完璧聖女6話感想:ミア、理性と感情の狭間で下す決断!魂の叫びと救国の誓い

TVアニメ『完璧すぎて可愛げがないと婚約破棄された聖女は隣国に売られる』(完璧聖女)第6話「理性と感情」では、物語の焦点がジルトニア王国へと移り、フィリアの妹ミア・アデナウアーの苦悩と決意、そして彼女の行動が国の運命を左右する可能性が描かれました。姉から託された情報をもとに魔界の脅威に立ち向かおうとするミアですが、その前には身勝手な第二王子ユリウスとその取り巻き、そして王国内に渦巻く陰謀という巨大な壁が立ちはだかります。本エピソードは、ミアの聖女としての「理性」と、姉を想い、国を憂う一人の少女としての「感情」が激しく交錯し、視聴者の心を揺さぶる展開となりました。今回はもう一人の聖女、フィリアの妹ミアが歩む軌跡を辿りながら、感想と考察をお届けします。

目次

  1. 「完璧聖女」の概要
  2. 登場人物
  3. 6話「理性と感情」あらすじ紹介:ジルトニアに渦巻く陰謀とミアの戦い
  4. 見どころポイント:第6話「理性と感情」の魂を揺さぶる瞬間
  5. 深い考察:私たちの心に響く、魂の再生と戦いの物語
  6. まとめと次回への期待:姉妹の絆が紡ぐ、救済の物語
  7. 関連商品
  8. このアニメを見れるVODは

「完璧聖女」の概要

原作について

『完璧すぎて可愛げがないと婚約破棄された聖女は隣国に売られる』(以下、「完璧聖女」)は、冬月光輝先生によるライトノベルを原作としたファンタジー・ロマンス作品です。原作小説はオーバーラップノベルスfから刊行されており、シリーズ累計発行部数は150万部を突破しています。また、綾北まご先生によるコミカライズ版が「コミックガルド」にて連載中です。物語は、完璧すぎる聖女フィリアが理不尽な婚約破棄の末に隣国へ売られ、そこで新たな仲間たちと出会い、自身の能力を活かして幸福を掴んでいく姿を描いています。

アニメ化に至る経緯

この作品がアニメ化に至った経緯としては、シリーズ累計150万部突破という人気に加え、「笑わない聖女が売られた先で心を開き笑顔を咲かせる奇跡のファンタジーストーリー」というテーマ性が多くの読者の心を掴んだことが大きな要因と考えられます。読者からの熱い支持がアニメ化プロジェクトを後押ししたことは間違いないでしょう。待望のアニメ化であり、原作ファンを中心に大きな期待が寄せられています。

前回のあらすじ

登場人物

フィリア・アデナウアー (CV:石川由依)

代々聖女を輩出するアデナウアー家に生まれ、「歴代最高の聖女」と評されるほど優秀な女性です。幼少の頃から叔母ヒルデガルトによる厳しい教育を受けて育ち、完璧に聖女としての務めを果たしますが、その完璧さゆえに周囲からは「可愛げがない」と疎まれ、婚約者であったジルトニア王国第二王子ユリウスに婚約破棄されます。さらに、父ゲオルグと母コルネリア、ユリウスらの策略により、聖女不在で困窮する隣国パルナコルタ王国へ莫大な金銭と資源と引き換えに売られてしまいます。当初は感情を表に出しませんでしたが、パルナコルタ王国での第二王子オスヴァルトや侍女リーナ、執事レオナルドといった温かい人々に触れ合うことで、徐々に人間らしさを取り戻し、笑顔を見せるようになります。聖女としての能力を遺憾なく発揮し、様々な問題を解決していく中で周囲からの信頼を得ていきます。唯一の心の支えである妹のミアを非常に大切に思っています。

ミア・アデナウアー (CV:本渡楓)

フィリアの妹で、同じくジルトニア王国の聖女です。わずか1年で聖女修行を終えるほどの才能を持ち、術の発動速度は姉をも凌ぐと言われています。天真爛漫で明るい性格から国民の人気も高く、「ジルトニアの宝」と愛されています。姉であるフィリアのことを聖女としても姉としても深く尊敬しており、彼女の婚約破棄と隣国への売却には心を痛めています。姉を陥れた者たちへの復讐を画策するなど、見た目の明るさとは裏腹に、計算高く行動的な一面も持っています。

オスヴァルト・パルナコルタ (CV:佐藤拓也)

パルナコルタ王国の第二王子です。フィリアを金銭で購入したことに負い目を感じており、彼女に対して常に気遣いを見せます。気さくで人情に厚い性格で、国民からの信頼も厚いですが、本人は王位継承には全く興味がなく、城内で農作業に勤しむことを好みます。フィリアの完璧さの裏にある孤独や努力を理解し、彼女が心を開くきっかけとなる重要な人物です。第5話では、フィリアのこれまでの努力を認め、彼女の心を大きく救済する言葉をかけました。

ユリウス・ジルトニア (CV:天﨑滉平)

ジルトニア王国の第二王子で、フィリアの元婚約者です。プライドが高く嫉妬深い性格で、完璧すぎるフィリアを疎ましく思い、「可愛げがない」という理由で一方的に婚約を破棄します。フィリアの妹であるミアに心酔しており、彼女と婚約するためにフィリアを隣国へ追いやる計画に加担しました。物語序盤におけるフィリアの境遇を作り出した張本人の一人です。

ライハルト・パルナコルタ (CV:立花慎之介)

パルナコルタ王国の第一王子で、オスヴァルトの兄です。物腰が柔らかく穏やかな性格ですが、国の繁栄を第一に考える合理主義者としての一面も持ち合わせています。3ヶ月前に亡くなった先代聖女エリザベスは彼の婚約者でした。エリザベスを深く愛しており、彼女の死後、その悲しみを紛らわすように公務に没頭しています。第5話ではエリザベスの墓前でフィリアやグレイスと遭遇しました。

リーナ (CV:徳井青空)

パルナコルタ王国でフィリアに仕えるメイド兼護衛です。元気で明るい性格で、何でも一人でこなそうとするフィリアを甘やかし、積極的に世話を焼きます。フィリアにとっては良き話し相手であり、彼女が心を許せる存在の一人です。護衛としての能力も備えています。

レオナルド (CV:成田剣)

パルナコルタ王国でフィリアに仕える執事兼護衛です。元々はパルナコルタ騎士団に所属していた実力者です。寡黙ですが忠誠心は厚く、フィリアの身辺を静かに守っています。料理が得意で、フィリアの食事を担当しており、その料理はフィリアの心を癒す一助となっています。

ヒマリ (CV:中村カンナ)

パルナコルタ王国でフィリアに仕えるメイド兼護衛です。大陸北東の島国・ムラサメ王国の出身で、隠密や諜報活動に長けています。普段は影からフィリアを守っており、口数は少ないですが、確実に任務を遂行します。第5話ではフィリアの依頼で故郷への「配達」を完了させたことが示唆されました。

グレイス・マーティラス (CV:内田秀)

ボルメルン王国の聖女で、聖女の名家マーティラス家の四女です。第5話で、フィリアから破邪術を学ぶためにパルナコルタ王国を訪れました。フィリアが過去に執筆した「聖女論」を心のバイブルとしており、フィリアに対して深い尊敬と憧れを抱いています。明るく素直な性格ですが、聖女としての悩みも抱えている様子がうかがえます。

フェルナンド・ジルトニア (CV:興津和幸)

ジルトニア王国の第一王子で、ユリウスの兄です。生まれつき病弱で、公務にもあまり出ずに自室に引きこもりがちです。穏やかな性格で、弟とは対照的に理性的です。フィリアの境遇に同情的な様子も見られ、今後の動向が注目される人物です。

ヒルデガルト・アデナウアー (CV:伊藤美紀)

フィリアとミアの伯母(父ゲオルグの姉)であり、ジルトニアの先代聖女です。フィリアの聖女としての師匠であり、「何があっても跳ね返せるように」と非常に厳しい修行を課しました。その厳しさの裏には、フィリアの将来を案じる深い愛情がありました。

ゲオルグ・アデナウアー (CV:伊藤健太郎)

フィリアとミアの父親で、アデナウアー家の当主です。権力欲が非常に強く、娘たちのことよりも家の利益や自身の地位向上を優先します。ユリウスと結託し、フィリアを隣国に売り渡す計画の中心人物の一人です。

コルネリア・アデナウアー (CV:大原さやか)

フィリアとミアの母親です。夫ゲオルグと同様に強い権力欲を持ち、家の地位向上を常に考えています。フィリアに対しては冷淡な態度を取り、溺愛するミアとユリウス王子との婚約を望み、フィリア追放計画に加担しました。

ピエール (CV:村上裕哉)

ジルトニア王国の騎士で、ミアの護衛を務めています。忠誠心は高いですが、第一王子であるフェルナンド派に属しており、引きこもりがちなフェルナンドのことも気にかけています。王宮内のパワーバランスに関わる立場にいる人物です。

エルザ・ノーティス (CV: 大谷育江)

クラムー教会本部に所属する退魔師です。教皇の命令を受け、聖女フィリアを護衛するためにパルナコルタ王国へ派遣されました。冷静沈着な性格ですが、使い魔であるマモンの軽薄な行動に対しては容赦がなく、時にはその首を落とすほど手厳しい一面も見せます。退魔師としての高い自負心と自信を持ち合わせており、いかなる窮地にあっても冷静な判断を下すことができる人物です。

マモン (CV: KENN)

エルザ・ノーティスの使い魔であり、ノーティス家に仕える上級魔族です。性格は軟派で、女性を見かけるとすぐに口説きにかかり、その度にエルザから厳しいお仕置きを受けています。虎のような外見の猫に変身する能力を持っています。常に独特のテンションで自由気ままに振る舞うキャラクターです。

フィアナ・イースフィル (CV: 坂本真綾)

400年前に世界を救済したとされる初代聖女です。強大な力を持つ大悪魔アスモデウスを封印したと伝えられています。物語の核心に迫る重要な局面で登場するキャラクターです。第6話では、エルザの口から、魔界の接近によりその封印が揺らぎ始めている大悪魔アスモデウスを400年前に封じた聖女としてその名が語られました。

6話「理性と感情」あらすじ紹介:ジルトニアに渦巻く陰謀とミアの戦い

物語は、フィリアが隣国パルナコルタへ売られた後のジルトニア王国から始まります。

ミアの警告とユリウスの傲慢

姉フィリアから忍者ヒマリを通じて届けられた手紙。そこには、魔界の接近と予想される被害規模、そして国内の兵力配備案が記されていました。聖女として、姉からの情報を重く受け止めたミアは、現ジルトニア王国の実権を握る婚約者(強引にそうなった)第二王子ユリウスに危機を訴え、対策を講じるよう進言します。

数百年に一度起こるかどうかのことに金を出すつもりはない

しかし、ユリウスは「数百年に一度起こるかどうかのことに金を出すつもりはない」と、ミアの言葉を全く相手にしません。姉フィリアをパルナコルタ王国に売り渡した際に得た莫大な対価についても、ミアが「国のために使われるべきでは?」と問い質すと、ユリウスはなんと自身の巨大な黄金像を建立するために使ったと恥じる様子もなく言い放つのです。そのあまりの愚かさと自己中心的な態度に、ミアは怒りを通り越し自分で打開しようと考えます

ミアは怒りを通り越し自分で打開しようと考えます

病床の国王とユリウスの黒い策略

そこへ、病に伏せる父王(ジルトニア国王)が現れます。

ジルトニア国王

国王はミアに魔界接近の事実を確認するとともに、長女フィリアを売り飛ばしたユリウスを激しく叱責。ユリウスは「フィリア本人が行くと決めた」と見え透いた嘘で弁明しますが、国王は「王子であるお前がそれを止めるのが役目だろう!」と激怒し、激しく咳き込みます。かつてフィリアが調合していた特効薬は既に底を突き、その処方箋も紛失したため、新たな薬を作ることができないと従者は嘆きます。その様子を冷ややかに見つめ、ほくそ笑むユリウス。この瞬間、ミアは直感します。ユリウスは、完璧聖女である姉フィリアを国外に追放することで、父王をも葬り去り、王位を簒奪しようと企んでいるのだと。フィリアの処方箋を隠匿、あるいは破棄したのも、この男の仕業に違いない――ミアの腹の底で、煮え繰り返るような怒りが込み上げます。

激しくせき込む

現実を突きつけるための同行

このどうしようもない婚約者に国の危機を理解させるため、ミアは一計を案じます。「明日の聖女としてのお務め、殿下も付き合ってくれませんか?」プライドを巧みにくすぐる言葉で誘い、ユリウスを魔物討伐の現場へ連れ出すことに成功します。警戒心の強いユリウスも、ミアの巧みな誘導には抗えませんでした。

殿下も付き合ってくれませんか?

魔物の脅威とユリウスの醜態

案の定、ミアとユリウス一行は魔物の群れに遭遇します。最近では、魔物が集団で現れることも珍しくありません。ミアは聖女の力「シルバージャッジメント」で魔物を討伐しますが、その光景を目の当たりにしたユリウスは「お腹が痛くなったので帰る」と、子供のような言い訳をして逃げ出そうとします。

お腹が痛くなってきた

しかし、時すでに遅く、一行は大量のゴブリンに包囲されてしまいます。「このまま手を打たなければ王都とて安全ではありません!」とミアが必死に訴えるも、ユリウスはあろうことか婚約者であるミアを盾にして逃げようとする始末。あまつさえ「僕のせいじゃない!いなくなったフィリアが悪いんだ!フィリアを呼び戻せばいい!」と、魔物が増えた責任を全て姉フィリアに押し付けようとするのです。そのあまりの身勝手さと卑劣さに、ミアの怒りは再び頂点に達します。

婚約者のミアを盾にしようとする

教会と悪魔の影

場面は変わり、田舎娘を口説く軽薄な男、悪魔マモン(CV: KENN)が登場。

君、可愛いね


彼はクラムー協会本部・大司教付きの退魔師エルザ・ノーティス(CV: 大谷育江)の使い魔でした。エルザは、400年前に聖女フィアナ(CV: 坂本真綾)によって封じられた大悪魔アスモデウス(CV: 東地宏樹)の復活が、魔界の接近によって現実味を帯びてきていると警告します。この二人は、教会から何らかの密命を受けて派遣されてきたようです。

退魔師エルザとエルザの使い魔マモン

ユリウスの歪んだコンプレックスとビルツ公爵の囁き

ユリウスの醜い内面がモノローグで語られます。かつては神童ともてはやされたものの、完璧聖女として名高いフィリアの存在が、彼のプライドを深く傷つけ、強いコンプレックスとトラウマになっていたのです。兄王子フェルナンドが病弱であったため、次男である自分こそが王位を継ぐべきであり、女は男より劣る存在で、男の言うことを聞いていればよいという歪んだ思想の持ち主。だからこそ、優秀で自分に媚びないフィリアを憎んでいたのでした。

その封印を解けば絶大な力が

そんな彼の前に、怪しげなビルツ公爵が現れ、「聖女フィアナの魔力を封じた指輪」の存在を囁きます。その封印を解けば絶大な力を得られ、フィリアの鼻を明かし、父王をも葬り去ることができると唆され、ユリウスは狂喜乱舞。「もう誰も僕に意見できない!」――ビルツ公爵は、どうやら魔族に操られているようです。

聖女フィアナの魔力を封じた指輪

パルナコルタの動きとフィリアの覚悟

一方、パルナコルタ王国では、オスヴァルト王子が、フィリアに対し、パルナコルタ騎士団をジルトニア王国へ派遣する意向を伝えます。元ジルトニア王国騎士団のレオナルドも、その作戦に自信を見せます。そこへ、忍者ヒマリからミアの手紙がフィリアに届きます。手紙には、ジルトニア王国に渦巻く陰謀の首謀者がユリウスであり、彼を国政の表舞台から葬り去ろうとしているミアの覚悟が綴られていました。普段は温和で優しい妹の、そこまでの強い決意にフィリアは驚きを隠せません。そして、国王の特効薬の処方箋をヒマリに託し、ジルトニアへ送ることを決意します。

彼を国政の表舞台から葬り去ろうとしているミアの覚悟

ミアの葛藤とヒマリの言葉

ヒマリはフィリアからの処方箋をミアに届け、ユリウス王子を毒殺してはどうかと提案します。しかしミアは「無力化させればそれでいい」と、暗殺までは望みません。暗殺という手段は、パルナコルタ王国に疑いの目を向けさせ、戦争を引き起こす危険性があると冷静に判断します。ミアは、ユリウスの権力を全て剥奪し、フィリアに謝罪させた上で国外追放にしたいと一度は口にしますが、それもまた聖女として為すべきことではないと思い悩み、「そもそも自分が聖女とは…」と自問自答します。

そもそも自分が聖女とは…

回想:姉への憧れと聖女への道

ミアの脳裏に、過去の記憶が蘇ります。15歳の時、家庭教師から姉フィリアが聖女としてデビューすることを聞かされた日を思い出します。幼い頃、母コルネリアから「フィリアは自ら修道院へ行ったのだから関わらないように」と言い聞かされていました。しかし一目姉さんを見たいと変装して姉の聖女デビューを見に行ったミアは、城壁の外で魔物に襲われますが、そこに現れたフィリアに助けられます。

フィリアはミアが妹だと気づきません

幼い頃に引き離され、さらに変装していたため、フィリアはミアが妹だと気づきません。しかしミアは、気づかれなかったことよりも、誰彼構わず助けようとする姉の崇高な姿に深く感動し、自らも聖女を目指して修行を始めたのでした。貴賤を問わず人々を助け、国を守る盾となる歴代最高の聖女フィリアを、ミアは心から尊敬していたのです。

涙の決意:「第29代聖女・アデナウアーの在り方」

そんな尊敬する姉を貶め、売り飛ばした王国、そしてユリウス王子を決して許すことができない。ヒマリの前で、ミアは大粒の涙をこぼします。「頭では理解していても(ユリウスを破滅させるわけにはいかない)、感情が追いつかない(八つ裂きにしてやりたい)」。ぐちゃぐちゃな感情の中で、どうしていいかわからずむせび泣くミアの手を、ヒマリは優しく取ります。「それでいいのです。そのお心のままで。無理をしてフィリア様になろうとしなくていいのです。白黒はっきりつけるのが最善とは限りませぬ」。ヒマリの言葉は、ミアがミアのまま、ありのままでこの国を救えばいいのだと、彼女の心を解き放ちます。

それでいいのです。そのお心のままで。


ミアは決意します。大嫌いなユリウスを大嫌いなまま、聖女として救国のために、彼のたくらみを片っ端から暴き、丁寧にへし折ってやると。「私は欲張りだから、救国も復讐も譲れない」。それが、第29代聖女宮(フィリアの聖女としての宮号)・アデナウアーの在り方なのだと。そして、国王がフィリアの薬で回復するまで政治の表舞台から退いてもらい、ユリウスの陰謀によって長年軟禁されていた第一王子フェルナンドを表舞台に押し上げるべく動き出すことを誓うのでした。

「私は欲張りだから、救国も復讐も譲れない」

見どころポイント:第6話「理性と感情」の魂を揺さぶる瞬間

第6話は、ミアの心の動きが手に取るように伝わってくる、非常にエモーショナルな回でした。特に注目すべきポイントを振り返ってみましょう。

ミアの「理性」と「感情」の壮絶な戦い

まさにエピソードタイトル「理性と感情」を体現していたのが、ミアの姿でした。姉から託された情報という「理性」に基づき、国を救うために冷静に行動しようと努めます。ユリウスの愚かさに直面しても、聖女としての立場をわきまえ、あくまで穏便に事態を収拾しようとします。しかし、その胸の内には、姉を虐げ、国を危機に陥れる者たちへの燃え盛るような怒り、悲しみ、そして無力感といった激しい「感情」が渦巻いています。特に、ユリウスがミアを盾に逃げようとしたシーンや、フィリアの特効薬の処方箋がなくなったことに対するユリウスの薄ら笑いを見た時のミアの表情は、彼女の心の叫びが痛いほど伝わってきました。この理性と感情の狭間でのたうち回る姿は、多くの視聴者の心を掴んだのではないでしょうか。

ミアの心には激しい感情が渦巻く

ユリウスの底知れぬ愚かさと救いようのない小物感

ミアの苦悩とは対照的に、ユリウス王子の愚かさと身勝手さ、そして底の浅い小物っぷりがこれでもかと描かれました。魔界の接近という国家存亡の危機を前にしても、自身の黄金像建立を優先する金銭感覚の欠如。父王の病状を悪化させ、あわよくば王位を奪おうとする非道さ。魔物に襲われれば婚約者を盾にし、責任を全て他人に押し付ける卑劣さ。

今度の建国祭で僕の黄金像を披露するんだ

そして、自身のコンプレックスを解消するために、怪しげな力に安易に手を出そうとする短絡さ。彼の行動原理は全て自己中心的で、国や民を思う気持ちは微塵も感じられません。ここまで徹底的に「救いようのない悪役」として描かれることで、ミアの正義感や姉への想いがより一層際立ち、視聴者のミアへの感情移入を深める効果がありました。彼のような存在が権力を持つことの恐ろしさを、まざまざと見せつけられました。

この国本当につぶれるんじゃないかしら

明らかになるユリウスのさらなる陰謀:父王暗殺計画

フィリアを国外追放しただけでは飽き足らず、ユリウスは実の父親である国王の命までも狙っていたことが示唆されました。フィリアが調合していた特効薬の処方箋を意図的に紛失させ、国王の衰弱を早めようとする策略。これは単なる権力欲だけでなく、自分を認めない父親への歪んだ復讐心も感じさせます。彼がビルツ公爵の甘言に乗り、「聖女フィアナの魔力を封じた指輪」を手に入れようとするのも、この暗殺計画をより確実なものにするためでしょう。彼の心の闇は、想像以上に深く、そして危険なものだったのです。

ヒマリの提案とミアの聖女としての矜持

フィリアからの処方箋を届けたヒマリが、ミアにユリウスの「毒殺」を提案するシーンは衝撃的でした。忍者として、目的のためには手段を選ばないヒマリの冷徹さと、ミアへの忠誠心の表れとも言えます。しかし、ミアはこれを拒否します。「無力化させればそれでいい」と。たとえ憎い相手であっても、暗殺という手段は選ばない。それは、彼女が姉フィリアから受け継いだ聖女としての矜持、そして人としての優しさの証です。また、暗殺がパルナコルタ王国への疑念を招き、国家間の戦争を引き起こしかねないという冷静な状況判断も、彼女の「理性」が機能していることを示しています。このギリギリの選択の中に、ミアの人間性が凝縮されていました。

国家間の戦争を引き起こしかねない

涙の告白:ミアが抱える心の叫び「ぐちゃぐちゃでもうどうしていいかわからない」

尊敬する姉を理不尽に奪われ、国は危機に瀕し、頼るべき婚約者は愚かで卑劣。そんな絶望的な状況の中で、ミアの心は限界に達していました。ヒマリの前で堰を切ったように溢れ出す涙と、「頭では理解していても感情が追いつかない」「ぐちゃぐちゃでもうどうしていいかわからない」という悲痛な叫び。これは、聖女という仮面を脱ぎ捨てた、一人の少女の魂の叫びです。完璧であろうとした姉フィリアとは対照的に、自分の弱さや葛藤を素直に吐露するミアの姿は、痛々しくも、人間味に溢れていました。この涙の告白があったからこそ、その後の彼女の決意がより一層輝きを増すのです。

深い考察:私たちの心に響く、魂の再生と戦いの物語

第6話は、ミアという一人の少女の成長と決意を通して、私たち自身の心にも響く多くのメッセージを投げかけてくれました。

「聖女」という役割の重圧と、ありのままの自分でいることの強さ

フィリアもミアも、「聖女」という特別な役割を背負っています。それは国を守るという崇高な使命であると同時に、計り知れない重圧でもあります。フィリアは「完璧」であることでその重圧に応えようとしましたが、結果として周囲から孤立し、傷つきました。一方、ミアは今回、自分の弱さや感情の揺らぎを隠さず、ヒマリに受け止めてもらうことで、新たな強さを見出します。

無理をしてフィリア様になろうとしなくていいのです。

「無理をしてフィリア様になろうとしなくていいのです。白黒はっきりつけるのが最善とは限りませぬ」というヒマリの言葉は、ミアだけでなく、様々な役割や期待の中で生きる私たちにとっても、心に沁みるメッセージではないでしょうか。完璧でなくてもいい、ありのままの自分で、自分にできる最善を尽くすこと。それこそが、真の強さに繋がるのかもしれません。

ありのままの自分で、自分にできる最善を尽くすこと。

歪んだ自尊心が生む悲劇:ユリウスの闇と現代社会への警鐘

ユリウスの行動原理は、根深い劣等感と歪んだ自尊心に起因しています。自分より優れた存在(フィリア)を認められず、排除しようとする。自分に都合の悪い現実は見ようとせず、責任転嫁を繰り返す。このような彼の姿は、現代社会においても、残念ながら見受けられる人間の負の側面を映し出しているかのようです。実力ではなく、立場や権力に固執し、他者を貶めることでしか自己を肯定できない人間の末路は、破滅しかありません。ユリウスというキャラクターを通して、本作は歪んだプライドがいかに個人と周囲を不幸にするかという、普遍的なテーマを鋭く描いています。

「救国」と「復讐」の間で揺れるミアの決断の先に待つもの

「私は欲張りだから、救国も復讐も譲れない」。これは、ミアがたどり着いた一つの答えです。聖女としての使命感(救国)と、姉を虐げた者たちへの個人的な怒り(復讐)。この二つの相反する感情を否定せず、両方を成し遂げようとするミアの決意は、ある意味で非常に人間的であり、強い意志の表れです。しかし、この道は決して平坦ではないでしょう。復讐心が彼女の判断を曇らせる危険性もあれば、救国という大義が個人的な感情を押し殺すことになるかもしれません。彼女が目指す「第29代聖女・アデナウアーの在り方」とは、この二つのバランスを保ちながら、国と姉、そして自分自身の心をも救う道なのでしょうか。彼女の選んだ茨の道が、どのような未来に繋がるのか、目が離せません。

「私は欲張りだから、救国も復讐も譲れない」

エルザとマモン、ビルツ公爵 – 魔の手はどこまで広がり、誰が味方なのか?

今回、新たに登場した退魔師エルザと使い魔マモン、そしてユリウスを唆すビルツ公爵。彼らの存在は、ジルトニア王国に迫る危機が単なる魔物の増加だけでなく、より大きな悪意を持った存在――大悪魔アスモデウスの復活や、魔族の暗躍――と深く関わっていることを示唆しています。エルザとマモンは教会の人間として、果たしてミアたちの味方となるのでしょうか? それとも、別の思惑を抱いているのでしょうか? ビルツ公爵を操る魔族の目的とは? 一方、パルナコルタ王国からはオスヴァルト王子が騎士団派遣を申し出ており、フィリアも特効薬の処方箋を送るなど、姉妹の連携、そして国境を越えた協力体制が築かれようとしています。しかし、ジルトニア王国内部はユリウスとその取り巻きによって腐敗しており、誰が真の味方で、誰が敵なのか、予断を許さない状況です。この複雑な人間関係と勢力図の中で、ミアとフィリアはどのように立ち回っていくのでしょうか。

ビルツ公爵

アデナウアー家の在り方とは? ミアが見出した、泥中の蓮のような希望

ミアは最後に、自身の行動指針を「第29代聖女・アデナウアーの在り方」と表現しました。これは、姉フィリアが築き上げた聖女としての理想を受け継ぎつつも、自分自身のやり方でそれを体現していくという決意の表れでしょう。両親であるゲオルグやコルネリアは権力欲にまみれ、姉を売り渡すような非道な人間です。そんな腐敗したアデナウアー家の中で、フィリアとミアという二人の聖女が生まれたこと自体が奇跡のようにも思えます。ミアが見出した「在り方」は、そんな泥中から咲く蓮の花のように、困難な状況下でも失われない気高さと希望を象徴しているのかもしれません。彼女の戦いは、アデナウアー家の名を浄化し、真の聖女の家系としての誇りを取り戻す戦いでもあるのではないでしょうか。そして、その第一歩として、ユリウスの陰謀で不当に虐げられてきた第一王子フェルナンドを表舞台に立たせようとするミアの行動は、まさに正義と希望の狼煙と言えるでしょう。

まとめと次回への期待:姉妹の絆が紡ぐ、救済の物語

第6話「理性と感情」は、ミア・アデナウアーという一人の聖女の、苦悩、葛藤、そして魂の叫びとも言える決意を描ききった、エピソードでした。姉フィリアへの深い愛情と尊敬、国を憂う聖女としての使命感、そして許しがたい悪への怒り。それら全てを抱えながらも、自分自身の足で立ち上がり、未来を切り開こうとするミアの姿は、私の心を強く打ちました。

大嫌いなユリウスを「大嫌いなまま、聖女として利用し、彼のたくらみを片っ端から暴いて丁寧にへし折ってやる」というミアの決意は、清濁併せ呑む強かさと、決して折れない正義感を兼ね備えた、新たな聖女像の誕生を予感させます。そして、その背後には、常に姉フィリアの存在があり、遠く離れていても確かに繋がっている姉妹の絆が、彼女の大きな支えとなっていることでしょう。

次回、ミアは具体的にどのような行動を起こすのか。ユリウスとビルツ公爵の陰謀はどこまで進んでいるのか。そして、パルナコルタ王国にいるフィリアは、故郷の危機にどう関わっていくのか。エルザやマモンの目的、アスモデウス復活の危機など、物語はますますスケールを増し、複雑に絡み合いながら展開していくことでしょう。しかし、どんな困難が待ち受けていようとも、ミアとフィリア、二人の聖女が手を取り合えば、きっと未来を照らす光を見つけ出せると信じて、次回の放送を心待ちにしたいと思います。彼女たちの戦いが、多くの人々の心を救い、真の平和へと繋がることを願ってやみません。

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今回紹介したアニメを見ることができるVODを紹介します。

おすすめVOD3選(無料期間あり)

僕がおすすめしている3つの配信サイトでVODを楽しむことができますよ。

配信サービス配信状況無料期間
U-NEXT2,189円31日間
Amazonプライム600円30日間
ABEMAプレミアム960円2週間

3つのVODの違いについて少しご説明します。

まずは月額課金が違う、ってのは見りゃわかりますね。

ここではVODを楽しむための観点で説明します。

U-NEXT:1週地上波先行放映

U-NEXT

とにかくコンテンツ数が圧倒的に多い。そしてラノベやマンガなども見ることができます。有料コンテンツが多いのですが、利用料金の40%がポイントとして還元されるので実質的には月額千円程度の感覚で利用しています。

Amazonプライムビデオ

Amazon.co.jp

VODを見るために加入という方は少ないと思います。あくまでもAmazonのサービスの一環としての位置づけです。

しかし侮ることはできません。結構独占配信があったりタイムリーな話題のVODを見られたりしてお得感が高いです。

Amazonを利用している人なら加入しているでしょうから説明はこのくらいにしておきます。

ABAMAプレミアム:1週地上波先行放映

AbemaTV 無料体験

ABAMAプレミアムは使い勝手のいいVODというのが第一印象です。

地上波放送中の作品はABAMAプレミアムの放送予定日時を簡単に確認できます。

ABEMAには30,000作品以上の見放題作品があり、月額料金内で視聴できます。

あとは恋愛番組のオリジナルコンテンツが充実していることかな。

ABEMAは月額料金960円。

無料放送も多く、コンテンツも充実しています。VODだけじゃなくテレビ番組やニュースも豊富なんでおススメです。

☟アニメ見るならここがおすすめ

2022_MLB

☆☆☆☆☆今回はここまで。

※使用した写真および文章の一部はアニメ公式サイトより転載しました。

👇次回は物語が大きく動き始めます

完璧聖女7話感想:「閉ざされた王子」~動き出す運命と救国の誓い

👇前回はこちら!

完璧聖女5話感想:黄色のフリージアが照らす光 – 魂の承認と愛の萌芽

👇番外編【妄想】です
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