『薬屋のひとりごと』ファンの皆さま、こんにちは!第40話「巣食う悪意」、前半の猫猫(マオマオ)誘拐という衝撃的な展開もさることながら、後半で描かれた宮廷の権力者たちの静かなる対決には、息を呑むような緊張感がありましたね。表向きは穏やかな茶会、しかしその裏では、国の行く末をも左右しかねない、老獪な腹の探り合いが繰り広げられていました。
今回は、この第40話後半パートにスポットを当て、「東の狐」羅漢(ラカン)と「西の狸」子昌(シショウ)の直接対決を徹底解説! 羅漢が仕掛けた巧妙すぎる罠、緑色の果実水(ジュース)が暴いた子昌の重大な秘密、そしてその場にいたもう一人の重要人物・阿多(アードゥオ)の存在理由まで、深く鋭く切り込んでいきます。複雑に絡み合う伏線と人間模様を、一緒に紐解いていきましょう!
※ご注意: 本記事はアニメ第40話までの内容に深く触れています。物語の核心に迫るネタバレを含みますので、未視聴の方はご注意ください。
目次
アニメ『薬屋のひとりごと』2期第2クールの概要
2025年1月より放送中のアニメ『薬屋のひとりごと』第2期。多くのファンが待ち望んだ第2クールは、2025年4月4日からスタートしました。第1クール終盤でついに壬氏(ジンシ)の本当の身分が明かされ、物語は新たな局面へと動き出しています。
第2クールでは、前クールで壬氏を襲った事件の真相究明が進むと共に、西方の国々との関係や、新たな登場人物たちの思惑が複雑に絡み合い、後宮に渦巻く陰謀がより一層深まっていきます。国をも揺るがしかねない大きなうねりが、猫猫(マオマオ)たちを待ち受けているようです。
![薬屋のひとりごと 第2期 第2クールKV<span class="footnote-wrapper">[34]</span>” style=”width:362px;height:auto”><figcaption class=](https://i0.wp.com/kusuriyanohitorigoto.jp/season2/assets/img/top/kv_2.jpg?w=880&ssl=1)
公開された第2クールのキービジュアルは、衝撃的なものでした。吹雪の中、何者かに手を縛られ、連れ去られようとする猫猫。その表情は毅然としていますが、彼女に一体どんな過酷な運命が待ち受けているのでしょうか。PV映像と合わせて見ると、ますます目が離せない展開への期待が高まりますね。
オープニングテーマとエンディングテーマ
第2クールを彩る新しい主題歌も、作品の世界観をさらに深く、豊かに表現しています。
オープニングテーマ:Mrs. GREEN APPLE『クスシキ』
オープニングを飾るのは、圧倒的な人気と実力を兼ね備えたバンド、Mrs. GREEN APPLEによる書き下ろし楽曲『クスシキ』です。
「薬」の語源である古語「奇(くす)し」(神秘的、不思議な)から名付けられたこの曲。ボーカル・ギターの大森さんは、「薬は人の助けにも毒にもなる。そんな両義性からヒントを得て、“今世を超え来世でも変わらない愛”をテーマにした」と語っています。オリエンタルな旋律と疾走感のあるバンドサウンドが、波乱含みの第2クールの幕開けにぴったりです。ノンクレジット映像では、狐の面や蝶といった象徴的なモチーフが散りばめられており、考察するのも楽しいですね。
エンディングテーマ:Omoinotake『ひとりごと』
エンディングテーマは、繊細なメロディと歌声で聴く者の心を掴むピアノ・トリオバンド、Omoinotakeの『ひとりごと』です。
Omoinotakeは、「最愛の人の本音に気づけなかった悲哀、日常にあった会話が『ひとりごと』になってしまった喪失感をテーマにした」とコメントしています。切なくも温かいミドルバラードで、繰り返される転調とオリエンタルな響きが、各話の物語の余韻を深く心に刻みつけ、登場人物たちの複雑な心情にそっと寄り添ってくれます。こちらもノンクレジット映像が公開中。CDは5月21日にリリース予定です。
どちらの楽曲も4月5日からデジタル配信がスタートしています。ぜひフルバージョンで、物語の世界観に浸ってみてください。
公式あらすじ:第40話『巣食う悪意』
逆子の疑惑もある玉葉妃の出産を援護するため、猫猫の薬の師であり、養父の羅門が後宮の医局へとやってきた。羅門はすぐに今の後宮の問題点をまとめ、手習所に通う女官たちの練習も兼ねて、書き移せるようにと手本を作る。それを手習所へ届けると、猫猫は羅門が後宮を追放される前にも同様のことをしていたと手習い所の老宦官から聞く。ふと猫猫の頭の中に浮き上がる違和感。その違和感の真相を知るために、猫猫はとある人物を訪ねにいき…。
(アニメ「薬屋のひとりごと」公式サイトより引用)
第40話 :『巣食う悪意』登場人物たちの動き
猫猫(マオマオ) (CV: 悠木碧)

- どんな人?:
花街の薬師の養女として育ち、薬と毒に関する卓越した知識と探求心を持つ少女。人攫いに遭い後宮に売られた過去を持つ。現在は壬氏付きの下女(毒見役)として翡翠宮に所属。冷静沈着で観察眼に優れ、物事を合理的に判断するが、好奇心が強く、事件や謎には首を突っ込まずにいられない性分。養父・羅門を深く尊敬している。 - 40話での役割:
玉葉妃の逆子の可能性を受け、養父・羅門を後宮に召喚するよう進言。羅門が作成した手本を手習所に届けた際、老宦官の話から、羅門が過去に発した警告(鉛白粉や香料の危険性など)と後宮で繰り返される事件との奇妙な一致に気づき、「巣食う悪意」の存在を疑い始める。真相を確かめるため診療所の女官・深緑を訪ねるが、そこで宦官に扮していた翠苓と再会。子翠を人質に取られ、「蘇りの薬」の知識をちらつかせる翠苓の誘惑もあり、後宮から連れ去られてしまう。
羅門(ルォメン) (CV: 家中宏)

- どんな人?:
猫猫の養父であり、薬学・医学の師匠。かつては後宮で「神の手」を持つと称賛された天才的な医官だったが、阿多妃の出産などに関わる過去の事件の責任を(不当に)負わされ後宮を追放、片膝の骨を抜かれる肉刑を受けた。非常に穏やかで心優しく、知識欲が旺盛。猫猫を深く慈しんでいる。猫猫の実父・羅漢の叔父でもある。 - 40話での役割:
玉葉妃の逆子の疑いという緊急事態に対応するため、壬氏の特別な計らいにより「臨時の医官」として十数年ぶりに後宮に復帰。到着後すぐに医局の問題点を把握し、基本的な衛生知識などをまとめた「手本」を作成。それを手習所の女官たちの練習も兼ねて書き写させ、知識の普及と教育を図ろうとする。猫猫の行動を心配しつつも、彼女の能力を信じている。
壬氏(ジンシ) (CV: 大塚剛央)

- どんな人?:
後宮を管理する絶世の美貌を持つ宦官、というのは表向きの顔。その正体は皇帝の弟「華瑞月(カズイゲツ)」。帝位には興味がなく、現在は「壬氏」として活動。猫猫に強い関心と執着に近い感情を抱き、彼女の知識や行動力に絶大な信頼を寄せている。 - 40話での役割:
猫猫が行方不明になったため、その対応に追われている。羅漢と子昌との茶会には姿を見せず、阿多が影武者を務めた。猫猫の失踪は彼に大きな衝撃と動揺を与えているはずであり、貴人としての立場を使って彼女の捜索を開始するであろうことが示唆される。
阿多(アードゥオ) (CV: 甲斐田裕子)

- どんな人?:
現皇帝の最初の妃(元・淑妃)であり、皇帝にとっては特別な存在。かつて男子を出産したが、取り違え(実際は先帝の子)により我が子(壬氏)を手放し、先帝の子(現帝の弟とされたが実は違う)を育てたが、蜂蜜(ボツリヌス菌)により亡くしている。現在は後宮を去り離宮で暮らしているが、皇帝や壬氏からの信頼は厚い。壬氏と容姿が酷似している。里樹妃の亡き母の親友でもある。 - 40話での役割:
猫猫が行方不明になり対応に追われる壬氏のため、彼の影武者として羅漢と子昌との茶会に出席。覆面で顔を隠していたが、終わった後に覆面を外し、壬氏と瓜二つの姿を現す。この行動は、彼女が壬氏の秘密(出自や立場)を深く理解し、彼を支える存在であることを示している。
翠苓(スイレイ) (CV: 名塚佳織 ※男装時/宦官としての声は別?)

- どんな人?:
かつて女官として後宮に潜入し、壬氏暗殺未遂事件(蜂蜜事件)に関与した謎多き薬師。服毒自殺を偽装し(蘇りの薬を使用)、後宮から逃亡した。薬や毒に関する高度な知識を持つ。「子」の一族と繋がりがあるとされる。 - 40話での役割:
死んだと思われていたが、男装して美麗な宦官に成りすまし、再び後宮に潜入していたことが判明。診療所で猫猫と再会し、子翠を人質にとって猫猫に後宮を出るよう強要。猫猫の知的好奇心を刺激する「蘇りの薬」の作り方を餌に、彼女を後宮の外へと連れ去る。彼女の真の目的は依然として謎に包まれている。
子翠(シスイ) (CV: 瀬戸麻沙美)

- どんな人?
翡翠宮に仕える新入りの下女。おしゃべりで明るく、虫が好きで猫猫と意気投合するが、時に下女らしからぬ教養や謎めいた言動を見せる。その正体は、阿多妃に代わって入内した上級妃・楼蘭妃(ロウランヒ)である(原作情報)。 - 40話での役割:
診療所にいたところを翠苓に捕らえられ、猫猫を脅迫するための人質にされてしまう。翠苓がなぜ彼女を人質にしたのか、二人の関係性(原作では異母姉妹)も含めて、今後の展開の鍵となる。
羅漢(ラカン) (CV: 桐本拓哉)

- どんな人?
国の軍師を務める男。変人だが、盤上の勝負においては天才的な才能を持つ。猫猫の実父であり、彼女に異常な執着を見せる。羅門の甥にあたる。 - 40話での役割:
子昌と共に、皇弟(の影武者である阿多)との茶会に臨む。北州での壬氏暗殺未遂事件について子昌を追及し、飛発(銃)の設計図を見せるなど、子昌の関与を探る動きを見せる。
子昌(シショウ) (CV: チョー)

- どんな人?
北方の有力者であり、楼蘭妃(子翠)と翠苓の父。先帝時代からの重臣。野心家であり、国の転覆を狙う陰謀に関与している疑いがある。神美(楼蘭・翠苓の母)との間に複雑な過去を持つ。 - 40話での役割:
羅漢と共に、皇弟(の影武者である阿多)との茶会に出席。羅漢から北州での暗殺未遂事件について探りを入れられるが、飄々とした態度でかわす。
深緑(シェンリュ) (CV: 勝生真沙子)

- どんな人?
後宮の診療所に長年勤める年嵩の女官。気の強そうな印象。10歳の頃に後宮に入り、先帝のお手付きとなったため、年季が明けても後宮から出られずにいる。 - 40話での役割:
猫猫が「巣食う悪意」の真相を確かめるために訪ねてくる。猫猫との会話の中で、自分たちが先帝のお手付きであり、後宮から出られない境遇であることを明かす。彼女たちの境遇が後宮の悪意の温床となっている可能性を猫猫に気づかせるが、猫猫が堕胎事件について問い詰めようとした矢先、翠苓が現れる。
老宦官 (CV: 安原義人)

- どんな人?
後宮内の手習所に勤める年老いた宦官。 - 40話での役割:
羅門が書いた手本を見て、その筆跡から20年前に羅門が同様の注意書きを後宮内に張り出していたことを思い出し、猫猫に語る。彼の記憶が、猫猫が後宮に潜む「巣食う悪意」に気づくきっかけとなる。
やぶ医者(虞淵/グエン) (CV: かぬか光明)

- どんな人?
後宮の医官。猫猫からは知識・技量不足を指摘されているが、本人に悪気はない様子。実家は紙問屋。 - 40話での役割:
羅門が後宮医局にやってきて、彼の指示に従う。羅門が手本を書き写すための紙の手配を(おそらく)担当する。羅門と猫猫のやり取りを見て、二人の関係性に気づいているような描写もある。
高順(ガオシュン) (CV: 小西克幸)

- どんな人?
壬氏(華瑞月)に長年仕える忠実な従者であり、お目付け役。壬氏の正体を知る数少ない人物。真面目で実直、面倒見が良い。 - 40話での役割:
壬氏が行方不明の猫猫の対応に追われているため、その補佐をしていると思われる。直接的な登場シーンは少ないが、壬氏の側近として状況を把握しているはず。
宮中に棲む二匹の獣:狐と狸、相見える
「宮中には東西に二匹の獣がいる」
物語後半は、この象徴的なナレーションで始まります。それは、帝国の権力構造における二大巨頭を指しています。
東の狐:羅漢~人の心を読む変人軍師~

国の軍師を務める、常人離れした知略の持ち主。しかし、人の顔を認識できない(相貌失認)という欠点を抱え、「変人軍師」として宮廷内でも異質な存在です。普段は飄々として掴みどころがありませんが、一度興味を持つと異常な執着を見せ(特に娘・猫猫に対しては顕著)、目的達成のためには冷徹な手段も厭わない狡猾さを秘めています。人の心の隙や嘘を鋭く見抜く様は、まさに「狐」そのもの。
西の狸:子昌~微笑みに隠された野心?~

北方を治める有力氏族「子の一族」の長であり、宮廷の宰相を務める最高位の文官。先帝の母(女帝)の寵愛を受けていた過去を持ち、その権勢は現帝ですら容易には動かせないほどです。常に柔和な笑みを浮かべ、物腰も丁寧ですが、その腹の内は決して見せない食わせ物。老獪な駆け引きと隠された野心を持つ様は、まさに「狸」と言えるでしょう。娘は上級妃・楼蘭妃(ロウランヒ)であり、翠苓(スイレイ)の父でもあります。

この一筋縄ではいかない「狐」と「狸」が、ついに茶会の席で直接顔を合わせることになります。
茶会の攻防:静かなる心理戦と仕掛けられた罠
「皇弟(おうてい)がひと月ぶりに朝議(ちょうぎ)に参加されておりますから」――羅漢はそう言って、子昌を茶会に誘います。しかし、その場に皇弟として臨んだのは、壬氏(ジンシ)本人ではありませんでした。猫猫が行方不明となり、いてもたってもいられず捜索に向かった壬氏の影武者として、阿多(アードゥオ) が密かにその場にいたのです。彼女が壬氏と瓜二つの容姿を持つからこそ可能な、大胆な策でした。

昼間の中庭。差し出された赤い飲み物(葡萄酒か?)を前に、腹に一物も二物も抱えた三者(羅漢、子昌、そして偽の皇弟・阿多)による、息詰まる心理戦が繰り広げられます。
![羅漢と子昌、そして皇弟(阿多)の茶会<span class="footnote-wrapper">[71]</span>“><figcaption class=](https://i0.wp.com/media.gamepedia.jp/wp-content/uploads/sites/17/2025/04/25142009/0d33477e04ac29d2dfd7d06a83795326-480x270.png?resize=480%2C270&ssl=1)
第一幕:飛発(フェイファ)の図面、北州の闇を突く
最初に動いたのは羅漢。彼は、子昌の領地・北州で起きた皇弟(壬氏)暗殺未遂事件(アニメ第35話参照)に触れ、懐から**「飛発(フェイファ)」の設計図**を取り出します。

「それを王弟の命を狙うような不届き者が持つとは」
羅漢は暗に子昌の関与を疑い、揺さぶりをかけます。しかし、老獪な「狸」子昌は「それはたいそうなものですな」と顔色一つ変えずにとぼけます。犯人を捕らえて尋問した羅漢が「拷問の加減を間違えて口を割らなくなった」と脅しても、「知っておることがあれば、とうに報告しておりますよ」と、完璧なポーカーフェイスでかわし続けます。狐の鋭い牙も、狸の厚い皮には届きません。
第二幕:陽動作戦? 羅漢、妻との碁を語る
直接的な追及では埒が明かないと悟ったのか、羅漢は「そうですか、残念な」と肩をすくめ、突如として話題を自身の妻・鳳仙(フォンシェン)との碁の話へと転換します。

羅漢の妻・(フォンシェン)について
彼女は猫猫の実母であり、緑青館の元最高位妓女。羅漢が唯一顔を認識できた女性でもありました。しかし、二人の間には多くのすれ違いや悲劇があり、鳳仙は梅毒に罹患。羅漢が緑青館から遠ざかっていた間に病状は進行し、視力と理性を失ってしまいます。
後に羅漢は彼女を身請けしますが、彼女は既に末期の状態でした。第40話の時点で鳳仙が亡くなっているかはアニメでは明確に描かれていませんが、羅漢は彼女が緑青館の離れにいることを知っており、身請けの話を進めている段階です(原作準拠)。
アニメが原作準拠なら羅漢の言うような碁など打てる状態ではないのです。しかし何故羅漢は妻と碁を打ったと言ったのでしょうか?この謎は僕には解決できませんでした。しかし一つだけわかる羅漢の作戦があります。
これは羅漢一流の陽動作戦です。一見無関係な長話をすることで、子昌の警戒心を解き、油断を誘う。あるいは、単に相手を苛立たせ、冷静さを失わせるのが狙いだったのかもしれません。彼の真意は読めませんが、この一見無駄に見える時間が、次の決定的な一手を打つための重要な布石となりました。
終幕:緑色の果汁(ジュース)が暴いた「色の真実」
羅漢の長話に退屈した(あるいは警戒した)子昌が席を立とうとした、まさにその瞬間。羅漢は最後の、そして最も巧妙な罠を仕掛けます。
「(葡萄の果実水を)ぜひ、玻璃(はり)の杯で――美しい赤を堪能してほしいものですな」
羅漢が銀杯からガラスの杯に移し替えて勧めたのは、卓上にあった紛れもない緑色の葡萄の果実水(ジュース)でした。
![緑の果実水を「赤」と称する羅漢<span class="footnote-wrapper">[113]</span>” style=”width:477px;height:auto”><figcaption class=](https://i0.wp.com/media.gamepedia.jp/wp-content/uploads/sites/17/2025/04/25142211/3bb5c856fdb895aca8a261d26de2036e-480x191.png?resize=480%2C191&ssl=1)
常識的に考えれば、「いや、これは緑色ですが?」と指摘する場面です。しかし、老獪な子昌は差し出された杯を手に取り、緑色の液体を前にして、何の違和感も見せずにこう答えたのです。
「確かに美しいですなあ」
この一言で勝負あり。羅漢の仕掛けた罠は、子昌が長年隠してきたであろう、重大な秘密を白日の下に晒したのです。

王家の証:子昌の秘密と遺伝子の呪縛
羅漢が仕掛けた、一見不可解な「緑の果実水」の罠。その真意は、子昌が持つ「ある身体的特性」を確認することにありました。
赤と緑が見分けられない目:色覚異常の確定
緑色の液体を「美しい赤」と評されても、全く動じなかった子昌。これは、彼が**赤色と緑色の区別がつきにくい色覚特性(いわゆる赤緑色覚異常)**を持っている決定的な証拠でした。彼には、緑色の液体が本当に「赤」に見えていたのか、あるいは色の違いを認識できないため羅漢の言葉に合わせたのか…いずれにせよ、色の矛盾を指摘できなかったことが重要なのです。
王母の血脈:選択の廟と皇位継承の資格
羅漢が子昌の色覚特性に執着したのには、この国の根幹に関わる深い理由がありました。この「赤緑色覚異常」は、この国の建国の祖である**「王母(おうぼ)」とその一族に代々受け継がれてきた遺伝的な特徴**であり、王家の血筋を証明する重要な要素だったのです。
アニメ第31話「選択の廟」で描かれたように、王位継承者を決める試練の場「選択の廟」は、この色覚特性を持つ者にしか解けない色の仕掛けが施されていました。これは、王母の血を引く者こそが正統な後継者である、という思想に基づいた、血筋による選別システムだったのです。
この重要な情報は、猫猫の養父であり羅漢の叔父でもある羅門(ルォメン) が、過去に選択の廟を調査した際に得た知識であり、羅漢に伝えられていました。博識な羅門は、西方の医学知識や古い伝承からこの秘密を知り、羅漢に伝えていたのです。羅漢は、この知識を元に、緑の果実水という誰も気づかぬような巧妙な罠を仕掛け、子昌が**「王母の血を引く者」** であることを突き止めたのでした。
茶会の裏側:阿多の存在と猫猫への伏線
この狐と狸の化かし合いを、もう一人の当事者として、しかし冷静に見つめていたのが、皇弟の影武者・阿多(アードゥオ) でした。
影武者の理由:猫猫、最優先
彼女が壬氏の代役を務めたのは、他でもない、猫猫が行方不明になり、壬氏がいてもたってもいられず捜索に向かったため[query補足情報]。国の重要人物との会談よりも、一人の少女(しかも特別な感情を抱く相手)を優先する壬氏の行動は、彼の人間味と、猫猫への想いの深さを物語っています。そして、その壬氏の「弱さ」を理解し、完璧に代役を務められる阿多の存在の大きさも示唆しています。阿多自身がこの茶会で何かを画策していたわけではありませんが、彼女の存在自体が、壬氏の猫猫への感情の深さと、彼を取り巻く状況の複雑さを物語っているのです。

阿多の観察眼:「狐は変人、狸は普通?」
茶会後、覆面を取った阿多は、この異様な会合を**「狐(羅漢)が変人すぎて狸(子昌)が普通に見えた」** と評します。これは、羅漢の奇行ぶり(特に愛妻話)が際立っていた一方で、子昌は(内心はどうあれ)老獪な政治家として常識的な範疇で振る舞っていた、という阿多の冷静な分析でしょう。さらに「嫁(鳳仙)には甘いようだがな」と、羅漢の本質を見抜くような言葉も。
それに対し、高順の息子(馬閃)が「娘(猫猫)にも甘いようです」と付け加えます。この会話は、阿多も羅漢と猫猫の関係を知っていること、そして猫猫が今回の権力闘争の中心人物たち(羅漢、壬氏)にとって、いかに重要な存在であるかを暗に示しています。
猫猫誘拐への伏線:繋がる点と線
この茶会での出来事は、一見、猫猫の誘拐事件とは別軸で進んでいるように見えますが、水面下では深く繋がっています。
- 子の一族の陰謀: 子昌が王母の血筋であることが確定し、「子の一族」が皇位簒奪や国家転覆を狙う陰謀を進めている可能性が極めて高くなりました。北州での暗殺未遂や飛発の製造も、その一環と考えられます。猫猫を連れ去った翠苓も「子」の一族と関わりが深い人物であり、猫猫がその陰謀の渦中に放り込まれたことを示唆します。
- 羅漢の動き: 娘・猫猫が「子」の一族に誘拐されたと知れば、羅漢が黙っているはずがありません。子の一族の危険性を確信した彼が、軍師として、そして父親としてどう動くのか? 彼の行動が、今後の展開を大きく左右するでしょう。
- 壬氏の決意: 猫猫を救出するため、壬氏は皇弟としての力を行使することになるでしょう。それは、「子」の一族との全面対決に発展する可能性を秘めています。猫猫の存在が、図らずも宮廷内の勢力争いを激化させる触媒となってしまったのです。
この静かな茶会は、猫猫の個人的な危機が、国の運命を左右する大きな陰謀へと直結していることを示す、重要なターニングポイントだったと言えるでしょう。
まとめ:静かなる茶会、燃え上がる火種
第40話後半で繰り広げられた、羅漢と子昌による「狐と狸の化かし合い」。それは、単なる権力者同士の腹の探り合いではなく、国の歴史や血筋、そして未来を左右する陰謀が複雑に絡み合った、濃密な心理戦でした。
緑色の葡萄ジュースが白日の下に晒した、子昌の「王母の血」という秘密。それは、彼の背後にある「子の一族」の不穏な動きと結びつき、物語に新たな緊張感をもたらしました。
羅漢の非凡な洞察力と狡猾な一手。子昌の底知れぬ老獪さと、あるいは内に秘めた葛藤。そして、すべてを見通すかのような阿多の存在感。登場人物たちの思惑が複雑に交差し、物語はさらに深淵へと誘います。
猫猫は無事に帰還できるのか? 狐と狸の化かし合いの行く末は? 子の一族の陰謀は阻止されるのか? 次回以降の展開から、ますます目が離せません!
👇40話前半はこちら!
『薬屋のひとりごと』をもっと楽しむ!魅惑の関連グッズ
アニメを見て、もっと深く『薬屋のひとりごと』の世界に浸りたい! そう思ったあなたへ。魅力的なキャラクターたちの素敵なグッズがたくさん登場していますよ。お部屋に飾ったり、日常で使ったり、楽しみ方は無限大です!
- いつでも側に!定番アイテム:
- アクリルスタンド・キーホルダー: 美麗なイラストの猫猫や壬氏、お気に入りのキャラクターをデスクやお出かけのお供に。様々な衣装や表情のバリエーションがあります。
- クリアファイル・缶バッジ: コレクション性が高く、手軽に集められるのが魅力。書類整理やバッグのアクセントにも。
- ぬいぐるみ・マスコット: デフォルメされた可愛い猫猫や壬氏に癒やされること間違いなし。もちころりんなども人気です。
- 日常を彩るこだわりグッズ:
- 美濃焼シリーズ: 猫猫や壬氏をイメージしたデザインのマグカップやお皿など。落ち着いたデザインで普段使いしやすいのが嬉しいですね。
- かんざし: 作中で猫猫が壬氏から贈られた、あの印象的なかんざしを再現したものも! コスプレだけでなく、和装時のアクセサリーとしても素敵です。
- 香水・フレグランス: キャラクターをイメージした香りが登場することも。推しの香りに包まれる幸せを体験してみては?
- 描き下ろしイラストグッズ: イベントやコラボレーション限定で描き下ろされた特別なイラストを使用したグッズは、ファンならずとも手に入れたい逸品。
これらのグッズは、アニメイト、TOHO animation STOREなどの公式ストアや、各種オンラインショップ(Amazon、楽天市場など)、キャラクターグッズ専門店などで購入可能です。人気商品はすぐに売り切れてしまうこともあるので、こまめに情報をチェックするのがおすすめです!
見逃せない!関連イベント&コラボ情報
『薬屋のひとりごと』の勢いは止まりません! アニメの世界観をリアルで体験できるイベントや、楽しいコラボレーション企画も目白押しです。
- TVアニメ『薬屋のひとりごと』展:
- ファン待望の初大型展示イベント! 東京会場(松屋銀座)は大盛況のうちに終了し、現在は福岡会場(博多阪急)が開催中(2025年5月12日まで)。今後も全国巡回が予定されています。
- アニメの名場面を再現した展示や、貴重な設定資料、原画などが満載。まるで後宮に迷い込んだかのような没入感を味わえます。
- 会場限定のオリジナルグッズも見逃せません!
- 画像を読み込めません
- 注目のコラボレーション:
- 極楽湯・RAKU SPA: 作品をイメージしたコラボ風呂や限定メニュー、描き下ろしイラストを使用したグッズ販売など、お風呂繋がり(?)の楽しい企画。
- カラオケまねきねこ: コラボドリンクを注文するとオリジナルコースターがもらえるほか、限定グッズも販売。
- 神田祭: なんと、令和七年(2025年)斎行予定の神田祭との公式コラボが決定! 描き下ろしイラストを用いた授与品(縁起物)や記念グッズが展開されています。歴史あるお祭りとの異色の組み合わせに注目です。
- リアル脱出ゲーム: 横浜で開催された「謎解き街歩き」など、実際に街を歩きながら謎を解く体験型イベントも人気を集めました。今後、新たな謎解きイベントの開催も期待したいですね。
- その他: スイーツパラダイスでのコラボカフェや、各地でのPOP UP SHOPなども随時開催されています。
- 過去のイベントもチェック:
- AnimeJapanなどの大型アニメイベントでのステージイベントでは、豪華声優陣が登壇し、作品の魅力を語りました。今後もキャストが出演するイベントが開催される可能性があるので、続報を待ちましょう。
最新のイベントやコラボ情報は、アニメ『薬屋のひとりごと』公式サイトのニュースページや、公式X(旧Twitter)アカウントで告知されています。気になる方はぜひフォローして、最新情報をゲットしてくださいね!
考えるほどに深みにハマる『薬屋のひとりごと』の世界。毎週金曜日の放送を楽しみにしつつ、関連グッズやイベントで、さらに作品愛を深めてみてはいかがでしょうか。次回の放送も、固唾を飲んで見守りましょう!
2種類のコミックスシリーズ
「薬屋のひとりごと」には2種類のコミックスシリーズがあります。それぞれの最新刊情報は以下の通りです。
ビッグガンガン版(スクウェア・エニックス)
- タイトル: 薬屋のひとりごと
- 出版社: スクウェア・エニックス
- レーベル: ビッグガンガンコミックス
- 作者: 原作:日向夏(ヒーロー文庫/イマジカインフォス)、作画:ねこクラゲ、構成:七緒一綺、キャラクター原案:しのとうこ
- 最新刊: 15巻(2025年3月25日発売予定)
- 特徴: より「恋愛コメディ」的な要素が強く、かわいらしい作画で明るい印象の作品です。
2. サンデーGX版(小学館)
- タイトル: 薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~
- 出版社: 小学館
- レーベル: サンデーGXコミックス
- 作者: 原作:日向夏、作画:倉田三ノ路、キャラクター原案:しのとうこ
- 最新刊: 19巻(2024年12月19日発売)
- 特徴: よりクールな作画スタイルで、ミステリー要素を重視した作品です。
どちらも同じ原作小説をコミカライズしたものですが、作画や構成が異なり、それぞれ独自の魅力を持っています。原作小説は現在15巻まで刊行されており、シリーズ累計3,800万部を突破する大人気作品となっています。
アニメはどちらをベースにしているの?
アニメ『薬屋のひとりごと』は、2種類のコミカライズ版のどちらかをベースにしているわけではなく、原作小説を直接アニメ化しています。
アニメ版の原作は、漫画版のどちらでもなく、現在第15巻まで刊行されている小説版の「薬屋のひとりごと」です。アニメと漫画の内容はほぼ同じですが、これはどちらの漫画も原作小説を忠実に漫画化しているからであり、どちらかの漫画のストーリーを採用しているわけではありません。
アニメのキャラクターデザインについても、漫画版のビジュアルが使われているのではなく、小説版のイラストをベースとしたデザインとなっています。アニメのクレジットには、「キャラクター原案」として小説版のイラストを手掛けたしのとうこ氏、「キャラクターデザイン」として中谷友紀子氏の名前が記載されています。
プロデューサーの菱山光輝氏は、本作の制作にあたり「原作小説に誠実にあること」を重要なテーマとして掲げました。原作はコミカライズやドラマCD化など、さまざまに展開して多くのファンを獲得してきた作品であり、ファンの一人一人にそれぞれの解釈が生まれているため、チーム全体としてあくまでベースは原作小説であるという意識を持つことを重要視したとのことです。
ただし、アニメのコメディ描写や衣装、髪型などの要素は、スクウェア・エニックス版(ねこクラゲ氏作画)のコミカライズの影響を受けている部分もあるという意見もあります。しかし、これは公式に明言されたものではなく、視聴者の印象によるものです。
結論として、アニメ『薬屋のひとりごと』は2種類のコミカライズ版のどちらかをベースにしているのではなく、原作小説を直接アニメ化した作品です。
『薬屋のひとりごと』原作小説について
作品概要
『薬屋のひとりごと』は、日向夏氏によるライトノベル作品で、架空の中華風帝国「茘(リー)」を舞台に、後宮に勤める官女「猫猫(マオマオ)」が王宮内に巻き起こる事件の謎を薬学の専門知識で解くミステリー、ファンタジー、ラブコメディ小説です。
この作品は2011年10月に小説投稿サイト「小説家になろう」で連載が開始され、人気を博したことから2012年9月に主婦の友社のRay Booksから単行本として発売されました。その後、2014年8月にヒーロー文庫(主婦の友社→イマジカインフォス)から新装刊され、現在も継続して刊行されています。
現在、原作小説は文庫版で15巻まで刊行されています(2024年3月現在)。最新刊の15巻は2024年3月29日に発売されました。
作者・日向夏について
日向夏氏は福岡県在住の作家で、本名や年齢などの詳細なプロフィールは非公開となっています。大学卒業後は会社員として勤めていましたが、東日本大震災後に自宅にいる時間が増えたことをきっかけに、「小説家になろう」で『薬屋のひとりごと』の連載を開始しました。
日向夏氏の得意ジャンルはファンタジーや謎解きで、『薬屋のひとりごと』以外にも『トネリコの王』『緋凰仙華』『路地裏の精霊姫』『繰り巫女あやかし夜噺』など多数の作品を執筆しています。
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収録分数:約136分(第25話~第30話収録)+映像特典/DISC枚数:1枚
<特典内容>
【初回生産限定特典】
《封入特典》
◆特製三方背
◆キャラクターデザイン・中谷友紀子描きおろしデジパック
◆スペシャルブックレット(42P)
◆原作小説着せ替えブックカバー
【初回・通常共通特典】
《音声特典》
◆第29話オーディオコメンタリー(猫猫役:悠木碧/壬氏役:大塚剛央/子翠役:瀬戸麻沙美)
《映像特典》
◆第2期ティザーPV 第2弾
◆第2期本PV
◆第2期ファイナルPV
◆ノンクレジットOP
◆ノンクレジットED
「薬屋のひとりごと」を見れるVODは
今回紹介した「薬屋のひとりごと」を見ることができるVODを紹介します。
「薬屋のひとりごと」を視聴できるVODサービス一覧
配信サービス | 月額料金(税込) | 無料期間 | 特徴 |
---|---|---|---|
U-NEXT | 2,189円 | 31日間 | 豊富なコンテンツ数。ラノベやマンガも楽しめ、利用料金の40%がポイント還元。 |
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【薬屋】39話『氷菓』~小蘭の危機と猫猫の友情が生んだ冷たい奇跡!
前半のまとめです👇
☆☆☆☆☆今回はここまで。
※使用した写真および文章の一部はアニメ公式サイトより転載しました。

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