トレンドワードを深堀り #6
高エネルギー宇宙線アマテラスを発見
こんなニュースが出ていました。
面白そうなので調べてみたのであなたにシェアします。
大阪公立大や東京大などのチームは、宇宙からごくまれに飛来する高エネルギーの粒子(宇宙線)の起源を探る国際プロジェクト「テレスコープアレイ」で、2008年の観測開始以来最大となる2.4垓電子ボルト(垓は京の1万倍)と極めて高いエネルギーを持つ宇宙線を観測したと米科学誌サイエンスに23日発表した。
観測は21年5月。発見したのが日本人であることや明け方に観測されたことから、チームはこの宇宙線を「アマテラス粒子」と命名した。
この宇宙線の飛来方向には宇宙線の発生源となる有力な天体が存在しておらず、未知の天体現象が関わっている可能性があるという。
高エネルギー宇宙線「アマテラス粒子」は、大阪公立大学や東京大学などのチームが観測した宇宙線です。この宇宙線は、2008年から観測を続けている国際プロジェクト「テレスコープアレイ」で観測されたもので、2023年11月23日に米科学誌サイエンスに発表されました。
この宇宙線は、過去最大規模のエネルギーを持つ宇宙線で、エネルギーは2.4垓電子ボルト(垓は京の1万倍)です。発見したのが日本人であることや、明け方に観測されたことから、日本の神話で太陽神的性格を持つ天照大神(あまてらすおおみかみ)にちなんで「アマテラス粒子」と名付けられました。
この宇宙線の発生源としては、巨大な銀河の中心にある「超巨大ブラックホール」などが考えられますが、飛来したヘルクレス座の方向に見つかっていないため、未知の天体現象が関わっている可能性があります。藤井准教授は「(銀河などの形成に関わる)暗黒物質や未知の素粒子が発生源となった可能性がある」と話しています。
テレスコープアレイとは
テレスコープアレイ(Telescope Array)とは、超高エネルギー宇宙線を高精度で検出するための実験計画です。日米共同で米国ユタ州に建設され、北半球最大の宇宙線観測実験となっています。
テレスコープアレイ実験では、次のような技術が使用されています。
- ソーラーパネルによる発電
- 無線LANによるデータ収集
- GPSによる時間や位置の精密計測
- 大気蛍光望遠鏡による撮像
テレスコープアレイ実験は、2004年に建設が開始され、2008年に本格的に稼働しました。
発見者は大阪公立大学の藤井俊博准教授
アマテラス粒子を発見したのは、大阪公立大学の藤井俊博准教授です。藤井准教授は「最初は間違いではないかと思った」と述べています。
藤井俊博 FUJII Toshihiro
大阪市立大学大学院理学研究科後期博士課程修了、博士(理学)取得。宇宙物理学者。白眉研究者。学位取得後、シカゴ大学カブリ宇宙物理学研究所、東京大学宇宙線研究所を経て現職。専門は極高エネルギー宇宙線観測。
発見者藤井俊博准教授の経歴は
アマテラス粒子を発見した大阪公立大学の藤井俊博准教授は、大阪市立大学大学院理学研究科で博士(理学)を取得しています。また、シカゴ大学カブリ宇宙物理学研究所や東京大学宇宙線研究所でも研究に携わりました。
YouTubeへの出演でわかりやすい宇宙線の解説をするなど科学知識の普及も積極的に行っています。
わずか1グラムで地球を破壊
「宇宙線」は宇宙から降り注ぐ陽子などの小さな粒子で、発生源となった天体でどんな現象が起きたのかを知る手がかりとなります。
今回捉えた宇宙線「アマテラス粒子」の「244エクサ電子ボルト」というエネルギーは、粒子1つで40ワットの電球をおよそ1秒間点灯できる大きさで、計算上はわずか1グラムで地球が破壊されるほど巨大なものだということです。
大阪公立大学などの国際研究グループはこうした他の施設の観測結果を組み合わせて解析することで、今回捉えた宇宙線の発生源の解明を進めたいとしています。
今後の展開は
超巨大ブラックホールとアマテラスの関係
超巨大ブラックホールは、高エネルギー宇宙線「アマテラス粒子」の発生源の候補のひとつです。
アマテラス粒子は、2021年5月27日に検出された宇宙線で、エネルギーは244エクサ電子ボルト(1エクサは100京)でした。発生源としては、超巨大ブラックホールや超新星爆発などが考えられます。
超巨大ブラックホールは、100億〜400億太陽質量の間にあるブラックホールを指します。現在知られている最大のブラックホールはTON 618で、質量は太陽の40億倍、100億7000万光年の距離にあります。地球から最も近い超大質量のブラックホールは、いて座 A* (Sgr A*) で、天の川銀河の中心にあります。
未知の天体現象の解明に光
この宇宙線の飛来方向には、宇宙線の発生源となる天体が存在せず、未知の天体現象が関わっている可能性があります。この宇宙線が宇宙の謎を解く鍵となる可能性があります。
未知の天体現象として有名なのがガンマ線バーストです。
これは宇宙空間に数秒から数十秒の間に膨大なエネルギーがガンマ線として放出される現象です。天文学の分野で知られている中で最も光度の高い物理現象です。
ガンマ線バーストは、1960年代の冷戦時代に米国の核実験査察衛星によって発見されました。発見から40年ほどはどのような天体が発生源か全くわかりませんでしたが、近年の研究によって宇宙最大の爆発現象であり、大きく2種類の天体現象を起源としていることが明らかになっています。
ガンマ線バーストは、ブラックホールの誕生に伴う爆発現象と考えられている、「ロング(長い)バースト」と「ショート(短い)バースト」の2種類に分類されます。ロングバーストは2秒以上続くガンマ線バーストで、最近の研究により極超新星(ひじょうに規模の大きい超新星)であることがわかってきました。
ガンマ線バーストは地球から100億光年離れた場所で起きています。つまり、私たちは100億年前の星の爆発を今見ているのです。
今回はここまで。
それじゃ、またね👋
ヴェゼル関係、アニメ関係中心に不定期月間10記事以上を目標に頑張ってます。是非ともブックマーク登録して定期的に遊びに来てね!
【アニメ関連はこっちから】
こっちも見てね!