こんにちは!
前回に引き続き、「びわおちゃんブログ&レンタカーを使わない旅」へようこそ!
山形旅行1日目は、文学の香りと極上の山形牛に酔いしれた夜でした。そして迎えた2日目。この日は朝から徒歩で山形市内を巡り、午後は旅のハイライトともいえる「山寺」へ挑むという、なかなかにハードな一日。
朝、窓の外を見ると、すでに夏の太陽がぎらぎらと輝いています。予報では気温33度。…うん、これは間違いなく、自分との戦いになる。
そんな覚悟を胸に、私たちは涼しい午前中のうちに、と街へ繰り出したのでした。
午前、灼熱の山形市内を歩く
ホテルを出てまず向かったのは、昨日訪れた文翔館のすぐ近くにある、気になる建物。古い小学校をリノベーションした施設のようです。
謎のパラソルと閉ざされた扉「やまがたクリエイティブシティセンターQ1」
朝8時頃。校庭だったであろう広場には、なんだかおしゃれなパラソル付きのチェアが並んでいます。でも、人の気配はまったくない。建物の扉に手をかけると、カチャリと固い音がして、残念ながらまだ開館前でした。

後で調べてみて、この施設の正体が判明しました。その名も「やまがたクリエイティブシティセンターQ1(キューイチ)」。ここは、1927年(昭和2年)に建てられた旧山形市立第一小学校の校舎をリノベーションし、2022年9月にオープンしたばかりの、新しい文化拠点でした。

・「Q1」に込められた意味
「Q1」という名前は、愛称だった「旧一小(きゅういっしょう)」に由来すると同時に、「問いの始まり(Question 1)」という意味も込められているそうです。創造都市やまがたの拠点として、常に新しい問いを発見し、挑戦し続ける場所でありたい、という想いが素敵ですね。

・クリエイティブが集まる共創の場
館内には、カフェや書店、ギャラリー、企業のオフィスなどが入り、クリエイターや市民、観光客が交流できるプラットフォームとなっています。単なるリノベ施設ではなく、山形市の持つ豊かな文化や産業を、新しい価値へと繋げていくための「実験場」のような場所なんですね。
定期的にマルシェなどのイベントも開催されているそうで、中に入れなかったのが本当に残念…!次回山形に来ることがあれば、絶対にリベンジしたいスポットになりました。
涼を求めて飛び込んだ「最上義光歴史館」
Q1を後にして霞城公園へ向かう途中、すでに気温はぐんぐん上昇。湿度も高く、じっとりとした汗が肌にまとわりつきます。
「…どこか、涼しい場所へ…!」
不純な動機100%で飛び込んだのが、霞城公園の東大手門のすぐ隣にある「最上義光歴史館」でした。入館無料というのも、嬉しいポイント。

館内に一歩足を踏み入れると、ひんやりとした空気が…!生き返る心地です。
もちろん、ただ涼むだけではありません。写真撮影はできませんでしたが、15分ほど、しっかりと歴史のお勉強をさせていただきました。
この歴史館は、戦国時代に山形を治め、現在の街の礎を築いた武将・最上義光(もがみよしあき)公の資料を展示する施設です。義光公は、伊達政宗の伯父にあたる人物。勇猛果敢な武将でありながら、領内の産業を振興し、城下町を整備した優れた領主でもありました。
館内には、彼の生涯や功績を紹介するパネルのほか、重要文化財である長谷堂合戦の様子を描いた屏風などが展示されており、コンパクトながら見ごたえのある空間でした。何より、キンキンに冷えた冷房が最高でした…!
灼熱の無人公園「霞城公園」
すっかり涼んで元気を取り戻し、いよいよ「霞城公園(かじょうこうえん)」へ。ここは、最上義光が築いた山形城の城跡を整備した公園で、日本100名城にも選ばれています。

きれいに復元された二ノ丸東大手門をくぐると、広大な敷地が広がります。堀や石垣が残り、往時の面影を伝えています。公園の中心には、馬にまたがった勇壮な最上義光公の騎馬像が。


山形の街を見守っているかのようでした。
しかし…物凄く暑いせいか、広い公園には、誰一人として見当たりません。まるで、時間が止まった貸し切りの世界のよう。これはこれで、贅沢な体験かもしれませんね。

縄文の女神と生暖かい風「山形県立博物館」
霞城公園の中を30分ほど歩きましたが、やはり暑い。涼を求めて次に向かったのは、公園内にある「山形県立博物館」です。

しかし…期待していたほどの冷房ではなく、館内は「生暖かい」感じ。汗が引く、というよりは「ましになった」程度で、正直なところ、じっくり展示を見る気力は湧きませんでした。ごめんなさい。

ただ、一つだけ、どうしても見ておきたかったものがあります。それが、国宝「縄文の女神」。
博物館の入り口には大きなレプリカが飾られていましたが、本物は常設展示室にありました。高さ45cmという、日本で出土した土偶の中では最大級の大きさを誇ります。八頭身の美しいプロポーション、しなやかな曲線美。約4500年前の人々が、この像にどんな祈りや願いを込めたのか…。時を超えた美しさに、しばし暑さを忘れて見入ってしまいました。

ちなみに、私が見ずに退散してしまった他の展示は、山形の自然・考古・歴史・民俗・教育といったテーマに分かれており、化石や昔の農具、山形県の成り立ちなどが学べるそうです。いつか、もっと涼しい季節に再訪したいです。
最高の擬洋風建築「山形市郷土館(旧済生館本館)」
博物館を出て、公園の南側へ。そこには、今回の市内観光で最も心惹かれた建物が待っていました。「山形市郷土館」、通称「旧済生館本館」です。

もう、外観からして最高じゃないですか?

この建物は、1878年(明治11年)に県立病院として建てられたもので、国の重要文化財に指定されています。三層楼と呼ばれる、塔のような構造が特徴的な「擬洋風建築」です。当時の日本の大工さんが、見よう見まねで西洋建築を再現しようとした、その健気さと情熱が伝わってくるようなデザイン。

中に入るとさらに驚きます。

建物が、なんとドーナツ型になっているのです!中央が吹き抜けになっていて、それを囲むように回廊と病室が配置されています。光が差し込む明るい空間で、とても病院だったとは思えません。

螺旋階段やアーチ状の窓など、どこを切り取っても絵になる、本当に素晴らしい施設でした。

昼食は山形名物!そして運命の出会い
市内観光で汗を流した後は、お待ちかねのランチ&休憩タイムです。
偶然見つけた大人の隠れ家「やまがた酒巡りChetto」
郷土館から山形駅方面へ歩いている途中、霞城セントラルという複合ビルの1階で、偶然素敵な場所を見つけてしまいました。その名も「やまがた酒巡り Chetto(ちぇっと)」。

ここは、なんと山形県内にある全酒蔵の日本酒を取り揃え、気軽にきき酒ができる立ち飲みコーナーなんです!
システムは、500円でコイン3枚と交換。お酒のランクによってコイン1~3枚で1杯試飲できるというもの。これはもう、楽しむしかありません。奥さんと二人で500円ずつ、計6杯を堪能。暑い中を歩き回った体に、冷たい日本酒が染み渡ります…。最高のご褒美でした。

初体験!冷やしラーメンと別府冷麺の比較
ほろ酔い気分で向かったのは、山形名物「冷やしラーメン」が食べられるお店、「あっきーラーメン」。
キンキンに冷えた醤油ベースのスープに、氷がぷかぷか。牛チャーシューにメンマ、きゅうり、ネギが乗り、麺はつるつるとした中太ちぢれ麺。
汗だくの体には、この冷たさがたまりません!スープはあっさりしているのにコクがあり、ごくごく飲めてしまいます。美味しかった!

ただ、正直な感想を言うと…僕の地元の「別府冷麺」の方が、もっと好きかな。別府冷麺は、魚介ベースの和風だしと、もちもち食感でコシの強い麺、そしてピリ辛のキャベツキムチが特徴。もう少し麺に歯ごたえが欲しいな、と思ってしまいました。
- 冷やしラーメン:昭和27年、山形市の「栄屋本店」が発祥。そば屋で常連客と「夏には冷たいラーメンが食べたい」と話したのがきっかけ。牛骨ベースの甘めな醤油スープと、冷えても脂が固まらない工夫が特徴。
- 別府冷麺:昭和25年頃、旧満州から引き揚げてきた料理人が開業したのが始まり。朝鮮半島の冷麺を和風にアレンジ。昆布やカツオ節を使ったスープと、小麦粉・そば粉・でんぷんを配合したコシの強い麺が特徴。
どちらも、その土地の歴史と風土が生んだ、夏には欠かせないソウルフード。旅先でこんな風に故郷の味と比べられるのも、また一興ですね。

そして、このラーメン店で、ちょっとだけ悪いことをしてしまいました。
実は、お店が入っているショッピングモールで、「紅秀峰」という高級品種のサクランボの「双子ちゃん」が、1パック800円で売られていたんです(通常は1500円!)。傷もの扱いのようですが、味は同じはず。これをこっそり買って、ラーメンと一緒に頼んだビールのつまみとして、ちょっぴりいただいちゃいました。甘くて、最高でした。ごちそうさまでした!

いざ、1015段の修行へ!天空の寺「山寺」
冷やしラーメンで腹ごしらえとクールダウンを済ませ、いよいよ本日のメインイベントへ。JR仙山線に乗り、山形駅から約19分。私たちは「山寺駅」に降り立ちました。

異国情緒漂う、灼熱の参道
駅に降り立った瞬間、もわっとした熱気に包まれます。今日の暑さは尋常じゃない。そのせいか、観光客はほとんどが海外からのインバウンドの方々。日本人をあまり見かけません。聞こえてくるのは、様々な言語。まるで、私たちがどこか異国の霊山に紛れ込んでしまったかのような、不思議な感覚で登山がスタートしました。

山寺、正式名称は「宝珠山立石寺(ほうじゅさんりっしゃくじ)」。860年に慈覚大師円仁が開いた天台宗の古刹です。松尾芭蕉が「閑さや岩にしみ入る蝉の声」の名句を詠んだ地としても知られています。

麓にある根本中堂(国指定重要文化財)にお参りし、いよいよ石段の始まりです。ここから山頂の奥之院まで、1015段。一段登るごとに一つ煩悩が消えていくと言われていますが…暑さでそれどころではありません。

芭蕉が句を詠んだ「せみ塚」と、修行の石段
鬱蒼とした木々の中、苔むした石段が続きます。途中、芭蕉が詠んだ句を書いた短冊をこの地に埋めたと伝えられる「せみ塚」があります。じっと耳を澄ますと、まるで岩に染み入るかのように、蝉の声が降り注いできます。芭蕉も、こんな暑い日に、汗を拭いながらこの石段を登ったのでしょうか。
石段は、ただひたすらに続きます。振り返る余裕もありません。修行とは、まさにこのこと。すれ違う海外の観光客たちと、無言の笑顔でエールを交換しながら、一歩、また一歩と足を前に進めます。
天空へ続く最後の関門「仁王門」と、絶景の「五大堂」
息も絶え絶えになりながら石段を登りきると、朱塗りの美しい「仁王門」が見えてきます。

ここをくぐると、空気が変わるのを感じます。目の前には、開山の慈覚大師を祀る「開山堂」と、その隣に赤い小さな「納経堂」が。断崖絶壁に寄り添うように建つ姿は、圧巻の一言です。

そして、開山堂の左手から、最後の石段を登った先にあるのが、舞台造りの展望台「五大堂」です。
ここに立った瞬間、すべての疲れが吹き飛びました。

眼下には、山寺の集落と、緑豊かな山々のパノラマが広がります。
正直に言えば、息をのむような「絶景」というわけではないかもしれません。でも、自分の足で1015段を登りきった者だけが見られるこの景色は、何物にも代えがたい達成感と感動を与えてくれます。吹き抜ける風が、汗だくの体を優しく冷やしてくれる。ああ、気持ちいい…!持ってきた500mlのペットボトルは、もう残りわずかでした。

下山後のご褒美!幻のさくらんぼかき氷
下りはスムーズ。一気に山寺駅前まで下りてくると、もう体は糖分を欲していました。
吸い寄せられるように入ったお店でいただいたのが、「さくらんぼかき氷」。

写真を撮ったのですが、お店の名前が「文〇〇」としか読めず…。調べてみたところ、お麩の専門店「文四郎麩(ぶんしろうふ)」さんのカフェだったようです!
👇くるま麩というのが有名だそうです
お店のお母さんが言うには、このかき氷には、ご自身で栽培しているとても珍しい品種のサクランボを使っているとのこと。もしかしたら、幻の黄色いサクランボ「月山錦」だったのかもしれません。シロップ漬けではない、生のサクランボの果肉がゴロゴロ入っていて、その上品な甘酸っぱさが、火照った体に染み渡りました。本当に貴重な一杯をいただくことができました。
高速バスで杜の都・仙台へ
山寺から山形駅に戻り、ホテルで荷物を受け取ると、時刻は18時。
ここから私たちは、バスで宮城県の仙台市へ向かいます。
「仙台市山形区」?驚きの近さの理由
実は、山形市と仙台市は、高速バスで約1時間という驚きの近さ。ピーク時には1時間に5本も運行されており、通勤・通学圏内なんです。あまりのアクセスの良さから、冗談で「仙台市山形区」なんて揶揄されることもあるのだとか。
歴史を遡ると、奥羽山脈に隔てられた両都市の交流は、それほど盛んではありませんでした。しかし、1991年に山形自動車道が全線開通したことで、状況は一変。物理的な距離が一気に縮まり、人やモノの流れが爆発的に増加したのです。
この「近さ」は、両都市に様々な影響を与えています。
| メリット | デメリット | |
|---|---|---|
| 山形側 | ・仙台の経済圏・文化圏へのアクセス向上 ・観光客など交流人口の増加 ・若者の進学・就職先の選択肢拡大 | ・仙台への買い物客流出(ストロー現象) ・地場産業への影響の懸念 ・独自の文化が薄まる可能性 |
| 仙台側 | ・商圏の拡大 ・山形の労働力や農産物の確保 ・山形の観光資源へのアクセス向上 | ・交通渋滞の増加など、大きなデメリットは少ない |
高速道路一本で、街のあり方がここまで変わる。まさに現代の交通がもたらしたダイナミズムですね。
⛰️ 旅の終わりに:灼熱の修行と最高の報酬
灼熱の中、山形市内のクリエイティブなリノベーション施設(Q1)や歴史的建造物(旧済生館)を巡り、そして1015段の山寺の修行をやり遂げた2日目。公共交通機関と自分の足だけが頼りの旅は、体力の限界に挑戦するものでしたが、その分、得られた感動と達成感は格別でした。
そして、その旅の終わりには、キンキンに冷えた地酒や冷やしラーメン、幻のさくらんぼかき氷という最高の「報酬」が待っていました。
この旅を追体験したい方へ、そしてこの夏の暑さの中で挑戦する方へ。私たちが「本当に使いたかった」アイテムと、旅の「ご褒美」となる山形の絶品グルメをご紹介します。
☀️ 【必須】灼熱の旅を乗り切るための「体調管理」リンク
炎天下での移動や登山は、年齢を問わず体力を消耗させます。特に山寺の石段は、涼しい場所(最上義光歴史館)と生暖かい場所(県立博物館)を織り交ぜての移動となるため、自己管理が重要です。
私たちが「これがあって本当に助かった」「これがあればもっと快適だった」と痛感したアイテムをピックアップしました。
1. 旅に必須の「携帯水筒」と「経口補水液」
山寺の登りでは、500mlのペットボトルではあっという間に水がなくなります。また、ただのミネラルウォーターでは、失われたミネラルや塩分は補給できません。
- 【課題解決】:脱水症状を防ぐために、経口補水液と、冷たい状態を長く保てる高性能な携帯用水筒は必須です。
👇今回みたいな旅では「真空断熱」の超保温保冷というのはまさに「神」です。
👇これを奥さんが持っていてくれたので助かりました
2. 日陰の少ない街歩きと山寺の必需品「UPF50+ハット」
霞城公園や山寺の参道は日差しが強烈です。日傘よりも両手がフリーになるUVカット機能付きのハットは、熱中症対策と体力温存に直結します。
- 【快適性の向上】:特に首の後ろをしっかりカバーできるデザインが、疲労軽減に役立ちます。
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🍜 【ご褒美】旅の余韻を味わう「食文化」リンク
旅の最大の楽しみは、汗を流した後に味わう「ご当地グルメ」です。山形の旅を終えた後も、ご自宅でその感動を追体験できるソウルフードをご紹介します。
1. 🥇 やはり元祖!山形のソウルフード「冷やしラーメン」
今回、別府冷麺との比較も行いましたが、山形名物「冷やしラーメン」は、その発明の歴史も含めて味わう価値のあるグルメです。特に発祥の店「栄屋本店」の味を再現したセットは、ご自宅で手軽に山形の夏を感じられます。
2. 🍶 全酒蔵を制覇!?山形の誇り「地酒 飲み比べセット」
偶然の出会いだった**「Chetto」**での利き酒体験は、山形が「地酒王国」であることを再認識させてくれました。旅の思い出を語り合いながら、ホテルで「おこもり飲み」を楽しむのに最適です。
♨️ 次は、温泉で疲れを癒す旅はいかがですか?
☆☆☆今回はここまで。次回またお会いしましょう。
👋👋👋
【旅関連はこっちから】
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