ホンダヴェゼル購入記№94
市販ナビ徹底検証です
トヨタのKINTOの肝「任意保険」について
KINTOの2つの特徴
KINTOのロゴはこんな形をしています。(クリックするとKINTOに飛んじゃうよ)
KINTOのポイントは次の2点です。
肝(きも)は「任意保険」です。
- 保険料が高くなる若者向け
- 期間3年以外に手を出すな!
任意保険強制組込がポイント
KINTOは任意保険が強制的に組込まれたリースです。
一見使い勝手が良く、便利な感じもしますが、「年齢・等級・免許証の色も関係なし」でみんな同じ料金になります。
つまり保険等級の低い若者・初心者に優しく、保険等級の高い中高年ベテランドライバーは若者の保険料まで負担するような仕組みのリースということです。
【KINTOの任意保険の注意点】
KINTOの任意保険でメリットとデメリットが1つずつあります。
まずメリットは事故を起こしても月額料金が変わらないということ。
保険等級が固定されているので毎年値下がりしない反面、事故を起こしても月額料金が増えることはありません。
デメリットは事故の場合の自己負担が5万円あること。個人で加入する任意保険は免責額0円、つまり自己負担なしで保険から支払われることが多いのですが、KINTOでは自己負担が5万円発生します。
※2
1事故あたりの自車の事故修理金額が5万円を超えた部分が保険による支払い、それ以下はお客様のご負担となります。相手がいる事故で相手方にも責任がある場合、相手方からの賠償金が免責分に先に充当されます。相手からの賠償額が免責金額(自己負担額)5万円を上回る場合には、自己負担が不要となります。
KINTOは保険料が高くなる若者向けの商品
もう少し具体的にお話しします。
下の表を見てください。保険比較サイトのインズウェブの公式サイトに表示されている年齢別の自動車保険(任意保険)の年間保険料の比較です。
60代なら年間平均52,525円の保険料が20歳では333,231円。なんと6倍以上です。
月払いに直すと差額が23,393円。しかしKINTOでは「みんな同じ」になります。
KINTOは保険料が高くなる若者向けの商品です。
【月払いに直すと】
18歳~20歳:27,770円
60代 :4,377円
その差 :23,393円
任意保険初心者なら年間30万円払わなきゃならない保険料をトヨタが負担してくれるから「超お得」。
一方、僕みたいな毎月の支払保険料が少ない中高年には旨味は無いに等しいリースになります。
自分で任意保険料を払う方が絶対お得です。
それでもトヨタの車をリースで借りたいからKINTOを使うんだよって方もいるでしょうが、そういうあなたには別のリースを後で紹介します。
任意保険は本来は中高年が有利
なんでこんなことになるかといえば保険料が等級制だから。無事故無違反なら年々等級が上がり、段階的に保険料が下がるからです。最高で20等級に達します。
任意保険は等級制なので本来は中高年が有利になります。
ネット保険ならさらに有利。僕も損保ジャパンからおとなの自動車保険に切り替えて年間保険料(車両保険付き)が約半額になりました。もちろん同条件でです。
【切替前】78,120円
【切替後】39,920円
先ほどの保険料の表をお借りしたインズウェブは自動車保険の一括比較サイトの最大手。
累計利用者1千万人を突破しています。
あなたもまだなら一度見積比較しましょう。きっとお得な保険が見つかります。
期間3年以外に手を出すな!
KINTOのリース期間は3年・5年・7年があります。
ポイントは「期間3年以外に手を出すな!」です。
理由は任意保険の保険料にあります。
任意保険は無事故無違反であれば毎年自動的に等級が上がり、支払保険料が減ります。
5年経つと支払い保険料はおおむね半分になります。7年経つと7割減ります。
つまり、KINTOで長くリースを組んでいると、この任意保険の減額の恩恵を受けることなくリース料を支払う羽目になるのです。
先ほどの任意保険の平均支払額の表をもう一度見てください。
20歳までは毎年33万円の支払いですが、26歳以上になると9万円弱になります。
6年間で24万円も減ります。でもKINTOだとこの恩恵はありません。
- 18歳~20歳:333,231円/年
- 21歳~25歳:159,711円/年
- 26歳~29歳:87,788円/年
自動車保険初心者の方がKINTOを利用するなら最短期間の3年にすべきです。
支払を3年・5年・7年で比較
KINTOが期間3年以外はだめ、逆に言えば期間3年一択なのかを具体的な金額で示します。
KINTOには初期費用フリープランと解約金フリープランの2種類がありますが、ここでは初期費用フリープランで説明します。2つの違いをお話しするのが趣旨ではないため、違いは下の表で確認してください。
ヤリスクロスを例に試算します。
車両本体価格2,606,000円
諸費用込みで280万円として考えると・・・
- 期間3年:毎月51,810円×36回=1,865,150円⇒(これはお得)
- 期間5年:毎月48,180円×60回=2,890,800円(3年+102万円)
- 期間7年:毎月45,650円×72回=3,286,800円(3年+244万円)
期間3年の場合は購入より100万円近く安価で済むのでお得といえます。
期間5年では購入価格を上回ります(5年後には返却)。
期間7年ではさらに費用がかさみます。
リースなのでメンテナンス費用が含まれるとはいえ、5年と7年は極めて高額です。
若者を想定した保険料がリース料に組み込まれているからこのような結果になります。
任意保険強制組込み以外は普通のリース
KINTOについての特徴はこの公式サイトの動画をご覧ください。
動画の説明では以下の費用がコミコミ&定額であることを説明しています。肝となるのは僕が先ほどからお話ししている「自動車保険」です。
クレジットカードでの支払いが可能というのがセールスポイントとなっています。
ポイントがたまる点は嬉しいところです。
動画には詳細編というのもあるので参考に貼っておきます。
トヨタのKINTOは任意保険が強制的に組込まれています。
そして以下の2点がポイントのカーリースです。
- 保険料が高くなる若者向け
- 期間3年以外に手を出すな!
上の2点に該当するなら「おすすめ」、そうでなければ「見送り」です。
KINTO利用上の注意点
最終回は返却のみ
自動車ローンには最終回クルマを返却する方法しかないクローズドエンド方式と最終回買い取ることができるオープンエンド方式の2種類があります。
クローズドエンド方式のリースは返却の際の査定は基本的には無いため、返却の際の追加費用の支払いもありません。KINTOはこの方式のリースです。
しかし、これがKINTO利用者の悩みです。
人気車種であれば新車の3年後の売却価値は残価を上回ることが多いです。
つまり3年後に返却でなく売却を選択できれば儲かるのに・・・
という最終回の悩みがあります。
この点については最後に別のリース、リースナブルの実例でKINTOと比較します。
オプションが高額
KINTOは車両本体のみのリースです。それ以外は全てオプション扱い。
例えばこんな感じです。
- 希望ナンバー:220円
- サイドバイザー:330円
- 自動防眩インナーミラー:660円
- ナビパッケージ:1430円
ちょっとしたものでも追加していけばじきに3千円位にはなります。
仮に3年間毎月支払いが3千円増えたら10万8千円の支払い増です。
馬鹿になりませんよね。
結構KINTOは高くなるというのが通説です。
☞【KINTO】はここから
トヨタはKINTOで何をしたいのか
新市場の開拓
KINTOはネット専売ではないのですが、店頭販売には力を入れていません。
WEBで完結する仕組みにしており、店舗は車を引き取りに来るだけの場所という位置づけです。
既存の店舗ではディーラーローンや残クレを取り扱っています。
そしてKINTOよりこれらをおすすめしてきます。
これはディーラーローンなら手数料が入るから。
ちなみにトヨタの金利は高くローンで5~7%、残クレでも3.5~5%の場合が多いです。
ディーラーに金利采配権がある場合が多いので、金利交渉する余地はあります。
話を元に戻します。
KINTOは「新市場の開拓」のための戦略的商品という位置づけです。
もちろん「新市場」とは若者です。
自前では高額な任意保険の支払いになる若年層をターゲットとしてWEBで完結する手軽さを武器に今までになかった新しい形の車の入手をサブスクという形で提案しています。
良質な中古車の確保(中古車サブスクへの布石)
トヨタでは中古車サブスクも開始しました。
下の入口から公式サイトに入り、右上虫眼鏡マークで「中古車」と検索してみて下さい。
結構魅力的な中古車が揃っています。
でもこれ、東京都と愛知県限定のサービスなんです。
理由はまだ玉が少ないから。リース車両が足りていないからです。
中古車サブスクは現在、大きなムーブメントになりつつあります。
中古車サブスクはこの記事見てね
これからはKINTOで返却されたクルマがどんどん追加されるはずです。
KINTOの浸透はトヨタにとって良質な中古車の確保、そして中古車サブスク拡大への布石になるでしょう。
KINTOとリースナブルとの比較
リースナブルが圧倒的に安い
人気のトヨタ車を最安値で乗りたいという方にはリースナブルをおすすめします。
とにかく安いリースです。
高残価設定リースという仕組みの商品のため、期間3年なら圧倒的に安いリースです。
ちなみに保険料はリース料金に入っていません。
KINTOの場合ヤリスクロスハイブリッドZはこのリース料金でした。
車両本体価格2,606,000円
諸費用込みで280万円として考えると・・・
KINTOの場合これはこれでお得感がありました。
- 期間3年:毎月51,810円×36回=1,865,150円
しかし、リースナブルだとこうなります。
定額コース29,500円⇒税込みで32,450円です。
何とKINTOより696,500円も安いです。
- 期間3年:毎月32,450円×36回=1,168,200円
- KINTO(毎月51,810円)より696,950円も安い!
もちろんこの価格はメンテナンスなしの最安値プランです。でも期間3年ならそんなに壊れないだろうからメンテナンスパックに加入しなくてもいいよって人はいますよね。
メンテナンスパック付きのフルオプションの場合の金額はこちら。
- 期間3年:毎月46,750円×36回=1,683,000円
- KINTO(毎月51,810円)よりまだ182,150円も安い!
メンテナンスとオプションは以下のとおりです。これで毎月46,750円。
KINTOでこれらを付けると毎月の支払いは7万円を超えます。
- 6か月ごとの点検パック付き
- 8インチディスプレイオーディオ
- パノラミックビューモニター
- ETC
- オリジナルフロアマット
- サイドバイザー
- エントリーナビキット
- ハンズフリーパワーバックドア
- ブラインドスポットモニター
- ポリマー加工
リースナブルはなぜ安いのか
リースナブルがKINTOと比較して圧倒的に安いのがお判りになったと思います。
その理由を解説します。
僕はヴェゼルを楽まるで手に入れましたが、途中本気でリースナブルを検討し、実際申し込みまでしました。
結果的には新車不足で入手時期が判らないという回答になったこと。
そして僕が月間1,500㎞を走る「過走行男」のため断念しましたが、その時のセールスさんから聞いた話も含めてリースナブルの安さの理由をお伝えできればと思います。
その理由は以下の3点です。
- 中古車市場で高値取引される車種・オプションに限定
- 高残価の設定で支払負担額を軽減
- タイミングを狙った一気の大量仕入れ
その時のリースナブルの記事です。
中古車市場で高値取引される車種・オプションに限定
リースナブルの取り扱い車種は2023年2月現在51車種です。中古車市場で高値取引される車種に限定しています。
3年後に引き取った際、再販が不利になる不人気車は一切扱いません。
取付するオプションも人気のあるもの限定です。ヴェゼルだとナビはHonda Connectディスプレイです。ディーラーオプションナビのギャザズは取り扱いません。
これには豆知識としての理由もあります。
中古車市場ではメーカーオプションは車両本体価格としてに加わるのですが、ディーラーオプションは付属品なので価値が評価されません。それでもないよりはあるほうがいいので価値がゼロではありませんが、メーカーオプションよりは低く評価されてしまいます。
リースナブルは人気オプション装着車なので使う側も使い勝手良く快適に利用できるところが人気のひとつです。
高残価の設定で支払負担額を軽減
以前、マツダのCX-30の見積をディーラーと比較したのですが、リースナブルの3年後の設定残価は68.4%でした。マツダディーラーでは55%です。13.4%も違います。僕らが支払う額がこれだけ少なくなるということです。
リースナブルでは各メーカーの担当を決め、情報収集と調査比較を徹底的に実施しています(とセールスさんが言ってました)。
CX-30については「マツダは弱気」と見たそうです。
実際、CX-30は発売当初イマイチだったのですが、今、中古車市場では高値で取引されています。
3年落ち、走行距離3万~5万㎞で200万円台半ば(MOTA調べ)です。
リースナブルの言い分が正しいということがお判りだと思います。
タイミングを狙った一気の大量仕入れ
タイミングを狙った一気の大量仕入れ。
これはセールスさんに聞いた話なのでリースナブルの公式サイトには記載されていません。
リースナブルでは狙った車種をこのようにしてメーカーから入手しています。
それぞれのメーカー担当がバイヤーとして日夜努力しているということです。
この大量仕入れによる仕入れ価格の圧縮は、リース価格にも当然反映します。だからリースナブルの価格競争力は高いんです。
電話では結構リアルに「明日何時の交渉で〇〇社のXX地区販売担当と◇◇について・・・」なんて話も聞かせてもらったようなそうではなかったような・・・
あまり書きすぎると迷惑になるのでこの辺にしときます。
ディーラーで価格交渉するのも大事ですが、一度リースナブルの審査に申し込んでOKを取っておくとディーラーとリースナブルの交渉を並行して行えます。
リースナブルを使うか使わないかともかく審査に合格して見積を取れば後々有利な価格交渉を展開できます。
KINTOとリースナブルの比較
最後にKINTOとリースナブルの比較をします。
KINTO | リースナブル | |
リース料 | 高い | 安い |
保険料 | 強制加入 | 取扱いなし |
月間走行距離 | 1,500㎞ | 750㎞ |
途中解約 | 解約金要 | 違約金無 |
最終回 | 返却のみ | 売却可能 |
何度もお話しするとおりKINTOのリース料は高いです。
でも、自分で任意保険を払う場合月額数万円になる若い人、初心者には超おすすめです。
自分が払う任意保険料かプラスαぐらいでKINTOは利用できます。
月間走行距離も1,000㎞という設定が多い中、1,500㎞と長めです。これを超えると1㎞当たり11円の超過料金となりますが、殆どの人は収まる範囲でしょう。
KINTOは途中解約も解約金を払えばOK。事前に解約金を払い込んでおく解約金フリープランもあります。
リースナブルの場合は途中解約に対する違約金はありません。但し条件はあります。リースナブルで他の車に乗り換える場合と車を買い取る場合です。
最終回はクローズドエンドのKINTOは返却のみ、オープンエンドのリースナブルは買取(売却)可能ですが、査定があるので車を大きく傷つけていたら損をする場合もあります。
KINTOにいい点はないのか
新卒・新入学さんにはおススメ
KINTOについて様々なお話をしてきましたが、全体的に否定的な感じを持たれたかと思います。
でも、それはお話する僕が「中高年」だから。
自分でKINTOを使うと20等級の保険のメリットが何一つ生かせず損だから積極的におすすめする気にならないのです。
でも、若い人には何度も言うけど「超絶おススメ!」
自分で払わなきゃならない任意保険の金額かプラスαくらいで使えるので大変お得です。
これから4月は新卒・新入学シーズン。
車が必要になる方もいるでしょう。
そういうあなたは是非KINTOの扉を叩いてみて下さい。
エントリープランとしては優秀なリース
KINTOは自動車保険初心者には超お得です。また運転初心者にも優しい商品になっています。
総じてKINTOはトヨタがこれら将来のある若本たちの負担軽減のために僕らおじさん・おばさんから広く浅くコストを調達する社会扶助システムなんじゃないか、少なくともトヨタはそう意識してKINTOを売り出しているんじゃないかと考えています。
中高年には「お得」とは言えませんが、若者が育たないと明るい車の未来もありません。
中高年はにっこり笑ってKINTOの負担を支払い続けましょう(利用している方はね)。
トヨタのKINTO、若い人たちのこれからのカーライフエントリープランとしては優秀なカーリースです。
トヨタが目論む社会扶助システムだと言えます。
KINTOで憧れのLEXUSを手に入れる
KINTOのおすすめポイントとしてレクサスも扱っているという点もあります。
36回払いで毎月7万5千円からです。
ちょっと高いけどレクサスをこの金額で使えるというのは魅力には違いありませんね。
KINTOの戦略的活用方法
自分の若さを最大限活用する
KINTOは誰にでもおすすめできるカーリースではありません。
決して安くもありません。
でも、任意保険の保険料が高い若い人なら最優先で検討する車の入手方法となり得ます。
KINTOは戦略的商品ではありますが、
あなたも自分の若さを最大限活用する戦略的ユーザーになるべきですよ!
「若いあなたはまずKINTO!」です。
3年後の戦略ををあらかじめ考える
KINTO利用の最後の注意点です。
中高年の僕からのアドバイス。
「3年後どうするか」を考えたうえで利用しましょう。
3年後に確実に返却する予定であるかどうかです。
返却OKなら「KINTO」の扉を叩くという流れですが、そうでなければリースナブルやディーラーローンを優先するのがいいですよ。
今回はここまで、ではまたね👋
ヴェゼル関係、アニメ関係中心に不定期月間10記事以上を目標に頑張ってます。是非ともブックマーク登録して定期的に遊びに来てね!
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画像・動画は今回紹介したリース会社各社の公式サイト掲載分を使用しました。