イラストは公式サイトからお借りしました
Amazonプライムで2022年アニメ作品として放映中
この作品、Amazonプライムで2022年アニメ作品として放映されています。
僕はあれ?と思いました。ずいぶん前の作品じゃないの?と。
実際はこのアニメを見たことが無かったので調べてみました。
86-エイティシックス-は地上波では2021年4月から6月までが第1クール、
10月以降に第2クールが始まっています。
ところが残り2話を残して12月26日に一旦中断、
3月12日に22話、19日に23話で完結しました。
Amazonプライムでも地上波放送と同時期に放映していました。
しかし、再度2022年アニメ作品として紹介しているのです。
86-エイティシックス-のあらすじ
ギアーデ帝国が開発した完全自律無人戦闘機械〈レギオン〉の侵攻に対応すべく、サンマグノリア共和国が開発した無人戦闘機械〈ジャガーノート〉。
だが、無人機とは名ばかりであり、そこには“人”として認められていない者たち―エイティシックス―が搭乗し、道具のように扱われていた。
エイティシックスで編成された部隊〈スペアヘッド〉の隊長シンは、ただ死を待つような絶望的な戦場の中で戦いを続けていた。
そこに新たな指揮管制官〈ハンドラー〉として共和国軍人のレーナが着任する。
彼女はエイティシックスたちの犠牲の元に成り立つ共和国の体制を嫌悪しており、“人型の豚”として蔑まれていた彼らに人間として接しようとしていた。
死と隣り合わせに最前線に立ち続けるエイティシックスの少年と、将来を嘱望されるエリートの才女。
決して交わることがなかったはずのふたりが、激しい戦いの中で未来を見る―。
86-エイティシックスー公式サイトより
物語は、人種差別により第86区という被差別地域に追いやられ、
”人”として認められていない者たちが〈ジャガーノート〉に搭乗されられ、
相手方のロボット軍隊と戦闘を繰り広げるという悲惨な始まりとなっています。
何故Amazonは2022年アニメとして取り上げたのか
このアニメが地上波で中断後、再開されたのが先日の2022年3月12日です。
この日、この事件が起こりました。
「ロシア軍が砲撃する」
ウクライナ東部のマリウポリで11日に撮影された映像では、ロシア軍とみられる戦車が高層の建物に向けて砲撃する様子が確認できます。
戦車が発砲した直後、ドンという大きな音が響き、建物からは煙と炎が立ち上っていました。
市内の病院には次々とケガをした人たちが運び込まれ、医師たちが治療にあたっていました。
自宅が砲撃を受け子どもを失ったという女性は「砲撃で地下に閉じ込められ、2人の子どもが死にました。誰も彼らを救うことができませんでした」と涙ながらに話していました。
NHKニュース
アニメの世界と現実は当然別世界です。
戦争に至る動機も異なります。
しかし、同時期に戦闘は繰り広げられたのです。
しかも、現実は過去形ではなく、現在進行形です。
地上波のテレビがこの時期にラストの2話を放送したのは偶然です。
放送時期は昨年の12月にすでに発表されていたからです。
しかし、Amazonプライムがこの作品を2022年アニメとして取り上げたのは偶然でしょうか?
- アニメの世界で共和国に侵攻する完全自律無人戦闘機械〈レギオン〉と戦うジャガーノートたち。
- そして現実の世界ではウクライナに侵攻するロシア軍と戦うウクライナ市民たち。
Amazonの戦争に対する強い批判の意志と決意を感じます。
第1クール第3話までまず見て欲しい・・・現実が見えてくるから
このアニメは全23話のうち、第11話までが第1クール、第12話からが第2クールです。
第1クールの3話までまず見て欲しいと思っています。
ここまで見たなら最後まで一気に見てしまうと思います。
AmazonプライムでもU-NEXTでも見ることができます。
宣伝みたいになるのは嫌なので紹介はしません。
好き嫌いは分かれるはずです。設定が細かいので気にする方は気になるでしょう。
ウィキペデアでも、これでもかとばかりに詳細に設定が記述されています。
本来、僕はこんなに細かい設定は嫌なので途中で止めるのですが、
このアニメは一気に第1クール最後の第11話まで見てしまいました。
目を離すことができなかったというのが実際のところです。
無意識のうちにアニメの世界と現実の世界で起こっていることを
重ね合わせているからだと思います。
ヒーローとヒロイン
この作品の凄惨で重いストーリーの裏でもロマンスの要素は綴られています。
この2人の見ていてもどかしくなる距離感も見どころの一つです。
ただ、主役2人のラブロマンスというより、ジャガーノートのみんなが2人を暖かく見守るという設定が、絶望的な戦場の中でも、見る僕たちの心を和ませてくれます。
スピアヘッド戦隊の指揮管制官〈ハンドラー〉を務めた、共和国軍のエリート。
シンたちとのパラレイドを通じた交流によってその人柄や過去を深く知り、以降も〈エイティシックス〉を「人」として扱わない軍の方針に反発を続けている。
共和国軍より、迎撃砲の無断使用の咎を受け、少佐から大尉に降格し、管制部隊も変更となる。
スピアヘッド戦隊のリーダーで、〈ジャガーノート〉の操縦技術は随一。
〈レギオン〉に取り込まれ、“羊飼い”となっていた生き別れの兄ショーレイ・ノウゼンと戦場で遭遇し、戦闘の末、勝利した。
このアニメで何を感じるべきなのか
主人公のシンエイ・ノウゼンは自らを「アンダーテイカー」と名乗ります。
アンダーテイカーは直訳すると「請負人」。
転じて「葬儀屋」を指す場合もあります。
自らが常に死と隣り合わせの状況で、死んでいった仲間たちの形見のジャガーノートの機体の金属片を大切に持ち歩いています。
その姿に助けることができなかった仲間たちの願いや遺志を守るという想い、
そして共和国の未来を守らなければならないという強い決意が見えます。
現実世界ではロシアによるウクライナ侵攻で、多くの人たちの命が失われています。
ウクライナの市民だけでなく、ロシア軍の兵士の命も数多く失われました。
誰が、何のためにこの戦争を引き起こしたのか。
プーチンが悪い、と言ってしまえば簡単に片付くのしょうか。
むしろ正確な情報や情勢を見ることができず走り始め、止まることができなくなった権力者を作り出したロシアの政治体制に問題があるのです。
この戦争で仮にロシアが勝ったと宣言しても、現状のままでは早かれ遅かれプーチン体制は崩壊するでしょう。
また、僕ら西側諸国はそう仕向けなければならないと思うのです。ロシア国民のためにも。
アニメの話から脱線してしまいました。ごめんなさい。
でも、みんな分かっているんだと思います。
生きるということは、なにがしかを犠牲にしながら戦い続けることだと。
それは誰かの犠牲の上で成り立ってはいけないんだけど、
実際のところは犠牲もたしかにあるということを。
86-エイティシックス-
このアニメは
「あなたは”生きる”ということ、
それをどのように捉えるの?」と問いかけている気がします。
◇◇◇
【アニメ関連はこっちから】