氷の城壁 第5話「変化」考察|「頑張って」と言えた日、壁に窓が開いた

おかえりなさい。びわおちゃんブログ&アニオタWorldへようこそ。

第5話「変化」――このタイトルが指すのは、小雪の何が変わったのか、ということです。結論から言います。小雪は「頑張って」と言えた。たった4文字ですが、1話から4話の小雪を知っている私たちには、その重さがわかります。壁が消えたわけではありません。ただ、壁に小さな窓が開いた。その窓が開くまでの過程を、台本の解像度で丁寧に読み解いていきます。

📌 この記事はアニメ本編のみをもとにした考察です。原作コミックスは未読のため、原作との相違点については触れていません。あらかじめご了承ください。


目次

  1. 氷の城壁 湊の心理|「誰とでも話せる」という自信が、音を立てて崩れた朝
  2. 氷の城壁 5話 保健室|陽太が運んできた、「見えない縁」という名のパン
  3. 氷の城壁 小雪 謝罪シーン|息を切らして走った少女が、壁を越えた日
  4. 氷の城壁 湊 植え込みシーン|「考える前に動いた」男の、積み上げてきた時間
  5. 氷の城壁 小雪「頑張って」|たった4文字が、1話から5話の全部を回収した
  6. 氷の城壁 美姫「私のせいだ」|この物語の、最も深い地層が動いた
  7. 氷の城壁 6話「新学期」予告考察|壁に窓が開いた翌朝、また新しい壁が現れる
  8. 作品情報

氷の城壁 湊の心理|「誰とでも話せる」という自信が、音を立てて崩れた朝

湊と小雪のすれ違い|善意という名の地雷を、踏んだ側は気づかない

「今まで自分は誰とでも話せる方だと思っていた。けど――」

この独白で始まる第5話の冒頭は、湊というキャラクターの核心を静かに揺さぶります。湊は「鍵師」です。誰の心の鍵でも開けられると、無意識に信じてきた。その自信が、小雪との会話の中で初めて、音を立てて揺らぎ始めます。

五十嵐の名前を出した瞬間、小雪の表情が凍りつく。湊の独白は素早く動きます。「うわ、表情。え、これ地雷か」――この反応の速さに注目してください。湊は人の顔色を読む能力が高い。だからこそ、「ミスった」と即座に気づき、話題を変えようとする。

しかしここで問題が起きます。「あーごめん、中学の話やめよっか」という唐突な方向転換が、かえって不自然な空気を生んでしまう。湊自身も「いや、不自然、我ながら。苦しい」と自覚しています。

湊にとって、五十嵐の話題を出したのは純粋な好奇心と善意でした。「小雪のことをもっと知りたい」という気持ちが、そのまま言葉になった。しかし小雪にとって「探られる」という行為は、中学時代の嫌がらせの記憶と直結しています。下駄箱にゴミを入れられ続けた日々。その記憶の中で、誰かが自分のことを「調べていた」という恐怖。

「なんで人のことを探ったりするの? 理解できない。気持ち悪い!」

この言葉は、湊への批判であると同時に、過去のトラウマへの防衛反応でもあります。二人は同じ出来事を、まったく異なる歴史の文脈で体験していた――これは「価値観の違い」ではなく、「それぞれが生きてきた時間の違い」ではないでしょうか。

「なんかちょっと腹立ってきた」|傷ついた湊が、初めて人間らしく見えた瞬間

「鍵の閉まる音が……聞こえた気がした……」

この独白の詩的な美しさに、私は少し立ち止まってしまいます。湊は「拒絶された」という事実を、こんなにも繊細な言葉で受け取っている。チャラく見えて、実は非常に感受性の高い人間なのだと、この一言が教えてくれます。

放課後、湊の独白はさらに深く潜っていきます。「この『何かしてあげよう』って考えが傲慢なのか?」――この自問は、ある意味で正確な自己認識です。小雪の意思を確認せずに動いていた。その点では確かに傲慢の要素があります。

しかし次の瞬間、湊の思考は別の方向へ転換します。「でも傲慢だって言うなら、あの人だって好きな人とそうでない人の線引きをしている。陽太と美姫は受け入れられた側、一方俺は省かれた側……あ、なんかちょっと腹立ってきた」

この「腹立ってきた」という感情の正直さが、湊というキャラクターの人間らしさではないでしょうか。善意が拒絶されたとき、「なぜ自分だけが」という怒りが湧いてくる。それは湊が特別に自己中心的なのではなく、傷ついた人間として、ごく自然な反応です。私たちも、似たような経験をしたことがあるのではないでしょうか。

友人に「もう関わるのをやめよう。お互いメリットないし」と言い切る湊。でも私たちは知っています。この「やめよう」が本心ではないことを。なぜなら、その直後に湊は小雪のことをぼんやり考え続けているから。


氷の城壁 5話 保健室|陽太が運んできた、「見えない縁」という名のパン

小雪の自己分析|「腹が立ったから傷つけに行った」と言える少女の、誠実すぎる残酷さ

「ノリコ、怒らないでいられる方法ってある?」

菓子パンだけで昼食を済ませながら、小雪は保健室の月子先生にそう問いかけます。このシーンの小雪は、自分の感情を非常に正確に分析しています。

「人に怒りをぶつけてすっきりできるならいいんだけど、私はそれができないタイプなんだって。自分でそれがわかってるのに。むしろ言ってしまったことを後悔するだけだし」

月子先生の「相手に気持ちを伝えることも大事よ」という言葉に対して、小雪の独白はこう続きます。「違う。あの瞬間、私は腹が立ったから『気持ち悪い』と傷つけに行った。それも天宮君の話も聞かず、一方的に」

ここが重要です。小雪は「傷ついたから防衛した」のではなく、「腹が立ったから傷つけに行った」と自覚しています。この自覚の正確さが、小雪という少女の誠実さの証明ではないでしょうか。自分の感情の動機を、都合よく書き換えない。それは、思春期の子どもにはなかなかできないことです。

陽太はなぜ動けたのか|「穏やかな傍観者」が、この日だけ介入者になった理由

そこへ陽太がパンを持って保健室に現れます。「コユン、俺も今日ここで食べる」――月子先生の「ここはイートインじゃない」という言葉を軽く流しながら、小雪の隣に座る。この自然な距離の詰め方が、陽太の本質を表しています。

「湊ってさ、距離感おかしいし、おせっかいだし、英語強いし、実は子供っぽいし、考え方がめちゃくちゃ自己中心的だけど、悪い奴ではないんだよね」

この湊評が絶妙です。欠点を隠さず並べながら、最後に「悪い奴ではない」と着地させる。陽太は湊を美化しない。ありのままの湊を、ありのままの言葉で伝える。だからこそ、小雪に届くのではないでしょうか。

少し立ち止まってみましょう。陽太はなぜ、この日だけ動いたのでしょうか。

陽太は普段、「穏やかな傍観者」です。誰かの感情の渦に飛び込んでいくタイプではない。それなのに、この日だけ保健室に現れ、パンを持って小雪の隣に座った。その理由は、陽太が「二人のすれ違いを間近で見ていた」という事実にあります。

見ていた、ということは、感じていた、ということです。陽太は湊の善意が拒絶される瞬間を目撃し、小雪の防衛反応の激しさも知っている。そして美姫から、小雪の中学時代の話を聞いていた。この「知っている」という積み重ねが、陽太を動かした原動力ではないでしょうか。

陽太が「介入者」になれたのは、彼が「外側から全体を見ていた人間」だったからこそ、ではないかと考えます。渦中にいる湊にも、傷ついている小雪にも、見えていないものが、陽太には見えていた。

陽太が語る美姫の回想|「頼りない」のではなく、「対極」だと思っていた

陽太は続けます。「実はさ、俺も湊も、中学からコユンのこと知ってたよ」

この告白が、小雪の世界をひっくり返します。「天宮君がなんで中学の時のことを知ってるんだろう、五十嵐から聞いたんだとしたら、すごく嫌だ」という小雪の誤解が、ここで完全に解けていく。

陽太が語る美姫の回想が、また切ないのです。「友達が悩んでたことに気づけなかった。何の助けにもなれなかった。なんで相談してくれなかったんだろう……私そんなに頼りないかな……それも悲しくて」

美姫は、小雪が嫌がらせを受けていたことを知っていた。知っていたのに、何もできなかった。その罪悪感を、ずっと抱えてきた。

しかし小雪が「美姫に相談しなかった」のは、美姫が頼りないからではありませんでした。「本気で部活に打ち込んでいる美姫と、ただ辞めるのが怖いからという理由で部活に向かい続けていた私は、対極な気がして」という、小雪なりの遠慮からでした。

二人は互いを思いやりながら、互いに傷ついていた。この構造の切なさに、私たちは静かに胸を押さえてしまうのではないでしょうか。「相談しなかった」ことが、相手を傷つけていたとは知らずに――。


氷の城壁 小雪 謝罪シーン|息を切らして走った少女が、壁を越えた日

原作 vs アニメ|「走る小雪」は、なぜ映像でしか届かなかったのか

「多分、私は今までずっとこの人自身はちゃんと見ようとしたことがなかった。過去にあったことと比較して、勝手に苦手なものだと決めつけて、知りもせずに拒絶して、自分がされて嫌なことを人には平気でしていた」

この独白を胸に抱えながら、小雪は走り出します。

原作では、小雪が走ったことは「息切れ」から推測するしかありません。しかしアニメでは、走る小雪の力感と迫力が、そのまま画面から伝わってきます。壁を作ることで自分を守ってきた小雪が、壁を越えて走っている。その矛盾した美しさが、アニメという媒体でしか表現できない瞬間として刻まれます。

「天宮君!」

息を切らして追いついた小雪の第一声。「はぁ……ごめんなさい……はぁ……少し……話がしたい……です……はぁ……時間……大丈夫?」

この息切れの描写が、すべてを語っています。小雪は全力で走った。それは「謝らなければならない」という義務感ではなく、「今すぐ伝えなければ」という衝動だったのではないでしょうか。


「乾け乾け乾け乾け」の意味|謝る側が泣いてはいけない、という呪いの正体

謝罪の言葉を絞り出そうとする小雪の独白が、この第5話で最も深く刺さる場面ではないかと考えます。

「言いたいことはたくさんあるのに……いつも私はうまく言葉にできない……思考の量が多ければ多いほど……口に出そうとすると全部……喉のあたりでこんがらがって、言葉になれない感情たちが涙になって逃げようとする」

そして小雪は泣きながら叫びます。「うわーだめだだめだだめだ、なんでいつも謝る側が泣いちゃだめ。乾け乾け乾け乾け」

――「乾け乾け乾け乾け」。

この言葉に、小雪という少女のすべてが詰まっているのではないでしょうか。

小雪が泣いているのは、悲しいからでも、痛いからでもありません。「言いたいことが言葉にならない」という、思考と感情の渋滞が引き起こす、ある種の「オーバーフロー」です。謝罪の言葉を選ぶ間に、「どう受け取られるか」「何を伝えるべきか」「何を省くべきか」という計算が高速で走り、その処理が追いつかなくなった瞬間に、感情が涙という形で「逃げ出す」。

私たちも、経験があるのではないでしょうか。謝らなければいけない場面で、なぜか涙が出てしまう、あの感覚。「泣いたら許してもらおうとしてると思われる」という恐怖が、さらに涙を呼ぶ、あの悪循環。

小雪の場合、それがより複雑です。「謝る側が泣いてはいけない」という自分へのルールが、さらに感情を追い詰める。これは弱さではありません。むしろ、誠実すぎるがゆえの、過負荷です。

そして湊は言います。「氷川さん、大丈夫だから。そんなに謝らなくてもいいし、むしろ嫌な思いさせたのこっちだし」

湊の独白が続きます。「いやいや、俺さっきまで腹立ててたくせに、なんでフォローしてるんだ。ため込まないって」

この「なんでフォローしてるんだ」という自己ツッコミが、湊の本質を一言で表しています。傷ついて、怒って、「もう関わらない」と決めた。それでも、目の前で誰かが泣いていたら、手が動いてしまう。これは「いい人だから」という話ではなく、湊が長い時間をかけて自分の中に刷り込んできた、反射としての優しさではないでしょうか。


氷の城壁 湊 植え込みシーン|「考える前に動いた」男の、積み上げてきた時間

湊のスマホ演技|「ポケモンGOのふり」という、チャラさの皮をかぶった本気

謝罪の涙で顔が濡れたまま、小雪と湊が話しているところへ、生徒たちが通りかかります。

その瞬間、湊はとっさにスマホを取り出し、植え込みの方を向きます。小雪を横から抱くようにして顔を隠しながら、「氷川さん……これ見て見て、どうこれ?」と、まるでポケモンGOでもしているかのような雰囲気を演出する。

通りかかった生徒たちは「え? 何してんだ二人で? レアなモンスターでも見つけたんじゃねえ」と笑いながら立ち去ります。

このシーンを、少し丁寧に読んでみましょう。

湊がやったことは、「小雪の涙で濡れた顔を、通りすがりの人に見せたくなかった」という、ただそれだけのことです。しかもその方法が、「スマホを盾にして、ポケモンを探しているふりをする」という、なんとも湊らしい即興の演技でした。

考えてから動いたのではありません。考える前に、動いていた。

ここで思い出してほしいのは、この時点の湊の状況です。「もう関わるのをやめよう」と決意し、「腹立ってきた」と感じ、それでも小雪の謝罪を受け入れたばかり。感情的にはまだ整理がついていない状態で、それでも湊の体は、小雪を守る方向に動いた。

「とっさに動く」という行為は、その人が積み上げてきた習慣の結晶ではないでしょうか。湊はおそらく、誰かが困っていたら手を差し伸べることを、長い時間をかけて自分の中に刷り込んできた。「鍵師」として、誰かの心の鍵を開け続けてきた時間が、反射として体に染み込んでいる――そう考えると、この「とっさ」は、湊という人間の歴史そのものではないかと感じます。

湊の待ち受け画面|ポメラニアンが教えてくれた、この男の「本当の顔」

「ありがとう」と言った小雪の目に、湊のスマホの待ち受け画面が映ります。そこには、ポメラニアンの写真。

「それ……ああ、うちのポメラニアン。あ、受けた」

距離ナシで、軽くて、どこか掴みどころのない湊が、犬の写真を待ち受けにしている。この小さなディテールが、私には少し意外でした。

「かわいい」と言う小雪の声は、この物語で初めて、小雪が湊に向けた「無防備な言葉」ではないでしょうか。批判でも、拒絶でも、謝罪でもない。ただ、かわいいと思ったから、かわいいと言った。

小雪はこの瞬間、湊の「柔らかい場所」を、泣きながら見てしまったのかもしれません。壁越しに、見えてしまった――氷の壁は、向こうが見えるから。


氷の城壁 小雪「頑張って」|たった4文字が、1話から5話の全部を回収した

「うん。また」という別れ|言葉が足りないまま、それでも繋ぎ止めようとした小雪

植え込みのシーンの後、湊は言います。「俺、そろそろ行くね」。小雪は「ああ、ごめん」と返す。湊「じゃあ。また明日」。小雪「うん。また」。

この別れを、私たちはどう読むでしょうか。

小雪が言えたのは「ごめん」と「また」だけでした。謝罪と、関係の継続を示す最低限の言葉。それは「壁の隙間から、かろうじて手を伸ばした」ような別れです。湊の「また明日」という言葉を、小雪は「うん。また」と受け取った。それだけで、この日の二人には十分だったのかもしれません。

「頑張って」が言えた理由|壁が消えたのではなく、壁に窓が開いた瞬間

翌朝、小雪と湊は再び鉢合わせます。小雪は昨日の謝罪中に泣いてしまったことを、また謝ろうとします。「昨日……謝る時に泣いたりしてごめんなさい……非常にお見苦しい……決して泣いたら許されるとか思ってるわけじゃなくて……」

湊の返答が、また絶妙です。「いや……なんかもう……理由とかよくわかんないけど……気持ちがいっぱいいっぱいになって涙が出る時ってあるじゃん……」

「えっ? あるの? 雨宮くんが?」と驚く小雪に、「お前には理解できねぇだろって思った?」と返す湊。「えぇ……ひどくなぁい……しくしく……」というコミカルなデフォルメ作画への切り替えが、この場面の緊張を一気に解きほぐします。

「こう見えて結構俺も繊細なんです」という湊の言葉に、小雪は思わず笑顔になります。「何その顔」と言いながら。

そして別れ際。湊「じゃあ俺こっち」。小雪「ああ、部活?」。湊「そう」。小雪「頑張って」。湊「うん」。

――「頑張って」。

この4文字の重さを、私たちは1話から5話を通して知っています。小雪が誰かに「頑張って」と言える人間だったでしょうか。壁を作り、距離を置き、関わりを最小限にしてきた小雪が、湊の部活を気にかけ、送り出した。

「頑張って」という言葉は、相手の存在と、相手がこれからすることを、肯定する言葉です。「あなたのことを見ている」「あなたのことを気にかけている」という意思表示でもあります。

1回目の別れの矢印は「小雪→湊(謝罪)」と「湊→小雪(受容)」という、まだ非対称な関係でした。しかし2回目の別れの矢印は「小雪↔湊(対等な関心)」です。どちらが上でも下でもない、水平な関係の萌芽がここにあります。

壁が「消えた」わけではありません。ただ、壁に窓が開いた――それが第5話「変化」というタイトルの意味ではないか、と考えます。


氷の城壁 美姫「私のせいだ」|この物語の、最も深い地層が動いた

五十嵐の「いなかった」の意味|断言の速さが、隠している何か

カフェのシーンで、旧友のミハルとソラが話します。「そもそも小雪って中学の時さー、なんで五十嵐と付き合ったんだろうねー。めちゃくちゃ嫌ってなかった?」

この一言が、第5話最大の謎を提示します。小雪は五十嵐を嫌っていた。嫌がらせを受けていた相手と、なぜ付き合うことになったのか。

✨ サービスシーン解説

📍 サービスシーン紹介|冬休み・カフェ「Kawaii Café」
小雪と旧友の再会 ── そして、あの子たちも来ていた。

❄️ 氷の城壁
小雪たち
× 💕 正反対な君と僕
みゆ・渡辺・佐藤
同じカフェに存在!

同じ阿賀沢紅茶作品の住人たちが、同じ空間で、それぞれの日常を過ごしている――。 「明るくて笑える世界」と「静かで深く刺さる世界」が、ひとつのカフェで交差する。 これは原作ファンへの粋なご褒美であり、「阿賀沢紅茶ワールドは地続きだ」という遊び心あふれる宣言ではないでしょうか。

💬 びわおの一口コメント

どちらの世界も、同じ現実の延長線上にある。 そう思うと、このカフェのシーンがただの「おまけ」ではなく、 作者からの小さくて大きなメッセージに見えてきませんか?

湊の独白にも、この謎への伏線があります。「氷川さん、五十嵐君と仲悪いって。けどあの時……五十嵐君さ、氷川さんって覚えてる? ――あ? 氷川? そんな奴うちの中学にいなかったけど」

五十嵐は「氷川という人間が存在しなかった」と言った。小雪は「五十嵐と仲が悪い」と言った。どちらも嘘っぽくない。では、この矛盾は何を意味するのか。

ここで注目したいのは、五十嵐の「いなかった」という言葉の、その断言の速さです。記憶を探る間もなく、即座に「いなかった」と言い切った。人は、思い出せない記憶に対しては「うーん、どうだったかな」と迷います。しかし五十嵐は迷わなかった。

迷わなかった、ということは――「なかったことにしたい」という意志が、記憶の検索よりも先に動いた可能性があるのではないでしょうか。小雪との関係が、五十嵐にとっても何らかの「消したい記憶」になっているとしたら、この断言の速さは、記憶違いではなく、意図的な遮断ではないかと考えます。

美姫が抱える罪悪感|「アイドル」という鎧の内側で、ずっと泣いていた理由

小雪がカフェを退場した後、残った美姫の独白が静かに落ちてきます。

「それはきっと……私のせいだ……」

嫌がらせを受けていた小雪が、嫌っていたはずの五十嵐と付き合うことになった。その「経緯」に、美姫が関わっている。

美姫は第4話で「もう傷つけたくない」と言っていました。第5話では「私のせいだ」と言う。この罪悪感の深さは、単なる「気づけなかった」という後悔ではなく、「自分が何かをしてしまった」という自責ではないでしょうか。

少し立ち止まってみましょう。美姫は「学校のアイドル」として描かれています。明るく、誰からも好かれ、グイグイ距離を詰めてくる人間関係の中心にいる。しかしその「アイドル」という鎧の内側で、美姫はずっと、小雪への罪悪感を抱えてきた。

「アイドル」であることは、時として「何でもできる人間」という誤解を生みます。しかし美姫は、最も大切な友人が傷ついていた時間に、何もできなかった。その無力感が、「私のせいだ」という言葉の重さになっているのではないでしょうか。

何が起きたのか。美姫はなぜ「私のせいだ」と思っているのか。この謎は第6話以降で明かされていくと思われますが、第5話の時点で確かなことは一つ――美姫が、この物語の最も深い場所にある鍵を握っている、ということです。


氷の城壁 6話「新学期」予告考察|壁に窓が開いた翌朝、また新しい壁が現れる

小雪の独白で第5話は締めくくられます。「理解されないとか、拒絶されるに違いないとか、あまり決めつけるもんじゃないな。何かが少し変わったような、何も変わってないような、そんな感じで――明日から冬休み突入です」

そして美姫からメッセージが届く。「冬休み、バイト先に来てね」

第6話のタイトルは「新学期」。5話の余韻を抱えたまま、小雪と湊は新学期を迎えます。美姫の「私のせいだ」という独白が、新学期でどう動き始めるのか。そして五十嵐の「いなかった」という断言の意味が、どこで明かされるのか――それだけで、6話を見る理由になります。

壁に窓が開いたと思ったら、今度は別の壁が現れる。それがこの物語の、じれったくて、でも目が離せない理由ではないでしょうか。

第6話も、一緒に読み解いていきましょう。


作品情報

項目内容
作品名氷の城壁
原作阿賀沢紅茶(集英社ジャンプ コミックス刊)
監督まんきゅう
シリーズ構成中西やすひろ
キャラクターデザイン荻野美希
アニメーション制作スタジオKAI
放送2026年4月2日〜 毎週木曜よる11時56分 TBS系28局
配信Netflix(先行)/Prime Video・Disney+・U-NEXT 他

©阿賀沢紅茶/集英社・TVアニメ「氷の城壁」製作委員会

❄️
氷の城壁
人と壁をつくってしまう少女・小雪と、距離が近すぎる少年・湊。
息を詰めながら見守る、青春群像劇がアニメ化。
― 阿賀沢紅茶(著)/ LINEマンガ連載 / TVアニメ 2026年4月放送開始 ―
❄️ 2026年4月 放送開始
📺 TVアニメ「氷の城壁」いよいよスタート!
「正反対な君と僕」からバトンタッチ
阿賀沢紅茶アニメイヤー第2弾。U-NEXTまたはABEMAで今すぐ視聴できます。
動画配信
🎬
U-NEXT
アニメをじっくり・何度でも見返したい方に
❄️ 31日間 無料トライアル実施中
🎁 初回600ポイントプレゼント
📺 TVアニメ「氷の城壁」配信中
⏪ 見逃し・見返し自由(無制限)
📱 スマホ・PC・TV マルチ対応
🌨️ 高画質・字幕・吹替対応
⚠️ コミックスはポイント購入制(無料では読めません)
毎月付与の1,200Pで1冊ずつ購入する形になります
❄️ U-NEXTで無料視聴をはじめる
※ 無料期間中の解約で料金は発生しません
※ コミックスはポイント購入(月1,200P付与)
みんなで視聴
💬
ABEMA プレミアム
ファンと一緒に息を詰めながら見たい方に
💬 コメント機能でファンと同時視聴!
🌨️ 名シーンの「沈黙」を弾幕で共有
⚡ 最速配信・リアルタイムで盛り上がれる
📱 スマホ・PC・TV マルチ対応
⏩ 見逃し配信あり(プレミアム)
❄️ 小雪・湊の「間」をみんなで感じる
💬 ABEMAでみんなと一緒に見る
※ プレミアムプランの詳細は公式サイトをご確認ください
🌨️
❄️ サービス早わかり比較
項目 ❄️ U-NEXT 💬 ABEMA
アニメ視聴
無料トライアル 31日間 公式確認
見逃し・見返し ◎ 無制限 ◎ プレミアム
コメント・弾幕 ◎ リアルタイム
ファンと同時視聴
原作コミックス △ ポイント購入のみ
(無料では読めない)
毎月付与ポイント 1,200円分 なし
高画質・字幕対応



放送・配信情報の最新情報は、公式サイトおよび公式SNSをご確認ください。

👉使用した画像および一部の記述はアニメ公式サイトから転用しました。

びわおちゃん 🍬
この記事を書いた人 びわおちゃん @2MgBm8uXkluCD50 / 1.2万ポスト
🍬 チュッパチャップス愛好家 🎌 深夜アニメ沼 🚗 愛車ヴェゼル 🚶 レンタカーを使わない旅

Web上の隠れ家マガジン「びわおちゃんブログ」編集長。
大人女子に向けた【アニメ/愛車ヴェゼル/旅/美食】の4本柱で雑誌ブログ執筆中。
←これ、タバコじゃなくてチュッパチャップスです(甘党)。
ここは気になった記事の要約と、編集長の独り言をつぶやく場所。

🎌 アニメ 🚗 ヴェゼル 🚶 レンタカーなし旅 🍽️ 美食 🍬 チュッパチャップス

【アニメ関連はこっちから】

アニオタWorld!の記事一覧


びわおちゃんブログをもっと見る

購読すると最新の投稿がメールで送信されます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です