中禅寺先生 5話【ドッペルゲンガー】-壮絶な茶番劇! 5話切り選手権歴代最高得点

いやはや、皆様ごきげんよう。今期アニメ『中禅寺先生物怪講義録 先生が謎を解いてしまうから。』、ついに運命の第5話「ドッペルゲンガー」が放送されましたね。前回の第4話の感想ブログで「中禅寺先生 4話「真夏の神のいたずら」- 5話切り瀬戸際?神隠しの謎⁈」と警鐘を鳴らしておりましたが、今回の第5話は、その私の微かな、本当に微かな期待すらも木っ端微塵に打ち砕く、予想通り安い、いや予想を遥か、それはもう遥か上空までブチ抜いて上回る壮絶な茶番劇でございました。5話切り選手権、歴代最高得点での完全優勝です!

この衝撃的な展開(悪い意味で)により、私の中での「5話切り選手権」において、本作『中禅寺先生物怪講義録』は、他の追随を全く許さない歴代最高得点を叩き出し、ここに堂々の、そして文句なしの完全優勝を飾ったことを高らかに宣言いたします! 視聴を継続されていたファンの皆様には大変申し訳ございませんが、本記事はこれ以上ないほどの辛辣な批評となりますこと、平にご容赦ください。むしろ、ここまで見届けた自分を褒めてやりたいくらいです。ええ、そういう意味では「時間を返せ!」という怒りよりもう可笑しくなってしまい、そういう意味では「いい5話切り」になりましたとも!

『中禅寺先生物怪講義録』とは

2025年4月からスタートした『中禅寺先生物怪講義録 先生が謎を解いてしまうから。』は言わずと知れた京極夏彦の『百鬼夜行シリーズ』のスピンオフ物語です。主人公である古書肆「京極堂」こと中禅寺秋彦が、まだ拝み屋として開業する前、高校の臨時講師をしていた時代を描く、公式スピンオフ作品となっています。

タイトル名が長いため、『中禅寺先生物怪講義録』あるいは『中禅寺先生』という略称で呼ばれることが多いでしょう。

百鬼夜行シリーズとは

「百鬼夜行シリーズ」は、ミステリー作家・京極夏彦先生による日本の人気小説シリーズです。正式名称は「百鬼夜行シリーズ」ですが、主人公の名前にちなんで「京極堂シリーズ」とも呼ばれています。ただし、作者自身はこの呼び方をあまり好まないようです。累計発行部数は1000万部を超える大ヒットシリーズです。

物語の主な舞台は、第二次世界大戦後の昭和20年代後半から30年代初頭にかけての日本です。このシリーズの特徴は、単なる事件解決に留まらない点にあります。事件に関わる人々の思い込みや心の闇、認識のずれが生み出す不可解な現象を、主人公が「妖怪」になぞらえて解き明かし、「憑き物落とし」という形で心理的な解決をもたらす独特の推理小説です。そのため、実際に妖怪が出てきて活躍する物語ではありません。

京極堂とは

「京極堂」とは、このシリーズの主要人物である中禅寺 秋彦(ちゅうぜんじ あきひこ)の通称です。彼は東京の中野で古書店「京極堂」を営んでおり、その屋号から友人たちに「京極堂」と呼ばれています。

彼は非常に博識で、特に民俗学や妖怪に関する知識が豊富です。古書店主であると同時に、実は武蔵晴明神社の神主でもあります。元々は高校の国語教師でした。常に冷静沈着で仏頂面をしており、「この世には不思議なことなど何もないのだよ」というのが有名な口癖です。

拝み屋とは

「拝み屋」とは、京極堂こと中禅寺秋彦のもう一つの顔、いわば副業です。彼は神主としての知識や、膨大な知識、そして論理的な思考力を駆使して、怪事件や不可解な出来事に悩む人々の相談に乗り、その原因を解き明かします。

彼の行う「憑き物落とし」は、超能力や霊能力によるものではありません。事件の真相を論理的に解明し、関係者の誤解や妄想、心理的な囚われ(=憑き物)を解きほぐすことで、問題を解決に導くことを指します。

物語の舞台は昭和23年(1948年)。新制高校の国語教師として赴任してきた若き日の中禅寺秋彦と、彼が受け持つクラスの女子生徒・日下部栞奈が出会い、学校やその周辺で起こる様々な怪異事件に挑んでいく、学園青春怪異奇譚です。

「中禅寺先生」の残念な登場人物たち:キャラクターと声優紹介

本作の魅力は、なんといっても個性豊かな登場人物たちです。

(と思いたかったのですが「残念な登場人物たち」になってしまいました・・・)

日下部 栞奈(くさかべ かんな)CV:前田佳織里

本作の主人公で、好奇心旺盛な高校2年生。中禅寺先生によって、不本意ながら「心霊探偵」に任命されてしまう。困っている人を放っておけない、真っ直ぐで優しい女の子です。

日下部栞奈(くさかべ かんな)
  • 声優:前田佳織里
  • 本作の主人公であり、都立美戸川高校に通う高校2年生の女の子。新制高校制度が始まって2年目という時代設定です。
  • 性格は好奇心旺盛で活発、そしてかなりの食いしん坊。困っている人を放っておけない優しさも持っています。
  • なぜか怪異にまつわる不思議な事件に次々と巻き込まれてしまいます。彼女の視点を通して、視聴者は物語の世界へと引き込まれていきます。
  • 演じる前田佳織里さんは、インタビューで栞奈のことを「柴犬」のようだと表現しており、その天真爛漫さが魅力です。

中禅寺 秋彦(ちゅうぜんじ あきひこ)CV:小西克幸

栞奈の学校に赴任してきた国語の臨時講師。博識で常に仏頂面、怪異や迷信を「不思議なことなど何もない」と一蹴するクールな人物ですが、その実、物事の本質を見抜く鋭い洞察力の持ち主です。まだ古本屋「京極堂」を開く前の、若き日の中禅寺先生。

中禅寺秋彦(ちゅうぜんじ あきひこ)
  • 声優:小西克幸
  • 栞奈の通う高校に、産休代理の臨時講師として赴任してきた国語教師。後の「京極堂」その人です。
  • いつも不機嫌そうな仏頂面で、図書準備室で本を読んでいることが多いです。口が悪く、とっつきにくい印象を与えますが、根は優しい一面も。
  • 博覧強記にして、鋭い観察眼と優れた推理力の持ち主。栞奈が持ち込む怪異事件の謎を、論理的に解き明かしていきます。その過程は、まるで「憑き物落とし」のようです。
  • 演じる小西克幸さんは、どこか人間嫌いな雰囲気を漂わせる中禅寺先生を、深みのある声で好演しています。

関口 巽(せきぐち たつみ)CV.西地修哉

粘菌の研究者であり、作家業もしている。極度の対人恐怖症で、臆病な性格。中禅寺とは学生時代からの知り合い。

関口 巽(せきぐち たつみ)

「中禅寺先生」第5話「ドッペルゲンガー」- 戦慄(と失笑)の公式あらすじ

まずは、この歴史的茶番劇の幕開けとなった第5話「ドッペルゲンガー」の公式なあらすじから見ていきましょうか。これだけ読むと、なにやら面白そうではあるのですが…。

公式あらすじという名の壮大な「前フリ」

自分とそっくりの人間を目撃したと、花代から相談を受ける栞奈。それが原因で不安になっているという花代を救うため、栞奈はその正体を探ることに。その最中、いきつけの本屋で中禅寺の友人である関口と出会う。栞奈から話を聞いた関口は、その怪現象はドッペルゲンガーではないかと推察する。そして、それは一過的な幻覚に過ぎないものだから心配しなくていいと話す。花代を安心させようと関口の話を伝える栞奈。その言葉により一旦は平静を取り戻す花代だったが、その矢先……彼女は更にありえない光景を目撃し、戦慄してしまう。

…とのこと。ええ、「更にありえない光景を目撃し、戦慄してしまう」。確かに、視聴者側も**「ありえない(トリックと展開の安直さに)光景を目撃し、戦慄(を通り越して乾いた笑いと怒り)」**を禁じ得ませんでしたよ。この時点で、もはやツッコミ待ちとしか思えません。

安すぎて逆に目が覚める!驚愕の茶番劇、その全貌と低品質の本質

前回の第4話の時点で『5話切り』の予感は限りなくしていました。それは4話の感想・解説ブログのタイトルが「中禅寺先生 4話「真夏の神のいたずら」- 5話切り瀬戸際?神隠しの謎⁈」であることからもお判りだと思います。そして第5話は、その疑念を確信に変え、さらにその確信を遥か上回る絶望を見せてくれたのです。

前回4話からの予兆 – 単なる作画崩壊ではない、作品の本質的「安さ」

第4話自体で、強引な事件の背景設定と安直な「ありえないだろう」と思われるトリック、そして作画の適当さが目に付く作品になっていました。登場人物の描き方も雑で唐突、丁寧さが感じられず、昨今では驚くほどの低品質作品だという気がしていました。
これはよくある「作画崩壊」とは質を異にするものです。作画崩壊はスケジュールのプレッシャーと低予算の打つ手なし感からのまさに「崩壊」なんですが、この中禅寺先生に関してはこの**「安易さ・安直さ・ご都合主義」がこのアニメ作品の本質ではないか**と思うのです。もちろん僕のような感想を抱かない視聴者もいるとは思いますが、僕の考えに同調される方の方が数的には多いのではないかと確信しています。

ドッペルゲンガーの「真相」- 双子大増殖という禁じ手と後出しジャンケン

さて、5話のあらすじです。日下部栞奈の友人の花代がドッペルゲンガーが歩いているのを喫茶店から見てしまいます。そしてその姿は一緒にいた栞奈も目にするのです。
ドッペルゲンガーを見たという話しなのですが、中禅寺先生曰く、本人のみが見るドッペルゲンガーは何らかの脳の異常が考えられる可能性があるため「死」と結びつくことも考えられる。しかし「他人」も見るドッペルゲンガーならそれは「トリック」だと。これはまさにその通りだと納得できます。

問題は、この「トリック」が何故仕組まれたのか、その謎解きです。そして、そのトリックが余りにもご都合主義。心の準備はよろしいでしょうか?

  • 花代の母親は実は双子だった。
  • 双子の母を持つ花代も双子だった。
  • そして花代の母の双子の妹も実は双子の娘を産んでおり、それぞれ家庭が厳しい時代があり娘をやり取りしていた。

つまり、こういうことです。

  • 花代の母の子:花代ともう一人の双子(A)
  • 花代の母の妹の子:花代が「妹」だと思っていた女の子(実は従姉妹で、この子も双子Bの一方)、そしてその双子の姉妹(Bのもう一方)

花代が妹だと思っていた女の子は、花代の母の妹の娘だったのです。そして、ドッペルゲンガー騒動の真相は、両家が経済的に安定してきたので種明かしをする過程で、花代が自分の本当の双子の姉妹(A)を見かけて「ドッペルゲンガー」だと混乱した、とのこと。

…こんな設定許していいんですかね? 何でもありと言っても結果ありきでストーリーを無理やり作っただけと言う感じです。ミステリーの妙もへったくれもありません。

演出の稚拙さとご都合主義のオンパレード – 「時間を返せ!」

この「双子大増殖後出しジャンケントリック」だけでも十分お腹いっぱいですが、本作の「安さ」はそれだけに留まりません。
まず、しつこい位に暗い画面を続け、「おどろおどろしさ」を前面に出す見づらい展開。本当にそっくりなのだろうかと無駄に画面を凝視させられました。これは視聴者に対する配慮の欠如であり、単なる手抜き演出です。


そして、解決後はなんだか急にアットホームな無理すぎる展開に。あれだけドロドロした(と思わせたかっただけの)雰囲気が嘘のように、全てが丸く収まるご都合主義。本当に笑うしかありません。

原作の持ち味とは? アニメ化における絶望的な「演出」の欠如

僕は原作未読だから何とも言えませんが、この「安易さ・安直さ・ご都合主義」が京極夏彦作品の持ち味なんでしょうか? 少なくとも原作がこのようなテイストであったとしても、アニメという映像に落とし込むうえで視聴者に親切な「演出」は加えて欲しいと思います。キャラクターの心理描写の浅さ、謎解きのカタルシスのなさ、怪異が本来持つべき不気味さの欠如。これらは「作画崩壊」とは異なる、もっと根本的な問題です。

違和感とご都合主義の追加燃料 – さらなる批判点

当初の予想を上回るくだらなさに、批判点をさらに追加して、この作品の「素晴らしさ」を語り尽くしたいと思います。

消えた中禅寺ファミリー? – 敦子さんと千鶴子さんの唐突な不在

前回4話で、中禅寺先生の妹・敦子さん(CV:降幡愛)と、奥様の千鶴子さん(CV:茅野愛衣)が登場したにも関わらず、この第5話では全く姿を見せませんでした。物語の都合上かもしれませんが、せっかく顔見せしたキャラクターを翌週には完全にスルーするというのは、構成として雑すぎやしませんかね? 彼女たちの登場に何か意味があったのか、それすら疑問に思えてきます。この点にも強い違和感を覚えました。

唐突な関口登場 – 解説役もやっぱりご都合主義

そして、いきなり登場した中禅寺先生の同級生である小説家・関口巽(CV:西地修哉)。彼が栞奈にドッペルゲンガーの一般的な知識(しかも中途半端な)を解説する役割を担っていましたが、これもまた「いかにもご都合主義」という印象を拭えません。なぜこのタイミングで関口なのか? 中禅寺先生本人ではダメだったのか? 物語を動かすためだけの、とってつけたようなキャラクター配置にしか見えず、物語の安直さをさらに際立たせています。

もう限界!5話切り選手権、ぶっちぎりの優勝にて視聴断念!

というわけで、第4話の時点での「5話切り瀬戸際」という私の予想は、見事に(これ以上ないほど悪い方向に)的中し、いや、むしろ予想を遥かに超える形で「5話切り確定」となりました。
ここまで見事なまでのくだらなさ、途中から見え見えの展開で「時間を返せ!」という怒りよりもう可笑しくなってしまい、そういう意味では、記憶に残る「いい5話切り」作品として、私の心に深く、深く刻まれることでしょう。

『中禅寺先生物怪講義録 先生が謎を解いてしまうから。』、残念ながら私はここで脱落させていただきます。ここまでお付き合いいただいた(かもしれない)読者の皆様、そして何より、貴重な時間をこの作品に捧げてしまった私自身に、心からのねぎらいの言葉を送りたいと思います。

中禅寺先生物怪講義録、5話切り選手権、歴代最高得点での完全優勝、誠におめでとうございます!

これにて、私の『中禅寺先生物怪講義録』の感想は最終回となります。皆様、他の素晴らしい作品でお会いしましょう。

ベスト10入りが夢です!💦

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関連情報:もっと『中禅寺先生』の世界を楽しむ(笑う)ために

アニメを見て『中禅寺先生物怪講義録』の世界にハマった方へ、関連情報をご紹介します。

原作コミックス情報

  • 出版社: 講談社 (マガジンエッジKC)
  • 巻数: 現在11巻まで発売中 (2025年4月時点)
  • 価格: 各巻 定価759円~792円(税込)程度
  • 内容: アニメで描かれたエピソードはもちろん、その先の物語や、より詳細なキャラクターの心理描写などを楽しむことができます。電子書籍版も配信されています。

Blu-ray&DVD情報

TVアニメ『中禅寺先生物怪講義録 先生が謎を解いてしまうから。』のBlu-ray&DVDの発売が決定しています。

  • 上巻: 2025年7月23日 発売予定
  • 下巻: 2025年8月27日 発売予定

各法人別の購入特典や、豪華グッズが当たるキャンペーンなども予定されているようです。詳細は公式サイトなどでご確認ください。

サウンドトラック・グッズ情報

  • サウンドトラック: アニメの世界を彩る劇伴を収録したオリジナルサウンドトラックも発売されます。
  • グッズ: アクリルスタンドやクリアファイルなど、様々な公式グッズが展開される可能性があります。イベントなどの開催情報と合わせて、公式からの発表を待ちましょう。

VODの紹介

2025年春アニメは深夜枠が多い(別に今回に限るわけではないけどね)のでVODで見るのがおすすめ。

『中禅寺先生物怪講義録 先生が謎を解いてしまうから。』はU-NEXTが地上波と同日に見ることができます。

2025年4月7日より、毎週月曜26:30~放映です。

僕が紹介するアニメは以下のVODで見れるので加入してない人はどれかに加入するといいですよ。

配信サービス月額料金(税込)無料期間特徴
U-NEXT2,189円31日間豊富なコンテンツ数。ラノベやマンガも楽しめ、利用料金の40%がポイント還元。
Amazonプライム600円30日間独占配信や話題作が充実。Amazon利用者におすすめ。
ABEMAプレミアム960円2週間地上波放送中の作品や恋愛番組のオリジナルコンテンツが豊富。

おすすめポイント

  • U-NEXT: アニメ以外にもラノベやマンガが楽しめる。ポイント還元で実質的なコストを抑えられる。
  • Amazonプライム: コストパフォーマンスが高く、独占配信が魅力。Amazon利用者には特に便利。
  • ABEMAプレミアム: 地上波作品の視聴やオリジナルコンテンツが充実。テレビ番組やニュースも楽しめる。

特にABEMAをおススメ!月額料金は960円。

無料放送も多く、コンテンツも充実しています。VODだけじゃなくテレビ番組やニュースも豊富なんでおススメです。

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前回はこちら

👇中禅寺先生 4話「真夏の神のいたずら」- 5話切り瀬戸際?神隠しの謎⁈

☆☆☆☆☆今回はここまで。

👉使用した画像および一部の記述はアニメ公式サイトから転用しました。

👇この作品タイトルは「勘違い」でも内容はしっかりしてます

【勘違いの工房主 6話感想】「四方八方の九方目」地下からの奇策と魔剣『胡蝶』

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『中禅寺先生物怪講義録』解説(当時は相当期待してました)

👇総合解説版です。作品の全体像が分かりますよ👇

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