『薬屋のひとりごと』ファンの皆さま、こんにちは!びわおちゃんブログ&アニオタWorld!へようこそ。
アニメ『薬屋のひとりごと』第45話「蟇盆」は、息をのむ展開の連続でしたね。神美の狂気が頂点に達し、猫猫は「クソババア」の一言で絶体絶命の拷問「蟇盆」に処されます。しかし、そこで見せる猫猫の驚異的な知識と機転、そして毒蛇すら食らう生命力は圧巻の一言。
一方、これまで謎の多かった楼蘭(子翠)の悲しい過去と、彼女が下す壮絶な決断が明らかに。神美への憎しみ、子供たちへの憐憫、そして猫猫への信頼が複雑に絡み合い、物語は一気に核心へと迫ります。火薬庫の爆破、そして子供たちへの「蘇りの薬」…。愛と狂気、絶望と希望が交錯する、まさに神回と呼ぶにふさわしい濃密なエピソードでした。今回は、この衝撃的な第45話『蟇盆』を、皆さまと一緒に深く味わっていきたいと思います。どうぞ最後までお付き合いくださいませ。
(ネタバレ注意)本ブログはテレビアニメ「薬屋のひとりごと」の理解を促進するために感想・解説に留まらず、原作の記述等、ネタバレになる部分を多く含みます。アニメ放送時点で明らかになっていない点についても言及することがありますので、ネタバレを嫌う方にはおすすめできません。
しかし、既にアニメ視聴済みの方でも本ブログを読んだ後、アニメを見直すと、さらにこの名作を深く楽しめるはずです。
前回のあらすじ
前回第44話「砦」では、猫猫が飛発(フェイファ)の工房で絶体絶命の危機に陥り、そこで楼蘭の驚くべき正体と、彼女を取り巻く「子の一族」の壮大な計画が明らかになりました。雪深い砦に囚われた猫猫は、国家転覆を企む陰謀の渦中へと巻き込まれていきます。一方、壬氏(ジンシ)もまた、猫猫の失踪と国の危機を前に、重い決断を迫られるのでした。
👇詳しい内容は、以下の記事でまとめています。ぜひご覧ください。
【薬屋】44話『砦』感想~真実の断片が繋がる時、猫猫を待つ運命とは?
【薬屋】44話『砦』感想~真実の断片が繋がる時、猫猫を待つ運命とは?はこちら
第45話『蟇盆』登場人物紹介
まずは、今回の物語を彩った主要な登場人物たちを、第45話での活躍とともにご紹介します。
猫猫(マオマオ) (CV: 悠木碧)

本作の主人公で、類まれなる薬の知識と毒への異常な執着を持つ元薬屋の少女。神美の命で不老の薬を作るよう強いられていましたが、その状況下でも薬師としての矜持を失いません。響迂(キョウウ)を庇って神美の怒りを買い、恐ろしい拷問「蟇盆(たいぼん)」にかけられますが、持ち前の知識と機転、そして二本の簪を駆使して生き延びます。さらには火薬庫の爆発から楼蘭を救い出すなど、絶体絶命の状況でも諦めない芯の強さを見せました。
神美(シェンメイ)(CV:深見梨加)

楼蘭の母親であり、子の一族を陰で操る全ての元凶。先帝の元妃であり、現在は子昌(シショウ)の妻。自身の歪んだ復讐心から娘である楼蘭を人形のように扱い、猫猫や翠苓(スイレイ)、響迂に対してもサディスティックな仕打ちを繰り返します。その狂気的な言動は、見る者に強烈な印象と恐怖を与えました。
楼蘭(ロウラン)/ 子翠(シスイ)(CV:瀬戸麻沙美)

子昌と神美の娘で、翠苓の異母妹。後宮では淑妃・楼蘭妃として振る舞いながら、普段は下女・子翠として猫猫と親しくしていました。第45話では、神美の命令で猫猫に「蠆盆」の拷問を提案しますが、それは猫猫の知識と生命力を信じた上での苦渋の策でした。火薬庫を爆破し、一族の罪を清算しようとする悲壮な決意を見せます。猫猫によって助け出された後、自身の辛い生い立ちや神美への憎しみ、そして子の一族を終わらせるという真の目的を明かします。
翠苓(スイレイ) (CV: 名塚佳織)

楼蘭の異母姉で、薬師としての知識も持つ女性。かつて壬氏暗殺未遂事件に関与し、服毒自殺を偽装して姿を消していました。神美のもとで働いており、猫猫が捕らわれた際には響迂と共に猫猫を助けようとします。神美の理不尽な暴力に耐え、「蠆盆」の名を聞いただけで過呼吸に陥るほど過去にトラウマを抱えている様子が描かれました。
響迂(キョウウ)

猫猫が捕らえられている砦にいた少年。猫猫を逃がそうと策を講じますが、見張りに見つかってしまいます。神美に虐待されそうになったところを猫猫に庇われ、その結果、猫猫が拷問を受けることになります。彼の純粋な行動が、物語の重要な転換点となりました。終盤では、楼蘭が用意した「蘇りの薬」によって他の子供たちと共に昏睡状態にされてしまいます。
第45話『蟇盆(たいぼん)』あらすじ紹介
神美の厳命により、猫猫は砦の一室で「不老の薬」の開発を強いられる日々を送っていました。しかし、神美が求めるのは一杯飲めば10歳若返るような夢物語。薬師としての矜持から、そんな薬は存在しないと猫猫は研究を進めつつも内心では反発していました。その様子を扉越しに聞いた楼蘭は、猫猫の意志の強さを再確認し、静かにその場を去ります。

ある日、外で響迂が騒ぎを起こし、その隙に猫猫に「逃げろ」というメモと針金を渡そうとします。しかし、計画はすぐに見張りに露見し、響迂は捕らえられてしまいます。翠苓が仲裁に入り、一度は事なきを得たかと思われましたが、そこへ最悪のタイミングで神美が登場。場の空気は一変します。

神美は、響迂、猫猫、翠苓、そして見張りの男の誰をいたぶろうかと愉悦の表情を浮かべます。その理不尽な態度に猫猫の怒りが爆発。「クソババア」と呟いた言葉が神美の逆鱗に触れ、猫猫は激しく殴打されてしまいます。響迂を庇い、自分が逃亡を指示したと嘘をついた猫猫に対し、神美は「水牢」での反省を命じようとします。

翠苓が「薬師がいなくなっては困る」と猫猫を庇いますが、神美は聞く耳を持ちません。その時、楼蘭が「お母様、私『あれ』を使いたいです」と進言。神美が「蠆盆のことね」と応じると、翠苓は恐怖で顔面蒼白となり過呼吸に陥ります。かつて翠苓も「蠆盆」で苦しめられた経験があるようでした。

猫猫は密室に連れて行かれ、そこには毒蛇や毒虫が放たれます。これが古代の狂王が行ったという残酷な処刑法「蠆盆」でした。しかし猫猫は冷静に、壬氏から貰った簪と子翠(楼蘭)から貰った簪を使い、毒虫を退治し、毒蛇に至っては松明で焼いて食べてしまうという離れ業を見せます。

そこへ見張りの男が現れ、翠苓と響迂に頼まれたと言って猫猫を逃がそうとします。都からの討伐軍が迫っており、地下の火薬庫は危険だと聞いた猫猫は、逆に火薬庫へと向かいます。
火薬庫では、楼蘭が捕らえられていた人夫たちに銀貨を渡し、逃がしていました。そして、楼蘭は松明を火薬に投げ入れ、大爆発を引き起こします。爆風で吹き飛ばされた楼蘭を、一部始終を見ていた猫猫が助け出します。「楼蘭!」と呼びかける猫猫に、楼蘭は「あれ、猫猫、なんでいるの?」と、かつての友人「子翠」の声で答えるのでした。猫猫の頬の腫れに気づき、「たいぼん、猫猫なら平気だと思ったんだけど」と心配する楼蘭。やはり彼女は猫猫を助けようとしていたのです。

爆発音が鳴り響く中、逃げようと促す猫猫の手を振りほどき、「私は行かない。まだやることがあるから」と告げる楼蘭。猫猫も彼女と共に行くことを決意します。楼蘭は、神美が自分の顔すらろくに覚えておらず、自分を人形扱いしてきたこと、そして下女の格好をしていた時にうちわで打たれたことなどを語り始めます。そして、第34話で描かれた後宮の怪談話の真相も明かされるのでした。

最後に楼蘭が開けた部屋には、床に倒れた響迂と、同じように息をしていない子供たちの姿が。彼らは楼蘭が調合した「蘇りの薬」によって昏睡状態にされていたのです。
神美の狂気と歪んだ親子関係:翠苓・楼蘭との複雑な因縁
息を呑む展開の連続だった第45話。特に注目すべきポイントを深掘りしていきましょう。
神美の常軌を逸した狂気
今回の物語で最も強烈な印象を残したのは、やはり神美の常軌を逸した狂気でしょう。彼女の言動の端々からは、娘である楼蘭や、夫の連れ子である翠苓に対する歪んだ支配欲と憎悪が滲み出ていました。
神美の歪んだ価値観
神美は翠苓に対し「高貴な血が流れようと、一度穢れた血が混じったらお終いよ」と言い放ちます。これは、翠苓の母が子の一族の中でも身分の低い家柄であったこと、そして神美自身が先帝の妃であったというプライドから来る選民思想の表れでしょう。また、「親子二代で私を愚弄するのか。娘も何をするか解らない売女だ」という言葉からは、翠苓の母、そして翠苓自身への積年の恨みが感じられます。

翠苓と神美の関係
翠苓は子昌の前妻の子であり、神美にとっては目障りな存在でした。幼い頃から神美に虐待され、精神的に支配されてきたことが示唆されています。翠苓の祖母である大宝(タイホウ)は、かつて神美が後宮にいた頃の侍女であったことも明かされており、この大宝と神美の間にも複雑な因縁があったのかもしれません。神美が後宮にいる間に、子昌が別の女性との間に翠苓をもうけたことへの嫉妬も、翠苓への憎悪を増幅させた一因でしょう。
楼蘭(子翠)と神美の関係
楼蘭は神美と子昌の間に生まれた娘ですが、神美にとって楼蘭は愛情を注ぐ対象ではなく、自らの復讐計画を遂行するための道具でしかありませんでした。「お母様は私の顔をろくに覚えても無いの」「お母様にとって楼蘭はお人形なんだ」という楼蘭の言葉が、その歪な母娘関係を如実に物語っています。神美は楼蘭に「お前が新しい王母(かつて国を傾けたとされる絶世の美女)になればいい」と言い続け、楼蘭の容姿を利用して現帝の子を産ませ、他の皇位継承者を排除しようと企んでいたのです。
翠苓と楼蘭(子翠)の関係
二人は異母姉妹にあたります。翠苓は姉として楼蘭を気遣う様子も見せていましたが、神美の支配下では互いに助け合うこともままならなかったのかもしれません。
先帝・子昌・神美の複雑な過去
神美は元々先帝の妃でしたが、何らかの理由で家臣である子昌に下賜されました。この「下賜」が神美のプライドを傷つけ、復讐心の起点となった可能性があります。一方、子昌は「西の狸」と称されるほどの権力者であり、神美の計画にどのように関与していたのか、あるいは利用されていたのか、その詳細はまだ謎に包まれています。
翠苓が供えていた鬼灯と墓
後宮で翠苓が鬼灯を供えていた墓は、この複雑な人間関係の中で犠牲になった人物のものである可能性が高いです。それは神美によって虐げられた翠苓の母かもしれませんし、あるいは先帝の血を引く者で、神美の陰謀によって命を落とした人物かもしれません。鬼灯の花言葉には「偽り」「欺瞞」などがあり、この場所に眠る人物の無念や、神美の行いに対する静かな抗議が込められているのかもしれません。
神美を取り巻く複雑な相関関係
これらの複雑な関係性を表にまとめると以下のようになります。
人物 | 関係性の概要 | 備考 |
---|---|---|
神美 | 先帝の元妃、子昌の妻。楼蘭の母、翠苓の継母。復讐心に燃え、娘や周囲を道具として利用する狂気の女性。 | |
子昌 | 有力な重臣。「西の狸」。神美の夫。翠苓と楼蘭の父。 | 神美の計画への関与度合いは不明。 |
翠苓 | 子昌と前妻の娘。楼蘭の異母姉。薬師の知識を持つ。神美に虐待され、トラウマを抱える。 | 祖母は元神美の侍女・大宝。 |
楼蘭 | 子昌と神美の娘。翠苓の異母妹。表向きは淑妃・楼蘭妃、裏では下女・子翠として活動。神美の復讐の道具とされる。 | 最終的には子の一族を終わらせる決意をする。 |
先帝 | かつての皇帝。神美を妃としたが、後に子昌へ下賜。 | |
大宝 | 翠苓の祖母。元神美の侍女。 | 神美との間に何らかの因縁があった可能性。 |
水牢とは?神美が用いた見せしめのための残酷な処罰
神美が見張りの男を罰するために口にした「水牢」。これは文字通り、水を満たした牢獄や地下室に人を閉じ込める処罰方法です。長時間水に浸かることによる体温低下、皮膚の異常、精神的苦痛は計り知れません。場合によっては溺死の危険性もあり、非常に残酷な刑罰と言えます。神美がこれを口にしたのは、見せしめとして恐怖で相手を支配しようとする彼女のサディスティックな性格をよく表しています。
神美が猫猫を殴った「軍配のようなもの」とは?
神美が猫猫を殴りつけた際に手にしていた「軍配のようなもの」。これは、当時の貴族や高位の女性が権威や装飾として持っていた扇子の一種である可能性が高いです。特に儀礼的な場面や、自らの地位を誇示するために用いられることがありました。神美がそれを使って猫猫を殴打した行為は、彼女の激情と、相手を力でねじ伏せようとする傲慢さ、そしてその道具が持つ本来の優雅さとは裏腹な暴力性を象徴しています。翠苓を殴った際には柄が折れており、その力の強さと怒りの激しさがうかがえます。

二本の簪の伏線:猫猫の知恵と楼蘭の真意
「蠆盆」という絶体絶命の状況で猫猫の命を救ったのは、二本の簪でした。一本は壬氏から贈られたもの、そしてもう一本は第43話で子翠(楼蘭)が猫猫の髪に挿したものです。

薬屋のひとりごと 第43話「祭りと狐面」簪に込められた意味を考察したブログ記事はこちら
あの時、楼蘭が簪を渡したのは、単なる友情の証だけではなかったのかもしれません。猫猫の薬や毒物に対する深い知識と、いかなる状況でも生き抜こうとする生命力を誰よりも理解していた楼蘭は、来るべき試練(あるいは自らが下す非情な選択)を予期し、猫猫にささやかな護身の手段を与えたのではないでしょうか。
「蠆盆」の拷問を提案したのが楼蘭であったことは衝撃的でしたが、それは猫猫ならばこの試練を乗り越えられると信じていたからこその、苦渋の選択だったのかもしれません。他の拷問方法では猫猫が確実に命を落とす可能性が高いと考え、あえて毒虫を使う「蠆盆」を選び、猫猫の知識と簪という「武器」に賭けたのではないでしょうか。結果的に猫猫はその期待に応え、毒虫を簪で仕留め、毒蛇を焼いて食べるという驚異的な方法で生き延びました。この二本の簪は、猫猫の知恵と生命力、そして楼蘭の猫猫への信頼と、複雑な立場の中で見せた一縷の優しさの象徴と言えるでしょう。
楼蘭の告白と34話怪談の真相:隠された母への憎しみと子翠の顔
火薬庫の爆発の後、猫猫に助けられた楼蘭は、堰を切ったように自らの過去と胸の内の苦しみを語り始めます。
母からの人形扱いと屈辱
楼蘭は、母である神美が自分の顔すらろくに覚えておらず、まるで人形のように扱ってきたことを告白します。下女・子翠として振る舞っていた際、神美にうちわで打たれたというエピソードは、彼女が母から受けた屈辱と、それに対する静かな怒りを象徴しています。煤で汚れていてもなお美しい楼蘭の顔立ちは、皮肉にも神美が彼女を「王母」候補として利用しようとした理由の一つでしたが、楼蘭自身にとっては呪縛のようなものだったのかもしれません。

第34話「怪談」のトリックと伏線回収
そして、楼蘭は第34話で語られた後宮の怪談話の真相を明かします。あの怪談会自体が、楼蘭(子翠)によって仕組まれたものだった可能性が浮上します。
👇34話詳細はこちら
「怪談話が好きな人だったと聞いたわ。前にそれで窒息しかけたけど、そのおばあさまの仕業だったのかもね。私はお母様の娘だもの。凄く憎かったと思うの。幽霊になっても殺そうと思うくらい」
この「おばあさま」とは、恐らく翠苓の祖母であり、神美の元侍女であった大宝を指しているのかもしれません。大宝が神美を憎み、その娘である楼蘭を殺そうとしたという筋書きです。しかし、これは楼蘭が自らの立場をカモフラージュするための作り話、あるいは神美の恐怖政治の一端を示している可能性もあります。
特に重要だったのは、子翠が語った「鈴虫の妻が夫を食べる話」です。これは、楼蘭自身の境遇、つまり母である神美によって人生を狂わされ、利用されることへの深い絶望と、いつかその支配から逃れたい、あるいは神美という存在を「喰らってしまいたい」ほどの強い憎悪を投影していたのではないでしょうか。
猫猫が楼蘭にあえて「子翠」と呼びかけると、楼蘭の表情から淑妃としての仮面が剥がれ落ち、素の「子翠」としての感情が露わになります。これは、猫猫が楼蘭の本当の姿を見抜いていること、そして二人の間に確かに存在した友情の絆を示唆する重要なシーンでした。また、猫猫は後宮で起きた堕胎薬の事件が、楼蘭が自分自身で使うためだった可能性にも気づきます。これは、神美の望む「世継ぎ」を産むことを拒否するための、楼蘭なりの抵抗だったのかもしれません。

響迂と子供たちの運命:楼蘭が「蘇りの薬」を使った理由
蘇りの薬」によって昏睡状態にされている衝撃的な光景
物語の最後に楼蘭が猫猫に見せたのは、響迂をはじめとする子供たちが「蘇りの薬」によって昏睡状態にされている衝撃的な光景でした。なぜ楼蘭はこのような行動に出たのでしょうか。

これは、迫りくる討伐軍から子供たちを守るための、楼蘭なりの苦肉の策だったと考えられます。子の一族が滅ぼされる運命にある中で、罪のない子供たちまで巻き添えにしないために、一時的に仮死状態にして難を逃れさせようとしたのではないでしょうか。翠苓がかつて「蘇りの薬」で死を偽装したように、この薬は使い方次第で命を救う手段にもなり得ます。

また、楼蘭が抱いていた「子の一族を終わらせる」という悲壮な決意とも関連しているかもしれません。一族の血塗られた歴史と神美の狂気に終止符を打ち、子供たちには新たな人生を歩んでほしいという願いがあったのかもしれません。しかし、その方法はあまりにも危険で、一歩間違えれば取り返しのつかない結果を招くものでした。楼蘭の行動は、彼女の絶望と、それでも未来へのわずかな希望を捨てきれない複雑な心情を表していると言えるでしょう。
響迂の母と翡翠宮の侍女たちの謎
響迂が「母様」と呼びかけた女性は、神美の隣で蝋人形のように無表情でした。これは、44話で描写された麝香が焚かれた部屋での出来事と関連し、薬物によって意思を奪われている状態だったのかもしれません。あるいは、息子である響迂を守るために、あえて感情を押し殺し、神美に逆らわないよう振る舞っていた可能性も考えられます。

気になるのは、この響迂の母の無表情さが、第34話の怪談の回で翡翠宮に新しく入った侍女たち(白羽、黒羽、赤羽)の雰囲気に似ているという点です。彼女たちもまた、どこか感情の読めない、人形のような印象を与える人物でした。もしかすると、彼女たちは神美が送り込んだ間者、あるいは子の一族に関わる者で、何らかの薬物や精神的な支配を受けていたのかもしれません。この繋がりは、今後の物語で明らかになるのでしょうか。

次回への期待
第45話『蟇盆』は、多くの謎と衝撃を残して幕を閉じました。次回以降、物語はどのように展開していくのでしょうか。
都からの討伐軍が砦に迫っており、いよいよ子の一族との最終決戦が始まるでしょう。猫猫と、子翠としての顔を取り戻した楼蘭は、この危機的状況でどのような行動をとるのか。二人が協力して神美の狂気を止め、子供たちを救う展開に期待が高まります。
そして、忘れてはならないのが壬氏の存在です。猫猫を救うために、そして国の安寧のために、彼がどのような活躍を見せてくれるのか、目が離せません。李白や馬閃といった武官たちの勇姿も見られるかもしれませんね。
神美の歪んだ復讐計画はどのような結末を迎えるのか。翠苓や子昌の運命は。そして、猫猫と壬氏の関係にも新たな進展はあるのでしょうか。深まる謎とスリリングな展開から、ますます目が離せない『薬屋のひとりごと』。次回の放送も心して待ちたいと思います。
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。皆さまの感想や考察も、ぜひコメントでお聞かせくださいね。
オープニングテーマとエンディングテーマ
第2クールを彩る新しい主題歌も、作品の世界観をさらに深く、豊かに表現しています。
オープニングテーマ:Mrs. GREEN APPLE『クスシキ』
オープニングを飾るのは、圧倒的な人気と実力を兼ね備えたバンド、Mrs. GREEN APPLEによる書き下ろし楽曲『クスシキ』です。
「薬」の語源である古語「奇(くす)し」(神秘的、不思議な)から名付けられたこの曲。ボーカル・ギターの大森さんは、「薬は人の助けにも毒にもなる。そんな両義性からヒントを得て、“今世を超え来世でも変わらない愛”をテーマにした」と語っています。オリエンタルな旋律と疾走感のあるバンドサウンドが、波乱含みの第2クールの幕開けにぴったりです。ノンクレジット映像では、狐の面や蝶といった象徴的なモチーフが散りばめられており、考察するのも楽しいですね。
エンディングテーマ:Omoinotake『ひとりごと』
エンディングテーマは、繊細なメロディと歌声で聴く者の心を掴むピアノ・トリオバンド、Omoinotakeの『ひとりごと』です。
Omoinotakeは、「最愛の人の本音に気づけなかった悲哀、日常にあった会話が『ひとりごと』になってしまった喪失感をテーマにした」とコメントしています。切なくも温かいミドルバラードで、繰り返される転調とオリエンタルな響きが、各話の物語の余韻を深く心に刻みつけ、登場人物たちの複雑な心情にそっと寄り添ってくれます。こちらもノンクレジット映像が公開中。CDは5月21日にリリースしました。
考えるほどに深みにハマる『薬屋のひとりごと』の世界。毎週金曜日の放送を楽しみにしつつ、関連グッズやイベントで、さらに作品愛を深めてみてはいかがでしょうか。次回の放送も、固唾を飲んで見守りましょう!
2種類のコミックスシリーズ
「薬屋のひとりごと」には2種類のコミックスシリーズがあります。それぞれの最新刊情報は以下の通りです。
ビッグガンガン版(スクウェア・エニックス)
- タイトル: 薬屋のひとりごと
- 出版社: スクウェア・エニックス
- レーベル: ビッグガンガンコミックス
- 作者: 原作:日向夏(ヒーロー文庫/イマジカインフォス)、作画:ねこクラゲ、構成:七緒一綺、キャラクター原案:しのとうこ
- 最新刊: 15巻(2025年3月25日発売予定)
- 特徴: より「恋愛コメディ」的な要素が強く、かわいらしい作画で明るい印象の作品です。
2. サンデーGX版(小学館)
- タイトル: 薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~
- 出版社: 小学館
- レーベル: サンデーGXコミックス
- 作者: 原作:日向夏、作画:倉田三ノ路、キャラクター原案:しのとうこ
- 最新刊: 19巻(2024年12月19日発売)
- 特徴: よりクールな作画スタイルで、ミステリー要素を重視した作品です。
どちらも同じ原作小説をコミカライズしたものですが、作画や構成が異なり、それぞれ独自の魅力を持っています。原作小説は現在15巻まで刊行されており、シリーズ累計3,800万部を突破する大人気作品となっています。
アニメはどちらをベースにしているの?
アニメ『薬屋のひとりごと』は、2種類のコミカライズ版のどちらかをベースにしているわけではなく、原作小説を直接アニメ化しています。
アニメ版の原作は、漫画版のどちらでもなく、現在第15巻まで刊行されている小説版の「薬屋のひとりごと」です。アニメと漫画の内容はほぼ同じですが、これはどちらの漫画も原作小説を忠実に漫画化しているからであり、どちらかの漫画のストーリーを採用しているわけではありません。
アニメのキャラクターデザインについても、漫画版のビジュアルが使われているのではなく、小説版のイラストをベースとしたデザインとなっています。アニメのクレジットには、「キャラクター原案」として小説版のイラストを手掛けたしのとうこ氏、「キャラクターデザイン」として中谷友紀子氏の名前が記載されています。
プロデューサーの菱山光輝氏は、本作の制作にあたり「原作小説に誠実にあること」を重要なテーマとして掲げました。原作はコミカライズやドラマCD化など、さまざまに展開して多くのファンを獲得してきた作品であり、ファンの一人一人にそれぞれの解釈が生まれているため、チーム全体としてあくまでベースは原作小説であるという意識を持つことを重要視したとのことです。
ただし、アニメのコメディ描写や衣装、髪型などの要素は、スクウェア・エニックス版(ねこクラゲ氏作画)のコミカライズの影響を受けている部分もあるという意見もあります。しかし、これは公式に明言されたものではなく、視聴者の印象によるものです。
結論として、アニメ『薬屋のひとりごと』は2種類のコミカライズ版のどちらかをベースにしているのではなく、原作小説を直接アニメ化した作品です。
ついに発売!原作小説 最新刊16巻
16巻の詳細情報
ついに発売!原作小説 最新刊16巻 詳細情報
ファンの皆様、お待たせいたしました!「薬屋のひとりごと」原作小説の最新刊となる第16巻が、2025年5月30日(金)に発売されました。
- タイトル: 薬屋のひとりごと 16
- 著者: 日向夏
- イラスト: しのとうこ
- レーベル: ヒーロー文庫
- 発売日: 2025年5月30日(金)
- あらすじ・見どころ:
皇帝の手術を無事に終えてから半月、季節は冬へと移り変わります。そんな中、とある小さな村で流行り病が発生したとの報せが。猫猫は、その感染拡大の秘密に迫ることになるようです。投薬実験や外科手術が物語の鍵を握る展開になるかもしれません。これまで数々の難事件を解決してきた猫猫が、この新たな脅威にどう立ち向かうのか、そしてそこで待ち受ける新たな謎や陰謀とは…?手に汗握る展開が期待されます。
注目の限定特装版も同時発売!
注目の限定特装版も同時発売!
なんと最新16巻には、アニメ第1期シナリオ集付き限定特装版も同時に発売されました!
内容: 小説16巻(328ページ)に加え、大ボリュームのアニメ第1期シナリオ集(400ページ)がセットになった豪華特装版です。アニメファンにとっても、原作ファンにとっても見逃せない、永久保存版と言えるでしょう。
タイトル: 薬屋のひとりごと16 アニメ第1期 シナリオ集付き 限定特装版
価格: 4,840円(税込)
ISBN: 978-4074618828
「薬屋のひとりごと」Blu-ray 第2期 リリース情報まとめ
待望のアニメ「薬屋のひとりごと」第2期は、2025年1月からの放送が予定されており、Blu-rayは2025年4月16日(水)より全4巻で順次リリースされることが決定しています。各巻には本編に加え、豪華な初回生産限定特典や映像特典、音声特典などが収録予定です。
アニメ「薬屋のひとりごと」第2期Blu-rayジャケットイメージ
特に注目したいのは、初回生産限定版に付属する「特製三方背ケース」や「キャラクターデザイン・中谷友紀子描き下ろしデジパック」、「スペシャルブックレット」など、ファン垂涎のアイテムです。また、第1巻には「原作小説着せ替えブックカバー」も封入される予定です。
法人共通メーカー特典も見逃せません。
- 第1巻・第2巻連動購入特典: キャラクターデザイン・中谷友紀子描き下ろしA5色紙(キャラクター:猫猫、小蘭、子翠)。
- 第3巻・第4巻連動購入特典: キャラクターデザイン・中谷友紀子描き下ろしA5色紙(キャラクター:猫猫、壬氏)。
これらの特典は対象法人での購入が必要で、なくなり次第終了となるため、早めの予約が肝心です。特典は基本的に商品発売時(連動特典の場合は後の巻の発売時)に渡されます。
大手ネット通販サイト別!割引・限定特典情報
それでは、主要なネット通販サイトの「薬屋のひとりごと」第2期 Blu-rayの取り扱い状況、価格、そして魅力的な限定特典について詳しく見ていきましょう。
1. Amazon.co.jp
Amazonでは、第2期Blu-ray各巻の予約が開始されています。
2025年4月16日(水)発売初回生産限定版
価格:14,850円(税抜価格 13,500円)
《ネット通販割引中👇》
- 価格: 例えば第1巻は、参考価格から割引されて販売されている場合があります。ポイント還元も行われていることが多いです。
- Amazon限定特典:
- 全巻購入特典: 描き下ろしA5キャラファイングラフ、描き下ろしアクリルスタンド、描き下ろしA4クリアファイル、描き下ろし缶バッチ3個セット。これらの特典は各巻に付属するシリアルコードで引き換えとなります。
- 全巻購入特典: 描き下ろしA5キャラファイングラフ、描き下ろしアクリルスタンド、描き下ろしA4クリアファイル、描き下ろし缶バッチ3個セット。これらの特典は各巻に付属するシリアルコードで引き換えとなります。
- その他: 「予約商品の価格保証」対象商品の場合があります。
2. 楽天ブックス
楽天ブックスでも、第2期Blu-ray全巻の予約が受付中です。
2025年4月16日(水)発売初回生産限定版
価格:14,850円(税抜価格 13,500円)
《ネット通販割引中👇》
2025年4月16日(水)発売初回生産限定版
価格:14,850円(税抜価格 13,500円)
《ネット通販割引中👇》
収録分数:約136分(第25話~第30話収録)+映像特典/DISC枚数:1枚
<特典内容>
【初回生産限定特典】
《封入特典》
◆特製三方背
◆キャラクターデザイン・中谷友紀子描きおろしデジパック
◆スペシャルブックレット(42P)
◆原作小説着せ替えブックカバー
【初回・通常共通特典】
《音声特典》
◆第29話オーディオコメンタリー(猫猫役:悠木碧/壬氏役:大塚剛央/子翠役:瀬戸麻沙美)
《映像特典》
◆第2期ティザーPV 第2弾
◆第2期本PV
◆第2期ファイナルPV
◆ノンクレジットOP
◆ノンクレジットED
「薬屋のひとりごと」を見れるVODは
今回紹介した「薬屋のひとりごと」を見ることができるVODを紹介します。
「薬屋のひとりごと」を視聴できるVODサービス一覧
配信サービス | 月額料金(税込) | 無料期間 | 特徴 |
---|---|---|---|
U-NEXT | 2,189円 | 31日間 | 豊富なコンテンツ数。ラノベやマンガも楽しめ、利用料金の40%がポイント還元。 |
Amazonプライム | 600円 | 30日間 | 独占配信や話題作が充実。Amazon利用者におすすめ。 |
ABEMAプレミアム | 960円 | 2週間 | 地上波放送中の作品や恋愛番組のオリジナルコンテンツが豊富。 |
おすすめポイント
- U-NEXT: アニメ以外にもラノベやマンガが楽しめる。ポイント還元で実質的なコストを抑えられる。
- Amazonプライム: コストパフォーマンスが高く、独占配信が魅力。Amazon利用者には特に便利。
- ABEMAプレミアム: 地上波作品の視聴やオリジナルコンテンツが充実。テレビ番組やニュースも楽しめる。
特にABEMAをおススメ!月額料金は960円。
無料放送も多く、コンテンツも充実しています。VODだけじゃなくテレビ番組やニュースも豊富なんでおススメです。
☟アニメ見るならここがおすすめ

👇前回はこちら!
【薬屋】44話『砦』感想~真実の断片が繋がる時、猫猫を待つ運命とは?
前半のまとめです👇
☆☆☆☆☆今回はここまで。
※使用した写真および文章の一部はアニメ公式サイトより転載しました。

👇こちらも大きく物語が動きました
完璧聖女10話感想「守りたいもの」立ち向かう姉妹の絆と迫り来る黒幕の影…
【アニメ関連はこっちから】