日経新聞 2022年1月26日に以下の記事がありました。
医学教育史上、初めてであろう。医師養成課程をもつ大学の医学部入学試験の合格率が、2021年度は女性が男性を逆転した。全国の国公私立81大学の入試結果を集計した文部科学省によると、受験者総数に占める合格者総数の割合は男13.51%、女13.60%だった。女性のほうが合格率が低い大学の割合は、前年度の67%から44%に急落した。
この記事では、大学の医学部が長年女性の小論文成績を減点するなどして合格者数を抑えていたが、2021年初めてフェアな入試が実現できた、その結果初めて女性の合格率が男性を上回ったと書かれています。
女子生徒の学力が男子生徒を上回るのは事実です。一般的に女性の方がまじめにコツコツと勉強するため、都立高校では男女比を同率にするため、あえて男女別の入試を行っています。(都立高校入試の件についてはこの記事に記載しているので以下の記事もご参照願います。)
医科大学入試でも同様のことが考えられるため、受験者の学力は女性の方が高いと想像できます。しかし、入試結果を操作した結果、本来学力で男性を上回る女性が不合格になっていたであろう、ということをフェアではなかったと論じています。
でも、この問題、医師としての適性を議論せず、入試がフェアかどうかだけで判断すべきでしょうか。
医師でタレントの西川史子さんは2018年に出演したワイドショーで東京医科大医学部医学科の一般入学試験で女子受験生の得点を一律減点していたとされる問題で、このようにコメントしました。当時物議を醸したコメントですが、僕は西川さんのおっしゃる通りだと思います。
「当たり前です、これは。(成績の)上から取っていったら、女性ばっかりになっちゃうんです。女の子のほうが優秀なんで」「(女性医師の割合が増えたら)世の中、眼科医と皮膚科医だらけになっちゃう」「重たい人の股関節脱臼を背負えるかって言ったら、女性は無理なんです」「(女性の)外科医は少ないです。外科になってくれる男手が必要なんです。おなかが大きくては手術はできないんです。だからやっぱり、女性と男性の比率はちゃんと考えてないといけないんです。男性ができることと、女性ができることって違う」
医師となって、いきなり個人で開業する医師はいないでしょう。まずは病院に勤務し、経験とスキルを積むのが普通です。
人の命を扱う医師、特に外科医や産科医においては、長時間の手術は夜勤など体力勝負の場面が他の医師より多いでしょう。その場合やはり女性より体格・筋力が勝る男性医師の方が歓迎されます。
また、女性の場合は出産や育児による長期にわたる休暇の問題もあります。医師を雇う側の病院にとってはこの点も女性医師を敬遠する理由になります。
もちろん女性ならではのきめ細かさや患者に寄り添う応対がいいという考え方はありますが、医療機関には看護士がいるので医師でなくてもその辺の対応はできます。女性医師が増加することは、病院にとってあまり歓迎されないのではないでしょうか。
医学部を目指す学生の殆どは医師を目指しています。そのカリキュラムは当然医師になるための専門的なものです。この点が他の学部とは全く違います。医学部は医師を目指すための専門学部ですから、入試時点で医師に求められるものを試験科目として出題すべきでしょう。僕の勝手な想像ですが、
肉体を躊躇なく切り刻むことを躊躇なくできるか
死体の匂いに耐えられるか
重たい人間の体を長時間支えながら治療できるか
など、試験問題にできればいいのですが、そのような試験があるとは聞いたことがありません。
しかし、学力試験だけでなく、
将来医師になるための「適性試験」としての入試科目は必要だと考えます。
その結果、もしも男性の合格率が高くなったとしても、そのほうが医師として適性のある人材を発掘する入試になるのではないかと考えますが、皆さんいかがでしょうか。
こっちも見てね!