『終末ツーリング』ごっこ旅その2|アイヌコタンと特急が来ない釧路


こんにちは!びわおちゃんブログ&アニオタworld!へようこそ。


『終末ツーリング』ごっこ旅その1では、
霧の摩周湖と硫黄山を「世界の終わりみたいな北海道」として歩きました。
霧で何も見えない摩周湖と、地面から湯気が立ち上る硫黄山。
あの2つの場所だけで、すでにだいぶ“終末世界ごっこ”が捗ったわけですが、旅はまだ続きます。

👉『終末ツーリング』ごっこ旅 その1|霧の摩周湖とピリカ号で巡る釧路・硫黄山

今回のメインステージは、阿寒湖アイヌコタン。
そしてラストには、またしてもホテル予約ミスに続く第二のハプニング、
「特急が来ない釧路駅」が待っていました。

終末世界みたいな風景の中に、ちゃんと人の生活や文化が残っている場所。
その代表がアイヌコタンで、
「世界がどうなっても、女は強いなあ」と思わされたのが、特急が来ない釧路駅前でした。

というわけで、『終末ツーリング』ごっこ旅その2は、
阿寒湖アイヌコタンと、特急がなかなか来ない釧路の夜を歩いた記録です。


阿寒湖アイヌコタンへ – 終末世界の片隅に残った「村」

屈斜路湖・砂湯で地面から湧くお湯を眺める

摩周湖と硫黄山を回ったピリカ号は、次に屈斜路湖の砂湯へ向かいました。
屈斜路湖は日本最大のカルデラ湖。
ここの砂湯の熱源は、さっき見てきた硫黄山なんだそうです。

僕らは温泉県・大分に住んでいるので、「砂湯ってこういうものだよね」と思いながら眺めていましたが、
北海道の湖の砂を少し掘っただけで、50℃くらいのお湯が出てくる、というのは
普段温泉に縁のない人からしたら、ちょっとした超常現象に見えるかもしれません。

掘立小屋の砂湯施設がないのは、出力がそこまで高くないからなのか、
それとも国立公園内だからなのか……。
地面の下に潜んでいる熱だけを借りて、そっと手を温めている感じも、
どこか「世界の終わりのあとに、まだ残っているライフライン」みたいで、
『終末ツーリング』っぽさを感じてしまいました。


観光バスを降りた先にある「原宿みたいなコタン」

砂湯をあとにしたピリカ号は、阿寒湖温泉街へと向かいます。
この日のメインイベント、阿寒湖アイヌコタンには自由散策2時間。
昼食も各自で、というたっぷりめの設定です。

バスを降りて少し歩くと、目の前にあらわれるのが、阿寒湖アイヌコタン。
メインの坂道は100mくらいでしょうか。
その両側に、民芸品のお店や木彫りの工房、レストランがぎゅっと並んでいます。

正直に言うと、最初に抱いた印象は「思ったより、観光地だな」でした。
もっと素朴な“村”をイメージしていたら、
実際にはかなりしっかり整備された商店街で、ちょっとした原宿の路地みたい。
でも、よく見ると一軒一軒のお店の奥には、
ここで生きてきた人たちの時間がちゃんと積み重なっているのが伝わってきます。

『終末ツーリング』の世界線でここに来たら、
きっと看板だけが残っていて、シャッターも閉まっていて、
木彫りのフクロウだけがホコリをかぶっているんだろうな、なんてことを考えながら、
僕らは2時間ひたすら歩き回りました。


アイヌ料理ポロンノに入れなかったこと

本当は、このアイヌコタンでアイヌ料理も体験するつもりでした。
目当てにしていたのは「アイヌ料理ポロンノ」。

「アイヌ料理って食べたことありません。ほとんどの人がそうですよね。
ここ、アイヌコタンでは食べることができます。」

……と、元の旅記事にも書いたくらい、楽しみにしていたお店です。
ところが行ってみると、入口の外に行列。
自由散策2時間のあいだに食べきるのは難しそうだったので、泣く泣くあきらめました。

お腹は減っていたのに、けっきょく僕らは昼食も取らずに、
坂道を上ったり下ったり、湖畔を歩いたり、民芸館の前を通りすぎたり、
ひたすら「眺めるだけ」の2時間を過ごしました。

これはこれで、『終末ツーリング』っぽい過ごし方だなと思います。
あの二人も、誰もいない村で、
「ここには昔、何があったんだろうね」と言いながら、
看板や建物だけを眺めて歩いていましたよね。
僕らは観光客で、ここは現役の観光地だけれど、
“見るだけで通り過ぎる”という行為そのものは、終末世界とたいして変わらないのかもしれません。


阿寒湖畔エコミュージアムセンターで「遺されたもの」を眺める

博物館好きとして、ここがいちばん落ち着いた場所だった

アイヌコタンのすぐそばには、「阿寒湖畔エコミュージアムセンター」があります。
僕はこの手の博物館が好きなので、ここだけは30分くらい、ゆっくり時間を取りました。

観光客でにぎわう坂道から一歩中に入ると、空気ががらりと変わります。
ここにあるのは、湖の成り立ちの解説パネルや、
動物の剥製、地形模型、昔の暮らしの道具たち。
外のざわざわした観光ムードとはちがう、「静かに記録する場所」です。

終末世界になっても、たぶん真っ先に静かになるのは、こういう施設だろうなと思います。
誰も解説パネルを読まなくなっても、
展示だけはしばらくこのまま残り続けて、
いつかヨーコとアイリみたいな誰かが、「あ、ここ昔は観光地だったんだ」と気づく。
そんな未来を勝手に想像しながら、展示を眺めていました。


終末世界に残るのは、人か、文化か、展示か

阿寒湖畔エコミュージアムセンターを出て、もう一度アイヌコタンの坂道を見下ろしたとき、
ふと頭の中で、こんな問いが浮かびました。

「世界の終わりが来たときに、最後まで残るのは、
 人なのか、文化なのか、それとも、こういう展示なのか。」

今の阿寒湖には、もちろん観光客もいて、
アイヌ模様の土産物品も売られていて、
温泉街のホテルも普通に営業しています。
でも、そのどれもが“いつか終わるもの”でもある。

『終末ツーリング』の世界は、
そういう「いつか終わるもの」の“終わったあと”だけを切り取った世界でした。
現実の阿寒湖畔に立ってみると、
その手前の「まだ終わっていない時間」が、
逆にいとおしく感じられます。


釧路に戻ると、また「終末」だった

雨の釧路駅前と、小さなお蕎麦屋さん

ピリカ号は、16時50分ごろに釧路駅前バスターミナルに戻ってきます。
阿寒湖ではあれだけいい天気だったのに、
釧路に着くころには空はどんより、やがて雨が降り出しました。

僕らは帯広行きの特急おおぞら12号に乗る予定だったので、
出発までのあいだ、駅前のお蕎麦屋さんで一休みすることにしました。
おばあちゃんが一人で切り盛りしている、小さなお店です。

ここで、週に5回は通っているという常連のおじさんとお話しすることができました。
「この人、ほぼ毎日来てるんじゃないかな」と、おばあちゃんが笑いながら教えてくれます。
おじさんはおばあちゃんの遠縁の親戚らしく、
お蕎麦をすすりながら、釧路の昔話や、最近の天気の話を聞かせてくれました。

終末世界みたいな摩周湖や硫黄山を見てきたあとだからこそ、
こういう「なんでもない日常の会話」が、妙に胸にしみます。
アニメの中ならとっくに人が消えていてもおかしくない街で、
まだちゃんと誰かが蕎麦を茹でていて、誰かがそれを食べに来ている。
それだけで、世界はそんなに簡単には終わらない気がしてきます。


特急が来ない夜 – 倒木と「女は強い」

帯広行きおおぞらが3時間遅れのアナウンス

ほろ酔い気分で釧路駅に戻ってきた僕らを待っていたのは、
まさかの「特急おおぞらが来ない」という現実でした。

帯広行きの特急おおぞら12号は、帯広からの折り返し便。
ところが途中で倒木があり、電車がこちら側まで来られないとのアナウンス。
「3時間遅れになります」と言われたときは、「マジか……」と固まりました。

今回の旅は、もともと帯広がベース。
前夜の釧路のホテルも、帯広のホテルとダブルブッキングして取っていたくらいです。
「このまま帯広に戻れなかったらどうしよう」と、頭の中が一瞬で真っ白になりました。


ホタテの貝柱と缶ビールで「まあ何とかなるか」

しかし、こんなとき女は強い。
僕がオロオロしている横で、奥さんは落ち着いた声でこう言いました。

「じたばたしてもしょうがないじゃん。
 乗れなかったら、またあのホテルに泊めてもらえばいいやん。」

そう言いながら、駅の売店で買ったホタテ貝柱をつまみにビールを飲んでいる。
前夜、予約ミスを救ってくれた、ホテルグローバルビュー釧路のフロントのお兄さんの顔が頭に浮かびました。
「あの人がいるなら、たぶん何とかなるか」
僕も腹をくくって、缶ビールを買って飲み始めました。

しばらくすると、駅構内にアナウンスが流れます。

「倒木の影響で遅れていた帯広方面の列車ですが、
 別の車両を手配できましたので、ほぼ予定通りの時間で運行いたします。」

「え、来るんかい!」
思わずツッコミを入れたくなる展開でしたが、
結果的には、ほとんど予定通りの時間に帯広へ向かうことができました。

世界の終わりは、今日じゃなかった。
そんなことを思いながら、特急おおぞらの車窓から、
さっきまでいた釧路の街の灯りを眺めていました。


おわりに – 週末世界をさまよったアイヌコタンと釧路の旅

阿寒湖アイヌコタンで、観光地と“村”のあいだにある温度を感じ、
阿寒湖畔エコミュージアムセンターで「遺されたもの」を眺め、
釧路の小さなお蕎麦屋さんと、特急が来ない駅で、
「終末っぽいのに、まだちゃんと続いている世界」を味わった1日でした。

『終末ツーリング』の世界線では、
こういう日常のすべてが終わったあとの風景だけが描かれています。
現実の北海道を歩きながら、その“終わる前”の時間を少しでも大事に味わえたなら、
それだけでこのごっこ旅には意味があったのかなと思います。


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今回の「週末ツーリング」ごっこ旅は北海道の北端、釧路から摩周湖、アイヌコタンを巡りました。
次回は、ガラッと雰囲気を変えて日本の南端の離島へと妄想中です。
気が向いたら、また一緒に週末世界をさまよい歩いてもらえると嬉しいです。

おうちでも「終末ツーリングごっこ」を続けるためのアイテム

摩周湖や硫黄山を歩きながら、ずっと頭の片隅にあったのは『終末ツーリング』でした。
最後に、おうちでも「終末世界ごっこ旅」の余韻を楽しめるアイテムを、いくつかだけ紹介しておきます。
どれも、僕自身が「これ欲しいな」と思いながら眺めているものたちです。


① コミックス『終末ツーリング』とくにアニメの先を描く5巻以降

  • 『終末ツーリング』 コミックス第1巻〜第4巻
    → アニメで描かれた範囲を、原作ならではのテンポと間でじっくり味わえます。アニメから入った人が「最初から読み直したくなる」やつ。
  • 『終末ツーリング』 コミックス第5巻(以降)
    → アニメ最終回の先の物語が気になる人は、ここからが本番。今回の釧路・摩周湖の旅を思い出しながら読むと、「あ、このコマの背景、絶対こういう空気なんだよな」とニヤニヤできると思います。

② アクリルスタンド – 終末世界に連れて行く“相棒”として

  • ヨーコ&アイリ アクリルスタンド
    → デスクや本棚の隅に置いておくだけで、そこが小さな“終末ツーリング”スポットに変わります。
    旅写真と一緒に撮るのも楽しいので、次の「レンタカーを使わない旅」に連れていくのもアリ。

③ Blu-ray 限定生産版 – 旅のあとにゆっくり見返すための保存用

  • 『終末ツーリング』 Blu-ray 限定生産版
    → いわゆる“一生モノ”の箱。
    放送中は毎週追いかけていた人も、旅から帰ってきた夜に、摩周湖や硫黄山の写真と一緒に1話から見返すと、まったく違う作品に見えてくるはずです。
    映像特典やブックレットが付いているタイプ(探してみてね)なら、背景美術をじっくり眺めるだけでお酒が飲めます。

④ Amazon限定 全巻セット(完全限定生産版)

  • 【Amazon限定】『終末ツーリング』 Blu-ray 全巻セット(完全限定生産版)
    → 「どうせなら最初から全部まとめて揃えたい」「特典も含めて丸ごと“終末ツーリング”を保存したい」という人向けのフルコース。
    特典ディスクや描き下ろしジャケットなど、“いま逃すと二度と手に入らないかもしれない要素”が詰まっているタイプなら、終末世界好きとしては押さえておきたいところです。

おわりに

北海道の6月の旅なのに、どこか「世界の終わりごっこ」をしているような2日間。
その始まりが、この霧の摩周湖と硫黄山でした。
僕にとっては全部『終末ツーリング』の延長線上にある風景でした。

この記事と、ここで紹介したコミックスやBlu-ray、アクリルスタンドたちが、
画面の向こうの終末世界と、あなたの現実の旅とのあいだをつないでくれたら嬉しいです。

☆☆☆今回はここまで!また見てね👋


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