ざつ旅10話感想~ココロのふるさとを探す旅~熊野本宮大社と宮沢賢治記念館

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アニメ「ざつ旅 -That’s Journey-」第10話「ココロのふるさと」、今回も心にじんわりと染みる素敵なエピソードでしたね。9話のラスト、潮岬での初日の出シーンから続く物語は、和歌山から岩手へと舞台を移し、ちかちゃんとハッスー(暦ちゃん)の心の機微を丁寧に描いてくれました。

思えば9話の青森と和歌山もそうでしたが、今回も「今、お正月!?」と、季節感のワープに一瞬戸惑いつつも(笑)、それもまた「ざつ旅」ならではのご愛嬌。ちかちゃんの気まぐれな旅路に、私たち視聴者もいつの間にか引き込まれてしまいます。

旅には「オチ」があった方が、後で笑って反芻できる――。これ、本当にそう思います。計画通りに進む旅もいいけれど、予期せぬハプニングやちょっとした失敗こそが、忘れられない思い出になったりしますよね。

僕もありますよ。山頂で記念写真の夕日を撮ろうとスマホを立てかけようとしていたら、いつの間にか太陽が沈んでしまって大笑いした、なんていうのも最高の「オチ」です。

人生そのものが壮大な旅だとしたら、予定なんてない方が、きっともっと面白いのかもしれません。

それでは、今回も「ざつ旅」10話の世界を一緒に旅していきましょう!

和歌山編:潮岬の初日の出と熊野本宮大社の神秘

【ネタバレ注意】
このブログは「ざつ旅」第10話「ココロのふるさと」の内容をより理解しやすくし、皆さんの記憶に留めるための解説を目的に書いた作品です。アニメで紹介された旅行先についての解説や登場人物の心の動きについても触れています。作者の僕の見解も述べています。また、アニメに出てこなかった見どころの紹介もしています。ネタバレを嫌う方はアニメを見てから読んでくださいね。

👇前回の「ざつ旅」9話はこちらです

ざつ旅9話感想~心と体を癒す温泉と希望の初日の出!青森・和歌山ぶらり旅

物語は、9話の続き、本州最南端・和歌山県の潮岬からスタートします。

潮岬の初日の出とちかの願い

一人、初日の出を待つ ちかちゃん。周りには「見たし帰ろーか」とクールな女子グループや、「ことしもおねがいします」と手を合わせる中高年のご夫婦。そんな中で、ちかちゃんも静かに手を合わせます。彼女の願いは…やっぱり、漫画家としての夢に関することでしたね。その純粋な想いが、朝日に照らされてキラキラと輝いて見えました。

初日の出を拝んだ後、特に予定のない ちかちゃん。時間が余ったので、とりあえず近くの神社にお参りすることに。旅先でのこういう「とりあえず」が、思わぬ出会いや発見に繋がるんですよね。

撮れた素敵な写真を、いつものように師匠のりりさん、ハッスー、そして鵜木ゆいちゃんにもLINEでおすそ分け。スマホで次の目的地を探し、バスで串本駅へ戻り、そこから電車で新宮市へ向かいます。LINEのやり取りでは、みんなで「ざつ」な話題で盛り上がっていましたが、ふと映し出されたハッスーの表情が、いつもの元気いっぱいな感じとは少し違って見えたのが気になりました。

新宮駅でバスに乗り換え、「本宮大社前」で下車。目の前に現れたのは…息をのむほど大きな鳥居!

熊野本宮大社へ – 巨大鳥居と熊野古道

そこは、多くの参拝客で賑わう「熊野本宮大社(くまのほんぐうたいしゃ)」でした。

熊野本宮大社

熊野本宮大社とは?

熊野本宮大社は、和歌山県田辺市本宮町にある神社で、全国に4700社以上ある熊野神社の総本宮です。熊野速玉大社、熊野那智大社とともに熊野三山の一つに数えられ、古くから多くの人々の信仰を集めてきました。主祭神は家津美御子大神(けつみみこのおおかみ)で、これは素盞嗚尊(すさのおのみこと)と同一視されています。

かつては熊野川・音無川・岩田川の合流点にある「大斎原(おおゆのはら)」と呼ばれる中洲にありましたが、明治22年(1889年)の大洪水で社殿の多くが流失し、現在の場所に移築・再建されました。現在の社殿も国の重要文化財に指定されており、158段の石段を登った先にある檜皮葺きの社殿は、荘厳な雰囲気を漂わせています。

熊野古道と「相当ヤバイ」理由

アニメのナレーションで「近辺にある熊野古道はこの神社へ参拝する道だったということから相当ヤバイ」と言及されていましたね。この「熊野古道(くまのこどう)」とは、紀伊半島南部にある熊野三山(熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社、そして那智山青岸渡寺)へと続く参詣道の総称です。

紀伊山地の霊場と参詣道

これらの道は2004年に「紀伊山地の霊場と参詣道」としてユネスコの世界遺産に登録されており、日本だけでなく世界的にも価値が認められています。主なルートには、京都から田辺を経て熊野三山へ向かう「紀伊路」、田辺から山中を通って本宮へ向かう「中辺路(なかへち)」、高野山と熊野本宮を結ぶ「小辺路(こへち)」、田辺から海岸線沿いに那智・新宮へ向かう「大辺路(おおへち)」、伊勢神宮から熊野三山を目指す「伊勢路(いせじ)」などがあります。

ナレーションの「相当ヤバイ」という表現は、この熊野古道が持つ歴史の深さ、信仰の篤さ、そして時には険しい道のりであったことを示唆しているのでしょう。平安時代から鎌倉時代にかけては、上皇や貴族たちもこの道を歩いて熊野御幸を行い、「蟻の熊野詣」と例えられるほど多くの人々が絶え間なく参詣したと伝えられています。その道のりは、単なる移動ではなく、心身を清め、神仏に近づくための修行でもあったのです。そんな歴史と信仰の重みを感じさせる道だからこそ、「相当ヤバイ」という言葉で表現されたのかもしれませんね。

ちかの決意「オリジナルの読み切りを雑誌に乗せる!」

一人、熊野本宮大社で参拝する ちかちゃん。彼女の口から出た今年の目標は、「オリジナルの読み切りを雑誌に乗せる!」という力強いものでした。

オリジナルの読み切りを雑誌に載せるということの「ヤバさ」

漫画家志望の ちかちゃんにとって、これは本当に大きな目標です。雑誌に読み切り作品が掲載されるということは、編集者や読者に認められ、商業誌デビューを果たすということです。新人賞を受賞したとはいえ、プロの漫画家としての一歩を踏み出すことは決して簡単ではありません。

「オリジナルの読み切りを雑誌に乗せる!」
  • 競争率の高さ: 数多くの漫画家志望者が常に新作を持ち込み、限られた掲載枠を争っています。
  • クオリティの要求: 読者を惹きつけるストーリー構成、魅力的なキャラクター、高い画力が求められます。特にオリジナル作品となると、作者独自の世界観や発想力が試されます。
  • 編集者との連携: 編集者からのアドバイスや修正指示に応え、作品をブラッシュアップしていくコミュニケーション能力も必要です。
  • 読者の評価: 掲載されたとしても、読者アンケートなどで厳しい評価を受けることもあります。その結果が次のチャンスに繋がるかどうかも左右します。

まさに、狭き門であり、実力と運、そして努力が試される世界。ちかちゃんの「ヤバイ」目標は、それだけの覚悟と情熱が込められたものなのです。

八咫烏の導きと暦の影

参拝を終えたちかちゃんは、どこか物足りなさを感じています。「閉まってる」とか「間に合わない」といった、これまでの「ざつ旅」ならではのハプニングや失敗が今回はなく、順調に進んでいることに逆に違和感を覚えている様子(笑)。「不測の事態、起きろ!」と念じる ちかちゃん、さすがです!

そんな時、境内で「八咫烏(やたがらす)」の幟(のぼり)が目に留まります。

八咫烏(やたがらす)」の幟(のぼり)

八咫烏とは?

八咫烏は、日本神話に登場するカラスで、神武天皇の東征の際に、熊野から大和への道案内をしたとされる導きの神です。一般的に三本足の姿で知られ、太陽の化身とも言われています。熊野三山では神の使いとして篤く信仰されており、熊野本宮大社や熊野那智大社などでは八咫烏をモチーフにしたお守りや絵馬などが見られます。日本サッカー協会のシンボルマークとしても有名ですね。

幟に描かれた八咫烏が、まるで「よかろう」と ちかちゃんの背中を押してくれたように見えました。これは、ちかちゃんの新たな旅立ち、そしてハッスーとの旅への暗示だったのかもしれません。

その頃、ハッスーは自室の椅子で膝を抱え、ちかちゃんがインスタにアップした旅の写真を見ていました。やはり、いつもの元気がない様子です。

いつもの元気がないハッスー

岩手・花巻編:暦の心の旅路と宮沢賢治の世界

場面は変わり、1月31日、岩手県の新花巻駅。ちかちゃんとハッスーが一緒に降り立ちます。和歌山からいきなり岩手へ!この大胆なワープも「ざつ旅」ならでは(笑)。視聴者としては「どこから来たの!?」とツッコミを入れたくなりますが、ちかちゃんならではの行動力(とざつさ)の表れなのでしょう。

新花巻駅へワープ!?元気のない暦を連れて

「ハッスーやっぱり…元気ないな」と心配する ちかちゃん。そう、ハッスーの元気のなさに気づいていた ちかちゃんは、半ば強引に彼女を旅に誘い出したのでした。でも、なぜ新花巻だったのでしょうか?

新花巻駅へワープ!?

それは、いつものSNSアンケートで「北」と出たから、というシンプルな理由でした(笑)。

イーハトーブいわて花巻」という駅の看板が目に入ります。

イーハトーブとは?

「イーハトーブ」とは、岩手県花巻市出身の詩人であり童話作家である宮沢賢治が、自身の作品の中で理想郷として描いた心象世界の中の地名です。エスペラント語で「岩手(Ihatovo)」をモデルにしたとも言われています。賢治の作品には、故郷である岩手の風土や自然が色濃く反映されており、「イーハトーブ」は彼の文学世界を象徴する言葉として知られています。

ひとまず、二人は「宮沢賢治記念館」へ向かうことにしました。宮沢賢治といえば「銀河鉄道の夜」くらいしか思い浮かばない二人ですが、ちかちゃんは地図を見て、この辺りに温泉がたくさんあることを知っていたようです。どうやら、悩み事を抱えている様子のハッスーを温泉に誘い、元気付けてあげようという ちかちゃんなりの優しさだったのですね。

宮沢賢治記念館へ(階段と「雨ニモマケズ」)

宮沢賢治記念館は、胡四王山(こしおうやま)という山の上にあり、なんと367段もの長い階段を登らなくてはなりません。階段の途中には、賢治の代表的な詩「雨ニモマケズ」の一節が刻まれたプレートが一段ずつ設置されており、二人はそれを声に出して読み上げながら登っていきます。

「雨ニモマケズ」全文と解説

ナレーションでも朗読されていましたが、ここで「雨ニモマケズ」の全文をご紹介します。

「雨ニモマケズ」全文と解説

雨ニモマケズ
風ニモマケズ
雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ
丈夫ナカラダヲモチ
慾ハナク
決シテ瞋ラズ
イツモシヅカニワラッテヰル
一日ニ玄米四合ト
味噌ト少シノ野菜ヲタベ
アラユルコトヲ
ジブンヲカンヂャウニ入レズニ
ヨクミキキシワカリ
ソシテワスレズ
野原ノ松ノ林ノ蔭ノ
小サナ萓ブキノ小屋ニヰテ
東ニ病気ノコドモアレバ
行ッテ看病シテヤリ
西ニツカレタ母アレバ
行ッテソノ稲ノ朿ヲ負ヒ
南ニ死ニサウナ人アレバ
行ッテコハガラナクテモイヽトイヒ
北ニケンクヮヤソショウガアレバ
ツマラナイカラヤメロトイヒ
ヒデリノトキハナミダヲナガシ
サムサノナツハオロオロアルキ
ミンナニデクノボートヨバレ
ホメラレモセズ
クニモサレズ
サウイフモノニ
ワタシハナリタイ

この詩は、宮沢賢治が亡くなった後に、彼の手帳から発見されたものです。特定の宗教観や理想とする生き方が、素朴で力強い言葉で綴られています。他者のために尽くし、質素な生活を送り、どんな困難にも負けずに静かに生きる。そして、誰にも褒められなくても、誰の苦にもならなくても、そういう存在になりたいという願いが込められています。現代社会に生きる私たちにとっても、深く考えさせられる詩ですね。

階段を登る途中、下りの階段ですれ違った少女が足を踏み外しそうになるのを、ハッスーがさっと助ける場面がありました。ハッスーは子供が好きなのかもしれませんね。

記念館に到着し、展望台から花巻の街並みを眺める二人。

「注文の多い料理店」山猫軒との遭遇?

振り返ると、そこには「注文の多い料理店 山猫軒」と書かれた看板が。

「注文の多い料理店」と山猫軒

「注文の多い料理店」は、宮沢賢治が1924年(大正13年)に出版した児童文学の短編集の表題作であり、賢治の代表作の一つです。

物語は、狩猟のために山奥に入った二人の若い紳士が道に迷い、「西洋料理店 山猫軒」という奇妙なレストランを見つけるところから始まります。扉には「どなたもどうかお入りください。決してご遠慮はありません」と書かれていますが、中へ進むにつれて「髪をとかして、靴の泥を落としてください」「鉄砲と弾丸をここへ置いてください」「帽子と外套と靴をお脱ぎください」といった「注文」が次々と現れます。紳士たちは、それらの注文に戸惑いながらも従っていきますが、最後には自分たちが料理されそうになっていることに気づき、命からがら逃げ出すというお話です。

アニメで登場した「山猫軒」の看板は、宮沢賢治童話村など、賢治ゆかりの施設にあるモニュメントやレストランの名称として使われているものです。実際に物語のような体験ができるわけではありませんが、作品の世界観を感じられる場所としてファンに親しまれています。例えば、宮沢賢治童話村内の施設や、賢治記念館の近くにあるレストランなどが「山猫軒」を名乗っていることがあります。メニューは通常のレストランのものが提供されることが多いようです。

記念館見学と暦の変化「そういうものに、わたしはなりたい」

宮沢賢治記念館に入った二人。

宮沢賢治記念館の展示内容

宮沢賢治記念館では、賢治の多彩な活動(詩、童話、教育、農業、科学など)に関する資料が展示されています。賢治が愛用したチェロや自筆の原稿、書簡、絵画などの貴重な資料のほか、スクリーン映像やパネル展示を通じて、賢治の作品世界や思想、生涯に触れることができます。館内は、賢治の専門分野ごとに「科学」「芸術」「宇宙」「宗教」「農」といったテーマで構成されており、彼の幅広い関心と深い洞察力を知ることができます。お土産コーナーや喫茶スペースも併設されています。

一通り見学し終えたハッスーは、「みんなの幸せをいろいろ考えていた人なんだな」とぽつりと呟きます。彼女の目の前には、刈り取りを終えた農地で、コートと帽子を身に着け、後ろで手を組みうつむき加減に立つ宮沢賢治の後ろ姿の写真がありました。

記念館を出たハッスーは、どこか吹っ切れたような表情で「そういうものに、わたしはなりたい」と言います。「雨ニモマケズ」の詩の一節ですね。

「賢治さん」呼びの謎と「おだやかー」のテロップ解説

記念館を出た後、二人は宮沢賢治のことを自然と「賢治さん」と呼ぶようになります。画面には「記念館を見た後、『さん』って呼びたくなる不思議」というテロップ、そして二人の後ろには「おだやかー」という文字が。

これは、記念館で賢治の作品や人となりに触れたことで、彼に対する敬愛や親しみの情が自然と湧き上がり、「先生」や「宮沢賢治」といった呼び方ではなく、より身近な「賢治さん」という呼び方になったことを示しているのでしょう。賢治の作品が持つ優しさや温かさ、そして彼の生き様が、二人の心に穏やかな影響を与えたことを「おだやかー」という文字で表現しているのかもしれません。偉大な作家であると同時に、どこか人間味あふれる親しみやすい人物像を二人が感じ取ったのではないでしょうか。

暦の告白と新たな夢「小学校の先生になる」

眼下に広がる花巻の街並みを眺めながら、「なんか元気ないじゃん。力になりたいんでござるよ、暦どの」と、いつもの調子でハッスーに話しかける ちかちゃん。

ハッスーは、もやもやした気持ちを抱えていたことを打ち明けます。ちかちゃんが漫画家という目標に向かって進んでいるのに対し、自分にはこれといった目標がなく、ダラダラと日々を過ごしていることに漠然とした不安を感じていたのです。しかし、賢治の詩や生き方に触れ、「誰かに褒められなくても、誰かのために笑顔でいたい」という姿勢がカッコいいと感じ、自分も「賢治さんみたいな学校の先生になる。小学校の先生を目指す」と、新たな夢を見つけたと語ります。今回の旅は、ハッスーにとって大きなターニングポイントになったようです。

教育者としての宮沢賢治

宮沢賢治は、詩人や童話作家としてだけでなく、教育者、そして農業指導者としても情熱を注いだ人物です。

  • 花巻農学校の教師として: 賢治は、1921年(大正10年)から約4年半、岩手県立花巻農学校(後の花巻農業高等学校)で教鞭を執りました。担当科目は英語、数学、化学、土壌学、肥料学など多岐にわたりましたが、特に生徒たちに人気だったのは、独特の教材やユーモアを交えた農学や化学の授業だったと言われています。
  • 羅須地人協会の設立: 農学校を退職した後、1926年(大正15年)には私塾「羅須地人協会(らすちじんきょうかい)」を設立し、農村青年たちを集めて農業技術や芸術、科学などを教えました。農民の生活向上を目指し、稲作指導や肥料設計などにも取り組みました。
  • 生徒との関わり: 賢治は生徒たちを「諸君」と呼び、一人ひとりの個性を尊重し、対話を重視する教育を実践しました。野外実習やレコードコンサート、演劇なども取り入れ、生徒たちの感性を豊かに育もうとしました。彼の教育方針は、単に知識を教えるだけでなく、生徒たちが自ら考え、行動し、より良い生き方を見つけることを目指すものでした。
宮沢賢治(アニメ画像)

「雨ニモマケズ」の詩に描かれた利他的な生き方は、まさに賢治自身の教育者・指導者としての姿を反映していると言えるでしょう。ハッスーが賢治のような先生になりたいと思ったのも、その人間的な魅力と、他者のために尽くす姿勢に心打たれたからなのかもしれませんね。

花巻名物と温泉、そして旅のハプニング

ハッスーが新たな目標を見つけたところで、二人の花巻ぶらり旅は続きます。

焼きプリン大福って何?

ふと目に留まったのは、「焼きプリン大福」という案山子の看板。これは花巻市内の菓子店などで販売されているスイーツで、プリンを丸ごと大福で包み、表面を香ばしく焼き上げたものです。とろりとしたカスタードプリンともちもちの大福の組み合わせが絶妙な人気商品です。旅の途中で見かけるご当地スイーツは、ついつい試してみたくなりますよね。

マルカンビル大食堂の10段ソフトクリーム!

バスと徒歩で二人が向かったのは、「マルカンビル大食堂」。ここの名物は、なんといっても「10段ソフトクリーム」です!

マルカンビル大食堂の10段ソフトクリーム

マルカンビル大食堂は、岩手県花巻市にある昭和レトロな雰囲気が人気の食堂です。その名物である10段ソフトクリームは、高さ約25cmにもなる迫力満点のソフトクリームで、お値段はなんと350円(2025年6月現在)。このボリュームでこの価格は驚きです。そして、地元の人たちはこのソフトクリームを箸で食べるのが定番スタイルだとか。倒れないように、そして溶ける前に食べるための知恵なのでしょうか。見ているだけでも楽しくなる、花巻の名物スイーツです。

1200年の歴史、大沢温泉自炊部湯治屋

次はいよいよ温泉です。二人が訪れたのは「大沢温泉 自炊部 湯治屋(とうじや)」。

大沢温泉 自炊部 湯治屋とお食事処「やはぎ」

大沢温泉は、岩手県花巻市の豊沢川沿いにある温泉で、約1200年の歴史を持つと言われています。その中にある「自炊部 湯治屋」は、築200年を超える建物もあり、昔ながらの湯治場の風情を色濃く残しています。基本的には素泊まりで、宿泊客が自分で食事を作る自炊スタイルですが、館内には「お食事処 やはぎ」があり、食事をとることも可能です。宮沢賢治もこの湯治場を愛し、利用していたと伝えられています。豊沢川に面した混浴大露天風呂「大沢の湯」は名物で、四季折々の景色を眺めながら入浴できます。他にも女性専用露天風呂「かわべの湯」など、趣の異なる湯巡りが楽しめます。

露天風呂でゆっくりと寛ぐ ちかちゃんとハッスー。旅の疲れを癒やす温泉は最高ですね。

ちかとハッスーが入っていた露天風呂はこれかな?じゃらんのページにリンクしているので写真をクリックして見て下さい。料金が驚くほど安い!口コミ総合も4.5と高評価の宿です。

ウマ辛!満州ニララーメン「さかえや本店」

温泉でスッキリした翌日、二人はバスで花巻駅まで戻り、街を散策します。そして向かったのは、「満州ニララーメン さかえや本店」。

満州ニララーメン さかえや本店

「さかえや本店」は、1960年創業の元祖満州ニララーメンのお店です。看板メニューの「満州にらラーメン」は、鶏ガラと豚ガラベースの醤油スープに、ニラ、ニンニクの芽の醤油漬け、豚バラ肉、紅生姜がたっぷり乗り、ラー油がスープの表面を覆うスタミナ満点のラーメンです。ウマ辛な味わいが特徴で、地元の人々にソウルフードとして親しまれています。アニメでも二人が「ウマー!」「辛ー!」と言いながら、口を真っ赤にしてはしゃいでいましたね。行列ができる人気店です。

中尊寺、まさかの閉門!?これぞ「ざつ旅」の醍醐味

満州ニララーメンでお腹を満たした二人。次なる目的地は、平泉の「中尊寺金色堂」です。しかし、ここで「ざつ旅」ならではの展開が…!

「さかえや本店」から最寄り駅(おそらく花巻駅か新花巻駅)まで約5km。時刻は14時過ぎ。駅から電車で中尊寺のある平泉駅へ向かい、そこからさらにバスか徒歩で中尊寺へ。中尊寺の拝観時間は通常8:30から17:00(11月4日~2月末日は16:30まで)です。

果たして間に合うのか?

仮に14時半に花巻駅を出発できたとして、JR東北本線で平泉駅までは約40分~50分。平泉駅から中尊寺まではバスで約10分、徒歩だと約25~30分。乗り換え時間などを考慮すると、到着は早くても15時半~16時頃。冬時間であれば閉門ギリギリか、間に合わない可能性が高いです。アニメの作中では1月末なので、冬時間適用のはず。これは確かに厳しい…!

途中、ハッスーは「これは間に合わないのでは…」と内心焦りを感じていましたが、ちかちゃんには言い出せません。一方の ちかちゃんは、「多分間に合わない、いや、むしろ間に合わずに閉門していてくれ!」と、まさかの願望を抱いていました(笑)。

そして、案の定、中尊寺は閉門。

「でもさ、これもまたずーっと先におばあちゃんになった時でも一緒に笑って話せるよ。先のことなんてわかんないけど、そういう予定を入れとくのも良くない?」という ちかちゃんの言葉。それに対するハッスーの「なんかせいちょうしたのう、森近殿(鈴ヶ森ちか)」という返しと、背景に現れた戦国武将風の髭面ちか「鈴賀盛親(すずがもりちか)」のテロップには爆笑しました! これぞ「ざつ旅」の真骨頂ですね。予定通りにいかないハプニングも、後から笑って話せる最高の思い出になる。そんな旅の面白さ、そして二人の絆の深まりを感じさせてくれるシーンでした。

ネットの反響とまとめ

今回の第10話も、SNSなどでは様々な感想が見られました。

  • 和歌山から岩手へのワープ展開: 「いきなり場所が飛びすぎ!笑」「移動描写なしは潔い」「これぞ“ざつ”旅」といった驚きや納得の声。
  • 暦の心の変化: 「ハッスーの悩みに共感した」「先生になるって決めたシーンで泣いた」「ちかちゃんの寄り添い方が優しい」など、暦の心情に寄り添うコメントが多数。
  • 宮沢賢治要素: 「雨ニモマケズの朗読が良かった」「記念館行ってみたくなった」「注文の多い料理店、懐かしい」など、賢治作品やゆかりの地への関心が高まった人も。
  • 入浴シーン: 「安定のサービスシーン」「温泉気持ちよさそう」といった声も。
  • 旅のハプニング: 「中尊寺閉門は予想通りw」「不測の事態こそ旅の醍醐味」と、お約束の展開を楽しむ声。

第10話「ココロのふるさと」は、潮岬での荘厳な初日の出から始まり、熊野本宮大社での静かな願い、そして雪深い岩手・花巻でのハッスーの心の再生と、まさに「心のふるさととは何か?」を問いかけるような旅でした。地理的には大胆な移動でしたが、それ以上に、ちかちゃんとハッスーの静かな交流、そしてお互いを思いやる優しい気持ちが心に残るエピソードでしたね。

旅の形は「ざつ」でも、そこで描かれる心の機微はとても繊細。そのギャップこそが、「ざつ旅」の大きな魅力なのだと改めて感じました。宮沢賢治ゆかりの地・花巻という舞台設定も、登場人物の心情と物語の余韻に深みを与えていましたね。

ハッスーが自分の「ココロのふるさと」を見つけ、新たな一歩を踏み出そうとしている姿に勇気をもらいました。そして、そんなハッスーを温かく見守り、時には強引に(笑)引っ張っていく ちかちゃんの友情も素敵でした。

さて、次回はどんな「ざつ旅」が待っているのでしょうか。二人の旅路がどこへ向かうのか、これからも楽しみです!

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『ざつ旅-That’s Journey-』の原作・コミックス紹介

「電撃マオウ」(KADOKAWA)で連載されている旅行漫画

『ざつ旅-That’s Journey-』は、石坂ケンタ氏によって2019年3月から「電撃マオウ」(KADOKAWA)で連載されている旅行漫画です。タイトルの通り、「雑に旅をする」というコンセプトが特徴的な作品で、主人公の鈴ヶ森ちかがSNSでのアンケートをもとに行き当たりばったりの旅を楽しむ様子が描かれています。

物語は、漫画家志望の女子大生・鈴ヶ森ちかが編集部に持ち込んだネームが全てボツになり、心が折れそうになったときに「どこか、旅に出たい…」と思い立つところから始まります。SNSで旅先のアンケートを取ったところ予想外の反響があり、そこから「ざつ旅」が始まるのです。

「雑に旅をする」というコンセプトが新鮮

『ざつ旅』は、旅行好きな読者を中心に高い評価を得ています。特に「雑に旅をする」というコンセプトが新鮮で、「自分も旅に出たくなる」という感想が多く見られます。

売上に関しては、第9巻が好調で重版されるなど、着実に読者を増やしています。シリーズ累計発行部数は公式には明らかにされていませんが、第1巻の初動売上は3日間で17,161部以下と報告されています。現在は第12巻まで刊行されており、アニメ化に伴いさらなる売上増加が期待されています。

読者からは「緻密な計画をたてず、宿も予約せず、行き先はSNSのアンケートで決める旅のスタイルが新鮮」「旅好きの共感の琴線はそこここに張り巡らされている」といった好意的な感想が多く寄せられています。

ベスト10入りが夢です!💦

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👇ざつ旅の概要・見どころにまとめた総合編です

☆☆☆☆☆今回はここまで。

それではまたね👋

👉使用した画像および一部の記述はアニメ公式サイトから転用しました。

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