中禅寺先生 4話「真夏の神のいたずら」- 5話切り瀬戸際?神隠しの謎⁈

今期も多くのアニメを追いかけ感想記事を書いており、『中禅寺先生物怪講義録』もその一つです。これまで(原作未読の立場から)は、アニメのあらすじ紹介と見どころ解説に注力してきました。

しかし、視聴本数が多くレビューの質維持が難しくなってきたため、今期から「5話切り」ルールを設け、継続作品を絞ることにしました。そして、この『中禅寺先生物怪講義録』は、まさにそのボーダーライン上にあります。

理由は、原作の持つであろう重厚さと比較した場合の、アニメ版ならではの「軽やかさ」が、僕にとっては少し物足りなく感じられる瞬間があること。そして、時折「あれ?ちょっとミステリーとして安直すぎないかな?」と感じてしまうトリックや展開があること、などが挙げられます。もちろん、栞奈ちゃんの可愛らしさや、中禅寺先生の独特のキャラクター、昭和レトロな雰囲気など、魅力的な部分もたくさんあるんです!だからこそ、非常に悩ましい…。

そんな複雑な心境を抱えつつ、運命(?)の第4話「夏の神のいたずら」を視聴しました。果たして、僕はこの作品を最後まで追いかけ続けることができるのか? それとも…。

目次

  1. 『中禅寺先生物怪講義録』とは
  2. 「中禅寺先生」の魅力的な登場人物たち:キャラクターと声優紹介
  3. 第4話 登場人物紹介
  4. 第4話「真夏の神のいたずら」あらすじ:二代にわたる神隠しの謎
  5. 見どころポイント!ここが良かった!(プラス評価)
  6. 気になった点…原作の壁は厚い?(マイナス・疑問評価)
  7. 夏の夜の“神隠し”ミステリー、僕の「5話切り」判断は…?
  8. 関連情報:もっと『中禅寺先生』の世界を楽しむために
  9. VODの紹介

『中禅寺先生物怪講義録』とは

2025年4月からスタートした『中禅寺先生物怪講義録 先生が謎を解いてしまうから。』は言わずと知れた京極夏彦の『百鬼夜行シリーズ』のスピンオフ物語です。主人公である古書肆「京極堂」こと中禅寺秋彦が、まだ拝み屋として開業する前、高校の臨時講師をしていた時代を描く、公式スピンオフ作品となっています。

タイトル名が長いため、『中禅寺先生物怪講義録』あるいは『中禅寺先生』という略称で呼ばれることが多いでしょう。

百鬼夜行シリーズとは

「百鬼夜行シリーズ」は、ミステリー作家・京極夏彦先生による日本の人気小説シリーズです。正式名称は「百鬼夜行シリーズ」ですが、主人公の名前にちなんで「京極堂シリーズ」とも呼ばれています。ただし、作者自身はこの呼び方をあまり好まないようです。累計発行部数は1000万部を超える大ヒットシリーズです。

物語の主な舞台は、第二次世界大戦後の昭和20年代後半から30年代初頭にかけての日本です。このシリーズの特徴は、単なる事件解決に留まらない点にあります。事件に関わる人々の思い込みや心の闇、認識のずれが生み出す不可解な現象を、主人公が「妖怪」になぞらえて解き明かし、「憑き物落とし」という形で心理的な解決をもたらす独特の推理小説です。そのため、実際に妖怪が出てきて活躍する物語ではありません。

京極堂とは

「京極堂」とは、このシリーズの主要人物である中禅寺 秋彦(ちゅうぜんじ あきひこ)の通称です。彼は東京の中野で古書店「京極堂」を営んでおり、その屋号から友人たちに「京極堂」と呼ばれています。

彼は非常に博識で、特に民俗学や妖怪に関する知識が豊富です。古書店主であると同時に、実は武蔵晴明神社の神主でもあります。元々は高校の国語教師でした。常に冷静沈着で仏頂面をしており、「この世には不思議なことなど何もないのだよ」というのが有名な口癖です。

拝み屋とは

「拝み屋」とは、京極堂こと中禅寺秋彦のもう一つの顔、いわば副業です。彼は神主としての知識や、膨大な知識、そして論理的な思考力を駆使して、怪事件や不可解な出来事に悩む人々の相談に乗り、その原因を解き明かします。

彼の行う「憑き物落とし」は、超能力や霊能力によるものではありません。事件の真相を論理的に解明し、関係者の誤解や妄想、心理的な囚われ(=憑き物)を解きほぐすことで、問題を解決に導くことを指します。

物語の舞台は昭和23年(1948年)。新制高校の国語教師として赴任してきた若き日の中禅寺秋彦と、彼が受け持つクラスの女子生徒・日下部栞奈が出会い、学校やその周辺で起こる様々な怪異事件に挑んでいく、学園青春怪異奇譚です。

「中禅寺先生」の魅力的な登場人物たち:キャラクターと声優紹介

本作の魅力は、なんといっても個性豊かな登場人物たちです。

日下部 栞奈(くさかべ かんな)CV:前田佳織里

本作の主人公で、好奇心旺盛な高校2年生。中禅寺先生によって、不本意ながら「心霊探偵」に任命されてしまう。困っている人を放っておけない、真っ直ぐで優しい女の子です。

日下部栞奈(くさかべ かんな)
  • 声優:前田佳織里
  • 本作の主人公であり、都立美戸川高校に通う高校2年生の女の子。新制高校制度が始まって2年目という時代設定です。
  • 性格は好奇心旺盛で活発、そしてかなりの食いしん坊。困っている人を放っておけない優しさも持っています。
  • なぜか怪異にまつわる不思議な事件に次々と巻き込まれてしまいます。彼女の視点を通して、視聴者は物語の世界へと引き込まれていきます。
  • 演じる前田佳織里さんは、インタビューで栞奈のことを「柴犬」のようだと表現しており、その天真爛漫さが魅力です。

中禅寺 秋彦(ちゅうぜんじ あきひこ)CV:小西克幸

栞奈の学校に赴任してきた国語の臨時講師。博識で常に仏頂面、怪異や迷信を「不思議なことなど何もない」と一蹴するクールな人物ですが、その実、物事の本質を見抜く鋭い洞察力の持ち主です。まだ古本屋「京極堂」を開く前の、若き日の中禅寺先生。

中禅寺秋彦(ちゅうぜんじ あきひこ)
  • 声優:小西克幸
  • 栞奈の通う高校に、産休代理の臨時講師として赴任してきた国語教師。後の「京極堂」その人です。
  • いつも不機嫌そうな仏頂面で、図書準備室で本を読んでいることが多いです。口が悪く、とっつきにくい印象を与えますが、根は優しい一面も。
  • 博覧強記にして、鋭い観察眼と優れた推理力の持ち主。栞奈が持ち込む怪異事件の謎を、論理的に解き明かしていきます。その過程は、まるで「憑き物落とし」のようです。
  • 演じる小西克幸さんは、どこか人間嫌いな雰囲気を漂わせる中禅寺先生を、深みのある声で好演しています。

榎木津 礼二郎(えのきづ れいじろう)CV:阿座上洋平

第2話から登場する、眼帯をした謎の美青年。中禅寺先生とは学生時代からの友人らしい。他人の過去の記憶を視覚情報として「視る」ことができる特殊な体質の持ち主です。

榎木津 礼二郎(えのきづ れいじろう)

第4話 登場人物紹介

物語をより深く楽しむために、まずは第4話のキーパーソンたちをおさらいしましょう!

今回のエピソードでの活躍ぶりを交えてご紹介しますね。

  • 日下部 栞奈(くさかabe かんな) (CV: 前田佳織里)
    本作の主人公。好奇心旺盛でお人好しな高校二年生。今回は友達と夏祭りを満喫中、父親から逃げる少女・綾乃と出会い、彼女が落とした巾着袋を拾ったことから、またしても奇妙な事件=「神隠し」に巻き込まれていきます。持ち前の優しさで、事件解決の重要な手がかりを見つけます。
  • 中禅寺 秋彦(ちゅうぜんじ あきひこ) (CV: 小西克幸)
    栞奈の学校の国語講師で、後の京極堂。博覧強記にして常に仏頂面。今回も「神隠し」という怪異めいた事件に対し、現場に残された燃えカスや壁の隙間といった物的証拠と状況分析から、その裏に隠された人間の計画を見抜きます。妹の敦子さんや奥様の千鶴子さんも登場し、プライベートな一面も垣間見えます。
  • 鵜久森 綾乃(うぐもり あやの) (CV: 芹澤優)
    今回の事件の中心人物となる少女。才色兼備と噂される一方で、過干渉な父親の支配に苦しんでいます。夏祭りの夜、父親から逃げる中で栞奈と出会い、神社の境内で忽然と姿を消しますが、それは「神隠し」に見せかけた、母親の元へ逃れるための計画でした。
  • 綾乃の父(鵜久森 宗一 うぐもり そういち) (CV: 浜田賢二)
    綾乃の父親。娘に対して執拗なまでに干渉し、束縛しようとする人物。娘が消えた際、「神隠しだ」と叫びますが、それは10年前に妻(綾乃の母)も同様に失踪した過去があるためでした。
  • 綾乃の母(鵜久森 恵津子 うぐもり えつこ) (CV: 不明)
    10年前に「神隠し」に遭ったとされる綾乃の母親。実は夫の支配(と姑からのいびり)から逃れるために自ら失踪し、長野で小料理屋を営んでいました。ラジオで娘の状況を知り、娘を救い出すために10年前と同じ「神隠し」計画を立てます。
  • 榎木津 礼二郎(えのきづ れいじろう) (CV: 立花慎之介)
    中禅寺先生の友人で、他人の記憶が見える(?)美貌の探偵。今回も事件現場にふらりと現れ、その能力で父親の過干渉ぶりを指摘します。終盤では、綾乃の逃走を手助けする意外なファインプレーを見せます。
  • 木場 修太郎(きば しゅうたろう) (CV: 星野貴紀)
    中禅寺先生の友人で、警視庁の熱血刑事。綾乃の失踪事件を受け、現場に駆けつけ捜査にあたります。今回は彼の出番はやや控えめ?
  • 飯田 健蔵(いいだ けんぞう) (CV: 松岡禎丞)
    綾乃の幼馴染で、クラスメイト。綾乃の母が家を出た事情を知っており、今回の綾乃の「神隠し」計画に協力。綾乃の身代わりとなって父親や栞奈たちの目を欺きました。
  • タケ坊(たけぼう) (CV: 羽多野渉)
    栞奈のクラスメイト。栞奈と一緒に夏祭りを楽しんでいましたが、事件そのものには深く関わりません。
  • 中禅寺 敦子(ちゅうぜんじ あつこ) (CV: 降幡愛)
    中禅寺先生の妹。活発な印象で、栞奈が先生の家を訪ねた際に登場します。先生に頼まれて調べ物をしていた様子。
  • 中禅寺 千鶴子(ちゅうぜんじ ちづこ) (CV: 茅野愛衣)
    中禅寺先生の奥様。おっとりとした雰囲気ですが、先生も頭が上がらない? 栞奈が先生の家を訪ねた際に、敦子さんと共に登場します。

さあ、個性豊かなキャラクターたちが織りなす、夏の夜のミステリー。その詳しいあらすじを見ていきましょう!

第4話「真夏の神のいたずら」あらすじ:二代にわたる神隠しの謎

(※注意! この先は物語の結末を含む完全なネタバレです!未視聴の方はご注意ください!)

夏祭りの夜と謎の少女

舞台は戦後間もない昭和23年の夏。久しぶりに開催された夏祭りの夜、主人公の日下部栞奈ちゃんは、クラスメイトのタケ坊たちと一緒に、素敵な浴衣姿で祭りの賑わいを楽しんでいました。


そんな中、栞奈ちゃんは一人の少女、鵜久森綾乃ちゃんとぶつかります。綾乃ちゃんは、何やら必死な様子で父親から逃げているようでした。彼女を執拗に追いかけるのは、父の鵜久森宗一さん。娘の演芸会優勝を自分の手柄のように語るなど、かなり過干渉でパワハラ気質な父親のようです。

神社の境内での失踪

綾乃ちゃんが落とした可愛らしい巾着袋を拾った栞奈ちゃんは、それを届けようと後を追いかけますが、綾乃ちゃんは神社の境内へと駆け込み、本殿の裏手で忽然と姿を消してしまいます。

「神隠しだ…」


娘を見失った父親の宗一さんは愕然とし、「神隠しだ…」と呟きます。実は、宗一さんの妻であり綾乃ちゃんの母親である恵津子さんも、10年前に同じこの神社で神隠しに遭い、それ以来行方不明になっているというのです。

捜査開始と中禅寺先生の着眼点

現場には木場刑事や、なぜか嗅ぎつけてきた榎木津礼二郎さんも現れます。榎木津さんは、他人の記憶が見える能力(?)で、宗一さんの過干渉ぶりを指摘。

現場には木場刑事や、なぜか嗅ぎつけてきた榎木津礼二郎

一方、我らが中禅寺先生は、現場に残された紙の燃えカスと、本殿の板壁の隙間に注目します。

現場に残された紙の燃えカスと、本殿の板壁の隙間に注目

明かされる第一の真相:綾乃の計画

後日、栞奈ちゃんが先生を訪ねると、そこには先生の妹・敦子さんの姿が。先生はイカツイけど妹は意外と可愛い!(笑)

そこには先生の妹・敦子さん


そして、中禅寺先生によって、二つの神隠しの真相が解き明かされます。
今回の綾乃ちゃんの「神隠し」は、実は彼女自身が計画し、幼馴染の飯田健蔵くんの協力を得て実行したものでした。父親の異常なまでの束縛から逃げ出すために。

綾乃の「神隠し」は幼馴染の飯田健蔵の協力を得て実行

栞奈ちゃんや宗一さんが見たのは、綾乃ちゃんの浴衣と似た柄の紙の燃えカス。本人は健蔵くんの手助けで板壁の隙間から逃げ出したのです。燃えカスは神問屋の健蔵くんが燃やしたものでした。

明かされる第二の真相:母・恵津子の過去と計画

では、綾乃ちゃんはどこへ?そして、10年前の母親・恵津子さんの神隠しの真相は?
全ては繋がっていました。10年前、恵津子さんは姑(宗一さんの母)からの執拗ないじめに耐えかね、夫である宗一さんが見て見ぬふりをすることにも絶望していました。そんな彼女を見かねた親友の飯田佳美さん(健蔵くんの母)が協力し、恵津子さんは「神隠し」を装って家を出たのです。その後、恵津子さんは遠く長野で小料理屋を営み、ひっそりと暮らしていました。

今の想いを誰に伝えたいですか?


そして10年後。恵津子さんは、ラジオで放送されたのど自慢大会で、娘の綾乃ちゃんが見事優勝した歌声を偶然耳にします。娘もまた、あの息苦しい家から逃げ出したいのではないか…そう感じた恵津子さんは、佳美さんを通じて綾乃ちゃんに連絡を取りました。母の想いを知った綾乃ちゃんは、長野の母の元へ行くことを決意。そして、母親が使ったのと同じ「神隠し」という方法で、父親から逃れる計画を立てたのです。

お母さんに伝えたいです

夏の神(?)のいたずら

しかし、計画には誤算がありました。逃走用の着替えと資金を隠しておいた小屋の前に、偶然(?)榎木津さんの車が停まっており、回収できなかったのです。そこへ現れた榎木津さんは、事情を察したのか(あるいは視たのか)、綾乃ちゃんを車に乗せ、そのまま長野の母親の元まで送り届けていたのでした。まさに「夏の神(=榎木津さん?)」のいたずら、といったところでしょうか。

一件落着と後日談

最後は、中禅寺先生の取りなしもあり、宗一さんは恵津子さんと綾乃ちゃんに心から謝罪。家族は再び一緒に暮らすことを選び、一件落着となりました。ちなみに、中禅寺先生がこの家庭の問題に積極的に関わったのは、妹の敦子さんと妻の千鶴子さんからの働きかけがあったからだとか。先生、奥様とお妹さんには頭が上がらないようですね(笑)。

戻ってきてくれ、恵津子

見どころポイント!ここが良かった!(プラス評価)

今回の第4話、僕なりに見どころだと感じた点をいくつか挙げてみますね。

① 夏の情緒と怪異の香りが最高!浴衣と夏祭りの雰囲気

浴衣姿の栞奈ちゃん、なかなか可愛かったですね~! タケ坊たちとのやり取りも微笑ましくて。ヨーヨー釣り、射的、りんご飴…賑やかな屋台の音と光、そして神社の境内の少し薄暗くて神秘的な感じ…。昭和の夏祭りのノスタルジックな雰囲気が、画面から溢れ出てくるようでした。こういう季節感のある描写、特に女性は好きですよね!お祭りの喧騒と、神社の持つ少し怖いような雰囲気が絶妙に混ざり合って、「何か起こりそう」なゾクゾク感を高めてくれました。「神隠し」というテーマにぴったりの、最高の舞台設定だったと思います。

② “神隠し”ミステリー!二世代にわたる謎と人間ドラマ

今回のキーワードは「神隠し」。人が忽然と消える…このテーマ自体が、まずミステリアスで惹きつけられますよね。しかも、それが10年の時を経て、母娘二代にわたって同じ場所で起こるという設定。これは何か超常的な力が働いているのか?それとも巧妙なトリックなのか?と、序盤はかなり引き込まれました。
そして、その真相が「超常現象」ではなく、支配的な父から逃れるための母娘の“計画”だった、という点。これは賛否あるかもしれませんが、僕は「なるほど!」と思いました。「神隠し」という怪異めいた現象の裏に、切実な家族の問題と、母と娘の強い意志、そして協力者の存在があった、という人間ドラマに着地させたのは、この作品らしい展開だなと感じました。単純な幽霊譚で終わらせないところが良いですよね。

③ 中禅寺ファミリー(?)の登場

そして、今回ついに中禅寺先生の妹・敦子さんと、奥様の千鶴子さんが登場しました! これまで謎に包まれていた(?)先生のプライベートな一面が垣間見えた気がして、新鮮でした。敦子さんは活発で行動的な感じ、千鶴子さんはおっとりしているようでいて、実は先生を動かす力を持っている(?)という、なんとも魅力的な女性たち。彼女たちの登場で、物語にまた新たな人間関係の面白さが加わったように思います。特に、千鶴子さんが先生を諭す(?)シーンは、なんだか微笑ましくて良かったです。

始めまして、中禅寺の妻の千鶴子です

気になった点…原作の壁は厚い?(マイナス・疑問評価)

一方で、原作を知らない僕でも「うーん?」と思ってしまった点もいくつかありました。批判的な意見になりますが、正直に書かせてくださいね。

① ちょっと強引?事件の背景設定とトリック

まず、事件の背景設定に、やや「ご都合主義」的なものを感じてしまったのは否めません。10年前に家出した母親が、たまたまラジオでのど自慢を聞いて娘の状況を知り、10年前と全く同じ方法で娘を逃がす…というのは、いくらなんでも偶然が重なりすぎているような気もします。
また、あれだけミステリアスに煽った「神隠し」のトリックが、「紙の浴衣を着た幼馴染が壁の隙間から逃げた」というのは、正直ちょっと拍子抜けしてしまいました。もちろん、この作品は超常現象ではなく、人間の心理や行動によって引き起こされる「不思議」を描くのがテーマだとは思うのですが、もう少し捻りがあっても良かったのでは?と感じてしまいます。「パタリロ!で見たパターンかも?」なんて感想も見かけましたが、確かにどこかで見たような…という既視感はありました。ミステリーとしては、トリックが少し「しょぼい」と感じてしまうかもしれません。

また、作画で?と思う場面も。最後の中禅寺先生の謎解きの場面、部屋に入るドアの左右のノブが全く違う、というか右のノブは明らかに下書き段階の絵ですよね!一番いい場面でオトしてくれるなんで素敵です。。。

ドアの左右のノブは何故違うのか…

② 1話完結の限界?感情描写の薄さ

これもご都合主義と関連しますが、10年間も離れ離れだった母娘や夫婦が、再会してすぐに和解し、元通りに暮らすというのは、少し感情の動きが急ぎすぎているように感じました。10年間の空白や、その間の葛藤、再会した時の複雑な感情などが、もう少し丁寧に描かれていれば、ラストの感動もより深まったのではないかと思います。1話完結というフォーマット上、仕方ない部分もあるのかもしれませんが、少し人間ドラマとしての深みが足りないかな、と感じてしまいました。姑にいじめられていたという設定も、少し唐突に感じましたし、父親の反省もあっさりしているように見えました。

あっさりと一件落着?

③ 原作と比較してしまうと…?(未読者の想像)

僕は原作小説を読んだことがないので、これは完全に想像なのですが…。ネットの感想などを見ていると、やはり「原作の重厚さがない」「京極夏彦は関わっていないのでは?」といった厳しい意見も目にします。きっと、原作の京極堂シリーズは、もっと複雑で、おどろおどろしくて、人間の心の闇にもっと深く切り込むような、読むのにエネルギーがいる作品なのだろうな、と想像します。
そういう意味では、このアニメ版『中禅寺先生』は、良くも悪くも「ライト」なのかもしれません。1話完結で、怪異や事件も比較的分かりやすく解決される。これは、アニメという媒体で、幅広い層に楽しんでもらうためには、ある程度必要なアレンジなのかもしれませんね。
ただ、「京極夏彦」という名前を冠している以上、原作ファンの方が厳しい目線を向けてしまうのも、ある意味当然なのかもしれません。僕のような原作を知らない人間からすると、「これはこれで、昭和レトロな雰囲気の学園ミステリーとして、気軽に楽しめる作品だな」と感じていますが、やはり「安直さ」や「深みのなさ」を感じてしまうと、少し残念な気持ちにもなってしまいます。

夏の夜の“神隠し”ミステリー、僕の「5話切り」判断は…?

というわけで、今回はアニメ『中禅寺先生物怪講義録 先生が謎を解いてしまうから。』第4話「真夏の神のいたずら」の感想を、ネタバレ全開で語らせていただきました。

夏祭りの賑わい二代にわたる神隠しの謎、そして明かされた真相は、父の歪んだ愛から逃れたい娘と、過去に同じように夫から逃れた母、そして彼女たちを支える人々の、少し切なくて、でも最後は温かい家族再生の物語でした。

見どころとしては、夏らしい情景描写や、中禅寺先生の家族が登場した点などが挙げられます。一方で、トリックのあっけなさや、ストーリー展開のご都合主義的な部分など、気になる点があったのも事実です。

さて、冒頭で触れた「5話切り」についてですが…。正直、まだ迷っています。魅力的な部分も多いのですが、ミステリーとしての物足りなさや、原作(を読んだことがないなりに想像するイメージ)とのギャップを考えると、手放しで「最高!」とは言えない、というのが今の僕の率直な気持ちです。

しかし、ツッコミを入れながら観るのも、また一興。もう少しだけ、中禅寺先生と栞奈ちゃんの活躍を見守ってみようかな…という気持ちも捨てきれません。

最終的な判断は、第5話「ドッペルゲンガー」(ちょっと面白そう!)を観てから決めたいと思います!

自分とそっくりの人間を目撃したと、花代から相談を受ける栞奈。それが原因で不安になっているという花代を救うため、栞奈はその正体を探ることに。その最中、いきつけの本屋で中禅寺の友人である関口と出会う。栞奈から話を聞いた関口は、その怪現象はドッペルゲンガーではないかと推察する。そして、それは一過的な幻覚に過ぎないものだから心配しなくていいと話す。花代を安心させようと関口の話を伝える栞奈。その言葉により一旦は平静を取り戻す花代だったが、その矢先……彼女は更にありえない光景を目撃し、戦慄してしまう。

皆さんの感想も、ぜひコメントなどで教えてくださいね!

最後までお読みいただき、ありがとうございました!また次回の感想でお会いしましょう!

禅寺先生はどう解き明かすのか…ますます楽しみです!

ベスト10入りが夢です!💦

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関連情報:もっと『中禅寺先生』の世界を楽しむために

アニメを見て『中禅寺先生物怪講義録』の世界にハマった方へ、関連情報をご紹介します。

原作コミックス情報

  • 出版社: 講談社 (マガジンエッジKC)
  • 巻数: 現在11巻まで発売中 (2025年4月時点)
  • 価格: 各巻 定価759円~792円(税込)程度
  • 内容: アニメで描かれたエピソードはもちろん、その先の物語や、より詳細なキャラクターの心理描写などを楽しむことができます。電子書籍版も配信されています。

Blu-ray&DVD情報

TVアニメ『中禅寺先生物怪講義録 先生が謎を解いてしまうから。』のBlu-ray&DVDの発売が決定しています。

  • 上巻: 2025年7月23日 発売予定
  • 下巻: 2025年8月27日 発売予定

各法人別の購入特典や、豪華グッズが当たるキャンペーンなども予定されているようです。詳細は公式サイトなどでご確認ください。

サウンドトラック・グッズ情報

  • サウンドトラック: アニメの世界を彩る劇伴を収録したオリジナルサウンドトラックも発売されます。
  • グッズ: アクリルスタンドやクリアファイルなど、様々な公式グッズが展開される可能性があります。イベントなどの開催情報と合わせて、公式からの発表を待ちましょう。

VODの紹介

2025年春アニメは深夜枠が多い(別に今回に限るわけではないけどね)のでVODで見るのがおすすめ。

『中禅寺先生物怪講義録 先生が謎を解いてしまうから。』はU-NEXTが地上波と同日に見ることができます。

2025年4月7日より、毎週月曜26:30~放映です。

僕が紹介するアニメは以下のVODで見れるので加入してない人はどれかに加入するといいですよ。

配信サービス月額料金(税込)無料期間特徴
U-NEXT2,189円31日間豊富なコンテンツ数。ラノベやマンガも楽しめ、利用料金の40%がポイント還元。
Amazonプライム600円30日間独占配信や話題作が充実。Amazon利用者におすすめ。
ABEMAプレミアム960円2週間地上波放送中の作品や恋愛番組のオリジナルコンテンツが豊富。

おすすめポイント

  • U-NEXT: アニメ以外にもラノベやマンガが楽しめる。ポイント還元で実質的なコストを抑えられる。
  • Amazonプライム: コストパフォーマンスが高く、独占配信が魅力。Amazon利用者には特に便利。
  • ABEMAプレミアム: 地上波作品の視聴やオリジナルコンテンツが充実。テレビ番組やニュースも楽しめる。

特にABEMAをおススメ!月額料金は960円。

無料放送も多く、コンテンツも充実しています。VODだけじゃなくテレビ番組やニュースも豊富なんでおススメです。

☟アニメ見るならここがおすすめ

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前回はこちら

👇『中禅寺先生』第3話『青マントの男』 ~偽札と涙に隠された家族の秘密

☆☆☆☆☆今回はここまで。

👉使用した画像および一部の記述はアニメ公式サイトから転用しました。

👇この作品は『激押し!

「九龍ジェネリックロマンス」5話解説~楊明の苦悩とエンディング後の謎

【アニメ関連はこっちから】

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『中禅寺先生物怪講義録』解説:懐かしさと新しさが交差する怪異ミステリー!

👇総合解説版です。作品の全体像が分かりますよ👇

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