87.ホンダが1千万円超のEV『AFEELA』を発表!車の価値を「移動」から「エンタメ」に

ホンダヴェゼル購入記№87

使用した動画・写真はここからお借りしました。https://www.shm-afeela.com/ja/

今回のお話

ホンダがソニーと合弁で設立したソニー・ホンダモビリティがブランドを発表しました。

EV(電気自動車)の「AFEELA」(アフィーラ)といいます。

コンセプトは今までのクルマと全く異なります。

車の価値を「移動」から「エンタメ」に変える。』

今回はEVの新ブランド「AFEELA」をご紹介します。

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新ブランド「AFEELA」とは

ホンダとソニーのハイブリッド

AFEELA(アフィーラ)はホンダとソニーが折半出資で2022年6月に設立したソニー・ホンダモビリティが繰り出す新ブランドです。

2023年1月5日にラスベガスで開催された世界最大のテクノロジー見本市「CES」でそのプロトタイプが披露されました。

AFEELAの発表風景

操る喜びから寛ぐ愉しみへ

AFEELAが今のクルマと違うのが自動運転を前提にしている点です。2025年の発売開始時にはレベル3の実現を目指すとしています。

レベル3(条件付自動運転車 ※限定領域):特定の走行環境条件を満たす限定された領域において、自動運行装置が運転操作の全部を代替する状態。

下の動画を見ればお判りになると思いますが、AFEELAの車内は「室内」と言えるほどのエンタメ空間となっています。

クルマを操る喜びから車内で寛ぐ愉しみへと大きく変えるゲームチェンジャーになるんでしょうか。

新ブランド「AFEELA」誕生の背景

EVで世界に取り残される日本

21世紀のモータリゼーションは地球温暖化を加速させると言われるCO2削減問題を無視することはできなくなりました。

2010年代にはヨーロッパ諸国でガソリン車から電気自動車(EV)への移行が加速し、2020年代に入ると中国がその流れに参戦し、一気呵成に進みます。

日本に今年1月に参入した中国BYDのATTO3ももちろんEV車です。

それに比べて日本車は今一つ元気がありません。

その理由はハイブリッド(HV)戦略の失敗によるものです。

ハイブリッド(HV)戦略の失敗

日本ではガソリン車からハイブリッド(HV・PHEV)車への移行が進展しています。

しかし海外ではガソリン車からハイブリッド車を経ずして、電気自動車へ移行する流れとなっています。

下の3つの理由で日本ではハイブリッド車が普及しているのですが、このことが日本のガラパゴス化を推し進めたという皮肉な結果ともなっています。

  • 再生可能エネルギーの生産効率が低いこと
  • 自動車産業の雇用の崩壊を防ぐ必要があること
  • 充電インフラの整備率の低さ

❶再生可能エネルギーの生産効率が低いこと

再生可能エネルギーとは石油や石炭、天然ガスに依存しない方法で生み出した電力のこと。つまり太陽光発電や風力発電、潮力発電によるエネルギーです。

日本は再生可能エネルギー算出には不利な地形をしています。

平地が少なく、太陽光パネルは山の斜面に設置することが多くなります。しかし急峻な山地が多く、日照時間が少ないためエネルギー産出効率上がりません。

風力発電、潮力発電も風の向き、潮の流れが変わりやすい島国であるため、同様に再生可能エネルギーの算出には向いているとは言えません。

この再生可能エネルギーの利用率の低さにより、電気自動車のエネルギー源である電力を生産するためには化石燃料に頼らざるを得ないというジレンマを抱えています。

クルマ自体はCO2を排出しなくなるが、電気を作るためにCO2を排出してしまうという問題です。

投下資本に対する効果が高いと言われる原子力発電という手段も福島原発の事故以来、長く凍結状態が進み、岸田政権下になってようやく少しずつ変わろうとしています。

再生可能エネルギーの生産効率が低いため、あえて電気自動車へ移行するのではなくハイブリッド車でもいいではないかというのが日本の論理の一つです。

❷自動車産業の雇用の崩壊を防ぐ必要があること

日本の輸送機器の全製造業のおよそ2割で、従業者数は550万人と言われています。もちろんこれは製造だけの話であり、販売するディーラーや整備工場、ガソリンスタンドやカー用品店など幅広い意味での自動車産業まで含むと莫大な規模になります。

そして日本のエンジンを始めとした技術は世界最高峰であり、どう転んでも新興国から追いつくことのできない技術でした。

それを打破しようとしたのが中国です。中国では急激な工業化によるCO2排出問題もありますが、それとは違う理由でEV化を推し進めました。

その理由が「脱エンジン」です。

21世紀初頭、中国車が世界水準に追い付くにはあと数十年を要すると言われていました。しかし、2023年の今、電気自動車で中国は世界をリードする地位にいます。

この最大の理由はエンジンの付いていない車を製造できたからです。

モーターで動かす電気自動車はエンジンで動かすガソリン車に比べ、部品数は1割程度と言われています。

車は人の命を載せたメカであるため、その精度は最高レベルに高める必要があります。そのために必要な開発や技術力がガソリン車の1割の負担で済むとしたらどうでしょう。

中国はガソリン車から電気自動車へのゲームチェンジャーになったんです。

一方、日本では中国の狙いは判りながらもそれに追随できませんでした。

エンジンを捨てるということは自動車産業の雇用を崩壊させるということにつながるからです。

❸充電インフラの整備率の低さ

我が国の充電インフラの整備率の低さは電気自動車の浸透率の低さと軌を一にしています。

鶏が先か卵が先かという話しにはなりますが、今となっては充電インフラの整備率の低さは日本での電気自動車の利用率向上の大きな妨げになっています。

もちろん今までお話ししたとおり、充電するための電力生産を再生可能エネルギーで賄う比率を高めなければ日本においては電気自動車が環境に優しいとは言えません。

過疎地域ではガソリンスタンドの経営が成り立たず、自治体が給油施設をつくる動きも始まっています。

ポリタンクに入れて持ち運べるガソリンなら簡易な給油施設に運び、給油することも可能ですが、電気の場合は無理です。数多くの充電ポイントをつくるためのコストはガソリンより高くつきます。

しかも電気自動車のフル充電での走行距離はガソリン車に劣ります。

特に道幅の狭い過疎地域では軽自動車が主体。日産がサクラを出しましたが、フル充電の走行距離は140㎞です。ガソリン車の半分にも満たない距離で、結局自宅で給電することになります。

ホンダの危機感とソニーの実験

ホンダはe:HEVという素晴らしい技術を持っています。技術的にはモーターだけで走行するEVとなんら変わらない機構を備えていますが、今までお話した通り、日本ではガソリン車から電気自動車への急激なシフトチェンジは困難な状況にありました。

そこに現れたのがソニーだと言えます。

ソニーは「革新的」というキーワードが似合う会社でした。

日本初のテープレコーダーやトランジスタラジオを作った会社です。ウォークマンで音楽を持ち運ぶという革新も果たしています。

ところがソニーも最近ではCMOSイメージセンサーやToFセンサーなどの「中の人」の会社になりつつありました。

今回、ホンダと手を組むことで「主役」に躍り出ることを試みたんじゃんないでしょうか。

ソニー・ホンダモビリティはソニーとホンダの折半出資で2022年6月に設立されました。

そのニュースが流れた1月に僕のブログでは

車の価値は「移動」から「エンタメ」に変わるのか?

と題した記事を作成しました。

注目したのは発表会でソニーの吉田社長が車の価値を「移動」から「エンタメ」に変えると言った点です。

従来のクルマ好きにとってエンタメは「運転そのもの」ですが、ソニーが提案するエンタメは「映像や音楽を楽しむ」ということです。

このことは車に対する考え方を180度転換する大きな変化です。

また、ゲーム機のようにソフトウェアをアップデートしていく方針という点もこれまでのクルマの概念を変えてしまいます。

要はソニーが提案しようとしているクルマは単なる箱であり、そのコンテンツはアップデートでバージョンアップしていけるという考え方なのです。

3月に公開された試作車を見ると、まさにセンサー、音響、映像技術などソニーが得意とする技術を集約し、車を移動するエンタメ空間として再定義しようとする意志を強く感じました。

ここまでの段階ではホンダはソニーのエンタメ空間を創り出す「箱」を提供する下請け的な感じを持たざるを得ませんでした。

しかし、4月にホンダも中国の中間所得層をターゲットとした価格設定の独自のEV、e:NS1を中国で発売しました。

テスラは変えないけど中国製のEVでは物足りないというユーザー層を想定したものです。

しかし、その後この車が売れているという話を聞きません。

それどころか高級ブランド「アキュラ」の中国からの撤退や、中国抜きのサプライチェーン構築といった中国から距離を取り始めた印象が強くなっていきます。

「AFEELA」が目指す世界

このような状況のなか、ホンダがソニーとの合弁で世界に送りだす「AFEELA」(アフィーラ)は何を目指していくのでしょうか。

安全な自動運転技術が前提

AFEELAが目指す世界は自動運転は当たり前で、交通事故は基本的には起こるはずがないという世界を前提としています。

この実現は車だけでなく、GPSの精度や5Gの通信環境など周辺技術の精度向上が前提ですが、近い将来にきっと実現できます。

ただし、日本で言えば全国一律にはいかないはずです。大都市周辺のみでの限定された環境になる可能性が高いと考えています。

そうなると格差社会がますます加速化し、大都市への資本や人口の集中が再び始まるんですかね。

新たなエンターテイメント空間

新たなエンターテイメント空間を移動中に実現させるというAFEELAの狙いはどのように受け入れられるんでしょうか。

現時点の予想価格は1千万円を超えると言われています。

モブ市民の僕には縁のないクルマです。

だから敢えて言いますが、AFELLAは「新たなエンターテイメント空間」を望む一部のセレブのための玩具です。

むしろ派生して出て来るクルマがどの方向性になるのかに興味があります。

あなただったらクルマの中で何をしたいですか?

課題はクルマニアの意識転換

今でもアニメで頭文字Dを観てる(僕のような)ような人にとってエンターテイメントはクルマを操ることに他なりません。

こんなクルマニアは結構車にお金をかけている方も多いでしょう。

もしかしたらAFEELAを買えなくはないかもしれない。

しかしそういう旧態依然としたクルマニアがAFELLAを欲しがるんでしょうか。

AFELLAが乗り越えなければいけない課題のひとつにクルマニアの意識転換をどう促すかがありそうです。

ナイトライダー?

今回はここまで。また見てね👋

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