こんにちは!びわおちゃんブログ&アニオタWorld!へようこそ。
このブログは現段階で「感想」や「解説」あるいは「考察」までには至らないけど、せっかく作品を見たので皆さんにお伝えしようという趣旨の「雑感」です。また、1話など見始めの段階でまだ「感想」としてうまくまとめる材料がそろっていない作品についてもここで述べます。
そして、申し訳ないんだけど「雑感」で終わってしまうブログも多数あると思います。なぜなら2025年の秋アニメ作品をすでに30作品以上追いかけると宣言してしまったので、1話ずつすべての作品を追うのは物理的に不可能だからです。僕の「アニオタWorld!」をいつもご覧いただいているあなたならお気づきかもしれませんが、僕は毎話5千字から1万字のブログを熱量込めて書きます。1話に費やす時間は5時間から10時間。こんなことをしているので、とてもじゃないけど全作品は追いきれない…のです。どうかご理解ください。
ということで、この秋、僕が最も期待し、そして少しだけ恐れてもいる作品、『私を喰べたい、ひとでなし』の雑感を始めます。
【ネタバレ注意】「雑感」として書いてますが、この作品の感想・解説、そして時々考察もしてます。アニメ未視聴の方はそこをご理解してお楽しみください。
第1話「死にたがりの彼女は海を待つ」雑感
10月2日、ついに運命の第1話が放送されました。空虚な日々を送る少女・八百歳比名子が、海の瞳を持つ少女・近江汐莉と出会う物語の幕開けです。
衝撃度はまだ…「可もなく不可もなく」な幕開け
正直に言うと、第1話の印象は「可もなく不可もなく」でした。
生きることに絶望し、「死」を静かに願う比名子。彼女の前に現れた美しき人魚・汐莉が告げる「あなたの血肉は特別に美味しい」「最高の状態になるまで守り、いずれ私が喰べる」という衝撃的な契約。この流れは、事前に公開されていたPVやイントロダクションで僕たちが何度も見聞きし、心を震わせてきた通りのものでした。だからこそ、驚きは少なかった。もちろん、上田麗奈さんの演じる比名子の消え入りそうな声、石川由依さんの演じる汐莉の優しくも冷たい声色は完璧で、物語の導入としては100点満点です。

ただ、事前情報で『光が死んだ夏』のようなゾクゾクする衝撃を期待していた向きには、少し物足りなかったかもしれません。あの作品が日常に亀裂が入る瞬間の生々しい恐怖を描いたとすれば、『わたたべ』1話は、これから始まる美しくも残酷な詩の序文を、丁寧に読み上げたような印象でした。
もちろん、まだ比名子がなぜそこまで「死にたい」と願うのか、その具体的な背景は描かれていません。彼女の心の深淵が明らかになるにつれて、物語の本当の衝撃が訪れるのでしょう。今は嵐の前の静けさ、そう信じています。
期待と不安の交差点―制作陣とクオリティへの懸念
しかし、手放しで「これからが楽しみ」とだけ言えない、いくつかの懸念点があったのも事実です。特に、アニメーションのクオリティについて、少しだけ語らせてください。
モブが「のっぺらぼう」問題―演出か、それとも…
まず気になったのが、教室や廊下のシーンに登場するモブキャラクターが、いわゆる「のっぺらぼう」で描かれていた点です。原作コミックスを読んでいないので、これが原作通りの表現なのかは分かりません。もし原作がそうであるなら、比名子の視点から見た「他者の無関心」や「世界の没個性」を表現する、高度な演出と捉えるべきでしょう。

ただ、アニメーションとして見たとき、これが意図された不気味さの演出なのか、それとも制作リソースの都合による「手抜き」なのか、判別がつきにくいのが正直なところです。特に、今回は話しかけられる場面もなかったので、キャラクターの存在感が希薄に見えてしまいました。この手法が今後の物語でどう活きてくるのか、注視したいと思います。

実力派スタッフと初元請けスタジオのジレンマ
そしてもう一つ。動画品質そのものが、全体的に「B級寄りかな?」と感じられる瞬間がいくつかありました。僕が以前の考察ブログで熱く語ったように、この作品には超実力派のスタッフが集結しています。
- 構成・脚本の広田光毅さん:『かげきしょうじょ!!』で見せた、少女たちの繊細な心理描写はまさに神業。
- 音楽の井内啓二さん:『オーバーロード』や『幼女戦記』で世界観を何倍にも増幅させた巨匠。
これだけの才能が集まっているのに、なぜか映像から伝わるパワーが少しだけ弱い。そこで僕が思い至ったのが、アニメーション制作を担当するスタジオリングスの存在です。
第1話「死にたがりの彼女は海を待つ」
— スタジオリングス (@studiolings) October 2, 2025
ご視聴ありがとうございました!!
みなさまいかがでしたでしょうか?
比名子の物語が今後どのように展開していくのか。
これから楽しんでいただけると嬉しいです!
弊社スタッフからファンアートをお届けいたします!
作画:妖怪好き#watatabe #わたたべ pic.twitter.com/cDcXkTl7B9
彼らは「私の百合はお仕事です!」などで制作協力として実績を積んできましたが、TVシリーズの「元請け」としては、本作が初挑戦となります。初元請けにかける情熱は計り知れないものがあるでしょう。しかし、それは同時に、制作体制の安定性という点では未知数であることを意味します。
『鬼人幻燈抄』の悪夢、再び?―作画崩壊への恐怖
ここで僕の脳裏をよぎったのが、以前このブログでも取り上げた『鬼人幻燈抄』の事例です。あの作品も、重厚で素晴らしい物語を持ちながら、一部の視聴者から「作画崩壊」を指摘されるなど、アニメーション品質の不安定さが常に付きまといました。物語のクライマックスで動きがカクカクしたり、キャラクターの顔が安定しなかったりするのを見るのは、ファンにとって本当に辛い体験です。

『わたたべ』が同じ道を辿るのではないか。この一抹の不安が、僕の心を曇らせます。どうか、どうかこの懸念が杞憂に終わりますように。物語が最高潮に達するとき、それにふさわしい最高の映像で私たちを魅了してくれることを、心から願っています。今はまだ1話。2話、3話と見守っていくしかありません。
絶望の中の光!作品世界を完璧に表現したOPとED
と、ここまで少し辛口なことを言ってしまいましたが、手放しで絶賛したいものもありました。いや、むしろこれがあったからこそ、僕は『わたたべ』の未来を固く信じられる。そう、オープニングとエンディング主題歌です。この2曲は、本当に、本当に素晴らしかった。
タチの渇望を歌うOP:吉乃「贄-nie-」
オープニング、吉乃さんが歌う「贄-nie-」。作詞・作曲は、ボカロPとしても絶大な人気を誇るユリイ・カノンさんです。これがもう、完璧でした。

上品で、どこかお嬢様のような可憐さを持つ歌声なのに、その裏には抑えきれない飢餓感と独占欲が渦巻いている。疾走感のあるビートに乗せて歌われるのは、まさに「喰らう側」である汐莉の視点。比名子という「贄」を前にした、切実で、どこか神聖ですらある渇望を見事に表現しています。いわゆる百合における「タチ」側の、どうしようもない激情が叩きつけられるようで、一瞬で心を鷲掴みにされました。「ダーク百合感」という言葉が、これほど似合う曲もないでしょう。
ネコの祈りを紡ぐED:八百歳比名子(CV:上田麗奈)「リリィ」
そして、物語の余韻に浸らせてくれるエンディング。比名子を演じる上田麗奈さんが、キャラクターとして歌い上げる「リリィ」。こちらもまた、完璧なアンサーソングでした。

OPの激しさとは対照的に、こちらは静かで、儚く、そしてどこまでも愛らしい。生きることを諦め、ただ「喰べられる」ことを願う少女の、純粋な祈りのような歌声。こちらはまさに「ネコ」側の、受け入れることでしか自己を肯定できない比名子の心を歌っています。そして、最後に囁かれる「リリイ」という一言。百合(Lily)であり、比名子の心の純潔(Lily)でもあるこの言葉で締めくくる演出には、思わず鳥肌が立ちました。
ここで蘇る「人魚姫の呪い」というジンクス
この完璧なOP/EDを聴いていて、僕はふと、以前に別のブログで書いた「人魚姫の呪い」という言葉を思い出しました。
これは僕が勝手に呼んでいるジンクスですが、アンデルセンの「人魚姫」をモチーフにした作品は、芸術的に高く評価されても、なぜか日本では商業的に大成功しにくい、という奇妙な傾向があるのです。ディズニーのように原作をハッピーエンドに変える大胆さがない限り、その悲恋の物語は、現代の観客が求めるカタルシスと少しズレてしまうのかもしれません。
『ChaO』という映画も、その独創的なアート性が海外で絶賛されながら、日本の「カワイイ」文化の壁に阻まれ、歴史的な大爆死を遂げました。『わたたべ』もまた、「人魚姫」と「異類婚姻譚」の系譜に連なる物語。この素晴らしすぎるOPとEDは、本作がただのエンタメに留まらない、批評性の高い「芸術作品」であることを示唆しています。それはファンとして誇らしいことであると同時に、「人魚姫の呪い」が発動しないかという、かすかな不安も覚えてしまうのです。
まとめ:SNSの反響と今後の期待
最後に、SNSやWEB上の反響を少しだけ。やはり、僕と同じようにOPとEDを絶賛する声が非常に多かったです。また、上田麗奈さん、石川由依さんという声優陣の演技への賛辞も溢れていました。一方で、やはりモブの描写や作画の不安定さを指摘する声も散見され、期待と不安が入り混じった船出、というのが正直なところでしょう。

とはいえ、まだ物語は始まったばかり。比名子の過去、汐莉の目的、そしてもう一人の重要人物・社美胡の存在。役者は揃い、舞台の幕は上がりました。僕は少なくとも2話、3話までは、固唾をのんでこの物語の行方を見守るつもりです。
あなたはどう感じましたか? この美しくも危うい物語に、共に心を焦がしていきましょう。

それでは、また次の記事でお会いしましょう。
最後に、放送・配信に関する公式情報をまとめておきます。
テレビ放送日程
2025年10月2日(木)より放送開始です。
- AT-X: 2025年10月2日より 毎週木曜 22:30〜
- リピート放送あり
- TOKYO MX: 放送予定
- BS日テレ: 放送予定
- サンテレビ: 放送予定
また、放送に先駆けて、9月25日からはAT-Xにて「『私を喰べたい、ひとでなし』アニメ化記念特番 fromえひめ」が放送されます。
これは、主人公・比名子役の上田麗奈さんが、物語の舞台である愛媛県を巡る特別番組です。アニメ本編にも登場する実在の場所を訪れ、なんと原作者の苗川采先生との対談も行われるとのこと。作品が生まれた土地の空気を感じながら、制作の裏話などが聞けるかもしれない貴重な機会ですね。放送はAT-Xと、舞台となった愛媛の愛媛朝日テレビでも予定されています。
【放送局・時間】
- AT-X: 2025年10月2日より 毎週木曜 22:30〜
- リピート放送:毎週月曜 10:30〜 / 毎週水曜 16:30〜
- TOKYO MX: 2025年10月2日より 毎週木曜 23:30〜
- サンテレビ: 2025年10月2日より 毎週木曜 24:00〜
- BS日テレ: 2025年10月2日より 毎週木曜 25:00〜
- 愛媛朝日テレビ: 2025年10月3日より 毎週金曜 25:50〜
※放送日時は変更になる可能性があります。詳細は公式サイトをご確認ください。
VOD配信日程
以前の記事では配信情報が未定とお伝えしていましたが、ついに詳細が発表されました!これでテレビ放送を見逃してしまっても安心ですね。
ABEMAとdアニメストアでは、なんと地上波同時・最速配信が決定しています。TOKYO MXの放送と同時に、手元のスマートフォンやPCで物語を追うことができます。
- ABEMA、dアニメストア: 2025年10月2日より 毎週木曜 23:30~
さらに、その他の主要な動画配信サービスでも、その5日後から順次配信がスタートします。
- その他配信サイト: 2025年10月7日(火) 23:30~ 順次配信開始
以下が見放題で楽しめる配信サイトの一覧です。あなたの利用しているサービスがあるか、ぜひチェックしてみてください。
ちなみに、10月28日にはノベライズ版の発売も決定しているようです。アニメ、原作コミック、そして小説と、様々なメディアでこの世界の深みにハマれるなんて、ファンにとってはたまらない秋になりそうですね。
この秋、最高の物語体験を共にしましょう!
自分のペースでじっくり観たい方は
☆☆☆☆☆今回はここまで。
👉使用した画像および一部の記述はアニメ公式サイトから転用しました。

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