日本株でGO! №7
今回の波乱と日米株価指数の比較
SVBの経営破綻の原因は米国金利の引き上げ
アメリカのシリコンバレーバンクは3月10日経営破綻し、事業を停止しました。
この銀行はシリコンバレーのスタートアップ企業を融資先とした銀行で総資産2090億ドル(約28兆円)で資産規模は全米16位の中堅金融機関です。
この銀行破綻の原因は集めた預金の運用を米国債を中心とした債券で運用していたからです。
アメリカの金利が上昇を続けるにつれ、債券価格は下落します。そのため大きな含み損を抱え、増資でその含み損を解消しようとしたが増資に失敗、一気に経営破綻の噂が流れました。
取引先の企業は皆シリコンバレーの情報感度が非常に高い企業です。
この噂が流れるや否や一斉に預金の引き上げが始まり、経営破綻に至りました。
シリコンバレーバンクの経営破綻の原因は米国金利の引き上げです。
米国株より日本株の方が大きく急落
この波乱で日本の株価も大荒れです。
まずは日米の株価指数を見てみましょう。
日本株の方が直近値上がりしていたのでドスンと下がっている感じがありますね。
直近の高値と安値を比較します。下の枠内のとおりです。
アメリカの下落率は4.82ポイント、対する日本は5.63ポイントです。
日本の株の方が大きなダメージを受けています。
今回の騒動では震源地のアメリカより日本の方が大きな影響を受けています。
【NYダウ】
直近高値 3月6日 :33431.44ドル
直近安値 3月13日:31819.14ドル
下落率 4.82ポイント
【日経225】
直近高値 3月9日 :28623.15円
直近安値 3月17日 :27010.61円
下落率 5.63ポイント(NYダウより0.81大きい)
ポイントというと判りにくいですね。例えば1000万円日本株に投資していたら、この間56万3千円損したということになります。
1億円だったら563万円です。平均的なサラリーマン(年収461万円)の1年分以上の稼ぎが溶けたということです。
日本の金融株はさらに悲惨
日本の金融株はさらに悲惨な状況になっています。
三井住友FGは直近高値6261円から直近安値4997円でその差1264円、20.2ポイントの振れ幅です。
野村HDも直近高値573.9円から直近安値484.3円でその差89.6円、15.6ポイントの振れ幅です。
日本の金融株の場合は直近急上昇していたということで振れ幅が大きかったということもあります。
日銀が12月の金融政策決定会合で長期金利の変動許容幅を従来の0.25%程度から0.5%程度に拡大したことが要因です。金利上昇期待から金融株が上がり続けていました。
でも、日本の政策金利はマイナス0.10%。4.75%にまで上昇しているアメリカとは全く次元の異なるレベルです。
参考までに主要各国の政策金表をお見せします。
マイナスは日本だけ。金利体系が特殊なスイス(1.0%)を除けば他国は3%~5%程度の水準です。
この状態で金利上昇による債券価格の下落が生じ、今すぐに日本の金融機関の破綻が起きるでしょうか?
馬鹿げています。
日本株でGO!銘柄はどうか
大日本印刷(DNP)(7912)
僕が今までお話した『日本株でGO!」銘柄はどうでしょうか。
まずは最初に取り上げた大日本印刷(DNP)です。
直近高値4160円と安値3560円の差は600円、その差14.4ポイント。
金融株とあまり変わらない下落ですが、チャートで判るように直近は3千億円の自社株買いの報道で急騰したものです。
下落したといってもチャートの形が崩壊したようには見えません。
僕はこの株はいずれ5千円になると考えているので過熱感が薄れ、いい買い時にあるように見えます。
【ご参考】
ファーストリテイリング(9983)
3月1日に1株から3株の株式分割をした日本一高い株、ファーストリテイリング(9983)はどうでしょう。
直近高値29800円、安値27250円、その差2550円、ポイント差は8.55です。
本日は下落をしてはいますが75日線に支えられた下ひげを付けた陽線が立っています。
75日線を割り込んでいる金融株と比較すると”大丈夫”と感じられるチャートですね。
【ご参考】
セブン&アイ(3382)
イトーヨーカ堂の店舗削減を発表したセブン&アイはどうなったでしょう。
直近高値6619円、安値5783円、その差836円、ポイント差は12.6です。
3月16日に自律反発していますがだらだらと落ち続けている感があります。
いずれ戻すでしょうが、急激な回復は期待薄かもしれませんね。
美容・化粧品株の動向
コーセー(4922)と資生堂(4911)
ここからは脱マスク関連の「美容・化粧品関連株」と「居酒屋・カラオケ関連株」についてお話しますが、取り上げた銘柄全てを挙げるとだらだらしてしまうのでポイントを押さえてお話します。
まずは化粧品関連株のコーセーと資生堂から。
僕は資生堂よりコーセーを推していました。
一方資生堂のチャートがこちらです。
2社の比較は下落のポイントの差ではなく、チャートの形で見ることにします。
比較すると明らかにコーセーの方が元気のいい形に見えませんか?
それと本日、3月16日の日足の動きです。
3月16日、日経プライムは値上がり銘柄数218、値下がり銘柄数1582で全体として大きく落ち込みました。
その中でコーセーは値上がりしてるんですよ。前日比90円(0.61%)のプラスで引けています。
「美容・化粧品株」7銘柄のうち、この日上昇したのはコーセーだけでした。
【ご参考】
居酒屋・カラオケ関連株の動向
コシダカホールディングス(2157)
「居酒屋・カラオケ関連株」5銘柄ではコシダカホールディングスとコロワイドがいい言いました。
この2銘柄はどうだったでしょう。
まずはコシダカホールディングス。直近高値978円、安値904円、その差74円。ポイント差は7.56です。
下落はしていますがチャートは長い下髭を付けた陽線で25日線の上に位置しています。
この暴落局面で出来高は増えておらず、失望売りも出ていないようです。
明日の相場環境が悪くなければ上を目指しそうな形です。
コロワイド(7616)
コロワイドは今回の相場の暴落を全く感じさせないチャートの形になっています。
足元の調整後、25日が支持線になって再び上昇するように見えます。
鳥貴族ホールディングス(3193・プライム)
記事執筆後のトピックスがあったのが鳥貴族ホールディングスです。
3月14日の記事で紹介しましたが、3月13日の大引け後、値上げを発表しました。
鳥貴族ホールディングスの株価は3月15日に急騰しました。
3月16日のニュース記事です。
16日の相場全体の地合いが悪い中でも留まっています。
どなたか14日にここの株を購入した方がいますか?
購入できた方、おめでとうございます。
<注目銘柄>=鳥貴族HD、値上げによる採算改善を期待
鳥貴族ホールディングス<3193>は13日、「焼鳥屋 鳥貴族」での全品均一価格を5月1日から税込み360円に10円引き上げると発表した。人件費や原材料費などのコスト上昇が主な理由で、値上げによる採算改善が期待される。
なお、10日に発表した23年7月期第2四半期累計(22年8月~23年1月)の連結決算は、営業損益が3億6300万円の黒字(前年同期は18億5600万円の赤字)に浮上した。コロナ禍からの経済再開に伴って事業環境が徐々に回復していることが黒字につながっており、2月度の既存店売上高は19年同月比で1.3%増と息を吹き返している。
株価は冴えない展開が続いていたものの、15日には2120円台に位置する75日移動平均線を捉えた。中期トレンドを明確に上抜けば、12月8日につけた昨年来高値2555円奪回に弾みがつきそうだ。
kabutan
【ご参考】
ヤーマン(6630)
美容・化粧品関連で今、僕が注目しているのがヤーマンです。
女性の方だったら知ってますよね。
美容機器メーカー。「ヤーマンブランド」を中心に美容家電(美顔器・美容機器、ヘアエステ機器、ボディケア機器)、化粧品、ネイルケア・ヘアケア、健康家電の研究開発・製造・仕入販売。
以前の「美容・化粧品関連株」で紹介した銘柄には入れてないんですが、面白い形のチャートになりました。
3月16日の終値が968円、前日15日はストップ安です。
これはアメリカ発のシリコンバレーバンクとは全く関係のない下落です。
理由はこれです。
ヤーマン—ストップ安売り気配、業績下方修正がネガティブサプライズに
ヤーマン<6630>はストップ安売り気配。前日に第3四半期の決算を発表、累計営業利益は57.1億円で前年同期比4.9%減となり、上半期の同36.7%増から一転して減益となる。つれて、通期予想は従来の100億円から62億円、前期比9.9%減に下方修正。中国国内販売の拡大がペースダウンし、売上高が下振れるもよう。想定外の業績大幅失速がネガティブサプライズにつながる。年間配当金は記念配実施で従来計画の8.5円から13円に増配も支援材料にならず。
kabutan
この株は決算発表の度にサプライズを起して株価が大きく上下するという印象があります。
月足チャートで見てみましょう。
これからまだ下がるのか、持ち直すのか。判りませんが月足で見ると大きく上下動を繰り返しているのが判ると思います。
僕はこの株は上がると思いますけどね。
日本株の行方は
トヨタ自動車(7203)の株価動向に注目
今回の話をまとめます。
僕は今回の暴落からの日本株の復興はトヨタ自動車の株価動向で占うことができると考えています。
現在チャートはこのような形をしています。
3月16日に年初来安値を付けました。
この株に上を目指す兆しが見えたら日本株は大丈夫だと考えています。
自動車は鉄鋼・半導体・電子部品・産業用機械など多くの企業が関わる日本の基幹となる業態だからです。
特にトヨタは世界の企業です。グローバルな社会での競争を行っています。
ドル円相場にも影響を受けておらず、相場環境より競争環境が株価を左右する銘柄です。
注目しています。
マツダ(7261)はどうか
もう一つ自動車株を見てみます。マツダです。
トヨタとは全く異なる絶好調のチャート形状をしていました。
今回のショックで随分落ち込みましたが、この株は円ドル為替レートと相関関係が高いので、急激に円高になったことも下落の理由として考えられます。
マツダはグローバル生産しているトヨタと違って日本からの輸出が多いので円高になると収益が悪化します
マツダの場合、実力以上に上昇した株価だったと僕は思っています。だから元に戻るには時間がかかるかなという気がするんですが、あなたはどう思いますか?
僕はマツダ車が大好きなんですが・・・
僕のマツダ愛が粉砕された瞬間!
キャッチアップ画像はトヨタ自動車公式サイトからお借りしました。
今回はここまで。また見てね👋
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