紹介した画像はアニメ後宮の烏公式サイトからお借りしました。
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INTRODUCTION&STORY
12月17日にリリースされた2022年goo秋アニメランキングで後宮の烏(こうきゅうのからす)が堂々1位を獲得しました。
そのテロップがこちら。
ランキングでは3位が『4人はそれぞれウソをつく』と『悪役令嬢なのでラスボス飼ってみました』、2位が『恋愛フロップス』、そして1位が『後宮の烏』です。
でも、このテロップ見ると3位が『後宮の烏』と『恋愛フロップス』みたいな感じになってますよね。
多分、編集段階で気付かずに公開したんでしょうが、gooも僕らにウソをついてます。
テロップは今後差し替えられるかもしれないんでとりあえずスクショしておきました。
【恋愛フロップス】僕の記事も見てね!
後宮の烏、原作は漫画ではありません。白川紺子のライト文芸。集英社オレンジ文庫で2018年4月から2022年4月まで刊行されました。
Wikipediaでは次のように解説されています。
中華風の世界観を舞台に、後宮の奥深くに住む「烏妃」と呼ばれる特別な妃と、噂を頼って彼女の元を訪れた皇帝を中心に描くファンタジー小説となっている。2022年8月時点でシリーズ累計発行部数は120万部を突破しており、集英社オレンジ文庫におけるファンタジー人気の先鞭をつけた作品に位置づけられる。
Wikipedia
あなたは「ライト文芸」って言葉知ってましたか?ライトノベルなら知ってるけどと言う方が殆んどなんじゃないかな。僕は初めて聞いたんで調べてみました。
ライト文芸はライトノベルと一般文芸との間に位置するジャンルとされているようです。 ライトノベルの対象年齢が10代から20代前半となっているのに対し、ライト文芸はそれ以上の年齢層をターゲットにしています。 そのため「大人向けライトノベル」と呼ばれることもあるようです。
ライトノベルと異なり、描写やストーリーにより重きを置いており、表紙のイラストもリアリティがあるものが好まれるようです。
第1巻の表紙も趣があるでしょ。
この物語のイントロダクションについてアニメ公式サイトにはこのように記載されています。
ストーリーは「依頼‐解決もの」です。
その中でヒロインの寿雪と皇帝高峻との葛藤や心を通い合わせるさまが描かれています。そしてこの2人の前世は冬の王と夏の王で、同時代存在することはできない運命というストーリーです。
後宮の烏、もちろん原作者白川紺子のストーリー展開が素晴らしいですが、何より僕らを惹きつけて止まないのは香魚子(あゆこ)さんの絵ではないでしょうか。
上の寿雪のイラストなんか髪1本1本がそれぞれ命を吹き込まれた生き物のように描かれています。怪しげは瞳も魅惑的です。花街の花魁を連想してしまいます。
香魚子はいろんな雰囲気の絵を描ける画家さんです。
どちらかと言えば淡い感じのイラストが多いので後宮の烏は普段のイメージとちょっと違うのかもしれません。
そして香魚子の絵をアニメ化したのがBN Pictures。バンダイナムコピクチャーズです。あの「銀魂シリーズ」のアニメ制作会社です。
そういやぁ画の世界観、特に吉原炎上編あたりの神楽ちゃんにちょっと似た感じがあったかも。
しかし、それにしてもライト文芸の段階から香魚子の絵があったからこそこれだけのインパクトのある作品になったのは間違いないと思います。
後宮の烏を最初見たときに引きずり込まれたのはオープニングテーマ。
女王蜂の「ミステーリアース」と歌う男性とも女性とも判別し難いあの深い歌声です。
この癖の強いアーティストを冒頭にぶつけたスタッフ、上手いなあと思いました。
『後宮の烏』の世界観を分析
この項で説明する文言についてはWikipediaを参考にして執筆しています。
後宮の烏はヒロインの寿雪が暮らす「後宮」での様々な出来事がストーリーとなっています。
中国で後宮とは、宮廷内で天子が家庭生活を営む場所であり、また皇后以下、妃嬪が暮らす場所でもありました。後宮には多くの女官や宦官たちが暮らし、後宮内での職務に従事していました。
一方、日本では平安京内裏の七殿五舎、江戸城大奥が該当します。
七殿五舎(しちでんごしゃ)とは、平安京内裏の紫宸殿や仁寿殿の後方に位置し、主に天皇の后妃の住まう殿舎を指します。これらは後宮と総称され、后妃以外にも東宮やその妃、また親王・内親王などもしばしば殿舎を賜ったそうです。
江戸時代の大奥はあなたも時代劇でご存じ(ひょっとして時代劇なんて見ないかな)だと思います。
この大奥のシステムは世界的に見て非常に珍しいんだそうです。一般的に後宮は宦官、いわゆるアレを取られた男性が皇后や妃のお世話するのが世界基準なんですが、日本では平安時代から女官(にょかん)と呼ばれる女性が給仕や身の回りのお世話をしていました。
なぜ日本では宦官が普及せず、女官が高貴な女性のお世話をしたのでしょうか。
これには諸説ありますが、もっともらしい説に日本が島国だったからという説があります。
宦官は男性の睾●と、場合によってはぺ●スを切り取ります。これは遊牧民族が家畜の雄に施す手術からきているという説です。家畜を食肉用に飼育する際、体の大きな個体の方が好都合です。従って大きく立派なオスだけをメスに交尾させるためにその他の家畜のアレは切り落としたという説です。
また、「豚の雄臭」と言うのがあり、オスの豚は臭いがきつくて食用に向かないんだそうです。そのため、遊牧民たちは成熟する前に豚のアレを切り落としていたという話しがあります。
このように雄のイチモツを切り取るという文化的背景も技術も島国の日本には伝わらず存在しなかったため、宦官は生まれなかったという説です。
女性をお世話する係としてもいわゆる宦官のような生殖ができない男性を使う風習はわが国にはありませんでした。
もちろん本場の中国でも宦官は女性のお世話より政治の指南役としての役割が遥かに大きかった訳ですが。
【ちょっと脱線】
よく言われる「性欲が無くなる分出世欲が高くなる」という説ですが、宦官の性欲には異論もあります。勃起して発射するイチモツがなくとも、女官とまぐわっていたという記録も残っているそうです。ちなみにその際張型を用いたり相手に嚙みついていたということです。
体毛が薄く女性的で華奢な体つきの多い宦官は、一部の女性からは普通の男性よりも好まれていたそうです。
後宮の烏ではタイトルに「カラス」が登場します。
このカラスのイメージですが、あなたは不気味とか闇とかを連想しませんか?
でも、この物語の中の烏は違います。
ヒロインの寿雪は烏妃(うひ)と呼ばれる妃でありながら夜伽をしない特別の存在として描かれています。
原作者白川紺子が設定した役柄です。歴史上には烏妃という階級は存在しません。
この烏という文字が不思議な術を使う謎多き孤高の存在としての寿雪のイメージを高めています。
烏妃の烏は金烏(きんう)だと思います。
公式サイトで下の絵が描かれています。後宮で烏妃の寿雪とともに暮らしている星星(しんしん)です。
寿雪のそばにいる金色の鶏とされていますが、本来なら烏というべきでしょう。
金烏は中国に古くから伝わる伝承の烏で、太陽の中に住み、太陽と共に天空を駆けるそうです。
太陽の黒点を烏に例えたのだという説があります。
足の指は3本で、金烏のほか、赤烏、黒烏というのもいるそうです。
アニメの中で寿雪が術で黒色の烏を出すシーンがあります。これを見ると八咫烏(やたがらす)も同時にイメージしているのかもしれません。
いずれにしても後宮の烏の「烏」は悪いものではなく、神秘的で幸運を運ぶ鳥として描かれています。
日本神話では、神武天皇を案内したと記述されている八咫烏(やたがらす)に「天照大神がつかわした」という点から金烏と共通する「太陽とカラス」の結びつきが見られ、平安時代以後にそのすがたが金烏のような三本足のすがたとして説明されるようになっています。
後宮の烏は公式サイトのトップに「特別な妃が誘う、中華幻想譚ー」と書かれています。
しかし、内容を見ると日本的と感じ取れる部分が多々あります。
人と人との関係や接し方もダイナミックな大陸的と言うよりは繊細で情緒的な和の雰囲気があります。
特に寿雪と皇帝高峻との葛藤や心を通い合わせる様は平安時代の物語を観ている感があります。
違うのは高峻が頻繁に寿雪のもとを訪れるにも関わらず通い婚、いわゆる夜這いはしないこと。
まあ、この辺も人気のひとつだとは思います。
中華的幻想譚のなかで煌めく繊細で情緒的な「和」の魅力がこのアニメの人気の秘密です。
後宮の烏はAmazonプライム、ABEMA、U-NEXTで見ることができます。
この3つの動画配信サイトはすべて僕が確認しました。他でも見ることができるところがあるかもしれませんが、これ以外のサイトを使っている方はご自分で確認してください。
それぞれのリンクを貼っておきますね。
Amazonプライムは30日間無料(その後は月500円)
ABEMAは2週間無料(その後は月960円)
U-NEXTは31日間無料(その後は月2,189円)
どれも無料期間中キャンセルすればゼロ円です。
それ以降も見たいという方にはABEMAの最新話配信が一番早いのでおすすめします。
U-NEXTはオトナ向けのコンテンツが多い(600ポイントのポイントバックもある)んで、そっち系統を利用の方だったら実質月1,000円程度の利用料金になるよ。
後宮の烏、おススメです。是非見てね👋
【アニメ関連はこっちから】