わた婚25話「夢の先にある想い」感想～新しい歯車が動き出す

『わたしの幸せな結婚』ここまでのお話し

『わたしの幸せな結婚』第25話は「夢の先にある想い」です。清霞を助け出した美世は清霞とともに甘水 直と対峙することになります。

ではまず、前回の第24話のストーリーを簡単に振り返っていきましょう。

ここまでで最大の見せ場だった24話、あなたも感動したと思います。

もちろん僕のブログの中でも感動シーンをまとめているので後で読んで見て下さい。

これまでの第2期では、美世と清霞の絆が試される中で、異能心教との対立が物語の中心に据えられています。美世の成長と「薄刃の血」を巡る争いがどのように決着するのか、今後の展開に注目です。

わたしの幸せな結婚 25話「夢の先にある想い」感想・解説

ストーリー概要

この話では、薄刃家が頂点に立つ理想の世界を築くため、甘水直が愛した人の忘れ形見であり「夢見の力」を持つ美世を手中に収めようとします。甘水は五感さえも支配する恐ろしい幻覚で清霞を蹂躙していきます。美世が清霞のもとへ駆け寄ろうとするも、薄刃新（鶴木新）に銃口を向けられ阻止されてしまいます。

薄刃新（鶴木新）の狙い

薄刃新（鶴木新）が美世に銃口を向けたのは、彼女を危険から守るためであり、その背景には薄刃家の使命と美世の「夢見の力」に対する懸念があります。薄刃家は代々「夢見の巫女」を守る使命を帯びており、美世はその巫女にあたるため、彼女を守ることが使命となっています。

しかしなぜ新は甘水に協力するような態度を取るのでしょうか。それは夢見の巫女の力を持つ美世を手中に収めようとする甘水を倒すためだと考えられます。

甘水直の異能は非常に強力で、正面から戦っても勝てないため、甘水の懐に入り込んで油断させた上で倒す計画を立てていたのです。

薄刃新は美世を守るという薄刃家の掟に従って行動しており、甘水直が美世の「夢見の力」を利用して薄刃家が頂点に立つ理想の世界を築こうとしていることを阻止するため、一時的に美世や清霞を裏切る形をとりました。

甘水直の狙い

甘水直の狙いは薄刃家が頂点に立つ理想の世界を築くため、美世の持つ「夢見の力」を利用することです。甘水は人間の五感を完全に操る異能を持ち、他の異能者からも畏怖されるほどの力を持っています。多くの人間に異形を取り込ませ、人工的に異能者を創り出す能力も持っています。この力は22話で美世を苦しめた巨大な異形を創り出したことで明らかになりました。

甘水の目的は、帝の一族に伝わる異能「天啓」は、薄刃家の異能「夢見の力」より劣るものであるという考えから、帝の一族による支配を不当であるとし、帝国を打倒して美世を女王とする新世界を樹立することです。

甘水の異能に苦しむ清霞

甘水は清霞の五感を支配し、恐ろしい幻覚を見せることで精神的に追い詰めます。この幻覚攻撃により、清霞自分自身が何度も切りつけられる感覚を痛みととも覚えます。やがては

何度も美世が異形に殺される幻覚を見せつけられ、動くこともままならない程、甘水に蹂躙されていきます。

甘水の異能は「我々が五感で受け取り、脳内で処理する情報のなにもかもを操作できる」という非常に強力なもので、清霞でさえも対抗することが困難な状況に陥ります。

変えなきゃ、未来を！

この状況を阻止するために清霞に駆け寄ろうとする美世ですが、冒頭に記載したとおり、薄羽新に銃口を向けられ、阻止されてしまうのです。

以前の美世であればここでなすすべもなく立ち止まるところですが、24話で夢見の巫女の力が覚醒した美世は変わりました。その力を使い、甘水の異能の力に干渉します。「変えなきゃ、未来を！」夢見の巫女の姿で甘水が作り出した清霞の精神干渉世界の中に入り込み、清霞の前に現れます。そして「旦那様」と清霞に語り掛け、一瞬で甘水が作り出した瘴気の闇を消し去りました。

そして「あなたを止めるためにここへ来たのです」と甘水に告げます。

ここで面白いなと思ったのが甘水が「美世、きみはその男を救うためにより強い力に頼ったね。それはぼくとどう違うんだい」と言ったことです。

それに対して美世は「私はこの力に誰かの人生を巻き込もうとも、何かを奪おうともしません。あなたとは違います。」と答えています。

「きれいごとを言えば人を救えるとでも？」と言った甘水に美世は走り寄り、ビンタを喰らわせます。

この場面、甘水と美世の考えることが全く違うということが鮮やかに描かれている場面です。

物語を彩る二つの「愛」

この場面は甘水直と斎森美世、二人の人物の「愛」の形が大きく異なることを明確に見せてくれています。

物語において、甘水直と美世という対照的なキャラクターが際立っているのは、彼らの行動の背景にある「愛」の形が大きく異なるからです。この違いを深く掘り下げてみましょう。

対照的な愛の形

甘水直と美世の異能力には、それぞれ対照的な「愛」の形が反映されています。甘水の五感を操る異能は、一言で言うと「自己愛」に基づいています。彼は、薄刃家を頂点に立たせるという大義名分の下に、美世を手に入れ、自分の理想とする新世界を築こうと目論んでいます。しかし、その根底にあるのは、美世を自分の所有物としたいという、自己中心的な欲望なのではないでしょうか。

一方、美世の「夢見の巫女」としての異能は、彼女の母親である薄刃澄美から受け継がれた「家族愛」に深く根ざしていると言えます。澄美は、薄刃家を守るために、自らの意志とは異なる結婚を選びました。この自己犠牲の精神こそが、美世の行動原理にも繋がっているのではないでしょうか。彼女は、愛する人を守るためならば、自らの危険も顧みない強さを持っています。

甘水 直の過去

ここで、甘水直という人物について、もう少し掘り下げて考えてみましょう。彼は、美世の母親である薄刃澄美の幼馴染であり、婚約者候補でもありました。しかし、彼は澄美と恋愛関係を築くことができず、彼女が斎森家に嫁いでしまったことで、「奪われた」という感情を抱き続けていたのです。この過去の経験こそが、彼の愛情を歪ませ、支配欲へと変えてしまったのではないでしょうか。彼は美世を「我が娘」と呼び、その身柄を狙っていますが、それは美世個人への愛情ではなく、澄美の娘であり、夢見の力を持つ特別な存在だからこそ、手に入れたいという歪んだ欲求の表れなのかもしれません。

甘水の自己愛と美世の家族愛

物語の中で、甘水の自己愛と美世の家族愛は、鮮やかなコントラストを描いています。甘水は、自分自身を愛するがゆえに、自分の理想を実現するために手段を選びません。一方、美世は、愛する人を守るために、自己犠牲をも厭わない。この対照的な愛の形は、彼らの異能力の使い方にも明確に表れています。甘水は、五感を操る異能で他者を支配し、恐怖を植え付けようとします。それに対し、美世は夢見の力で清霞を救おうと、奔走するのです。

• 甘水直
  • 愛の種類: 自己愛。自身の理想実現のためには手段を選ばない。
  • 動機と行動: 薄刃家を頂点に立たせるため、美世を利用しようとする。
  • 異能の使い方: 五感を操る異能で他者を支配し、恐怖を植え付ける。
• 斎森美世
  • 愛の種類: 家族愛。愛する人を守るため、自己犠牲も厭わない。
  • 動機と行動: 愛する清霞を守るために自分の力を使おうとする。
  • 異能の使い方: 夢見の力で清霞を救おうとする。

守り刀の役目からの解放

美世にビンタを喰らい、逆上した甘水は美世を闇に葬ろうと攻撃します。しかしそこに澄美が現れ、甘水に「あなたを守り刀からの役目から解放します」と告げます。そしてさらに「行きましょう。私と一緒に」と言いました。この場面もまた、この物語を解き明かすうえで深い意味を含有した場面と言えます。

甘水と澄美の関係性

甘水直は薄刃家の分家出身で、かつて澄美の婚約者候補でした. 澄美は甘水が幼い頃から問題児だったにも関わらず、唯一彼の世話を焼いていた人物です。 しかし、薄刃家を存続させるため、澄美は甘水ではなく斎森家に嫁ぐことを選びました.。

この出来事は甘水に深い絶望と喪失感をもたらし、彼の愛情を歪め、復讐心へと変貌させる原因となりました。澄美を「奪われた」という感情は、甘水の行動原理を理解する上で重要な要素です。甘水は美世に対し「愛しの我が娘よ」と呼びかけますが、これは美世個人への愛情ではなく、澄美の忘れ形見であり、夢見の力を持つ存在として利用価値を見出しているからに過ぎません。

「守り刀からの役目から解放」の真意

「守り刀からの役目から解放」の真意

「あなたを守り刀からの役目から解放します」という言葉は、甘水が薄刃家のために生きてきた人生からの解放を意味します。甘水は薄刃家の分家として、本家を守るという使命を背負って生きてきましたが、その使命感が彼を歪ませ、破滅へと導きました。澄美は甘水にその呪縛から解放され、自分のために生きてほしいと願っていたのです。

守り刀としての役割から解放されることは、甘水が過去の義務から自由になり、自己の意思で生きることを意味します。

「行きましょう。私と一緒に」が意味すること

「行きましょう。私と一緒に」という言葉は、澄美が甘水に新たな生き方を示す意思表示です。彼女は甘水を過去の呪縛から解放し、共に新たな未来を歩みたいという強い決意の表れです。これは甘水に過去の過ちを償い、新しい人生を始める機会を与えるという複雑な感情が込められています。澄美は、甘水に対し償いの道を示すと同時に、彼を過去の呪縛から解放し、新たな人生を歩んでほしいと願っています。

償いの道の具体的内容

澄美が示す償いの道とは、甘水が過去に行った悪事に対する責任を認め、被害者への謝罪、そして社会への貢献を通じて罪を償うことを意味します。澄美は甘水に、自分の過去の行動を深く反省し、二度と過ちを繰り返さないよう諭すでしょう。また、甘水が過去の恋愛感情に囚われず、新たな人生を歩むための道標でもあります。澄美は甘水に過去の自分との決別を促し、未来への希望を持たせようとしているのです。

澄美は、甘水が憧れていた女性であり、本来であれば恋人として添い遂げる可能性もあった人物です。しかし、薄刃家を守るという使命のため、彼女は甘水ではなく斎森家に嫁ぐ道を選びました。この決断は、甘水にとって計り知れない絶望と喪失感を与え、彼の愛情を歪ませ、復讐心へと変貌させる根源となりました。 澄美の言葉は、甘水に対する複雑な感情の表れであり、過去の罪を許すことはできないものの、心の傷を理解し、救いたいという葛藤を示しています。

「新しい歯車」のメタファー

甘水が美世を攻撃した際、澄美が現れ、「美世、新しい時の歯車が動きだした。もう大丈夫。よく頑張ったわね。美世」と言います。このセリフには、美世が過去の苦しみから解放され、新たな幸せな未来へと進み始めることを意味する深い意味が込められています。

このセリフは、美世が自分の力で運命を切り開き、清霞との出会いを通して新しい人生を歩み始めたことを表しています。 「新しい時の歯車」とは、美世の人生における大きな転換点を象徴するメタファーです。これまでの薄刃家や斎森家の宿命から解放され、自分の意志で未来を創造していく道が開かれたことを意味しています。美世は斎森家で虐げられ、辛い境遇に耐えてきましたが、清霞との出会いが彼女の人生を大きく変えました。

澄美の想い

澄美は美世の「夢見の力」が覚醒し、その力で自身の過去と向き合い乗り越えたことを喜び、これからは幸せになれると安堵と祝福の気持ちを込めてこの言葉をかけたのです。 澄美は、美世が夢見の力によって自身の過去と向き合い、未来を切り開く力を得たことへの安堵と祝福を示しています 。母親として美世の成長を見守り、彼女が自分の力で幸せを掴むことを願う深い愛情が表れています。 澄美は、もし自分が将来『夢見の巫女』になれたら、帝に薄刃家を縛る掟をなくすように願い、薄刃家の人々が自由に生きられるようにしたいという夢を持っていました。

物語における解釈の一致

このセリフは、美世が過去のトラウマを乗り越え、新たな一歩を踏み出す決意を象徴しています。 澄美の言葉は、美世の心を支え、未来への希望を与える力強いメッセージとなっています。

この分析を以下の表にまとめます。

澄美のセリフは、単に美世の個人的な幸せを願うだけでなく、薄刃家全体の未来、ひいては物語全体の運命が大きく変わることを暗示しているとも考えられます。

25話の最終場面で、甘水は薄羽新に銃で撃たれ、息絶えたかのような場面があります。そしてその後子供時代の澄美と直の場面に切り替わり「さあ、行きましょう」と手を引かれ駆け出す場面で終わりました。

甘水 直は本当に亡くなったのでしょうか。もしそうなら次回の最終回、美世と清霞の前に立ちはだかるのは誰なんでしょうか。気になるところです。

次回放送は「制作上の都合」で放送延期になっています。こちらも何故なのかが気になりますよね。

【放送延期のお知らせ】
3月31日(月)に放送を予定しておりました #わたしの幸せな結婚 「第二十六話」につきまして、制作上の都合により放送を延期することに致しました。
視聴者の皆様をお待たせしてしまい申し訳ございません。

詳細は画像および下記ニュースページをご確認下さい。… pic.twitter.com/6l2mrH81Df

— 『わたしの幸せな結婚』公式🌸アニメ第二期2025年1月6日(月)放送開始 (@watashino_info) March 28, 2025

【春の便り】

最後に春の便りをお届けします。

僕が住んでいる大分市、大分川の河畔に咲いている桜の風景です。

2025年3月31日。「わたしの幸せな結婚」25話が放映された日の朝の桜です。

5分咲きと言ったところでしょうか。

美世の髪に挿してあげたい可愛らしさです

足元の花はハマダイコンの花のようです

「わたしの幸せな結婚」は4月の桜の満開の中、二人が結ばれるのでしょうか。🌸

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※使用した写真および文章の一部はアニメ公式サイトより転載しました。

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