日本株でGO! №11
ネクステージ(3186)が3日連続で急落
ネクステージに文春砲が炸裂!
2023年9月6日(水)の朝、文芸春秋社が次の記事を出しました。
ビッグモーター(BM)による保険金の不正請求問題が明るみに出て、中古車販売業者に注目が集まる中、BMに次ぐ業界第2位「ネクステージ」でも同様の不正が横行している疑いがあることが「週刊文春」の取材でわかった。複数の現役社員、元社員が告発した。
あたかもネクステージがビッグモーターと同様の不正を行ったように記載されていますが、ビッグモーターの不正は「保険金不正請求」です。
この記事を読むとあたかもネクステージでも「同様の不正」、つまり保険金不正請求が組織的に行われていたかのような印象を持ちます。
この件に関して週刊文春を発行する文芸春秋社とネクステージの間で熾烈なやり取りも行われています。
週刊文春とネクステージのやりとりはこの記事をご覧ください。
ネクステージの株価は30%下落
9月6日の週刊文春の報道を受け、ネクステージの株価ストップ安。
その後2日連続で下落し、週末を迎えました。
9月5日の3480円から2398円への急落です。
下落率は30%。
9月8日は下ひげを引いていますが、翌週からどうなるか注目されています。
なお、9月8日の下落については先ほど紹介した次の記事に記載しています。
☞114.ネクステージに文春砲が炸裂?質問状とその回答の一部始終をお話しします。
詳細を見に行って欲しいのですが、該当部分だけここにもう一度書きます。
9月8日の株価下落には国土交通大臣の記者会見が
文春砲が炸裂したのが9月6日。
この日、前日対比700円安、率にして▲20.2%でストップ安を付けました。
これは文春砲炸裂の効果。
この日株探にはこのように記載されています。
ネクステージ<3186>はストップ安。ビッグモーターの保険金不正請求問題が明るみになり、中古車販売業者に注目が集まる中、業界第2位の同社でも同様の不正が横行している疑いがあることがわかったと一部のメディアが伝えている。不信感の高まりによる今後の事業への影響を警戒視する動きが優勢となっているもよう。なお、会社側では9月1日に、報道機関からの質問状についてとして、質問内容やその回答内容をリリースしている。
この日の日足は陰の丸坊主です。
でも寄り付いたんだから翌日も再度ストップ安になることはないだろうなと思っていました。
そして翌日の7日長い下ひげを引いた陰線で前日比▲3.2%。
僕はこの時、明日は上がるだろうなと思っていました。
しかし、翌8日はさらに大きく下落。
恐らくですがその理由が損保ジャパン社長の引責辞任辞任ニュースに加え、このニュースが出たから。
国交相が閣議後の記者会見です。
この閣議後の記者会見というのは閣議後に記者が取り囲み、それについて大臣が答えるもの。
この日は15分間で7つの質疑をしています。
そのうちの一つがこちらです。
特に何というほどの情報はないものなのですが、昼休み時間に流れたので午後の株価下落に大きく影響したようです。
中古車大手ネクステージの不正報道について
(記者)
2点目です。
中古車販売業界についてです。
ビッグモーターに次ぐ大手のネクステージ社でも保険契約を巡る不正疑惑が報じられました。
今回整備業の話ではありませんけれど、国土交通省で対応は検討されていますでしょうか。
(大臣)
御指摘の報道及び、9月1日の株式会社ネクステージの発表については、承知しています。
同社の発表には、自動車整備の不正に関するものは確認できませんが、国土交通省としては、道路運送車両法の観点から、事実関係を確認したいと考えています。
(記者)
ビッグモーター社のように聞き取り調査を行われるという考えでしょうか。
(大臣)
方法については、またこれから具体的に考えたいと思います。
ヒアリングを行うというところかと思いますが、具体的な方法については今検討中です。
9月8日の午後、ネクステージの株価はさらに急落しました。
11時20分に2614円でしたが12時50分には2398円。
216円の下落です。
ネクステージの株価は30%下落
今回の急落を受け、ネクステージ株の暴落はまだまだ続くとか、上場廃止だとかネットで騒がれています。
本当でしょうか?
確かに今回3日間で30%もの急落となっています。
しかし中期的目線で見るとネクステージの株価は上下動を繰り返しながら上昇局面にあります。
下のチャートは2021年からの3年間の週足チャートです。
いかがでしょうか。
現時点ではまだ「暴落」とは言えません。
しかし、週明けにはどうなるのかという疑問も残ります。
2017年からの月足チャートを見てみましょう。
2022年央以降、下落局面では2500円のところで何度も跳ね返されています。
今回の下落局面での9月8日の終値は2501円です。
場中は2398円台もありましたが終値ではこの抵抗ラインを割り込まず、踏み留まっています。
2400円台で購入できた方、おめでとうございます!と言えるのではないでしょうか。
株をやっていない人からの「今までのホルダーは大打撃ではないか」と反論もあるでしょう。
7月10日の最高値3810円から終値2501円の下落率は34.3%。
今回3日間の下落途中で多くのホルダーは逃げていると思います。
大損を抱えて明日以降の動きにドキドキしている株主はそんなにいないはずです。
急増する空売り
今回の急落には文春砲の他、にビッグモーターとつるんでいた損保ジャパンの社長の引責辞任(9月8日)、
斉藤国土交通大臣のコメント(同日)という複合的な要素がありました。
それは空売りです。
ネクステージは貸借銘柄なので証券会社から株を借り入れて空売りすることができます。
9月6日の文春砲を好機ととらえた空売り筋が参戦したことも急落に拍車をかけています。
直近の信用倍率は0.28
ネクステージは8月以降、売り残が買い残を常に上回っています。
直近の信用倍率は0.28倍。9月1日の倍率です
文春砲が炸裂した多くの信用取引参加がネクステージの株価が下落することを狙って参戦していました。
空売りの理由は直近の株価の上昇スピードが速すぎると判断されたからでしょう。
7月初旬に窓を空けて急騰しました。理由は中間決算の発表です。
好業績で急上昇しましたが、8月以降、「上がりすぎじゃないの」と思った参加者が多くいたんでしょうね。
2023年07月04日10時36分
ネクステージ—大幅続伸、3-5月期の収益回復をポジティブ視
ネクステージ<3186>は大幅続伸。前日に上半期の決算を発表。営業利益は79.7億円で前年同期比13.0%減となり、従来計画の112億円を大きく下振れる着地になっている。ただ、第1四半期の17.7億円に対して、3-5月期は62億円で同29.9%増となっており、市場予想も5億円程度上振れているとみられる。商品回転日数の短縮化などで粗利益率が改善。会社側通期計画達成のハードルが高いことは想定線、順調な収益回復傾向がポジティブに捉えられている。
9月の日証金貸借倍率は0.25に
それに加えて9月8日に文春砲以外の悪材料と言えるニュースが噴出したため、その日一日での貸株も急増しました。
9月8日の1日で322,700株の貸株。それに対して信用買いの新規はは70,900株です。
この日、日証金から32万株が「売り」として
これらの短期取りを狙った強烈な売り圧力も今回の下落に大きく関わっていたのです。
週明けさらにストップ安
9月12日に再度ストップ安に
週明けの9月12日、ネクステージの株価は再度ストップ安に見舞われます。
終値1848円。前日対比▲500円のストップ安です。下落率21.3%。
文春砲発動前日の高値3480円から46.9%のマイナス。
半値水準までの急落です。
なぜここまで下落したのかの理由は浜脇社長の辞任です。
浜脇社長の辞任が株価下落に拍車を
9月11日の夜、ネクステージの浜脇社長辞任のニュースが発表されました。
翌12日の株探のコメントです。
ネクステージがS安、浜脇社長の辞任とインセンティブ廃止の影響を警戒
ネクステージ<3186>が大幅に5日続落。ストップ安の水準となる前営業日比500円安の1848円に売られ、2021年7月以来の安値圏に沈んだ。11日の取引終了後、浜脇浩次社長が同日付で退任し、創業者の広田靖治会長が社長を兼務する人事を発表した。浜脇氏から社長辞任の申し出があり、受理されたという。更に開示資料のなかで、従業員向けのインセンティブを廃止する方針も明らかにした。事業成長を続けてきたネクステージだが、今後の経営への影響を警戒した売りが膨らんだようだ。ビッグモーター(東京都港区)の不正発覚を受け中古車業界に対する厳しい視線が向けられるなか、ネクステージは1日に報道機関からの質問事項の回答内容を開示。そのなかで、同社において過去に不適切事案があったと公表していた。
文春砲からわずか5日でネクステージは浜脇社長が辞任というまさかのニュースです。
僕の記事も見て下さい。
辞任の理由は組織的な保険金請求不正による「引責辞任」ではありませんでした。
過去にいくつかの不正はあったことを認めたうえで、
それは組織的に行ったものではないが、発生する要因や環境そのものを排除する必要がある。
との理由でした。
僕はこのコメントを信じています。
ですがタイミングが悪かった。
翌日、株価は前日対比500円マイナスのストップ安に見舞われました。
9月13日、株価は浜脇社長の辞任理由公開で反転
翌日の9月13日、ネクステージの株価が反転します。
一時1709円まで下落しましたが、その後上昇に転じ、終値では前日対比5.1%の1948円にまで戻しました。
5日ぶりの陽線です。
流石に売られ過ぎ去ろうと見た買いが入ったのでしょうが、その背中の推したのは東洋経済新報社の報道だと僕は思っています。
9月13日にグーグル検索で「ネクステージ 不正」と入力すると1番目に出て来るのがこれです。
東洋経済ONLINEの独自取材記事です。
辞任したネクステージの浜脇社長に辞任当当日のの9月11日に取材したもの。
週刊文春の記事と比べると浜脇社長の顔出しでしっかり取材している感があります。
6ページにわたる内容です。
この中で浜脇社長は自分の言葉で次のように述べています。
私は2016年に副社長に就任して以来、数字の結果を追う方針から、プロセスを重視する方針に段階的に変えてきた。こうした取り組みによって収益面だけではなく、企業としても成長できたと思っている。
それでも、不正などの問題が起きないとは思っていない。起きた問題、わかった問題に対してはきちんと対応するし、当局を含めた関係各所にも報告している。われわれに非がないとは言わないが、不正の発生率などを無視して企業風土に問題があるかのように報道されるのは非常に残念だ。
9月13日の株価の反転はこの浜脇社長の辞任理由を公公開した記事が理由だと思います。
なお、記事の中で浜脇氏は「文春砲」について「文春の報道は関係ない」と語っています。
文春の報道は関係ない
――企業風土の抜本的な改革になります。自ら改革を主導するべきではありませんか。「文春砲」を受けて逃げたようなイメージがつきませんか。
文春砲は関係ない。彼らが報じているのは対応済み、報告済みの案件ばかりだ。ただ、そのように受け取る人がいるだろうし、それは気にしない。文春報道後に業績に悪影響は出ていない。
これは上手な対応だと思います。
ここで「文春砲」に恨み節でも唱えれば、まさに相手の思う壺です。
文春砲はさらに追撃
浜脇氏は文春砲を刺激しないようコメントしましたが、週刊文春はそれでも追撃に出ました。
9月13日、「ネクステージ 文春」とグーグル検索すると文春オンラインがトップに出てきます。
記事タイトルはこちら
一部を抜き出します。
本人の代わりに契約書を承認する保険の「代理クリック」が横行
社員らから寄せられた、不正やパワハラを告発するこうした声を受けて、ネクステージに疑惑の事実関係を質問したところ、同社はいくつかの疑惑が事実だと認めた上で〈適宜対処と対策を講じております〉と回答。不適切、不正な事案は過去のことで、対応済みだと主張した。
だが、小誌に寄せられるネクステージの “不正”に関する情報は、日を追うごとに増えていった。
最もわかりやすいのが保険の「代理クリック」契約である。ある現役社員の話。
「見込み客が月内に来ないと保険契約数が下がる。パソコンで本人の代わりに契約書を承認する『代理クリック』は当たり前でした」
記事を要約すると現役社員の話として
本人の代わりに契約書を承認する『代理クリック』は当たり前でした」
というコメントを紹介し、その行為について保険業法に詳しい弁護士の話としてほとんどが違法と切り捨てています。
僕はこの週刊文春の報道は行き過ぎではないかと思いましたけどね。
まあ、彼らは記事が売れるために宣伝文としてネットに一部を「見本」として出しているだけなんでこんな書き方になるんでしょうね。
ネクステージVS文春砲はどこまで行くの?
9月13日でまだ文春砲の発動から1週間。
ここまででこれだけの動きがあったネクステージVS文春砲、どこまで行くんでしょうか。
来週以降もウォッチします。
ネクステージの株価は戻るのか?
3段階の動きを想定
浜脇社長辞任報道前、僕は次のような三段階での株価の戻りを想定していました。
ここからは僕の予想(と妄想)です。
まずはネクステージに不祥事件は発生していないという前提でのお話です。
ストーリーに重要なのが10月2日のネクステージの第三四半期決算発表。
決算発表までにネクステージの株価は3段階の動きを経て戻り、さらに上に行くと考えています。
3段階とは次の3つです。
- 9月11日の週:株価は急反発して激しく揉みあい。7日高値の2667円近辺まで回復
- 9月19日の週:2800円近辺を攻防戦とした揉みあい、出来高が次第に減少
- 9月25日の週:10月2日の決算を控えた思惑で2600円から3000円のレンジでの乱高下
しかし浜脇社長の辞任報道で状況が大きく変化しました。
9月12日に2回目のストップ安を付け、1848円まで下落。
僕は予測を大きく外してしまいましたね。
でも、あくまでもネクステージに組織的な不正はなかったという前提であれば3段階の復活は間違いないと考えています。
まずは今週末、9月15日の状況を見て翌週どうなるかを考えます。
10月2日の決算発表に注目
ネクステージは10月2日に第三四半期決算の発表を行う予定です。
ここが株価の更なる戻りに大きく影響するでしょう。
現状当社の業績は好調です。しかも後半につれ良くなっています。
原因は中古車相場の改善です。
2022年から半導体不足による新車の納車遅れで中古車販売業界にも原価の高騰というマイナスインパクトが続きました。
そう言えばこんなこともありました。
しかしここにきてそれは改善しています。
5月の上半期決算時にも「後半に収益性が大きく改善」と発表しています。
6月以降、業界トップのビッグモーターがあのような状態に陥ったため、ネクステージの販売には大きくプラスになっているはずです。
通期での上振れは確実と考えられます。
あとは上振れ幅がコンセンサスと比較して上か下かです。
なお、モルガンスタンレーは次のような見解を出しています。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券の見解(9月6日付)
元々、ビッグモーターの保険金不正請求問題以降、ネクステージを含め
て同業でも同様なことが起こるのではないかという投資家の不安は強
かった。今回のネクステージの報道はこの不安が顕在化した形であり、
ネガティブな株価反応は致し方ないであろう。
しかしながら報道されているネクステージの事案に関しては、既に会社
側が対応済みであり、内容に関してもビッグモーターの事案に比べて悪
質度合いはかなり低い印象である。よって今回のネクステージの事案に
対するマスコミ報道に関してもビッグモーターのように大きく取り上
げられる可能性は低いと弊社では考えており、業績への影響は軽微とみ
ている。よって、今回の報道に関しては「悪材料出尽くし」と捉えるこ
とが可能であり、押し目買いのチャンスであると弊社では考えている。
今後3ヶ月の展望~株価は4000円に
ネクステージの株価について11月末の本決算を迎える今後3ヶ月で僕は「上がる」と思っています。
4000円越えを想定しています。
モルガンスタンレーは5000円だと言っていますが、そこまで強気にはなれないかな・・・
問題の根源とネクステージの今後
中古車業界への不満が噴出
今回のネクステージの株価下落については9月6日の週刊文春の記事が大きく影響しています。
しかし、現段階(9月9日)では同社に保険請求の不正などの不祥事などの悪材料が顕在化しているわけではありません。
それなのにネット上ではネクステージを攻撃するコメントや動画が噴出しています。
この背景には中古車販売業界に対する不満の噴出があると考えています。
中古車は新車のような「定価」はありません。
「この車がお買い得かどうか」を低下に対する値引率で測ることができない商品です。
どうしても「本当にお得なのか」「損してるんじゃないか」「騙されてはいないか」
と疑心暗鬼になりがちです。
それに加え、今回の一連のビッグモーターに関する報道。
「滅茶苦茶な業界」という印象を持たれています。
この中古車業界への不満。
判りやすい数値として噴出したのがネクステージの株価急落だったのかもしれません。
ビッグモーターショックの連鎖
ビッグモーターの保険金不正請求問題は他の会社にも波及していました。
上場企業ではグッドスピードです。
この会社は実際に保険金の水増し請求を行っていました。
Yahoo!ニュースで(珍しく)動画付のニュースで報道されています。
マスメディアによる悪意のある『印象操作』の匂いがします。
しかし同社が不正を働いたのは事実。株価は急騰し、下値を模索中です。
しかし「ネクステージもこうなるのでは?」とは全く思いません。
株価下落前からグッドスピードという会社は業績のいい会社ではありません。
東海地方のローカルチェーンです。
僕は「グッドスピード」って知りませんでした。
短期的には買い場か?
グッドスピードの話を持ち出すまでもなく、ビッグモーターの事件に類することは他の中古車販売店でも行われているのではないかという疑念があります。
そして多かれ少なかれ行われているはずです。
それが判明した場合どうなるか。
中古車販売業界にはネクステージだけでなくガリバー(IDOM)やアップル、ラビット(USS)などがあります。
株価を見るといずれも急落してますね。
今回のネクステージショックを受け、連れ安しているようです。
これらの企業に何ら問題が無い場合、短期的には買い場ではないでしょうか。
僕はネクステージが一番の買い場だと思っているんですけどね。
今回はここまで、それではまたね👋
その後の株価の推移はこちらから☟
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なお、本ブログの記事は特定の商品や銘柄を推奨するものではありませんのでご了承ください。
あくまでも投資は自己責任でお願いしますね。