出来事が、後の西都編、そして子の一族の物語へと繋がる重要な布石となっていたのです。

中盤:西都への旅と深まる謎

物語は、玉葉妃の故郷である西都へと舞台を移します。一見、華やかに見えるこの土地には、中央とは異なる独自の文化と、根深い問題が渦巻いていました。猫猫は、食中毒事件の解決や、仮面の人物との遭遇を通して、西都を治める玉葉妃の一族が抱える秘密、そして中央との緊張関係を肌で感じ取ります。この西都での経験が、猫猫に国家という大きな視点を与え、彼女を単なる薬師から、国を揺るがす事件の当事者へと変えていく大きな転換点となりました。

終盤:狐の里編 – 子の一族の悲劇

そして物語は、全ての謎が収束する「狐の里編」へ。猫猫の誘拐から始まったこのエピソードは、私たちを子の一族が企む壮大な謀反の核心へと導きました。不気味な狐の面、神美の狂気、そして下女・子翠の正体が楼蘭妃であるという衝撃の事実。第47話で描かれた子の一族の滅亡は、父・子昌の歪んだ純愛と、娘・楼蘭が演じきった「世紀の悪女」の舞台という、あまりにも哀しく気高い悲劇でした。この壮絶な終焉があったからこそ、第48話の静かな「はじまり」が、より一層私たちの胸に深く染み渡るのです。

第48話『はじまり』あらすじ:戦いの後、そして新たな日常へ

子の一族の砦が陥落し、すべてが終わったかのように見えた夜明け。しかし、物語はそこから静かに、そして力強く再び動き始めます。

砦の夜明け

砦の夜明けと壬氏の来訪

これまでの主従関係とは明らかに違う

砦から運び出された、仮死状態の子供たち。彼らに寄り添うように眠る猫猫の元へ、頬に痛々しい傷を負った壬氏がやってきます。互いの傷を案じ、触れようとしてはためらう二人。その空気は、これまでの主従関係とは明らかに違う、男女のそれでした。壬氏は、楼蘭から託された「妙な頼み」について口にしながら、猫猫に顔を近づけます。しかし、その瞬間、子供の一人が息を吹き返したことで、二人の時間は中断されてしまうのでした。猫猫はすぐに薬師の顔に戻り、翠苓と共に5人の子供たちを全員蘇生させます。

都での後処理とそれぞれの道

都に戻った壬氏は、子の一族の反乱の後処理と、不在の間に溜まった膨大な政務に忙殺される日々を送ります。一方、猫猫は後宮での役目を終え、再び花街の薬屋へと戻っていました。養父である羅門は、その腕を見込まれて後宮医官として引き抜かれ、帰ってきていません。

花街の緑青館には、蘇生した子供たちの一人で、事件のショックで記憶を失った少年・響迂(キョウウ)が引き取られていました。記憶はなくとも、その腕白ぶりは変わらず、猫猫の日常に小さな騒動を巻き起こします。他の子供たちも、元上級妃である阿多妃の元へ引き取られ、新たな人生を歩み始めていました。

響迂(キョウウ)

そんなある日、壬氏の部下である赤羽が、小蘭からの手紙を届けにやってきます。そこには、今は会えなくなってしまった友からの、そして何も知らずにいるであろう子翠への想いが綴られており、猫猫は思わず涙を流すのでした。

花街での再会と「お預け」の膝枕

壬氏との間には、物理的にも心理的にも距離ができていました。彼が皇弟であるという事実、そして多忙な日々。もう会うこともないかもしれない、そう思っていた矢先、当の壬氏がひょっこりと花街の薬屋を訪れます。

目的は、猫猫が楼蘭に渡した簪の行方。楼蘭の遺体はまだ見つかっておらず、春の雪解けを待って再捜索が行われるというのです。そして、もう一つの目的。壬氏は「砦での続きを…」と、再び猫猫に迫ります。しかし、その甘い雰囲気を打ち破ったのは、またしてもタイミングの悪い闖入者、響迂でした。

「砦での続きを…」

二度目のお預けを食らった壬氏は、子供のように拗ねて猫猫の膝に顔をうずめ、「ここで寝る」と宣言します。呆れながらも、彼の重みと温かさに「痺れるのになぁ」と呟く猫猫。二人の関係は、一歩進んだかと思えば半歩下がる、そんなもどかしいまま、時間は過ぎていくのでした。

「ここで寝る」

楼蘭は生きていた!玉藻という名で蘇る

場面は変わり、活気あふれる港町。露店が立ち並ぶその一角で、一人の少女が翡翠でできた「蝉」の装飾品に目を留めます。その佇まいには、場末の露店には似つかわしくない気品が漂っていました。

彼女は店主に、見事な細工が施された銀の簪を差し出し、蝉の玉との物々交換を申し出ます。店主が受け取った簪を検めると、その美しさとは裏腹に、一部が丸く穿たれたような奇妙な跡が残っていました。

これって、蝉?

彼女の名前は

「玉藻(たまも)」

そして、最後に映し出されたその横顔は、雪の中に消えたはずの楼蘭、いや、子翠その人でした。彼女は生きていたのです。過去を捨て、新たな名前と共に、海の向こうの未知なる世界へ旅立とうとしていました。

交渉成立だ!

壬氏と猫猫、焦れったくも愛おしい二人の心理分析

最終話でも、やはりこの二人の関係は一筋縄ではいきません。しかし、その焦れったさの中にこそ、彼らの人間味と物語の深淵が隠されています。

砦での衝動:極限状態が暴いた壬氏の独占欲

砦で猫猫の無事を確認した壬氏が、衝動的に彼女に迫ったあのシーン。あれは単なる恋愛感情の発露ではありません。恋愛心理学でいうところの「吊り橋効果」ももちろんあったでしょう。死の恐怖を共に乗り越えたことで、興奮が恋愛感情へと誤って帰属される現象です。

極限状態

しかし、それ以上に大きかったのは、猫猫を失うかもしれないという極限の恐怖が、壬氏の心の奥底に眠っていた独占欲を暴発させたことだと考えられます。彼はこれまで、その高貴な身分と天上の美貌ゆえに、誰からも本当の意味で求められることのない孤独を生きてきました。しかし猫猫だけは、彼の身分や容姿に惑わされず、一人の人間として接してくれる。そんな唯一無二の存在を、謀略の中で失いかけた恐怖。その反動として、「誰にも渡したくない」「自分のものにしたい」という、剥き出しの所有欲が行動となって現れたのではないでしょうか。

壬氏の「妙な頼み」とは?楼蘭に託された最後の言葉を巡る考察

猫猫に包帯を巻かれながら、壬氏は「妙な頼みを聞いてしまったからな」と呟きます。これは、第47話で楼蘭が壬氏の頬を傷つけた行為と深く関わっていると考えられます。

楼蘭は壬氏に二つの願いを託しました。一つは「一族のまともな者たちの行く末」。そしてもう一つが、壬氏の頬を傷つけるという行為そのものだったのではないでしょうか。

この行為には、**「母・神美の無念を晴らす代理復讐」「神を人間に引きずり下ろす儀式」「子の一族の悲劇を忘れさせないための刻印」**という多層的な意味が込められていました。楼蘭は、自らの死を前にして、この複雑で重い役割を壬氏に「頼んだ」のです。「私の最後の願いとして、この傷を受け入れ、私たちの物語を背負って生きてほしい」と。壬氏が「妙な頼み」と表現したのは、それが単なる復讐ではなく、信頼と祈りを伴う、あまりにも重い遺言だったからに他なりません。

なぜ猫猫は動じないのか?恋愛感情の欠落とその心理的背景

一方、壬氏の情熱的なアプローチに対し、猫猫は驚くほど冷静です。彼女のこの態度は、単なる「鈍感」で片付けられるものではありません。彼女の思考回路は、その特異な生育環境によって形成された、一種の心理的防衛機制の表れと言えます。

足がしびれるなあ…
  • 花街という現実主義の世界: 猫猫が育った花街は、愛や恋が商品として取引される場所です。甘い言葉や情熱的な態度の裏にある計算を、彼女は幼い頃から見続けてきました。そのため、恋愛というものに対して極めて現実的、あるいは懐疑的にならざるを得なかったのです。
  • 薬と毒への探求心: 彼女の最大の興味は、恋愛ではなく知的好奇心、特に薬と毒の世界にあります。壬氏の行動すらも、彼女にとっては観察と分析の対象。「この貴人はなぜこのような行動をとるのか?」という興味が先に立ち、当事者としての感情が後回しになってしまうのです。
  • 感情の合理化: 彼女は、自分に向けられる好意や、自身の中に芽生えかけた感情を、無意識のうちに合理化し、矮小化する癖があります。「これは気のせいだ」「相手には別の意図があるはずだ」と考えることで、感情の渦に巻き込まれることから自分を守っているのです。これは、感情に振り回されることの危険性を知る彼女なりの処世術なのかもしれません。

壬氏はなぜ「恋愛ポンコツ」な猫猫に惹かれ続けるのか

では、なぜ壬氏はこれほどまでに「恋愛ポンコツ」な猫猫に惹かれ続けるのでしょうか。その答えは、皮肉なことに、彼女が恋愛ポンコツであるという事実そのものにあります。

猫猫に甘えてみせる壬氏

壬氏の周りには、彼の地位、財産、そして美貌に群がる人間しかいませんでした。しかし、猫猫だけが、それらすべてを「面倒なもの」として一蹴し、彼の内面にある弱さや人間らしさを見つめてくれます。彼女の前でだけ、壬氏は「月の君」や「皇弟」という仮面を脱ぎ捨て、ただの一人の男でいられるのです。

恋愛ポンコツな猫猫

猫猫の聡明さや行動力はもちろん魅力的ですが、壬氏が本当に求めているのは、自分の存在そのものを、ありのままに肯定してくれる魂の繋がりなのではないでしょうか。だからこそ、彼女が振り向いてくれないほどに、彼の想いは燃え上がり、その心を解き明かしたいという探求心は深まっていくのです。

生きていた楼蘭、その生存に隠された謎を徹底解剖

最終話のラストシーンは、多くの視聴者に衝撃と安堵、そして新たな謎をもたらしました。死んだはずの楼蘭は、なぜ、そしてどのようにして生き延びたのでしょうか。

彼女は如何にして生き延びたか?簪が果たした奇跡の役割

楼蘭は砦で、禁軍が使用する強力な兵器「飛発」の弾丸を胸に受け、崖から身を投げました。常識的に考えれば、生存は絶望的です。しかし、物語は彼女の生存を示唆する重要な伏線を残していました。それが、猫猫からお守りとして渡された銀製の簪です。

「丸く穿った跡」が

ラストシーンで玉藻(楼蘭)が物々交換に出した簪には、「丸く穿った跡」がありました。これは、彼女が胸元にしまっていた簪に飛発の弾丸が命中し、奇跡的に弾丸を防いだことを示唆しています。硬い銀製の簪が、防弾チョッキのような役割を果たしたのです。崖から落ちた後も、深い雪がクッションとなり、一命を取り留めたのでしょう。猫猫が託した「想い」が、文字通り彼女の命を救った。この奇跡こそ、『薬屋のひとりごと』という物語が持つ、ファンタジーでありながらもどこかリアルな魅力の真骨頂と言えるでしょう。

綺麗!

なぜ「玉藻」なのか?名前に込められた伝説と決意

楼蘭が新たな名前として選んだ「玉藻」。この名前には、極めて重い意味が込められています。

「玉藻」と聞いて多くの人が連想するのは、日本の三大妖怪の一人に数えられる伝説の妖狐、**玉藻前(たまものまえ)**です。玉藻前は、絶世の美女に化けて鳥羽上皇を惑わし、国を傾けようとした九尾の狐として知られています。

楼蘭がこの名前を選んだのは、偶然ではありません。

  1. 「狐」との関連: 壬氏は楼蘭妃のことを「狐」と揶揄していました。また、彼女自身も、人を欺き、様々な顔を使い分けることで目的を果たそうとしました。その生き様は、まさに化生の者である「狐」のイメージと重なります。
  2. 死からの再生: 玉藻前は、討伐された後に「殺生石」という呪いの石に姿を変え、存在し続けたとされます。一度「死んだ」楼蘭が、別の名前と姿で生き続けるという状況は、この伝説と見事にシンクロします。
  3. 過去との決別と新たな人生への覚悟: 「玉藻」と名乗ることは、自らが「人ならざる者」、つまり過去のしがらみや戸籍から解き放たれた存在であると宣言するに等しい行為です。それは、楼蘭/子翠としての人生に完全に別れを告げ、誰にも縛られない自由な人生を歩み始めるという、彼女の強い決意の表れなのです。
やはり楼蘭(子翠)は生きていた!

簪と「蝉の玉」の交換が意味するもの – 過去との決別と再生への願い

綺麗!

港町での「物々交換」もまた、象徴的なシーンです。彼女は、命の恩人ともいえる簪を手放し、代わりに「蝉の玉」を手に入れました。

  • 簪を手放す意味: 猫猫との絆の証である簪を手放す行為は、一見すると非情に思えるかもしれません。しかしこれは、過去のすべてと決別するための儀式だったのではないでしょうか。猫猫との繋がりさえも断ち切ることで、彼女を自らの新たな人生に巻き込むまいとする、楼蘭なりの最後の優しさだったとも考えられます。あるいは、この簪がいつか巡り巡って猫猫の元へ届き、「私は生きている」という静かなメッセージになることを願ったのかもしれません。
  • 「蝉の玉」が象徴するもの: 彼女が新たに手にした「蝉の玉(ぎょくせん)」。古代中国において、蝉は**「再生」と「復活」の象徴**とされていました。長い年月を土の中で過ごし、やがて地上に出てきて羽化するその生態から、死からの再生を連想させたのです。死者の口に玉蝉を含ませ、来世での復活を願う風習もあったほどです。楼蘭がこれを選んだのは、子翠としての人生を一度「死なせ」、玉藻として全く新しい人生を「再生」させるという、極めて強い意志の表れに他なりません。

小蘭の手紙、そして子翠へのメッセージに書かれていたであろう言葉

赤羽が届けた手紙は、猫猫の心を揺さぶりました。そこには、後宮を去った小蘭からの手紙と、彼女が子翠宛に書いた手紙が同封されていたのでしょう。

小蘭は、子の一族の事件の真相など何も知りません。彼女にとって子翠は、今もどこかで元気にしているはずの大切な友人です。だから、子翠への手紙には、きっとこう書かれていたのではないでしょうか。

小蘭の手紙

「子翠、元気?私は新しい場所で元気にやっているよ。猫猫も花街に戻ったみたい。また三人で、前みたいにおしゃべりしたいね。連絡待ってるよ」

猫猫が涙したのは、この小蘭の曇りない純粋な友情に触れたからでしょう。そして、その願いが二度と叶うことはないという、残酷な真実を知っている唯一の人間だからです。友の優しさが、あまりにも切なく胸に突き刺さった瞬間でした。

【コラム】物語を深く知るための豆知識:伝説の妖狐「玉藻前」とは

楼蘭が名乗った「玉藻」の由来となった「玉藻前」。彼女は日本の物語の中でも特に有名な、謎多き美女です。

玉藻前の伝説
玉藻前は、平安時代末期、鳥羽上皇の寵姫であったとされる絶世の美女です。その美貌と博識で上皇の寵愛を一身に受けますが、やがて上皇は原因不明の病に倒れてしまいます。宮廷の医師にも治せない病の原因を突き止めたのが、かの有名な陰陽師・安倍晴明の子孫である安倍泰成でした。泰成は、病の原因が玉藻前であり、その正体が古来よりインド、中国を渡り歩き、国を滅ぼしてきた白面金毛九尾の狐であることを見破ります。

正体を見破られた九尾の狐は、宮中から逃亡。その後、下野国(現在の栃木県)那須野に現れ、人々を襲い始めます。討伐軍が送られ、激しい戦いの末に九尾の狐は討ち取られますが、その怨念は巨大な毒石となり、近づく人や動物の命を奪い続けました。この石こそが、今も那須に伝わる**「殺生石」**です。

『薬屋のひとりごと』との関連性
楼蘭が「玉藻」と名乗ったのは、この伝説を下敷きにしていることは間違いないでしょう。

  • 国を揺るがす存在: 玉藻前が国の中枢を惑わせたように、楼蘭(子の一族)もまた、国を揺るがす謀反を企てました。
  • 正体を見破られる: 玉藻前が陰陽師に正体を見破られたように、楼蘭もまた、猫猫という稀代の「毒見役」にその正体を見破られました。
  • 死してなお存在し続ける: 討伐された後も殺生石として存在し続けた玉藻前のように、楼蘭もまた、死を偽装し「玉藻」として生き延びています。

作者は、楼蘭にこの名前を与え、彼女が単なる悲劇のヒロインではなく、伝説の妖怪のようにミステリアスで、強く、そしてどこか恐ろしいほどの生命力を持った存在であることを示唆しているのかもしれません。

「はじまり」が示す未来へ:終わらない物語への期待

最終話のタイトルは『はじまり』。これほど見事なタイトルがあるでしょうか。

子の一族の物語は一つの「終わり」を迎えました。しかし、それは同時に、登場人物たちそれぞれの新たな人生の「はじまり」でもあります。

じゃあね、ばいばーい!
  • 壬氏と猫猫: 皇弟としての重責を背負う壬氏と、花街の薬師に戻った猫猫。身分も立場も大きく変わった二人の関係は、これからが本当の「はじまり」です。膝枕の先の、甘くも険しい道のりはどうなるのか。
  • 玉藻(楼蘭): 過去を捨て、新たな名前で海を渡ろうとする彼女の人生もまた、「はじまり」です。彼女が新天地で何を見つけ、どのような人生を歩むのか。
  • 残された人々: 阿多妃に引き取られた子供たち、後宮に残った羅門、そして何も知らずに手紙を書いた小蘭。彼らの物語もまた、続いていきます。

この物語は、決して終わりません。第48話は、壮大な物語の第一部、あるいは第二部の完結に過ぎないのです。散りばめられた多くの伏線と、登場人物たちの未来に思いを馳せながら、私たちは次なる物語の幕が開く日を、ただひたすらに待ち焦がれるばかりです。

まとめ:『薬屋のひとりごと』48話感想

アニメ『薬屋のひとりごと』第48話『はじまり』は、壮絶な悲劇の後に訪れた、静かで、しかし希望に満ちた最終回でした。

登場人物48話での動向と今後の展望
猫猫花街の薬師に戻る。壬氏との関係は進展しそうでしない、もどかしい状態が続く。彼女の日常と、時折舞い込む事件から目が離せない。
壬氏皇弟としての政務に追われる。猫猫への想いは募る一方で、二度の「お預け」を食らう。為政者として、一人の男として、彼の成長物語は続く。
楼蘭(子翠)生存が確定。「玉藻」と名乗り、過去と決別して新天地へ。簪と蝉の玉の交換は、彼女の「再生」への強い意志を象徴する。
二人の関係物理的にも身分的にも距離ができたが、心理的な繋がりはより深まった。この「お預け」状態こそが、次なる物語への最大の推進力となる。

楼蘭の生存という衝撃の展開は、私たちに深い安堵と新たな謎を与えてくれました。彼女が選んだ「玉藻」という名前、「蝉の玉」というアイテム。その一つ一つに、過去との決別と未来への再生の願いが込められていたことを思うと、胸が熱くなります。

そして、壬氏と猫猫。結局結ばれることなく終わった二人の関係に、やきもきした方も多いでしょう。しかし、この「じれったさ」こそが『薬屋のひとりごと』の醍醐味。すべてが始まったばかりのこの物語が、これからどんな景色を私たちに見せてくれるのか。今はただ、静かに、そして熱烈に続編を待ちたいと思います。素晴らしい物語をありがとうございました。

オープニングテーマとエンディングテーマ

第2クールを彩る新しい主題歌も、作品の世界観をさらに深く、豊かに表現しています。

オープニングテーマ:Mrs. GREEN APPLE『クスシキ』

オープニングを飾るのは、圧倒的な人気と実力を兼ね備えたバンド、Mrs. GREEN APPLEによる書き下ろし楽曲『クスシキ』です。

「薬」の語源である古語「奇(くす)し」(神秘的、不思議な)から名付けられたこの曲。ボーカル・ギターの大森さんは、「薬は人の助けにも毒にもなる。そんな両義性からヒントを得て、“今世を超え来世でも変わらない愛”をテーマにした」と語っています。オリエンタルな旋律と疾走感のあるバンドサウンドが、波乱含みの第2クールの幕開けにぴったりです。ノンクレジット映像では、狐の面や蝶といった象徴的なモチーフが散りばめられており、考察するのも楽しいですね。

エンディングテーマ:Omoinotake『ひとりごと』

エンディングテーマは、繊細なメロディと歌声で聴く者の心を掴むピアノ・トリオバンド、Omoinotakeの『ひとりごと』です。

Omoinotakeは、「最愛の人の本音に気づけなかった悲哀、日常にあった会話が『ひとりごと』になってしまった喪失感をテーマにした」とコメントしています。切なくも温かいミドルバラードで、繰り返される転調とオリエンタルな響きが、各話の物語の余韻を深く心に刻みつけ、登場人物たちの複雑な心情にそっと寄り添ってくれます。こちらもノンクレジット映像が公開中。CDは5月21日にリリースしました。

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考えるほどに深みにハマる『薬屋のひとりごと』の世界。毎週金曜日の放送を楽しみにしつつ、関連グッズやイベントで、さらに作品愛を深めてみてはいかがでしょうか。次回の放送も、固唾を飲んで見守りましょう!

2種類のコミックスシリーズ

「薬屋のひとりごと」には2種類のコミックスシリーズがあります。それぞれの最新刊情報は以下の通りです。

ビッグガンガン版(スクウェア・エニックス)

  • タイトル: 薬屋のひとりごと
  • 出版社: スクウェア・エニックス
  • レーベル: ビッグガンガンコミックス
  • 作者: 原作:日向夏(ヒーロー文庫/イマジカインフォス)、作画:ねこクラゲ、構成:七緒一綺、キャラクター原案:しのとうこ
  • 最新刊: 15巻(2025年3月25日発売予定)
  • 特徴: より「恋愛コメディ」的な要素が強く、かわいらしい作画で明るい印象の作品です。

2. サンデーGX版(小学館)

  • タイトル: 薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~
  • 出版社: 小学館
  • レーベル: サンデーGXコミックス
  • 作者: 原作:日向夏、作画:倉田三ノ路、キャラクター原案:しのとうこ
  • 最新刊: 19巻(2024年12月19日発売)
  • 特徴: よりクールな作画スタイルで、ミステリー要素を重視した作品です。

どちらも同じ原作小説をコミカライズしたものですが、作画や構成が異なり、それぞれ独自の魅力を持っています。原作小説は現在15巻まで刊行されており、シリーズ累計3,800万部を突破する大人気作品となっています。

アニメはどちらをベースにしているの?

アニメ『薬屋のひとりごと』は、2種類のコミカライズ版のどちらかをベースにしているわけではなく、原作小説を直接アニメ化しています。

アニメ版の原作は、漫画版のどちらでもなく、現在第15巻まで刊行されている小説版の「薬屋のひとりごと」です。アニメと漫画の内容はほぼ同じですが、これはどちらの漫画も原作小説を忠実に漫画化しているからであり、どちらかの漫画のストーリーを採用しているわけではありません。

アニメのキャラクターデザインについても、漫画版のビジュアルが使われているのではなく、小説版のイラストをベースとしたデザインとなっています。アニメのクレジットには、「キャラクター原案」として小説版のイラストを手掛けたしのとうこ氏、「キャラクターデザイン」として中谷友紀子氏の名前が記載されています。

プロデューサーの菱山光輝氏は、本作の制作にあたり「原作小説に誠実にあること」を重要なテーマとして掲げました。原作はコミカライズやドラマCD化など、さまざまに展開して多くのファンを獲得してきた作品であり、ファンの一人一人にそれぞれの解釈が生まれているため、チーム全体としてあくまでベースは原作小説であるという意識を持つことを重要視したとのことです。

ただし、アニメのコメディ描写や衣装、髪型などの要素は、スクウェア・エニックス版(ねこクラゲ氏作画)のコミカライズの影響を受けている部分もあるという意見もあります。しかし、これは公式に明言されたものではなく、視聴者の印象によるものです。

結論として、アニメ『薬屋のひとりごと』は2種類のコミカライズ版のどちらかをベースにしているのではなく、原作小説を直接アニメ化した作品です。

ついに発売!原作小説 最新刊16巻

16巻の詳細情報

ついに発売!原作小説 最新刊16巻 詳細情報

ファンの皆様、お待たせいたしました!「薬屋のひとりごと」原作小説の最新刊となる第16巻が、2025年5月30日(金)に発売されました。

  • タイトル: 薬屋のひとりごと 16
  • 著者: 日向夏
  • イラスト: しのとうこ
  • レーベル: ヒーロー文庫
  • 発売日: 2025年5月30日(金)
  • あらすじ・見どころ:
    皇帝の手術を無事に終えてから半月、季節は冬へと移り変わります。そんな中、とある小さな村で流行り病が発生したとの報せが。猫猫は、その感染拡大の秘密に迫ることになるようです。投薬実験や外科手術が物語の鍵を握る展開になるかもしれません。これまで数々の難事件を解決してきた猫猫が、この新たな脅威にどう立ち向かうのか、そしてそこで待ち受ける新たな謎や陰謀とは…?手に汗握る展開が期待されます。

注目の限定特装版も同時発売!

注目の限定特装版も同時発売!

なんと最新16巻には、アニメ第1期シナリオ集付き限定特装版も同時に発売されました!

内容: 小説16巻(328ページ)に加え、大ボリュームのアニメ第1期シナリオ集(400ページ)がセットになった豪華特装版です。アニメファンにとっても、原作ファンにとっても見逃せない、永久保存版と言えるでしょう。

タイトル: 薬屋のひとりごと16 アニメ第1期 シナリオ集付き 限定特装版

価格: 4,840円(税込)

ISBN: 978-4074618828

「薬屋のひとりごと」Blu-ray 第2期 リリース情報まとめ

待望のアニメ「薬屋のひとりごと」第2期は、2025年1月からの放送が予定されており、Blu-rayは2025年4月16日(水)より全4巻で順次リリースされることが決定しています。各巻には本編に加え、豪華な初回生産限定特典や映像特典、音声特典などが収録予定です。

アニメ「薬屋のひとりごと」第2期Blu-rayジャケットイメージ

特に注目したいのは、初回生産限定版に付属する「特製三方背ケース」や「キャラクターデザイン・中谷友紀子描き下ろしデジパック」、「スペシャルブックレット」など、ファン垂涎のアイテムです。また、第1巻には「原作小説着せ替えブックカバー」も封入される予定です。

法人共通メーカー特典も見逃せません。

  • 第1巻・第2巻連動購入特典: キャラクターデザイン・中谷友紀子描き下ろしA5色紙(キャラクター:猫猫、小蘭、子翠)。
  • 第3巻・第4巻連動購入特典: キャラクターデザイン・中谷友紀子描き下ろしA5色紙(キャラクター:猫猫、壬氏)。

これらの特典は対象法人での購入が必要で、なくなり次第終了となるため、早めの予約が肝心です。特典は基本的に商品発売時(連動特典の場合は後の巻の発売時)に渡されます。

大手ネット通販サイト別!割引・限定特典情報

それでは、主要なネット通販サイトの「薬屋のひとりごと」第2期 Blu-rayの取り扱い状況、価格、そして魅力的な限定特典について詳しく見ていきましょう。

1. Amazon.co.jp

Amazonでは、第2期Blu-ray各巻の予約が開始されています。

2025年4月16日(水)発売初回生産限定版


価格:14,850円(税抜価格 13,500円)

《ネット通販割引中👇》

  • 価格: 例えば第1巻は、参考価格から割引されて販売されている場合があります。ポイント還元も行われていることが多いです。
  • Amazon限定特典:
    • 全巻購入特典: 描き下ろしA5キャラファイングラフ、描き下ろしアクリルスタンド、描き下ろしA4クリアファイル、描き下ろし缶バッチ3個セット。これらの特典は各巻に付属するシリアルコードで引き換えとなります。
  • その他: 「予約商品の価格保証」対象商品の場合があります。

2. 楽天ブックス

楽天ブックスでも、第2期Blu-ray全巻の予約が受付中です。

2025年4月16日(水)発売初回生産限定版


価格:14,850円(税抜価格 13,500円)

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2025年4月16日(水)発売初回生産限定版


価格:14,850円(税抜価格 13,500円)

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収録分数:約136分(第25話~第30話収録)+映像特典/DISC枚数:1枚

<特典内容>
【初回生産限定特典】
《封入特典》
◆特製三方背
◆キャラクターデザイン・中谷友紀子描きおろしデジパック


◆スペシャルブックレット(42P)
◆原作小説着せ替えブックカバー

【初回・通常共通特典】
《音声特典》
◆第29話オーディオコメンタリー(猫猫役:悠木碧/壬氏役:大塚剛央/子翠役:瀬戸麻沙美)

《映像特典》
◆第2期ティザーPV 第2弾
◆第2期本PV
◆第2期ファイナルPV
◆ノンクレジットOP
◆ノンクレジットED

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「薬屋のひとりごと」を見れるVODは

今回紹介した「薬屋のひとりごと」を見ることができるVODを紹介します。

「薬屋のひとりごと」を視聴できるVODサービス一覧

配信サービス月額料金(税込)無料期間特徴
U-NEXT2,189円31日間豊富なコンテンツ数。ラノベやマンガも楽しめ、利用料金の40%がポイント還元。
Amazonプライム600円30日間独占配信や話題作が充実。Amazon利用者におすすめ。
ABEMAプレミアム1,080円2週間地上波放送中の作品や恋愛番組のオリジナルコンテンツが豊富。

おすすめポイント

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☆☆☆☆☆今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。皆さまの感想や考察も、ぜひコメントでお聞かせくださいね。

※使用した写真および文章の一部はアニメ公式サイトより転載しました。

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