大樹生命でセクハラ、後を絶たぬ不祥事件(2021年1月5日東洋経済)
という記事が1月5日東洋経済に出ていました。シリーズ記事で要旨はこんな感じです。
5月13日 日経新聞記事追記
2020年秋、日本生命の営業職員だった女性がパワハラによって精神的苦痛を受けたとして、損害賠償を求めて同社を相手取って東京地裁に提訴している。
2021年12月には、同じ日本生命グループの大樹生命(旧三井生命)の営業職員Aさん(20代、女性)が男性上司B氏(30代)からセクシュアルハラスメントを受けていたとして、B氏と大樹生命を相手取り、約1400万円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴した。
具体的には、①Aさんが顧客先へ訪問する際に、頻繁に同行する②ツーショット写真の撮影を執拗に迫る③飲み会の席で足を触る④高額なクリスマスプレゼントを無理やり押し付ける⑤体調不良で欠勤した際、断っているにもかかわらず自宅玄関前まで食料品を持ってくる、などの行為が行われた。
この事件の背景として、生命保険会社の特殊な雇用体系があるように思います。
生命保険会社の営業職員は税法上では個人事業主とされます。それはノルマ達成により支給される歩合給が「事業所得」に分類されるからです。生命保険会社の社員というのは実は本部職員と営業所の事務職だけで、生保レディ(または保険のおばちゃん)の実態は、会社と契約している個人事業主です。
歩合給の割合が高いため給与が安定しない反面、業務遂行のための販促品は仕入れとなり、経費計上できる恩恵(そもそも社名の入ったボールペンなんかを購入して顧客に渡さなければならないのはそれはそれで大変ですが・・・)もあります。
一方で高額の保険を獲得できた月は前月の何倍もの収入を得ることもできるメリットがあります。
筆者によると保険会社の離職率は高く、最大手の日本生命でも在籍率は2年目73.8%、3年目52.0%だそうです。大量離職をカバーするためには大量の中途採用が必要です。この記事の中でもハローワーク前で生命保険会社の営業職員勧誘が行われていることを紹介しています。
こうなると企業側は人材育成より即戦力に注目しがちになります。営業成績を上げる生保レディがもてはやされ、地道な人材育成で伸びる可能性が高い、磨けば光る玉への注目度は下がるのでしょう。
契約獲得のノルマについては会社側からすれば社員に対して課しているのではなく、あくまでも自社商品を委託販売する個人事業主(ブログを例にすると本社が広告主・販社がASP・生保レディがアフィリエイター)に委ねている関係に極めて近いと思います。このような関係では社員を守るという感覚になりにくいのでしょう。販社からみれば「厳しいノルマ」という感覚より「委託先への叱咤激励」に近いものがあると思います。
金銭に絡む多額の搾取事件については利権に絡む公務員、預金を扱う銀行員など多数あります。その中に生命保険会社の営業職員の事件もありますが、こと生命保険会社においては雇用形態と給与体系が他と異なることを背景とした事件になります。
営業職員においては厳しいノルマを達成するためにはそれに見合う売り上げが必要になります。そのため搾取した金銭を元手に再契約の無限ループを行おうとする悪循環が発生しうることは容易に想像できます。また、そもそも営業職員同士が同僚というより競合他社のライバルであるため互いの関心も薄く、不正をけん制する仕組み自体が未成熟であったろうことも推測できます。
1989(平成元)年、セクハラ(性的嫌がらせ)を理由とした国内初の 民事裁判が起こされました。 また、この年「セクシュアル・ハラスメント」 という言葉が新語・流行語大賞の新語部門金賞を受賞することになり、以 後、セクハラという概念を広めるひとつのきっかけになりました。
セクハラ行為は昔から若い女性が多い百貨店や銀行などでもありましたが、「セクハラ」事態は周りがどう受け止めで判断される側面が多く、僕が若かった頃は悪い意味での寛容な周囲の反応もあり、またセクハラを受ける側も今より逞しかったのであまりそれほど問題視されませんでした。でも、今はそんなことは言っていられませんよね。生保会社のセクハラは生保レディを大切な「女性社員」でなく仕事をあげている「業務委託者」としてみる風潮があるからではないかと考えています。
僕が若かった頃の話で恐縮です。
1980年代の保険営業は生保レディ(その頃は「日生のおばちゃん」いうCMを毎晩のゴールデンタイムで見てました)がガンガン勤め先にやって来てました。新入社員の時に僕が入った(というか先輩に入らされた)保険会社のお姉さんが毎月、腕時計のリストバンドに取り付ける金属製のカレンダーを持ってきて、「ねぇ!誰か紹介してよン❤」とそのたびに耳元でささやかれました。
企業のセキュリティや個人情報保護が当時と全く変わった今、こんな営業はもうできないと思います。でも、僕の経験そのものが保険会社営業の基本ですよね。必殺の三種絡め取り攻撃です。
筆者?注:三種絡め取り攻撃とは⇒「顧客から紹介してもらい更なる顧客を獲得」「定期的なアフターフローによる情報収集」「自分のアピールとファン層の獲得(ねえ!誰か紹介してよン❤)」
かつては職場に出入りする生命保険会社の営業職員がいて、仕事場の机のすぐそこまで営業に来たものですが、情報管理の観点から最近は出入り禁止のことが多くなりました。その代わり、ランチタイムにエレベーターホールなどで新人を見つけては声かけするような営業が行われたりします。
毎日声をかけられると無視できずに話を聞いてしまい、あるいはなんとなく親しみがわいてきて、数カ月もせずに保険契約をしてしまうことがあります。私も22歳のときはよく分からないまま生命保険に入ってしまい、30歳のとき本社まで行って解約をすることになり大変でした。
保険営業の未来が明るいかというと、そうではないと思います。日本は東欧諸国ほどではありませんが健康保険制度や年金制度が充実しているため、病気やけがに対する備えや一老後の保障については一定の保障があります。そんな中で、毎月確実にお金が消えていく保険を喜んでする人たちが増えるでしょうか。
自動車保険だったらネットの方が安いけど、大手の保険会社が安心かも・・・と迷うこともあります。
そんな時は一括見積サービスを取ってみて比較検討するのがいいかもしれませんね。
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【5月24日追記】
通販型自動車保険の「おとなの自動車保険」に乗換えました。
保険料は今まで加入していた損保ジャパン78,120円から39,920円に変わります。38,200円安くなりましたよ。
僕が通販型自動車保険選びに利用した「保険スクエアbang!自動車保険」は簡単で判りやすいのでおススメします。
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「保険スクエアbang!自動車保険」利用方法はこの記事に詳しく書いてますよ。
そもそも日本人は保険の加入が多すぎると言われています。日本は北欧諸国ほどではありませんが健康保険制度や年金制度が充実しているため、病気やけがに対する備えや老後の保障については一定の保障があります。
例えば自動車保険です。自動車保険には所有者が強制加入しなければならない自賠責保険があります。被害者を救済する任意保険の対人保障に加入することはいいと思いますが、対物保障や損害賠償保障など必要でしょうか。その分の保険料を毎月支払うのなら積立投信あたりで運用し、運悪く事故にあった場合は、運用した自己資金で対応するほうが賢明です。
これからの保険会社は「ネット保険」「オーダーメイド保険」「ほけんの窓口」の3つに分かれると思います。これからは旧態依然とした生保レディは早晩、いなくなるのではないでしょうか。
いわゆるソニー損保のようなインターネット契約によるネット保険は、人件費・店舗等設備費が大幅に少なくて済むため、保険料が安いというのが定説です。それではサービスは?というと、昨今ネット保険も浸透したため、若者層を中心にSNSでネット保険は「結構いい」ということが拡散され、コスト重視の層に浸透しています。
プルデンシャル生命のような外資系に多いのですが、マンツーマンのライフプランナーによるカスタムオーダーメイド保険も富裕層を中心に生き残るでしょう。何故なら、富裕層にとって保険料支払い負担は微々たるものであり、しかもそれが節税対策になるのであれが実施しない手はないからです。
残るは駅前ロータリー近辺や銀行店舗の中に入っている「ほけんの窓口」のような、各社の保険を比較対照して販売し、その販売手数料をフィーとするビジネスです。大手生命保険を嫌う生命保険難民の方々にとって、ノアの箱舟のような業態と言えます。生命保険会社の生保レディのように入れ替わりも激しくなく、ある程度長く相談できるというようなメリットもあるようです。
保険の窓口とは逆にファイナンシャルプランナーが自宅に来てくれて相談に乗ってくれるというサービスも出てきました。
これを「保険コネクト」と言います。
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