レプリカだって、恋をする。第5話考察|死ねないナオが見る存在と愛の夢

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「レプリカは死ねないんだ」――この一言が、第5話のすべてを貫いています。

電車に轢かれ、確かに死んだ。なのに再生された。その事実がナオを、そして私たちを、根底から揺さぶります。第5話「レプリカは、夢を見る。」は、この作品が単なる青春ラブストーリーではないことを証明した、シリーズ最大の問題作です。「存在するとはどういうことか」「愛するとはどういうことか」――その問いに、ナオとアキが、不器用に、全力で、答えようとした一話でした。


目次

  1. 第5話あらすじ|死と再生のあいだで、少女は夢を見た
  2. 素直の部屋で起きた静かな革命|ベッドを差し出した素直
  3. 第5話タイトルが持つ逆説|「レプリカは、夢を見る」という奇跡の一夜
  4. 早瀬先輩との対峙|「私を殺してくれてありがとう」という、命がけの一手
  5. 海辺の告白|「レプリカは死ねない」という言葉が抱える、この物語の核心
  6. アキの告白が純愛として成立する理由|レプリカ同士の恋が持つ、唯一無二の純度
  7. りっちゃんという存在|「全然違いますもん!」が証明した、愛の本質
  8. 「かわいいな」という言葉が閉じる物語|日常の中に宿る、最も静かな愛の形
  9. 原作未読のびわおが語る|5話完結という奇跡と、6話以降への純粋な期待

第5話あらすじ|死と再生のあいだで、少女は夢を見た

前話の衝撃から始まる第5話。早瀬先輩に線路へ突き落とされたナオは、電車に轢かれ「死んだ」。呆然と立ち尽くすアキは素直に電話し、ナオが亡くなったかもしれないと伝える。線路の下には制服と靴、水色のシュシュだけが残されていた。しかしレプリカであるナオは消えることなく再生され、素直のいる自宅へ戻ってくる。

その夜、素直の部屋で交わされる静かな対話。翌朝、学校で早瀬先輩と対峙するナオ。文芸部の部室での穏やかな時間。そして海辺での、魂を揺さぶる告白――。この一話の中に、喪失と再生、恐怖と愛情、孤独と繋がりが、すべて詰め込まれています。

素直の部屋で起きた静かな革命|ベッドを差し出した素直

「今日は部屋で眠っていいから」|一度も許されなかった場所が、この夜だけ開かれた

「今日は部屋で眠っていいから。そこに寝て」

このセリフ、さらっと流してしまいそうですが、実はこの作品の中で最も重要な「変化の瞬間」のひとつです。

ナオはレプリカです。素直の身代わりとして呼び出され、役目が終われば消える存在。これまでナオが素直のベッドで眠ったことは、一度もなかったはずです。ベッドは「人間が眠る場所」であり、「明日を迎える場所」です。そこに寝ていいと言うことは、素直がナオに「明日を迎える権利」を与えた瞬間ではないでしょうか。

制服も靴もダメになった。でも素直は「気にしないで」と言い、自分のベッドを差し出した。この小さな行動の中に、素直の「ナオへの認識の変化」が凝縮されているように思えます。

「そうじゃなくて」の先にある言葉|素直が飲み込んだ、本当の怖さ

「あんたのこと、ずっと怖がってたのに」「それって……私が得体の知れない生き物だから……?」「……そうじゃなくて……それだけじゃなくて……」

ここで素直は何を言いたかったのでしょうか。

「得体の知れない生き物だから怖い」というのは、表層的な理由です。素直が本当に怖かったのは、もっと別のことです。それは――ナオが「自分よりも自分らしい」かもしれないという恐怖ではないでしょうか。

ナオは真面目で、読書が好きで、りっちゃんと話が合って、文芸部で居場所を作った。素直が「できないこと」「好きじゃないこと」を、ナオは自然にやってのける。オリジナルのはずの自分が、レプリカに「負けている」ような感覚――それが直の恐怖の核心なのではないでしょうか。

「ありがとうね、ずっと頑張ってくれて」|謝罪でも感謝でもある、一番難しい言葉

「……ありがとうね。ずっと頑張ってくれて。おやすみ」

この「ありがとう」は、単純な感謝ではありません。ずっと怖がっていた。嫉妬もしていた。それでも頑張ってくれていた――その全部を受け取った上での「ありがとう」です。

私たちも、誰かに「ありがとう」と言えるまでに、どれほどの時間がかかることがあるでしょうか。素直のこの一言は、彼女なりの「和解の宣言」だったのではないか、と考えます。短くて、でも重い。そういう言葉が、この作品には随所に散りばめられています。


第5話タイトルが持つ逆説|「レプリカは、夢を見る」という奇跡の一夜

「よぼよぼのおばあさんになってもずっと」|叶わない約束の、残酷な美しさ

「ずっと一緒にいようね。大人になって仕事したり遊んだり、よぼよぼのおばあさんになってもずっと」「うん。約束だよ」

夢の中で交わされるこの約束。目覚めたナオの心の声は、静かに、しかし確実に私たちの胸を刺します。

「そんな風に生きてみたかった――」

レプリカには「老いる」という概念がありません。「よぼよぼのおばあさん」になることができない。時間を積み重ねて、しわを刻んで、白髪になって、それでも隣にいる――そういう「普通の未来」が、ナオには最初から用意されていない。

この夢は、ナオが「人間として生きたかった」という願望の具現化なのでしょう。夢の中でだけ、ナオは「未来のある存在」になれる。だからこそ、目覚めた後の「そんな風に生きてみたかった」という言葉が、これほどまでに切ないのではないでしょうか。

第1話との対比が語ること|「夢を見なかった少女」が夢を見るようになった理由

ここで少し違和感を覚えた方もいるかもしれません。第1話のタイトルを思い出してください。「レプリカは、夢を見ない」――そう、第1話ではナオは夢を見なかった。それが第5話で初めて夢を見た。

この変化は何を意味するのでしょうか。

恋をしたから、夢を見るようになった。感情が芽生えたから、「未来」を想像できるようになった。それは成長であり、同時に、叶わないものへの渇望の始まりでもあります。「夢を見る」ということは、「未来を想像できる存在になった」ということ。でもその未来は、レプリカには許されていない。この残酷な逆説が、第5話全体を貫く通奏低音ではないか、と考えます。


早瀬先輩との対峙|「私を殺してくれてありがとう」という、命がけの一手

脅迫か、それとも愛護か|ナオが一線を越えた本当の理由

「私を殺してくれてどうもありがとうございます。すごく痛かったですよ」「もしも彼が死んでいたら、私があなたを殺してた」

このシーン、ぞっとするほど冷静なナオの声が印象的でした。このナオの行動、実は非常にリスクの高い賭けではないでしょうか。

「電車に轢かれて死んだのに生きている」という事実を、早瀬先輩の前で暗示してしまっている。一歩間違えれば「あなたは人間じゃない」と気づかれてしまう。それでもナオがこの行動を取ったのは、なぜでしょうか。

ひとつには、純粋な怒りがあったと思います。アキが傷つけられた。それに対する怒りは、自分の秘密を守るという理性を一時的に上回ったのではないか。でも、もうひとつの解釈もできます。ナオは「死んでも消えない」という事実を、逆に武器として使ったのではないか。「私は死んでも戻ってくる。でもあなたは違う」という、レプリカであることを逆手に取った脅迫。それは、自分の「異質さ」を初めて「力」として使った瞬間だったのかもしれません。

吐き気という名の正直さ|強がりの裏に隠れた、ナオの本当の顔

そしてこの場面の後、ナオはトイレで吐く。

怒りと恐怖と、自分が何者であるかという混乱が、身体的な反応として現れた。強がっていたナオの、本当の脆さが見えた瞬間でもありました。「もしも彼が死んでいたら、私があなたを殺してた」と言い放った直後に、一人でトイレに駆け込んで吐く。この落差が、ナオというキャラクターの誠実さを証明しています。

強い言葉を使える人間が、必ずしも強いわけではない。私たちも、そういう経験が一度や二度はあるのではないでしょうか。


海辺の告白|「レプリカは死ねない」という言葉が抱える、この物語の核心

アロエジア・イアーンのドッペルゲンガー|物語の中の物語が静かに告げること

アキが図書室で読んでいた「帰ってきた人魚姫」。その中に登場するアロイジア・ヤーンのドッペルゲンガーが海に消えても、アロイジアは幸せな人生を送った――だからハッピーエンド。

ナオのナレーションは続きます。「ドッペルゲンガーには最初から人生なんてないのだから」と。

これは、ナオが自分自身に言い聞かせてきた「諦め」の論理です。レプリカには人生がない。だから消えても誰も困らない。だから消えることが正しい選択だ――そういう思考回路が、ナオの中に根付いていたことがわかります。

でも、ここで違和感を覚えた方もいるかもしれません。「ドッペルゲンガーには最初から人生なんてない」は本当でしょうか。ナオには記憶がある。感情がある。恋がある。アキとの時間がある。それは「人生」ではないのでしょうか。

「私って誰?」という問いの重さ|存在の根拠を失った少女の、切実な叫び

「人間って死んだら終わりなんだよね?でも、私は終わらなかった……レプリカは死ねないんだ」

この言葉が、第5話の、そしてこの作品全体の核心ではないでしょうか。

人間にとって「死」は、存在の終わりであると同時に、「生きていた証明」でもあります。死ぬことができるということは、生きていたということです。でもナオは死ねない。それはある意味で、「生きていない」ということの証明でもある――そういう残酷な逆説が、ここに潜んでいます。

「私って誰?死ぬ前の私と本当に同じ私なの?」という問いは、哲学的な「同一性の問題」です。でもナオにとってそれは哲学ではなく、今この瞬間の、切実な実存的危機です。昨日ミンチにされて死んだ。ペシャンコにされた。泣きわめきたいくらいに痛かった。確かに死んだ。なのに再生された。

この「確かに死んだのに再生された」という体験は、人間には絶対に理解できない恐怖です。私たちは死を「終わり」として受け入れることで、逆説的に「今を生きる」ことができる。でもナオには「終わり」がない。終わりのない存在は、「今を生きている」と言えるのでしょうか。

この問いに、この作品は簡単な答えを出しません。それがこの物語の誠実さであり、切なさの正体ではないか、と考えます。

「嫌だ!」と「そうだよね」の間にある深淵|愛が届かない、感情の非対称性

「じゃあ、一緒に泡になってくれる?」「嫌だ!」「……そうだよね」

この短い三行のやり取りに、私はしばらく動けませんでした。

アキの「嫌だ」は何を意味しているでしょうか。「一緒に消えるのは嫌だ」という意味です。つまり「俺は生きたい」という意思表示です。

でもナオの「そうだよね」は、その「嫌だ」を全く別の意味で受け取っています。「そうだよね、私と一緒に消えるなんて嫌だよね。私はそういう存在だもんね」――つまり、アキが「自分を拒絶した」と解釈してしまっている。

同じ「嫌だ」という言葉が、アキには「生への意志」として、ナオには「自分への拒絶」として届いている。この感情の非対称性こそが、この場面の最大の悲劇です。愛されているのに、愛されていないと思ってしまう。この「愛の届かなさ」は、私たちの日常にも、どこかで重なるものがあるのではないでしょうか。


アキの告白が純愛として成立する理由|レプリカ同士の恋が持つ、唯一無二の純度

「ナオは生まれてきたんだろ!」|存在意義の再定義という、最も深い愛の形

「俺と動物園に行くために、俺と遊園地に行くために、俺とお祭りに行くために、俺と水族館に行くために、俺と映画館に行くために、ナオは生まれてきたんだろ!」

このセリフ、一見すると「俺、俺、俺」と自己中心的に聞こえるかもしれません(笑)。でもこれは、アキがナオに与えた「新しい存在意義」の宣言ではないか、と考えます。

ナオはずっと「素直の身代わり」として存在してきた。「誰かのために」生まれた存在です。アキはその「誰か」を「俺」に置き換えた。「素直のために生まれた」のではなく「俺と生きるために生まれた」と言い換えた。

これは単なる告白ではなく、ナオのアイデンティティの再構築です。「身代わり」から「パートナー」へ。「消えるべき存在」から「一緒に生きる存在」へ。アキはナオに、新しい「生まれてきた理由」を贈ったのです。

借り物のない感情だけが残る場所|レプリカ同士の恋が「純愛」である逆説

ナオはレプリカ、アキも真田秋也のレプリカです。二人とも「誰かの身代わり」として生まれた存在です。

では、レプリカ同士の恋愛は「本物」なのでしょうか。

この問いに対する私の答えは、「だからこそ本物」です。

オリジナルである素直と真田秋也は、社会的な文脈の中で生きています。学校、家族、友人関係、将来の夢――そういった「外側の文脈」が、人間の感情に影響を与えます。でもナオとアキには、そういった「外側の文脈」がほとんどない。名前も借り物、保険証も借り物、家も借り物。

だからこそ、二人の感情は「純粋な感情」だけで成立しています。社会的な打算も、将来への計算も、家族への配慮も関係ない。ただ「この人といたい」という感情だけが、二人の関係を支えている。それは、人間の恋愛が持つ「複雑さ」を持たない代わりに、「純粋さ」を極限まで高めた形の愛ではないでしょうか。

「198,750円がある」|不器用な男の子が選んだ、世界で一番ロマンチックな言葉

「198,750円がある……」「違う……今は193,430円……」「ハーフアップがある?」「このシュシュ、お母さんのだもん……」「俺がいるけど……どう?」

このやり取り、泣きながら笑ってしまった方も多いのではないでしょうか。

「空っぽ」と嘆くナオに、アキが一つひとつ「持っているもの」を挙げていく。しかも最初に挙げるのが「198,750円」という細かい金額(笑)。ナオの50円玉まで把握しているアキ。どれだけナオのことを見ていたのか、ということが、この細かさに滲み出ています。

そして最後の「俺がいるけど……どう?」。これが少女漫画的な甘い告白ではなく、こんなにも不器用で、でも真剣で、だからこそ心に刺さる。「俺」という存在を、ナオの「持っているもの」リストに加えようとしている。それは「俺はお前のものだ」という宣言でもあります。


りっちゃんという存在|「全然違いますもん!」が証明した、愛の本質

ずっと知っていた幼馴染|観察者として、小説家として、友人として

「分かりますよ!だって全然違いますもん!」

りっちゃんがナオと素直の違いをずっと知っていた――この事実は、りっちゃんというキャラクターの深さを一気に引き上げます。

ラノベ好きで小説を書いているりっちゃんは、人の感情や行動を観察することに長けているのでしょう。でも知っていながら、ナオを「ナオ先輩」として大切にしてきた。その優しさは、声高に主張されるものではなく、静かに、確かに、そこにあり続けるものです。

「サナダ先輩も同じっぽいってのはさっき知りましたけどね」という一言も見逃せません。アキもレプリカだということを、りっちゃんはこの瞬間に知った。それでも動揺せず、「ナオ先輩ってば身勝手ナスナス!おたんこなす!」と怒る。レプリカかどうかより、大切な先輩が心配だという感情が先に来る。この子の優先順位の正しさが、とても清々しい。

「おたんこなす!」という愛の語彙|怒りの中に宿る、純度100%の心配

「ドアホー!アホ!アホ!」「ナオ先輩ってば身勝手ナスナス!おたんこなす!」

「おたんこなす」って久しぶりに聞きましたよ(笑)。でもこの言葉、りっちゃんの必死さと愛情が詰まっていて、思わず涙が出そうになりました。

心配で心配でおかしくなりそうだった、と泣きながら言うりっちゃん。彼女にとってナオは「レプリカ」ではなく、ただの大切な先輩です。存在の定義なんて関係ない。そこにいる、その人が好き――それだけ。

この「定義より感情が先に来る」りっちゃんの在り方は、この作品全体のテーマへの、最もシンプルな答えではないか、と考えます。

「女子だけのお泊り会に彼氏を連れ込む気ですか?」|りっちゃんが生んだ、最高の奇跡

「女子だけのお泊り会に彼氏を連れ込む気ですか?この人は……」「彼氏?」「彼氏だよ、彼氏だろ?」

りっちゃんが「彼氏」と言い、ナオが固まり、アキが「彼氏だろ?」と確認する。この流れ、最高でしたね。

二人がまだ言語化できていなかった関係性を、りっちゃんがさらっと言語化してしまった。幼馴染の特権であり、小説家の観察眼でもあります。そしてアキの「彼氏だよ、彼氏だろ?」という確認は、告白の続きでもある。海辺での「好きなんだよ!」から始まった関係が、りっちゃんの一言によって「彼氏彼女」として公式化された瞬間です。


「かわいいな」という言葉が閉じる物語|日常の中に宿る、最も静かな愛の形

コンクールの結果は12月|小さな「未来」が積み重なる幸福

「はい、一次の結果が出るのは12月です」「そうか、なんか緊張してきた」

りっちゃんが書き貯めた原稿をコンクールに応募した。結果は12月。アキが「なんか緊張してきた」と言う。

この場面の温かさは、「未来がある」ということの豊かさです。12月まで待つ。結果を一緒に待つ。それは「一緒に未来を生きる」ということです。ナオが夢の中で「よぼよぼのおばあさんになってもずっと」と願った「未来」が、ここでは小さな形で、確かに存在している。

嵐の後の「かわいいな」|告白より深く刺さる、日常という名の愛

「今日の格好……かわいいな」「あ、ありがとう。アキ君もかっこいいよ」

海辺での嵐のような感情の後に、この穏やかな日常。この落差が、この作品の巧みさです。

「かわいいな」という一言は、海辺での「好きなんだよ!」と同じ重さを持っています。いや、もしかしたらそれ以上かもしれない。嵐の中での告白より、穏やかな日常の中での「かわいいな」の方が、より深く「一緒にいる」ことの幸福を表しているのではないでしょうか。

「教えてくれたのは彼だ」――タイトルの意味が完成した瞬間

「レプリカだって、恋をする。教えてくれたのは彼だ――」

このナオの心の声で、第5話は幕を閉じます。

タイトルの意味が、ここで完成します。「レプリカだって、恋をする」という命題は、ナオが自分で発見したものではなく、アキに「教えてもらった」ものだった。恋をしていいと、生きていいと、存在していいと――それを教えてくれたのは彼だった。

「教えてくれたのは彼だ」という言葉の中に、感謝と愛情と、これからへの決意が、すべて込められているように思えます。

✦ よくある質問(FAQ)

Q. 第5話のタイトル「レプリカは、夢を見る。」にはどんな意味がありますか?
A. 第5話のタイトル「レプリカは、夢を見る。」は、第1話「レプリカは、夢を見ない。」と対になる構造になっています。物語の始まりで「夢を見ない」存在として描かれたナオが、5話にして初めて「夢を見る」側へと踏み出そうとしている――その変化そのものがタイトルに込められているのではないか、と考えます。消えてしまうかもしれない命の瀬戸際で、それでもナオは何かを望んでいる。その「何か」が、私たちの胸を静かに締めつけます。
Q. 第5話のあらすじを教えてください。ナオはどうなりましたか?
A. 第4話ラストで駅のホームから突き飛ばされたナオ。第5話では、駅で呆然と立ち尽くすアキが電話で素直に「ナオが亡くなったかもしれない」と伝えるところから始まります。線路の下からはナオの着ていた制服と靴、そして水色のシュシュが見つかり、素直は驚きと動揺を隠せません。ナオの生死が明かされないまま、視聴者の不安と祈りが交差する、息をのむような幕開けとなっています。
Q. 第5話で素直はどんな反応を見せましたか?
A. アキからの電話でナオの消息を知った素直は、驚き、そして深く動揺します。これまで「レプリカ」であるナオを道具のように扱ってきた素直が、心の底からナオを心配する姿を見せたことは、視聴者にとって大きな感情の揺さぶりとなりました。「遺体が見つからない」という状況が、素直の中に眠っていた本当の感情を引き出したのではないか、と考えます。ナオへの感情が「管理」から「絆」へと変わる、転換点となる場面です。
Q. 線路の下から見つかった制服・靴・水色のシュシュは何を意味しているのですか?
A. 制服と靴は「ナオがそこにいた証拠」であり、水色のシュシュはナオのトレードマークとして視聴者に認識されてきたアイテムです。それらが「遺体なき遺留品」として発見されるという演出は、ナオの生死を意図的に曖昧にしながら、喪失感だけを先行させる巧みな構成といえます。レプリカという存在が「消える」とき、肉体ではなく痕跡だけが残るとしたら――その設定の残酷さと詩情が、このシーンに凝縮されているのではないでしょうか。
Q. ナオが電車に轢かれたのに無事だったのはなぜですか?
A.

第5話時点では、ナオが無事である理由は明確に説明されていません。「レプリカ」という存在の特性上、通常の人間とは異なる消え方・在り方をする可能性が示唆されており、肉体的な死とは別の次元で「消滅」が起きているのかもしれません。あるいは、まだナオは生きていて、どこかに身を潜めているという可能性も残されています。視聴者の間でも「なぜ遺体がないのか」という考察が活発に行われており、6話以降の最大の謎となっています。

Q. 第5話の続き・第6話はどこで最速視聴できますか?
A.

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Q. 第5話で明らかになったことと、まだ謎として残っていることは何ですか?
A. 【明らかになったこと】アキが素直にナオの消息を電話で伝えたこと、線路の下からナオの制服・靴・水色のシュシュが発見されたこと、素直がナオに対して本心から動揺・心配する感情を持っていたこと。【まだ謎として残っていること】ナオが本当に亡くなったのか、それとも生きているのか。遺体が見つからない理由はレプリカの特性によるものなのか。第4話ラストでナオを突き飛ばしたのが誰なのか(意図的な犯行か、事故か)。そして素直とナオの関係が、この出来事を経てどう変わっていくのか。謎が謎を呼ぶ、シリーズ最大の転換点となった第5話でした。

原作未読のびわおが語る|5話完結という奇跡と、6話以降への純粋な期待

「繋ぎ回ゼロ」という、今期最大の快挙

正直に言います。

放送前、私はこの作品に対してほとんど期待していませんでした。「レプリカ」という設定は面白そうだけど、電撃文庫原作のラブコメって、どうしても「ゆっくり関係性を育てていく系」が多い。1クール12話かけてようやく告白、みたいな展開を想像していた。

それが、5話でここまで来るとは。

1話で世界観の構築と「恋の始まり」。2話でナオとアキの距離が縮まる。3話・4話でレプリカという存在の矛盾と危機が噴出し、4話ラストで衝撃の事件。そして5話で「死と再生」「存在の問い」「告白」「和解」「新たな日常」まで、すべてを一話に収めた。

「繋ぎ回」という言葉があります。物語を前に進めるでもなく、かといって深めるでもなく、ただ次の展開への「橋渡し」として存在する回のことです。正直、多くのアニメにはこの「繋ぎ回」が必ず存在します。でもこの作品には、1話たりとも「繋ぎ回」がなかった。

1話は「世界観の提示」と「恋の予感」を同時に達成した。2話は「関係性の深化」と「レプリカの矛盾の伏線」を同時に張った。3話・4話は「危機の高まり」と「キャラクターの内面の掘り下げ」を同時にやった。そして5話は、すべての伏線を回収しながら、見事に完結した。これは、脚本の構成力と、作品全体のトーンを統一させた演出の賜物ではないか、と考えます。

期待値ゼロから始まった今期のダークホース|「全然違う」作品だったという事実

「今期のダークホース」――この言葉が、私の中でこの作品を表す最も正直な言葉です。

ダークホース、という言葉が私は好きです。「事前に誰も期待していなかったのに、蓋を開けてみたら圧倒的だった」という意味を持つこの言葉は、アニメの世界では最大級の褒め言葉のひとつではないでしょうか。

事前情報だけ見れば、この作品は「よくある電撃文庫原作のラブコメ」に見えた。でも実際に見てみると、全然違った。「存在とは何か」「愛するとはどういうことか」「自分が自分であることの根拠はどこにあるのか」――これほど深い問いを、これほど自然に、青春ラブストーリーの文脈で語れる作品が、今期にあったでしょうか。

5話が「完結」に見えたからこそ、6話以降が楽しみな理由

5話は確かに「完結」に見えました。ナオが死の恐怖を乗り越え、アキの告白を受け取り、「レプリカだって、恋をする。教えてくれたのは彼だ」という言葉で締めくくられた。これで終わりでも、十分に美しい物語だった。

でも、だからこそ6話以降が楽しみなのです。

「完結」に見えた物語が続くということは、「新しい問い」が始まるということです。ナオとアキが「恋人」になった後の物語。「消えるかもしれない存在」同士が、それでも「一緒に生きる」ことを選んだ後の物語。その先に何が待っているのか――それを知るために、私は6話を待ちます。

原作未読のびわおは、今夜も期待を胸に、次の放送を待ちます。

それでは、また次回の考察でお会いしましょう。

©︎ 榛名丼・KADOKAWA/レプリカだって、恋をする。製作委員会

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