ホンダヴェゼル購入記№53
画像はBYDの公式サイトからお借りしました。
実車を見てきたよ!
中国から世界最大級のEVメーカーが日本進出
BYD(比亜迪)が日本進出を発表
中国から世界最大規模の自動車メーカーBYD(比亜迪)が日本進出を発表しました。
2022年7月21日の発表会資料から引用します。
BYD Auto Japanが発売を予定しているのは、最新のテクノロジーが満載のスタイリッシュなミドルサイズe-SUV「ATTO 3(読み:アットスリー)」と、日常に溶け込むサイズでさまざまなライフスタイルにマッチするe-Compact「DOLPHIN(読み:ドルフィン)」、BYDの最新技術を結集したハイエンドなe-Sedan「SEAL(読み:シール)」の3車種です。
2023年1月に発売予定の「ATTO 3」を皮切りに、2023年中頃に「DOLPHIN」、2023年下半期に「SEAL」の発売を予定しています。
BYDニュースリリース
BYDは世界6大陸・70超の国と地域・400超の都市でEVを展開する世界最大級の自動車メーカーです。
BYDの強みはリチウム電池を自社で製造している点です。はもともとはバッテリーメーカーであるため、バッテリーから車体まで全て自社で生産できる強みを持っています。
日本には2005年に設立したBYDジャパンとして進出し、国内でEVバスやEVフォークリフトなどを中心に事業を展開しています。
2023年1月にATTO3(アットスリー)を発売
まずは2023年1月にATTO3が発売されます。
『ちょうどいいサイズに最新のテクノロジーが満載 ミドルサイズe-SUV「ATTO 3」 』なんだそうです。
「ATTO 3」は、2022年2月に中国で販売を開始して以降、シンガポールやオーストラリアなど中国国外でも好評を得ています。 BYDが独自開発した「ブレードバッテリー」を搭載したEV専用のプラットフォーム「e-Platform 3.0」を採用し、485kmの航続距離(WLTC値※5)と高い安全性、フラットな床面によって広い車内空間と440Lの荷室容量を実現しました。
2023年夏以降にDOLPHINを発売
『さまざまなライフスタイルにマッチする e-Compact「DOLPHIN」』と題して次のように説明しています。
2021年8月に中国で販売開始した「DOLPHIN」は、海からのインスピレーションを得て、エクステリアとインテリアの随所にイルカをイメージしたデザインが施されています。
「e-Platform 3.0」を採用し、471km(WLTC値)の航続距離を可能にしました。ラインナップはスタンダード、ハイグレードの2種類で、両グレードで交通標識認識システムや誤発進抑制機能などの充実した安全装備を標準搭載しています。安全性に妥協せず、日本のお客様の生活を支えるコンパクトEVです。
DOLPHINの外観です。
僕には90年代から2000年頃のコンパクトカーみたいに見えます。フロントマスクがちょっと古臭いかなと思うのですが、あなたにはどう見えますか?
中国では2021年8月に販売され、毎月コンスタントに1万台レベルの販売実績があるコンパクトカーです。
日本では2023年の半ばから販売開始とのことです。
内装はイルカをイメージしているそうですよ。
そう言えばエアコンの吹き出し口がお目目に見えたり、ドアハンドルが胸びれに見えたりします。
でもちょっと色合いが・・・気になりますね。
SEALはスポーツセダン クラウンと競合するか
BYDの最新技術を結集したハイエンドe-Sedan「SEAL」は中国では先月発表になったばかりです。
日本での発売時期は2023年下半期とのこと。
「SEAL」は、「DOLPHIN」と同じく海からのインスピレーションを得ており、スポーティーかつエレガントなデザインを特徴としたEVセダンです。BYDが2022年5月に発表したばかりの最新モデルで、その航続距離は555km(欧州WLTP値※7)に達します。
高い安全性と長い航続距離を誇るBYDの最先端技術が結集された「SEAL」が、EVの新しい選択肢となることを期待しています。
SEALってアザラシなんですよね。外観は進撃の巨人のあの人に見えちゃうな。
内装はあっさりした感じに見えますが、ディスプレイオーディオが大っきいですね。
多分クラウンクラスのクルマと競合するんでしょうが、内装には高級感があんまりないですね。
でも実物だといいんだろうな。見てみたいです。今度横浜に見にいってみます。
横浜赤レンガ倉庫で2022年7月30日(土)~8月28日(日)の日程でBYDの「ATTO 3」「DOLPHIN」「SEAL」を展示しています。興味のある方は見にいきましょう!
ATTO3の価格競争力に注目
ATTO3は都会派モダンなSUV
ATTOとは物理学でいう最も短い時間の単位ATTOSECONDから名付けれました。
2022年3月に中国で発売開始、オーストラリアにも進出しています。俊敏な走りを売りにした車とのことです。
外装デザインは都会派のモダンなSUVと言った印象を醸し出しています。
カラーバリエーションは5色、ツートンカラーは無く、ややおとなしめの色合いになっています。
外装の見た目はあまり奇抜な感じもせず、極めてオーソドックスなSUVに見えます。
ところが内装はあまり見たことのない雰囲気です。
フィットネスジムをモチーフとしてファッショナブルなスタイリングに仕上げたそうです。
リアシートの床面も完全にフルフラットになっています。
外装がシックなだけに内装はちょっと子供っぽいというか、ガチャガチャした感じがしますね。
屋根はグラストップのパノラマルーフです。
シートの色合いとパノラマルーフだけを見ると今は買うことができないヴェゼルのPLaYを彷彿させますね。
ところでヴェゼルPLaYは依然と注文受付停止ですが、生産終了になったという話を聞きました。特別仕様車的な位置づけとなり、中古車が今まで以上に爆上がりするとか・・・本当にPLaY無くなっちゃうのかな?
軽い車体で0-100㎞/hは驚異の速さ
価格はまだ発表されていませんが、スペックは表のとおりです。
日産のアリア、トヨタのBz4Xと比較しました。
全長は3車の中で一番短く、全幅は大きいですが最小回転半径は5.35mと一番取り回しが良くなっています。
注目したいのは車両重量です。アリアやBz4Xと比較して約200㎏も軽い車体となっています。
150kWのモーター出力はアリア(160kWh)、BZ4X(150kWh)と変わらないため、相当速いのではないかと推測されます。
発表会の中で0-100km/hが7.3秒と言っていました。
これがどれくらい速いかというと、スバルのBRZが7.6秒、トヨタのMR2 III 1.8 16v VVT-iとマツダのロードスター 2.0i (NC)が7.9秒なんだそうです。7.3秒だとレクサスES350がこの数値です。
それより速い国産車にはマツダのRX-8 231(6.4秒)がありますが、これはもう頭文字(イニシャル)D 高橋啓介の FD3S RX-7 プロジェクトD仕様みたいなもんなんで、ちょっと別世界のクルマです。
つまり、7.3秒って物凄く速いってことです!
ATTO3 東京都民なら300万円で買える?
気になるお値段ですが、まだ発表されていません。
でも「車両価格の高さ」や「充電設備の不足」、「航続距離への不安」、「ラインナップの少なさ」などのEVの課題を克服するという言い方をしていたので、価格はきっと高くはないでしょう。
日産のアリアが539-740万円、トヨタのBz4Xが600-650万円(実際はリースのKINTO利用で売り切りなし)なので両車より安い価格帯になるんじゃないでしょうか。
僕は450~500万円と予測します。
するとどうなるか。下の絵を見てください。日産アリアの公式サイトです。
令和4年度の国の補助金92万円、東京都民なら60万円、最大で合計152万円のEV補助金を受けることができます。
そうすると東京都の場合実売価格は300~350万円(国からの補助金のみだと360~410万円)ということになります。
ちょっと安すぎかなと思いますが、どうでしょうか。
東京都民の方、羨ましいな
ホンダZR-Vとガチ勝負か?
国産のEVでのSUVは先ほどのアリアとBz4X(スバルならソルテラ)しかありません。価格ではATTO3はその下で攻めて来るでしょう。
補助金込みの価格で考えると、今年の9月から先行予約を開始するホンダのZR-Vもライバルになります。
国からのEV補助金(92万円)のみで考えるとATTO3は360~410万円程度になりそうです。
ZR-Vを400万円からと僕は予想しています。すると価格帯が被るんですね。
EVとハイブリッドの違いはありますが、ZR-Vに搭載されるスポーツe:HEVはシビックに初搭載された動力性能の高いシステムです。走りのキレにおいてはATTO3に劣ることはないでしょう。
真っ向勝負で競合車になる予感がします。
いずれにしてもATTO3の価格競争力に注目です。
設定価格次第では日本のクルマの価格破壊を起こすことも予想できますからね。
BYDの本気度に注目・『三方よし』の戦略かも
日本へのEVでの進出の本気度
BYDがどのような会社かご存じない方にお知らせします。
- ITエレクトロニクス、電気自動車、新エネルギー、モノレールの4つの事業展開
- EVは世界6大陸・70超の国と地域・400超の都市で展開
- 従業員数29万人超
- 売上高約4.1兆円(2021年度)
世界一の自動車販売会社と言われるトヨタは従業員数(連結)37万人超、売上高33兆円です。
トヨタと比較すると従業員数の割に売上高が少ないと感じませんか?
これは今までは主力が売り上げ単価の安いIT部品やリチウム電池が主力製品だったからです。
2022年3月にBYDはガソリン車の生産を終了させ、NEV(新エネルギー)車のみに切り替えました。
いよいよ単価の高いクルマの販売を本格的に開始したということになります。
日本へのEVでの進出も全力を出しての本気度が伺えます。
47都道府県に100店舗展開
BYDは2025年末までに47都道府県、100店舗の展開を表明しています。
ネット販売ではなく、対面販売を重視するというのです。当然ディーラーには充電設備を設置するし、メンテナンスも実施します。
これは日本車メーカーにとって大いに脅威になることです。
僕の住んでいるような九州の田舎の県でもBYDのクルマを見て・触って・試乗することが可能になれば、きっと選択肢に入れる人は増えます。
何故ならBYDのクルマは日本のEV車と比較すると安いと思うからです。
補助金が出るならハイブリッド車やPHEV車とも競合する価格帯になります。
BYDが掲げる47都道府県に100店舗展開の戦略は僕らにとってはチャンス、日本車メーカーにとってはピンチです。
オートファイナンスとカーアクセサリーに注目
BYDが日本進出に関して表明したことをまとめます。
- 2023年1月販売のATTO3を皮切りに日本で3車種を販売
- 2025年末までに全国47都道府県に100店舗以上を展開
- 自社のオートファイナンスをジャックスと提携して提供
- BYD独自のサービスを生かした自社ブランドの保険を提案
- 純正部品だけでないカーアクセサリーを提供
- 自宅での充電設備の提案、出先で使えるカードの提案
- 新車は4年10万㎞の保証、バッテリーは8年15万㎞の保証
この中で僕が気になるのはオートファイナンスとカーアクセサリーです。
オートファイナンスはジャックスと提携すると表明しています。
以前僕がルノーのキャプチャーを検討した時、ルノーがジャックスのローンを提案してきました。
その時の記事はこれ。ジャックスのローンのことも書いてるよ。
ローン金利は1.9%で繰上返済可能、一部返済も可能という自由度の高いローンで印象に残っています。
きっとATTO3販売の際も思い切った金利(0%台の金利とか)や自由度の高いローンを提案してくるでしょう。
もう一つカーアクセサリーを提供すると言ったのが面白いと感じました。
「純正部品だけでない」と言っているので、恐らく純正より安くてバラエティに富んだアクセサリー製造販売会社と提携して売っていくのでしょうね。
車の購入者にとっては購入時の価格を抑えられるし、装備の自由度が増します。
BYDはパテント料を取れるので多くのアクセサリー会社と提携できれば利益を産みます。
もちろんアクセサリー会社も売れれば儲かります。
『三方よし』の戦略かもしれません。
☆☆☆☆☆
今日はここまで。また見てね👋